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第二十六話 国体契約を救うには、恋愛契約が必要です
「国体保全のための『代替契約』執行準備、完了。……対象、ルミナリア王国土台概念。接続媒体、王太子の誓印。……そして、充填エネルギーは」
混沌の嵐が吹き荒れる中、ヴァレリウス様の冷静かつ熱っぽい声が響きました。 私たちは三人――私とヴァレリウス様、そして涙目のレオンハルト殿下――で円を作り、互いの手を重ね合わせています。 その中心にある三つの指輪が、共鳴して激しい光を放っていました。
「充填エネルギーは……『真正なる愛と信頼』だ」
ヴァレリウス様が宣言した瞬間、カッと目も眩むような閃光が走り、私たちの体を貫きました。
「きゃぁっ!?」 「うわぁぁ熱い! 熱いよぉ!」
殿下が情けなく叫びますが、これは物理的な熱ではありません。 心臓の奥底から湧き上がる、もっと根源的な熱量です。
「耐えろ、殿下! 今、君の空っぽになった『王の器』に、私とルシエルの感情エネルギーを流し込んでいる! 君はただのパイプだ、余計な自我を持つな!」
「パイプ扱いひどい! でも助かるなら何でもいい!」
「ルシエル、同調(シンクロ)率を上げるぞ! ……恥ずかしがっている場合じゃない!」
ヴァレリウス様が、私の目を覗き込みました。 至近距離にあるその蒼穹の瞳は、世界の崩壊を止めるという使命感と、私個人への強烈な想いで揺らめいています。
「は、恥ずかしくなんてありませんわ! ……ただ、衆人環視の中で愛の告白に近い魔力放出をするのが、こんなに羞恥プレイだとは思わなかっただけです!」
そうです。 この契約の仕組みは、言ってみれば『私たちのラブラブ度』を『国の接着剤』に変換すること。 つまり、私たちが強く想い合えば合うほど、国の土台は強固になるのです。
「くっ……! 混沌の圧力が強い。……もっとだ、ルシエル。もっと強い感情をくれ!」
ヴァレリウス様が苦悶の声を上げました。 足元の『虚無』が、まだ諦めきれずに私たちの足首を掴もうとしています。 生半可な想いでは、この国の崩壊は止められない。
私は覚悟を決めました。 もう、なりふり構っていられません。
「分かりましたわ! ……ヴァレリウス様! 大好きです!」
私は大声で叫びました。
「えっ」
殿下がギョッとして私を見ましたが無視です。
「あなたの、仕事には厳しいけれど身内には甘いところが好きです! 徹夜明けにこっそり甘いものを食べているところも、私のことを心配してストーカー紛いの護衛をしてくれるところも、全部大好きですわ!」
「ル、ルシエル……!?」
ヴァレリウス様の顔が、魔力光よりも赤く染まりました。
「き、君という人は……こんな極限状態で、なんと破壊力の高い言葉を……!」
「あなたこそ! さっさと愛を叫んでください! 一方通行だとエネルギー循環効率が悪いですわよ!」
「っ……! 分かった、言えばいいんだろう!」
ヴァレリウス様は、まるで死刑台に向かうような悲壮な決意で、しかし力強く叫びました。
「私もだ! ルシエル・フォン・レイヴンハート! 君の……その規格外の行動力と、どんな逆境でも笑い飛ばす強さに、私の論理回路は焼き切れた!」
彼は私の手を、骨が軋むほど強く握りしめました。
「君の笑顔を見るたびに、胸の痛み(狭心症ではない)を感じる! 君を守るためなら、法務官の地位も、命さえも惜しくない! ……これは『愛』以外の何物でもない!」
ドガァァァァァァン!!
二人の想いが言葉になった瞬間、指輪から放たれる光の量が桁違いに跳ね上がりました。 それはピンク色――いえ、もっと崇高な黄金色の輝きとなって、混沌の渦へと注がれました。
『グオォォォォ……! マ、眩シイ……! 甘酸ッパイ……!』
虚無の底から、枢機卿の残留思念のようなものが断末魔を上げました。 千年を生きた亡霊にとって、生まれたての恋人たちのエネルギーは劇薬だったようです。
「いけぇぇぇ! リア充爆発アタックですわぁぁぁ!」
「技名は却下だが……効果は絶大だ! 押し込むぞ!」
光の奔流が、ヒビ割れた大地を埋め、崩れかけた空間を修復していきます。 殿下の指輪を通じて、国の土台である『契約の要石』が、私たちの愛によって再構築されていくのを感じました。
「あ、あたたかい……」
パイプ役をさせられている殿下が、光の中でポカンと呟きました。
「これが……愛? 僕がリリアとの間に求めていたものとは、全然違う……。重くて、熱くて、でも安心する……」
「学習しましたか、殿下。それが本物ですわ」
私は光の中で、殿下に微笑みかけました。
「契約とは、お互いの人生を背負うこと。……上っ面の言葉や欲望で結べるほど、軽いものではありませんのよ」
「……うん。分かったよ、ルシエル。……君は、本当にすごいな」
殿下の目から、憑き物が落ちたように涙がこぼれました。 その涙が触媒となり、最後のピースが埋まりました。
カッ!!
世界が白一色に染まり、そして――。
静寂が訪れました。
◇
目を開けると、そこは元の広場でした。 不気味な赤紫の雲は消え去り、澄み渡った青空が広がっています。 黒い泥も、虚無の穴も、きれいさっぱり消滅していました。
「……終わった、のか?」
ヴァレリウス様が、荒い息を吐きながら膝をつきました。 私もその場にへたり込みました。 魔力も体力も、そして羞恥心も、すべて使い果たしました。
広場を埋め尽くしていた国民たちが、恐る恐る顔を上げます。 そして、無傷で残った私たちと、青空を見て、一斉に歓声を上げました。
「助かった……! 助かったぞ!」 「神殿の怪物が消えた!」 「万歳! ルシエル様万歳! 法務官様万歳!」
嵐のような拍手と喝采。 私はふらふらと立ち上がり、手を振って応えようとしましたが――。
「……あれ?」
左手が、動きません。 何かに引っ張られているような感覚。
見ると、私の左手は、ヴァレリウス様の右手とガッチリと繋がれていました。 手錠ではありません。 二人の指輪――私の誓印と、彼の魔力リングから伸びた光の鎖が、互いの手首を複雑に絡み合い、拘束していたのです。
「な、なんですのこれ!?」
「……契約の副作用だ」
ヴァレリウス様が、青ざめた顔で自分の手首を見つめました。
「国体保全レベルの大規模契約を、個人の感情エネルギーで強引に成立させた代償だ。……契約が安定するまで、術者同士の『物理的接触』が強制されている」
「ぶ、物理的接触って……つまり、離れられないってことですの!?」
「そうだ。……試しに離れてみよう」
彼が一歩、私から離れようとしました。 すると。
ズズズ……ッ。
地面が不気味に揺れ始め、空に再び黒い雲が発生しかけました。
「きゃぁっ! 戻って! 戻ってくださいヴァレリウス様!」
私が慌てて彼に抱きつくと、揺れはピタリと収まり、空も晴れ渡りました。
「……なるほど。検証完了だ」
ヴァレリウス様が、絶望と歓喜が入り混じったような複雑な顔で眼鏡を直しました。
「この契約の維持条件は……『二人が愛し合っている状態(物理的距離ゼロ)』を保つことだ」
「はぁぁぁ!?」
「つまり、私たちが離れれば、国が揺れる。……文字通り、私たちの仲が冷めれば、世界が滅びるということだ」
なんという設定でしょう。 国の命運が、一組のカップルのイチャイチャにかかっているなんて。
「そ、そんな……! じゃあ、これからずっと、このまま?」
「契約が安定し、正規の手順で殿下に王権を戻すまでの間……少なくとも数週間、あるいは数ヶ月は、この状態が続くだろう」
ヴァレリウス様は、諦めたように、そして愛おしそうに私の肩を抱きました。
「観念しろ、ルシエル。……君は今日から、私の『公式の恋人』であり、国の平和を守る『人柱』だ」
「そ、そんなぁ……!」
私が顔を赤くして狼狽えていると、ディーン様やミラの声が聞こえてきました。
「おーい! 大丈夫かー! ……って、なんだその熱い抱擁は!」 「お嬢様! 公衆の面前ですよ!」 「いやあ、国を救った英雄カップルだ! ヒューヒュー!」
群衆も、私たちが離れられない事情など知る由もなく、「キスしろ!」「結婚しろ!」と大盛り上がりです。
「……どうやら、逃げ場はないようだな」
「ううっ……。望むところですわ! こうなったら、国中が胸焼けするくらい見せつけてやります!」
私はヤケクソ半分、幸せ半分で、ヴァレリウス様の首に腕を回しました。 こうして、世界を救った代償として、私たちは『仮契約の恋人』から『国家公認のバカップル』へと、強制的にジョブチェンジすることになったのです。
混沌の嵐が吹き荒れる中、ヴァレリウス様の冷静かつ熱っぽい声が響きました。 私たちは三人――私とヴァレリウス様、そして涙目のレオンハルト殿下――で円を作り、互いの手を重ね合わせています。 その中心にある三つの指輪が、共鳴して激しい光を放っていました。
「充填エネルギーは……『真正なる愛と信頼』だ」
ヴァレリウス様が宣言した瞬間、カッと目も眩むような閃光が走り、私たちの体を貫きました。
「きゃぁっ!?」 「うわぁぁ熱い! 熱いよぉ!」
殿下が情けなく叫びますが、これは物理的な熱ではありません。 心臓の奥底から湧き上がる、もっと根源的な熱量です。
「耐えろ、殿下! 今、君の空っぽになった『王の器』に、私とルシエルの感情エネルギーを流し込んでいる! 君はただのパイプだ、余計な自我を持つな!」
「パイプ扱いひどい! でも助かるなら何でもいい!」
「ルシエル、同調(シンクロ)率を上げるぞ! ……恥ずかしがっている場合じゃない!」
ヴァレリウス様が、私の目を覗き込みました。 至近距離にあるその蒼穹の瞳は、世界の崩壊を止めるという使命感と、私個人への強烈な想いで揺らめいています。
「は、恥ずかしくなんてありませんわ! ……ただ、衆人環視の中で愛の告白に近い魔力放出をするのが、こんなに羞恥プレイだとは思わなかっただけです!」
そうです。 この契約の仕組みは、言ってみれば『私たちのラブラブ度』を『国の接着剤』に変換すること。 つまり、私たちが強く想い合えば合うほど、国の土台は強固になるのです。
「くっ……! 混沌の圧力が強い。……もっとだ、ルシエル。もっと強い感情をくれ!」
ヴァレリウス様が苦悶の声を上げました。 足元の『虚無』が、まだ諦めきれずに私たちの足首を掴もうとしています。 生半可な想いでは、この国の崩壊は止められない。
私は覚悟を決めました。 もう、なりふり構っていられません。
「分かりましたわ! ……ヴァレリウス様! 大好きです!」
私は大声で叫びました。
「えっ」
殿下がギョッとして私を見ましたが無視です。
「あなたの、仕事には厳しいけれど身内には甘いところが好きです! 徹夜明けにこっそり甘いものを食べているところも、私のことを心配してストーカー紛いの護衛をしてくれるところも、全部大好きですわ!」
「ル、ルシエル……!?」
ヴァレリウス様の顔が、魔力光よりも赤く染まりました。
「き、君という人は……こんな極限状態で、なんと破壊力の高い言葉を……!」
「あなたこそ! さっさと愛を叫んでください! 一方通行だとエネルギー循環効率が悪いですわよ!」
「っ……! 分かった、言えばいいんだろう!」
ヴァレリウス様は、まるで死刑台に向かうような悲壮な決意で、しかし力強く叫びました。
「私もだ! ルシエル・フォン・レイヴンハート! 君の……その規格外の行動力と、どんな逆境でも笑い飛ばす強さに、私の論理回路は焼き切れた!」
彼は私の手を、骨が軋むほど強く握りしめました。
「君の笑顔を見るたびに、胸の痛み(狭心症ではない)を感じる! 君を守るためなら、法務官の地位も、命さえも惜しくない! ……これは『愛』以外の何物でもない!」
ドガァァァァァァン!!
二人の想いが言葉になった瞬間、指輪から放たれる光の量が桁違いに跳ね上がりました。 それはピンク色――いえ、もっと崇高な黄金色の輝きとなって、混沌の渦へと注がれました。
『グオォォォォ……! マ、眩シイ……! 甘酸ッパイ……!』
虚無の底から、枢機卿の残留思念のようなものが断末魔を上げました。 千年を生きた亡霊にとって、生まれたての恋人たちのエネルギーは劇薬だったようです。
「いけぇぇぇ! リア充爆発アタックですわぁぁぁ!」
「技名は却下だが……効果は絶大だ! 押し込むぞ!」
光の奔流が、ヒビ割れた大地を埋め、崩れかけた空間を修復していきます。 殿下の指輪を通じて、国の土台である『契約の要石』が、私たちの愛によって再構築されていくのを感じました。
「あ、あたたかい……」
パイプ役をさせられている殿下が、光の中でポカンと呟きました。
「これが……愛? 僕がリリアとの間に求めていたものとは、全然違う……。重くて、熱くて、でも安心する……」
「学習しましたか、殿下。それが本物ですわ」
私は光の中で、殿下に微笑みかけました。
「契約とは、お互いの人生を背負うこと。……上っ面の言葉や欲望で結べるほど、軽いものではありませんのよ」
「……うん。分かったよ、ルシエル。……君は、本当にすごいな」
殿下の目から、憑き物が落ちたように涙がこぼれました。 その涙が触媒となり、最後のピースが埋まりました。
カッ!!
世界が白一色に染まり、そして――。
静寂が訪れました。
◇
目を開けると、そこは元の広場でした。 不気味な赤紫の雲は消え去り、澄み渡った青空が広がっています。 黒い泥も、虚無の穴も、きれいさっぱり消滅していました。
「……終わった、のか?」
ヴァレリウス様が、荒い息を吐きながら膝をつきました。 私もその場にへたり込みました。 魔力も体力も、そして羞恥心も、すべて使い果たしました。
広場を埋め尽くしていた国民たちが、恐る恐る顔を上げます。 そして、無傷で残った私たちと、青空を見て、一斉に歓声を上げました。
「助かった……! 助かったぞ!」 「神殿の怪物が消えた!」 「万歳! ルシエル様万歳! 法務官様万歳!」
嵐のような拍手と喝采。 私はふらふらと立ち上がり、手を振って応えようとしましたが――。
「……あれ?」
左手が、動きません。 何かに引っ張られているような感覚。
見ると、私の左手は、ヴァレリウス様の右手とガッチリと繋がれていました。 手錠ではありません。 二人の指輪――私の誓印と、彼の魔力リングから伸びた光の鎖が、互いの手首を複雑に絡み合い、拘束していたのです。
「な、なんですのこれ!?」
「……契約の副作用だ」
ヴァレリウス様が、青ざめた顔で自分の手首を見つめました。
「国体保全レベルの大規模契約を、個人の感情エネルギーで強引に成立させた代償だ。……契約が安定するまで、術者同士の『物理的接触』が強制されている」
「ぶ、物理的接触って……つまり、離れられないってことですの!?」
「そうだ。……試しに離れてみよう」
彼が一歩、私から離れようとしました。 すると。
ズズズ……ッ。
地面が不気味に揺れ始め、空に再び黒い雲が発生しかけました。
「きゃぁっ! 戻って! 戻ってくださいヴァレリウス様!」
私が慌てて彼に抱きつくと、揺れはピタリと収まり、空も晴れ渡りました。
「……なるほど。検証完了だ」
ヴァレリウス様が、絶望と歓喜が入り混じったような複雑な顔で眼鏡を直しました。
「この契約の維持条件は……『二人が愛し合っている状態(物理的距離ゼロ)』を保つことだ」
「はぁぁぁ!?」
「つまり、私たちが離れれば、国が揺れる。……文字通り、私たちの仲が冷めれば、世界が滅びるということだ」
なんという設定でしょう。 国の命運が、一組のカップルのイチャイチャにかかっているなんて。
「そ、そんな……! じゃあ、これからずっと、このまま?」
「契約が安定し、正規の手順で殿下に王権を戻すまでの間……少なくとも数週間、あるいは数ヶ月は、この状態が続くだろう」
ヴァレリウス様は、諦めたように、そして愛おしそうに私の肩を抱きました。
「観念しろ、ルシエル。……君は今日から、私の『公式の恋人』であり、国の平和を守る『人柱』だ」
「そ、そんなぁ……!」
私が顔を赤くして狼狽えていると、ディーン様やミラの声が聞こえてきました。
「おーい! 大丈夫かー! ……って、なんだその熱い抱擁は!」 「お嬢様! 公衆の面前ですよ!」 「いやあ、国を救った英雄カップルだ! ヒューヒュー!」
群衆も、私たちが離れられない事情など知る由もなく、「キスしろ!」「結婚しろ!」と大盛り上がりです。
「……どうやら、逃げ場はないようだな」
「ううっ……。望むところですわ! こうなったら、国中が胸焼けするくらい見せつけてやります!」
私はヤケクソ半分、幸せ半分で、ヴァレリウス様の首に腕を回しました。 こうして、世界を救った代償として、私たちは『仮契約の恋人』から『国家公認のバカップル』へと、強制的にジョブチェンジすることになったのです。
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