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第二十八話 全部私のせい?……はい、じゃあ証拠出して
「全部、ルシエルのせいですわ! あの大祝福祭の光も、怪物の出現も、全部彼女が仕組んだ自作自演のマッチポンプです! 私は被害者ですの!」
王宮謁見の間。 リリア・フォン・エッシェンバッハの金切り声が、高い天井に反響しました。 彼女は髪を振り乱し、充血した目で私を睨みつけています。その姿にかつての「儚げな聖女候補」の面影は微塵もありません。ただの、癇癪を起こした子供です。
フリードリヒ陛下が不快そうに眉をひそめ、衛兵たちが槍を構えようとしましたが、ヴァレリウス様がそれを手で制しました。 ただし、彼の手と私の手は光の鎖で繋がれているため、彼が手を上げると私も強制的に手を上げることになります。まるで二人で「ハーイ!」と挨拶しているような格好です。
「……やれやれ。見苦しいにも程がある」
ヴァレリウス様は、私と繋がれた右手をプラプラさせながら、冷ややかな視線をリリア嬢に向けました。
「リリア嬢。貴殿の主張を整理しましょう。一、怪物を呼んだのはルシエル嬢。二、貴殿は怪物を浄化しようとしたがルシエル嬢に妨害された。三、貴殿こそが真の聖女である。……これで間違いありませんか?」
「ええ、そうですわ! 神に誓って真実です!」
「なるほど。神に誓ったのですね」
ヴァレリウス様の眼鏡が、キラリと鋭い光を放ちました。
「ならば、その『神』ではなく『法』に誓って、客観的証拠(エビデンス)を提出していただきましょう」
「しょ、証拠……?」
「はい。貴殿の主張を裏付ける映像、魔力ログ、あるいは第三者の証言。……何か一つでもありますか?」
「そ、それは……私の言葉が証拠です! 聖女の言葉を疑うのですか!?」
「疑います」
私が横から口を挟みました。
「リリア様。ここは法治国家ルミナリアです。お気持ちやお涙頂戴は、法廷では1ガルの価値もありませんのよ」
「なっ……! あんた、よくもヌケヌケと!」
「悔しかったら証拠を出してください。……出せないなら、私たちが『真実』をお見せしますわ」
私はヴァレリウス様と顔を見合わせ、頷きました。 さあ、反撃の時間です。
「ルシエル補佐官。……『公開監査ログ・特別編集版』の投影を」
「イエス、ボス! ……あ、間違えました。イエス、ダーリン!」
「……その呼び方はあとで修正協議だ」
ヴァレリウス様が指を鳴らすと、謁見の間の空中に巨大な魔法スクリーンが出現しました。 そこに映し出されたのは、数日前の地下宝物庫での映像でした。
『あははは! 神託が下ったわ! ルシエルを生贄に捧げよって!』 『死ね! 死ね死ね死ねぇっ!』
画面の中のリリア嬢は、悪魔のような形相で私に呪いを放ち、枢機卿の影と融合して狂喜乱舞しています。
「ひっ……!」
リリア嬢が息を呑みました。
「な、なによこれ……! 捏造よ! こんなの私じゃない!」
「いいえ、貴女です。監査局の記録魔道具は、魔力波形まで完全に記録します。……言い逃れはできません」
画面は切り替わり、今度は大祝福祭の映像へ。 枢機卿が怪物化し、リリア嬢が「私が浄化してやる!」と特攻して、あっけなく弾き飛ばされる無様な姿が大写しになりました。
「そして極めつけはこれです」
ヴァレリウス様が最後の資料を提示しました。 それは、リリア嬢が枢機卿と交わした『血の契約書』の写しでした。
『――我が血と肉体を捧げ、偽りの聖女としての地位と名声を得る――』
その文言が、あまりにも残酷な真実を物語っていました。 広間がざわめきます。 陛下も、殿下も、衛兵たちも、冷ややかな侮蔑の視線を彼女に向けました。
「う……ううっ……」
リリア嬢は後ずさり、青ざめた顔で首を横に振りました。
「ち、違う……私は……騙されたのよ! そう、全部枢機卿が悪いの! 私は被害者よ!」
「往生際が悪いですね」
ヴァレリウス様は、手帳を開き、淡々と告げました。
「リリア・フォン・エッシェンバッハ。……貴殿の『聖女詐称』および『虚偽申告』は、神殿法および刑法において重罪です。さらに、貴殿は先ほど『神に誓って真実だ』と発言しましたね?」
「そ、それがどうしたのよ!」
「神前での偽証は、即ち『契約違反』です。……よって、契約のペナルティが自動執行されます」
「ペナルティ……?」
その瞬間。 リリア嬢の体が、赤黒い光に包まれました。
「きゃぁぁぁっ!?」
「これは『聖女の資格剥奪』に伴う、強制還収(チャージバック)です。……貴殿が不正に得ていた魔力、美貌、そして虚飾のドレス。すべて没収されます」
光が収まると、そこに立っていたのは、ボロボロの麻袋のような服を着た、ただの薄汚れた少女でした。 髪はバサバサに乾き、肌は荒れ、かつての煌びやかなオーラは欠片もありません。 それが、彼女の本来の姿――魔法と化粧と嘘で塗り固める前の、等身大の姿でした。
「いやぁぁぁっ! 見ないで! 私を見ないでぇぇ!」
リリア嬢はその場にうずくまり、泣き叫びました。
「レオンハルト様! 助けて! 私、あなたの聖女でしょう!? 愛してるって言ったじゃない!」
彼女は最後の希望として、近くにいたレオンハルト殿下に縋り付こうとしました。 しかし。
「……触るな」
殿下は、冷たく彼女の手を振り払いました。
「レオンハルト様……?」
「君は美しかった。……でも、その美しさは全部、誰かから奪ったものだったんだな」
殿下は悲しげに、しかしはっきりとした口調で言いました。
「僕も愚かだった。君の外面だけを見て、ルシエルという本物の宝石を捨ててしまった。……でも、もう間違えない。僕は罪を償う。だから君も、自分の罪と向き合うんだ」
「そ、そんな……! 嫌よ! 私は王妃になるの! こんなの嘘よぉぉぉ!」
リリア嬢の絶叫が虚しく響く中、ヴァレリウス様の合図で衛兵たちが彼女を取り押さえました。 彼女はズルズルと引きずられながら、最後まで「ルシエルのせいよ!」と叫び続け、やがて重い扉の向こうへと消えていきました。
静寂が戻った謁見の間。 私たちは深いため息をつきました。
「……終わりましたわね」
「ああ。後味の悪い結末だが……これが『契約』の結果だ」
ヴァレリウス様が、私と繋がれた手をギュッと握りました。 その温もりが、冷え切った空気を溶かしてくれます。
すると。 私たちの前に、一人の男が歩み出てきました。 レオンハルト殿下です。
彼は私たちの前で立ち止まると、その場に膝をつき、額を床に擦り付けました。 王族にあるまじき、完全なる土下座です。
「……すまなかった!!」
声が震えていました。
「ルシエル。僕は……取り返しのつかないことをした。君の献身を当たり前だと思い込み、君の心を傷つけ、あんな偽物にうつつを抜かした……!」
「殿下、頭をお上げください。陛下が見ておられますわ」
「いいや、上げられない! ……ヴァレリウス、君にも謝る。君の忠告を無視し、国を危険に晒した。僕は……最低の王太子だった」
床に涙の染みが広がっていきます。 その姿は、かつての傲慢な王子様ではありませんでした。 すべてを失い、自分の愚かさを認め、ようやく地に足がついた一人の青年の姿でした。
「……ルシエル。厚かましい願いだと分かっている。でも……」
殿下は顔を上げ、涙に濡れた瞳で私を見つめました。
「もう一度だけ、チャンスをくれないか? 婚約者としてではなくてもいい。……一人の男として、君の信頼を取り戻したいんだ」
それは、復縁の懇願であり、同時に愛の告白でもありました。 周囲の貴族たちも、固唾を飲んで私の返答を待っています。 「元サヤ」というハッピーエンドを期待する空気すら感じます。
けれど。
私は、左手の指輪――ヴァレリウス様と繋がっている光の鎖を見つめ、それから殿下に向かって、優しく、しかし残酷なほどきっぱりと微笑みました。
「殿下。……お断りします」
「……えっ?」
「謝罪は受け入れます。殿下が更生されることも応援します。……でも、私の心はもう、殿下のものではありません」
私は、隣に立つ不器用な法務官様を見上げました。 彼もまた、真剣な眼差しで私を見つめ返してくれました。
「私は今、とっても幸せなんです。……私のことを『契約違反だ』と怒りながらも守ってくれて、『計算外だ』と悩みながらも愛してくれる……そんな変な人が、大好きになってしまいましたから」
「ルシエル……」
ヴァレリウス様の顔が赤くなりますが、今度は視線を逸らしませんでした。
「……そうですか」
殿下は力なく笑い、ゆっくりと立ち上がりました。
「……完敗だ。勝てるわけがないな、そんな顔をされたら」
殿下は寂しげに、でもどこか晴れ晴れとした顔で、私たちに背を向けました。 その背中は、以前よりも少しだけ大きく、そして孤独に見えました。
「……おめでとう、二人とも」
その言葉を最後に、殿下は退出していきました。 これで、本当にすべての因縁が清算されました。
「……さて」
ヴァレリウス様が、私と繋がれた手を持ち上げました。
「邪魔者はいなくなった。……ルシエル補佐官。これより、我々の『契約』に関する最終協議を行う」
「最終協議? まだ何かありますの?」
「ある。……この『恋人(仮)』というステータスについてだ。いつまで『仮』にしておくつもりだ?」
彼は眼鏡を外し、私の目の前で、とんでもないことを言い出しました。
「私は……正式な『本契約』への移行を希望する」
王宮謁見の間。 リリア・フォン・エッシェンバッハの金切り声が、高い天井に反響しました。 彼女は髪を振り乱し、充血した目で私を睨みつけています。その姿にかつての「儚げな聖女候補」の面影は微塵もありません。ただの、癇癪を起こした子供です。
フリードリヒ陛下が不快そうに眉をひそめ、衛兵たちが槍を構えようとしましたが、ヴァレリウス様がそれを手で制しました。 ただし、彼の手と私の手は光の鎖で繋がれているため、彼が手を上げると私も強制的に手を上げることになります。まるで二人で「ハーイ!」と挨拶しているような格好です。
「……やれやれ。見苦しいにも程がある」
ヴァレリウス様は、私と繋がれた右手をプラプラさせながら、冷ややかな視線をリリア嬢に向けました。
「リリア嬢。貴殿の主張を整理しましょう。一、怪物を呼んだのはルシエル嬢。二、貴殿は怪物を浄化しようとしたがルシエル嬢に妨害された。三、貴殿こそが真の聖女である。……これで間違いありませんか?」
「ええ、そうですわ! 神に誓って真実です!」
「なるほど。神に誓ったのですね」
ヴァレリウス様の眼鏡が、キラリと鋭い光を放ちました。
「ならば、その『神』ではなく『法』に誓って、客観的証拠(エビデンス)を提出していただきましょう」
「しょ、証拠……?」
「はい。貴殿の主張を裏付ける映像、魔力ログ、あるいは第三者の証言。……何か一つでもありますか?」
「そ、それは……私の言葉が証拠です! 聖女の言葉を疑うのですか!?」
「疑います」
私が横から口を挟みました。
「リリア様。ここは法治国家ルミナリアです。お気持ちやお涙頂戴は、法廷では1ガルの価値もありませんのよ」
「なっ……! あんた、よくもヌケヌケと!」
「悔しかったら証拠を出してください。……出せないなら、私たちが『真実』をお見せしますわ」
私はヴァレリウス様と顔を見合わせ、頷きました。 さあ、反撃の時間です。
「ルシエル補佐官。……『公開監査ログ・特別編集版』の投影を」
「イエス、ボス! ……あ、間違えました。イエス、ダーリン!」
「……その呼び方はあとで修正協議だ」
ヴァレリウス様が指を鳴らすと、謁見の間の空中に巨大な魔法スクリーンが出現しました。 そこに映し出されたのは、数日前の地下宝物庫での映像でした。
『あははは! 神託が下ったわ! ルシエルを生贄に捧げよって!』 『死ね! 死ね死ね死ねぇっ!』
画面の中のリリア嬢は、悪魔のような形相で私に呪いを放ち、枢機卿の影と融合して狂喜乱舞しています。
「ひっ……!」
リリア嬢が息を呑みました。
「な、なによこれ……! 捏造よ! こんなの私じゃない!」
「いいえ、貴女です。監査局の記録魔道具は、魔力波形まで完全に記録します。……言い逃れはできません」
画面は切り替わり、今度は大祝福祭の映像へ。 枢機卿が怪物化し、リリア嬢が「私が浄化してやる!」と特攻して、あっけなく弾き飛ばされる無様な姿が大写しになりました。
「そして極めつけはこれです」
ヴァレリウス様が最後の資料を提示しました。 それは、リリア嬢が枢機卿と交わした『血の契約書』の写しでした。
『――我が血と肉体を捧げ、偽りの聖女としての地位と名声を得る――』
その文言が、あまりにも残酷な真実を物語っていました。 広間がざわめきます。 陛下も、殿下も、衛兵たちも、冷ややかな侮蔑の視線を彼女に向けました。
「う……ううっ……」
リリア嬢は後ずさり、青ざめた顔で首を横に振りました。
「ち、違う……私は……騙されたのよ! そう、全部枢機卿が悪いの! 私は被害者よ!」
「往生際が悪いですね」
ヴァレリウス様は、手帳を開き、淡々と告げました。
「リリア・フォン・エッシェンバッハ。……貴殿の『聖女詐称』および『虚偽申告』は、神殿法および刑法において重罪です。さらに、貴殿は先ほど『神に誓って真実だ』と発言しましたね?」
「そ、それがどうしたのよ!」
「神前での偽証は、即ち『契約違反』です。……よって、契約のペナルティが自動執行されます」
「ペナルティ……?」
その瞬間。 リリア嬢の体が、赤黒い光に包まれました。
「きゃぁぁぁっ!?」
「これは『聖女の資格剥奪』に伴う、強制還収(チャージバック)です。……貴殿が不正に得ていた魔力、美貌、そして虚飾のドレス。すべて没収されます」
光が収まると、そこに立っていたのは、ボロボロの麻袋のような服を着た、ただの薄汚れた少女でした。 髪はバサバサに乾き、肌は荒れ、かつての煌びやかなオーラは欠片もありません。 それが、彼女の本来の姿――魔法と化粧と嘘で塗り固める前の、等身大の姿でした。
「いやぁぁぁっ! 見ないで! 私を見ないでぇぇ!」
リリア嬢はその場にうずくまり、泣き叫びました。
「レオンハルト様! 助けて! 私、あなたの聖女でしょう!? 愛してるって言ったじゃない!」
彼女は最後の希望として、近くにいたレオンハルト殿下に縋り付こうとしました。 しかし。
「……触るな」
殿下は、冷たく彼女の手を振り払いました。
「レオンハルト様……?」
「君は美しかった。……でも、その美しさは全部、誰かから奪ったものだったんだな」
殿下は悲しげに、しかしはっきりとした口調で言いました。
「僕も愚かだった。君の外面だけを見て、ルシエルという本物の宝石を捨ててしまった。……でも、もう間違えない。僕は罪を償う。だから君も、自分の罪と向き合うんだ」
「そ、そんな……! 嫌よ! 私は王妃になるの! こんなの嘘よぉぉぉ!」
リリア嬢の絶叫が虚しく響く中、ヴァレリウス様の合図で衛兵たちが彼女を取り押さえました。 彼女はズルズルと引きずられながら、最後まで「ルシエルのせいよ!」と叫び続け、やがて重い扉の向こうへと消えていきました。
静寂が戻った謁見の間。 私たちは深いため息をつきました。
「……終わりましたわね」
「ああ。後味の悪い結末だが……これが『契約』の結果だ」
ヴァレリウス様が、私と繋がれた手をギュッと握りました。 その温もりが、冷え切った空気を溶かしてくれます。
すると。 私たちの前に、一人の男が歩み出てきました。 レオンハルト殿下です。
彼は私たちの前で立ち止まると、その場に膝をつき、額を床に擦り付けました。 王族にあるまじき、完全なる土下座です。
「……すまなかった!!」
声が震えていました。
「ルシエル。僕は……取り返しのつかないことをした。君の献身を当たり前だと思い込み、君の心を傷つけ、あんな偽物にうつつを抜かした……!」
「殿下、頭をお上げください。陛下が見ておられますわ」
「いいや、上げられない! ……ヴァレリウス、君にも謝る。君の忠告を無視し、国を危険に晒した。僕は……最低の王太子だった」
床に涙の染みが広がっていきます。 その姿は、かつての傲慢な王子様ではありませんでした。 すべてを失い、自分の愚かさを認め、ようやく地に足がついた一人の青年の姿でした。
「……ルシエル。厚かましい願いだと分かっている。でも……」
殿下は顔を上げ、涙に濡れた瞳で私を見つめました。
「もう一度だけ、チャンスをくれないか? 婚約者としてではなくてもいい。……一人の男として、君の信頼を取り戻したいんだ」
それは、復縁の懇願であり、同時に愛の告白でもありました。 周囲の貴族たちも、固唾を飲んで私の返答を待っています。 「元サヤ」というハッピーエンドを期待する空気すら感じます。
けれど。
私は、左手の指輪――ヴァレリウス様と繋がっている光の鎖を見つめ、それから殿下に向かって、優しく、しかし残酷なほどきっぱりと微笑みました。
「殿下。……お断りします」
「……えっ?」
「謝罪は受け入れます。殿下が更生されることも応援します。……でも、私の心はもう、殿下のものではありません」
私は、隣に立つ不器用な法務官様を見上げました。 彼もまた、真剣な眼差しで私を見つめ返してくれました。
「私は今、とっても幸せなんです。……私のことを『契約違反だ』と怒りながらも守ってくれて、『計算外だ』と悩みながらも愛してくれる……そんな変な人が、大好きになってしまいましたから」
「ルシエル……」
ヴァレリウス様の顔が赤くなりますが、今度は視線を逸らしませんでした。
「……そうですか」
殿下は力なく笑い、ゆっくりと立ち上がりました。
「……完敗だ。勝てるわけがないな、そんな顔をされたら」
殿下は寂しげに、でもどこか晴れ晴れとした顔で、私たちに背を向けました。 その背中は、以前よりも少しだけ大きく、そして孤独に見えました。
「……おめでとう、二人とも」
その言葉を最後に、殿下は退出していきました。 これで、本当にすべての因縁が清算されました。
「……さて」
ヴァレリウス様が、私と繋がれた手を持ち上げました。
「邪魔者はいなくなった。……ルシエル補佐官。これより、我々の『契約』に関する最終協議を行う」
「最終協議? まだ何かありますの?」
「ある。……この『恋人(仮)』というステータスについてだ。いつまで『仮』にしておくつもりだ?」
彼は眼鏡を外し、私の目の前で、とんでもないことを言い出しました。
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