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第六話 祝福停止? なら契約で取り返します
王宮の北棟、最も日当たりが悪く、そして最も冷ややかな空気が漂う場所。 そこが『王宮契約監査局』の本部です。
普段なら、貴族の令嬢が足を踏み入れるような場所ではありません。 埃っぽい書類の匂いと、神経質そうな官僚たちの足音だけが支配する、色気のない空間ですから。
けれど今の私には、ここが希望の輝く黄金宮に見えました。
「すみません! 通してください! 緊急事態なのです!」
「こ、困ります令嬢! ここは機密区画で……!」
入り口で衛兵たちが槍を交差させて立ちはだかりますが、私はドレスの裾を捲り上げんばかりの勢いで詰め寄りました。
「機密だ何だと言っている場合ではありません! 今まさに、数千人の領民が干からびそうになっているのです! ヴァレリウス様にお取次ぎを! 『肉の恨みは怖いですよ』とお伝えください!」
「に、肉……?」
衛兵たちが困惑して顔を見合わせていると、奥からギィと重い扉が開く音がしました。
「……廊下で騒ぐな。思考のノイズになる」
現れたのは、書類の山を抱えたヴァレリウス様でした。 今日も今日とて、氷のように冷たい美貌と、完璧な制服姿。 けれど、その眉間には少しだけ疲労の色が見えます。
「ヴァレリウス様!」
私が名前を呼ぶと、彼はぴくりと反応し、抱えていた書類をずり落としそうになりました。 珍しく動揺しています。
「……ルシエル嬢か。なぜここに? 次回の『作戦会議(バーベキュー)』までは日があるはずだが」
「そんな悠長なことは言っていられませんわ。神殿が、実力行使に出ました」
私は懐から、父が受け取った『祝福停止』の通達書を取り出し、彼に突きつけました。
「ご覧ください。神殿は『誓印の返還』を要求し、それに応じない我が家への制裁として、領地への祝福供給を止めました。これは、人質ならぬ『領民質』ですわ!」
ヴァレリウス様は、私の手から書類を受け取ると、その場で素早く目を通しました。 読むにつれて、ただでさえ低い室温がさらに下がるのを感じます。
「……無期限停止、か。神殿法を拡大解釈した、あからさまな報復措置だ」
「はい。父は『備蓄がある』と言っていましたが、水脈の浄化が止まれば疫病が発生します。一刻の猶予もありません」
私は彼の瞳を真っ直ぐに見つめました。
「ヴァレリウス様。神殿は『祝福は神の恵みだから、与えるも止めるも神殿の勝手』だと言っています。……でも、本当にそうですの?」
「……どういう意味だ?」
「この国が建国された時、王家と神殿の間で何らかの取り決めがあったはずです。タダで土地や権限を与えるほど、王家はお人好しではないはず。……契約書があるはずですわ」
私の言葉に、ヴァレリウス様の瞳が鋭く光りました。
「……君は、神殿の『聖域』に、契約法で切り込むつもりか?」
「ええ、もちろん! 泣いて『神様お願いします』と祈っても水は出ませんが、契約違反を指摘して蛇口を捻れば水は出ますもの!」
一瞬の沈黙の後。 ヴァレリウス様は、堪えきれないといった様子で、口元を手で覆いました。 肩が震えています。
「……ふ、くくっ」
「ヴァレリウス様?」
「いや……すまない。君の発想は、いつも私の想定の斜め上を行く。祈るより蛇口を捻る、か。……実に合理的で、君らしい」
彼は書類を部下に預けると、私に向かって手招きをしました。
「ついて来い。……王宮の地下書庫に、建国期の古文書が眠っているはずだ」
案内されたのは、カビと古紙の匂いが充満する、巨大な地下書庫でした。 何百年分の埃が積もった棚が、迷路のように続いています。
「ここにある資料から、該当する契約条項を探し出す。……手伝ってくれるな?」
「望むところですわ!」
私たちは袖をまくり上げ、埃まみれになりながら資料を漁り始めました。 『王家覚書・第三巻』『神殿都市基本合意書』……。 難解な古語で書かれた羊皮紙を、一枚一枚解読していきます。
作業を始めて一時間ほど経った頃でしょうか。 脚立に乗って高い棚を調べていた私が、バランスを崩してグラリと揺れました。
「きゃっ!?」
「危ない!」
落下するかと思った瞬間、強い力で支えられました。 目を開けると、ヴァレリウス様が私を抱きとめてくれていました。 いわゆる『お姫様抱っこ』の状態です。
「……怪我はないか?」
すぐ耳元で聞こえる、彼の少し焦ったような声。 見上げると、彼の整った顔がすぐそこにあります。 蒼穹の瞳が、心配そうに私を映していました。
「は、はい……ありがとうございます。ヴァレリウス様って、意外と力持ちなんですのね」
「……これでも騎士団の訓練課程は修了している。頭脳労働だけではない」
彼はそう言いながらも、私を下ろそうとしません。 私も、彼の腕の中から離れるのが少し名残惜しくて、そのままでいてしまいました。 静かな書庫に、二人の鼓動だけが響きます。 なんだか、顔が熱い。 これが『ときめき』というやつでしょうか?
「……ごほん」
数秒後、ヴァレリウス様が我に返ったように咳払いをし、私をそっと下ろしました。 そして、慌てて背を向け、近くの棚の書類を手に取ります。
「こ、これだ! 見つけたぞ!」
明らかに話を逸らしましたね、法務官様。 耳まで真っ赤ですわよ。
けれど、彼が見つけた書類は、そんな甘い空気を吹き飛ばすほどの決定的な証拠でした。
「『ルミナリア建国協定書・付帯条項』……ここだ」
彼が指差した古い羊皮紙には、こう記されていました。
『王家は神殿に対し、国内の土地および免税特権を付与する。その対価として、神殿は永続的かつ安定的な祝福の供給を義務とし、正当な理由なき停止を禁ずる』
「……ありましたわ! やっぱり、これは賃貸借契約の対価だったのです!」
私は思わず手を叩きました。
「つまり、神殿が一方的に祝福を止めるなら、王家は土地を没収し、過去の免税分を追徴課税できるということになります!」
「ああ。法的根拠は揃った。これで神殿の『聖域』を崩せる」
ヴァレリウス様は眼鏡を光らせ、不敵な笑みを浮かべました。 頼もしい。 この人が味方で、本当によかった。
さらに、調査を進めていた彼は、もう一つ重要な発見をしました。 神殿から届いた『祝福停止命令書』と、例の『改竄された誓印』の魔法痕跡を照合していた時のことです。
「……ビンゴだ」
「何かわかりましたの?」
「この停止命令書にサインした人物の魔力波形。……誓印を改竄した術式に残っていた痕跡と、完全に一致する」
「えっ!?」
ヴァレリウス様は、命令書の署名欄を指差しました。 そこには、神殿の高位司祭を示す独特のサインがありました。
『中央神殿・筆頭司祭 バルタザール』
「バルタザール……。次期神殿長と目される、保守派の重鎮だ」
「その方が、なぜ私の婚約破棄に?」
「単なる婚約破棄ではないと言っただろう。……やはり、狙いはレイヴンハート家の『祝福』そのものだ。彼らは、君を追い詰め、家を没落させ、その混乱に乗じて何かを奪おうとしている」
謎が一つ解け、同時に闇が深まりました。 けれど、不思議と恐怖はありませんでした。 隣に、最強の法務官がいるからでしょうか。
ヴァレリウス様は書類をまとめると、私に向き直りました。
「ルシエル嬢。私はこれから、この証拠を持って国王陛下に奏上し、神殿への強制監査権限を取り付ける」
「お願いします。……あの、ヴァレリウス様」
「なんだ?」
「どうして、ここまでしてくださるのですか? 王族でもない、ただの公爵令嬢のために」
彼は少し驚いた顔をして、それからふいと視線を逸らしました。
「……勘違いするな。私は契約裁定官として、法の秩序を守るために動いているだけだ。民が不当な契約違反で苦しむのを、見過ごすわけにはいかない」
「ふふ、そうですか。民のため、ですか」
「そうだ。……それに」
彼はボソリと付け加えました。
「君が泣くところは……見たくない」
「え?」
「い、いや! 君が泣くと、慰謝料の算定が面倒になるからな! それだけだ!」
彼は早口で言い訳をすると、逃げるように書庫の出口へと歩き出しました。 その背中が、なんだかとても愛おしく見えました。
(もう……素直じゃありませんわね)
私はクスリと笑い、彼の後を追いかけました。
「待ちなさい、ヴァレリウス様! 私も行きますわ! 監査の手伝い、まだ終わっていませんもの!」
「なっ、君も来る気か? 王宮の中枢だぞ?」
「あら、臨時職員として雇ってくださるのではなくて? 『契約書解読係』として!」
こうして私は、なし崩し的に王宮に入り込むことになりました。 神殿との全面戦争。 そして、氷の法務官との、ちょっと甘い共同生活(職場)。
反撃の準備は整いました。 待っていなさい、神殿。そして元婚約者たち。 『契約』の恐ろしさを、たっぷりと教えて差し上げますわ!
普段なら、貴族の令嬢が足を踏み入れるような場所ではありません。 埃っぽい書類の匂いと、神経質そうな官僚たちの足音だけが支配する、色気のない空間ですから。
けれど今の私には、ここが希望の輝く黄金宮に見えました。
「すみません! 通してください! 緊急事態なのです!」
「こ、困ります令嬢! ここは機密区画で……!」
入り口で衛兵たちが槍を交差させて立ちはだかりますが、私はドレスの裾を捲り上げんばかりの勢いで詰め寄りました。
「機密だ何だと言っている場合ではありません! 今まさに、数千人の領民が干からびそうになっているのです! ヴァレリウス様にお取次ぎを! 『肉の恨みは怖いですよ』とお伝えください!」
「に、肉……?」
衛兵たちが困惑して顔を見合わせていると、奥からギィと重い扉が開く音がしました。
「……廊下で騒ぐな。思考のノイズになる」
現れたのは、書類の山を抱えたヴァレリウス様でした。 今日も今日とて、氷のように冷たい美貌と、完璧な制服姿。 けれど、その眉間には少しだけ疲労の色が見えます。
「ヴァレリウス様!」
私が名前を呼ぶと、彼はぴくりと反応し、抱えていた書類をずり落としそうになりました。 珍しく動揺しています。
「……ルシエル嬢か。なぜここに? 次回の『作戦会議(バーベキュー)』までは日があるはずだが」
「そんな悠長なことは言っていられませんわ。神殿が、実力行使に出ました」
私は懐から、父が受け取った『祝福停止』の通達書を取り出し、彼に突きつけました。
「ご覧ください。神殿は『誓印の返還』を要求し、それに応じない我が家への制裁として、領地への祝福供給を止めました。これは、人質ならぬ『領民質』ですわ!」
ヴァレリウス様は、私の手から書類を受け取ると、その場で素早く目を通しました。 読むにつれて、ただでさえ低い室温がさらに下がるのを感じます。
「……無期限停止、か。神殿法を拡大解釈した、あからさまな報復措置だ」
「はい。父は『備蓄がある』と言っていましたが、水脈の浄化が止まれば疫病が発生します。一刻の猶予もありません」
私は彼の瞳を真っ直ぐに見つめました。
「ヴァレリウス様。神殿は『祝福は神の恵みだから、与えるも止めるも神殿の勝手』だと言っています。……でも、本当にそうですの?」
「……どういう意味だ?」
「この国が建国された時、王家と神殿の間で何らかの取り決めがあったはずです。タダで土地や権限を与えるほど、王家はお人好しではないはず。……契約書があるはずですわ」
私の言葉に、ヴァレリウス様の瞳が鋭く光りました。
「……君は、神殿の『聖域』に、契約法で切り込むつもりか?」
「ええ、もちろん! 泣いて『神様お願いします』と祈っても水は出ませんが、契約違反を指摘して蛇口を捻れば水は出ますもの!」
一瞬の沈黙の後。 ヴァレリウス様は、堪えきれないといった様子で、口元を手で覆いました。 肩が震えています。
「……ふ、くくっ」
「ヴァレリウス様?」
「いや……すまない。君の発想は、いつも私の想定の斜め上を行く。祈るより蛇口を捻る、か。……実に合理的で、君らしい」
彼は書類を部下に預けると、私に向かって手招きをしました。
「ついて来い。……王宮の地下書庫に、建国期の古文書が眠っているはずだ」
案内されたのは、カビと古紙の匂いが充満する、巨大な地下書庫でした。 何百年分の埃が積もった棚が、迷路のように続いています。
「ここにある資料から、該当する契約条項を探し出す。……手伝ってくれるな?」
「望むところですわ!」
私たちは袖をまくり上げ、埃まみれになりながら資料を漁り始めました。 『王家覚書・第三巻』『神殿都市基本合意書』……。 難解な古語で書かれた羊皮紙を、一枚一枚解読していきます。
作業を始めて一時間ほど経った頃でしょうか。 脚立に乗って高い棚を調べていた私が、バランスを崩してグラリと揺れました。
「きゃっ!?」
「危ない!」
落下するかと思った瞬間、強い力で支えられました。 目を開けると、ヴァレリウス様が私を抱きとめてくれていました。 いわゆる『お姫様抱っこ』の状態です。
「……怪我はないか?」
すぐ耳元で聞こえる、彼の少し焦ったような声。 見上げると、彼の整った顔がすぐそこにあります。 蒼穹の瞳が、心配そうに私を映していました。
「は、はい……ありがとうございます。ヴァレリウス様って、意外と力持ちなんですのね」
「……これでも騎士団の訓練課程は修了している。頭脳労働だけではない」
彼はそう言いながらも、私を下ろそうとしません。 私も、彼の腕の中から離れるのが少し名残惜しくて、そのままでいてしまいました。 静かな書庫に、二人の鼓動だけが響きます。 なんだか、顔が熱い。 これが『ときめき』というやつでしょうか?
「……ごほん」
数秒後、ヴァレリウス様が我に返ったように咳払いをし、私をそっと下ろしました。 そして、慌てて背を向け、近くの棚の書類を手に取ります。
「こ、これだ! 見つけたぞ!」
明らかに話を逸らしましたね、法務官様。 耳まで真っ赤ですわよ。
けれど、彼が見つけた書類は、そんな甘い空気を吹き飛ばすほどの決定的な証拠でした。
「『ルミナリア建国協定書・付帯条項』……ここだ」
彼が指差した古い羊皮紙には、こう記されていました。
『王家は神殿に対し、国内の土地および免税特権を付与する。その対価として、神殿は永続的かつ安定的な祝福の供給を義務とし、正当な理由なき停止を禁ずる』
「……ありましたわ! やっぱり、これは賃貸借契約の対価だったのです!」
私は思わず手を叩きました。
「つまり、神殿が一方的に祝福を止めるなら、王家は土地を没収し、過去の免税分を追徴課税できるということになります!」
「ああ。法的根拠は揃った。これで神殿の『聖域』を崩せる」
ヴァレリウス様は眼鏡を光らせ、不敵な笑みを浮かべました。 頼もしい。 この人が味方で、本当によかった。
さらに、調査を進めていた彼は、もう一つ重要な発見をしました。 神殿から届いた『祝福停止命令書』と、例の『改竄された誓印』の魔法痕跡を照合していた時のことです。
「……ビンゴだ」
「何かわかりましたの?」
「この停止命令書にサインした人物の魔力波形。……誓印を改竄した術式に残っていた痕跡と、完全に一致する」
「えっ!?」
ヴァレリウス様は、命令書の署名欄を指差しました。 そこには、神殿の高位司祭を示す独特のサインがありました。
『中央神殿・筆頭司祭 バルタザール』
「バルタザール……。次期神殿長と目される、保守派の重鎮だ」
「その方が、なぜ私の婚約破棄に?」
「単なる婚約破棄ではないと言っただろう。……やはり、狙いはレイヴンハート家の『祝福』そのものだ。彼らは、君を追い詰め、家を没落させ、その混乱に乗じて何かを奪おうとしている」
謎が一つ解け、同時に闇が深まりました。 けれど、不思議と恐怖はありませんでした。 隣に、最強の法務官がいるからでしょうか。
ヴァレリウス様は書類をまとめると、私に向き直りました。
「ルシエル嬢。私はこれから、この証拠を持って国王陛下に奏上し、神殿への強制監査権限を取り付ける」
「お願いします。……あの、ヴァレリウス様」
「なんだ?」
「どうして、ここまでしてくださるのですか? 王族でもない、ただの公爵令嬢のために」
彼は少し驚いた顔をして、それからふいと視線を逸らしました。
「……勘違いするな。私は契約裁定官として、法の秩序を守るために動いているだけだ。民が不当な契約違反で苦しむのを、見過ごすわけにはいかない」
「ふふ、そうですか。民のため、ですか」
「そうだ。……それに」
彼はボソリと付け加えました。
「君が泣くところは……見たくない」
「え?」
「い、いや! 君が泣くと、慰謝料の算定が面倒になるからな! それだけだ!」
彼は早口で言い訳をすると、逃げるように書庫の出口へと歩き出しました。 その背中が、なんだかとても愛おしく見えました。
(もう……素直じゃありませんわね)
私はクスリと笑い、彼の後を追いかけました。
「待ちなさい、ヴァレリウス様! 私も行きますわ! 監査の手伝い、まだ終わっていませんもの!」
「なっ、君も来る気か? 王宮の中枢だぞ?」
「あら、臨時職員として雇ってくださるのではなくて? 『契約書解読係』として!」
こうして私は、なし崩し的に王宮に入り込むことになりました。 神殿との全面戦争。 そして、氷の法務官との、ちょっと甘い共同生活(職場)。
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