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第三十話(最終話) 婚約破棄記念日が、結婚記念日になりました
「……ルシエル。緊張していないか?」
「していませんわ。……だって、今日は『記念日』ですもの」
王宮の大広間。 一年前、私がレオンハルト王太子殿下(現・レオンハルト公爵)から婚約破棄を突きつけられ、人生で一番のガッツポーズを決めた、あの場所。 同じ場所、同じシャンデリアの下。 けれど、空気はまるで違いました。
あの時の凍りつくような緊張感も、嘲笑もありません。 あるのは、溢れんばかりの祝福の花々と、温かな拍手、そして何より――。
「……君は、今日も最高に綺麗だ」
隣に立つ、私の最愛のパートナー。 漆黒のタキシードを完璧に着こなした『氷の法務官』こと、ヴァレリウス・グランツ様。 今日は眼鏡をかけていますが、その奥の蒼穹の瞳は、とろけるほど甘く私を見つめています。
「ありがとうございます、ヴァレリウス様。あなたも……悔しいくらい素敵ですわ」
私は純白のウェディングドレスの裾を揺らし、彼に微笑みかけました。 今日は、私たちの結婚式。 そして、あの日からちょうど一年が経った『婚約破棄記念日』でもあります。
「まさか、断罪イベントの会場を結婚式場にするなんて……。君の発想には、最後まで驚かされる」
「ふふ。上書き保存ですわ。嫌な思い出は、もっと幸せな記憶で塗り替えてしまえばいいのです」
ファンファーレが鳴り響きました。 私たちは腕を組み、バージンロードを歩き出しました。
参列席には、懐かしい顔ぶれが並んでいます。 ハンカチで涙を拭う侍女のミラと、父であるレイヴンハート公爵。 「ヒューヒュー! お熱いねえ!」と野次を飛ばす騎士団副長のディーン様。 そして、新生神殿の神官たちや、監査局の職員たち。
さらに、最前列には――。
「……おめでとう、二人とも」
穏やかな笑顔で拍手を送る、レオンハルト様の姿がありました。 王位継承権を返上し、一介の公爵として地方行政を一から学んでいる彼は、以前よりも少し日焼けし、精悍な顔つきになっていました。 隣にはリリア嬢の姿はありません。彼女は修道院で、長い償いの日々を送っています。 でも、今のレオンハルト様の目には、もう迷いはありませんでした。
祭壇の前まで進むと、司会進行役のフリードリヒ国王陛下(まさかの立候補です)が、咳払いをしました。
「えー、これより。ヴァレリウス・グランツとルシエル・フォン・レイヴンハートの『終身パートナーシップ契約』の締結式を執り行う」
陛下、結婚式を契約締結式と呼ばないでください。 会場からクスクスと笑いが漏れます。
「新郎。誓いの言葉を」
促されたヴァレリウス様は、懐から分厚い書類を取り出しました。 ……出ました。 彼が徹夜で作成したという、特製『婚姻契約書』です。
彼は眼鏡の位置を正し、朗々とした声で読み上げ始めました。
「私、ヴァレリウス・グランツは、ルシエル嬢に対し、以下の条項を永久に遵守することを誓約する。 第一条。私の心身、財産、および将来のすべての時間は、君の幸福を最大化するために捧げられる。 第二条。君が笑えば共に笑い、君が泣けばその原因を法的・物理的に排除する。 第三条。……たとえ世界が再び混沌に飲み込まれようとも、私の左手は君の手を離さない」
会場のあちこちから、ため息とすすり泣きが聞こえてきます。 なんて堅苦しくて、なんて情熱的な愛の言葉でしょう。
「……以上、全百条。異議はあるか?」
彼は書類を閉じ、不安そうに私を見ました。 私は首を横に振りました。
「異議なし、ですわ。……ただし、追加条項を一つだけ」
「なんだ? なんでも言ってくれ」
「第百一条。……毎日一回、愛の言葉を囁くこと。監査報告書のような文面ではなく、甘い言葉で!」
ヴァレリウス様は一瞬目を見開き、それから耳まで真っ赤にして、小さく頷きました。
「……善処する。いや、必達目標とする」
「ふふ。期待していますわ」
陛下が満足げに頷きました。
「よろしい。では、契約の成立を証して……『捺印(キス)』を!」
ヴァレリウス様が、私のベールをそっと上げました。 蒼穹の瞳が、至近距離で私を捉えます。
「……愛している、ルシエル」
「私もです。ヴァレリウス様」
重なる唇。 一年前、この場所で「婚約破棄だ!」と叫ばれた時には想像もしなかった、温かくて優しい口づけ。 シャッター音のような魔法のフラッシュが焚かれ、割れんばかりの拍手が巻き起こりました。
式が終わり、披露宴へと移りました。 庭園でのガーデンパーティ。 かつて私が「破棄記念バーベキュー」を開いた庭で、今度は国中の人々を招いての祝宴です。
「さあさあ、お嬢様! いえ、奥様! 本日のメインイベントです!」
ミラが持ってきたのは、巨大なウェディングケーキ……ではなく、樽いっぱいの極上ワインでした。
私はグラスを手に取り、高らかに掲げました。 隣には、同じくグラスを持ったヴァレリウス様。
「皆様! 本日はお集まりいただき、ありがとうございます!」
私は息を吸い込み、あの日と同じように、でもあの日よりもっと晴れやかな笑顔で叫びました。
「一年前、私はここで婚約破棄をされました。……その時、私は叫びました。『やったー! 自由だ!』と!」
会場が笑いに包まれます。
「でも、今は違います。……自由よりも素敵な『不自由』を見つけてしまいましたから」
私はヴァレリウス様を見上げました。 彼の手には、もう光の鎖はありません。 でも、見えない絆が、私たちをしっかりと繋いでいます。
「愛する人と共に生きるという契約は、どんな自由よりも心が満たされます。……ですから、私は叫び直しますわ!」
私はグラスを空に突き上げました。
「婚約破棄? やったー! ……おかげで、最高の旦那様と巡り会えましたもの!!」
「……君という人は」
ヴァレリウス様が苦笑し、そして優しく私の腰を抱き寄せました。
「なら、私も叫ぼう。……独身貴族? 破棄だ! 君との契約こそが、私の至上の喜びだ!」
「「乾杯!!」」
カチン! グラスが触れ合う軽快な音が、青空に吸い込まれていきました。
『悪役令嬢』と呼ばれた私は、もういません。 泣かない令嬢。 転んでもタダでは起きない令嬢。 そして、氷の法務官を溶かした、世界一幸せな花嫁。
これからも、色々なことがあるでしょう。 喧嘩もするでしょうし、また国を揺るがすような事件に巻き込まれるかもしれません。 でも、大丈夫。 私の隣には、最強の法務官様がいて、ポケットには『愛の契約書』が入っているのですから。
「さあ、ヴァレリウス様。新婚旅行に行きますわよ! 南の島で、うんと甘やかしてくださいね!」
「……ああ。覚悟しておけ。私の溺愛は、法律でも規制できないぞ」
私たちは手を取り合い、新しい未来へと駆け出しました。 最高のハッピーエンドの、その先へ。
(完)
「していませんわ。……だって、今日は『記念日』ですもの」
王宮の大広間。 一年前、私がレオンハルト王太子殿下(現・レオンハルト公爵)から婚約破棄を突きつけられ、人生で一番のガッツポーズを決めた、あの場所。 同じ場所、同じシャンデリアの下。 けれど、空気はまるで違いました。
あの時の凍りつくような緊張感も、嘲笑もありません。 あるのは、溢れんばかりの祝福の花々と、温かな拍手、そして何より――。
「……君は、今日も最高に綺麗だ」
隣に立つ、私の最愛のパートナー。 漆黒のタキシードを完璧に着こなした『氷の法務官』こと、ヴァレリウス・グランツ様。 今日は眼鏡をかけていますが、その奥の蒼穹の瞳は、とろけるほど甘く私を見つめています。
「ありがとうございます、ヴァレリウス様。あなたも……悔しいくらい素敵ですわ」
私は純白のウェディングドレスの裾を揺らし、彼に微笑みかけました。 今日は、私たちの結婚式。 そして、あの日からちょうど一年が経った『婚約破棄記念日』でもあります。
「まさか、断罪イベントの会場を結婚式場にするなんて……。君の発想には、最後まで驚かされる」
「ふふ。上書き保存ですわ。嫌な思い出は、もっと幸せな記憶で塗り替えてしまえばいいのです」
ファンファーレが鳴り響きました。 私たちは腕を組み、バージンロードを歩き出しました。
参列席には、懐かしい顔ぶれが並んでいます。 ハンカチで涙を拭う侍女のミラと、父であるレイヴンハート公爵。 「ヒューヒュー! お熱いねえ!」と野次を飛ばす騎士団副長のディーン様。 そして、新生神殿の神官たちや、監査局の職員たち。
さらに、最前列には――。
「……おめでとう、二人とも」
穏やかな笑顔で拍手を送る、レオンハルト様の姿がありました。 王位継承権を返上し、一介の公爵として地方行政を一から学んでいる彼は、以前よりも少し日焼けし、精悍な顔つきになっていました。 隣にはリリア嬢の姿はありません。彼女は修道院で、長い償いの日々を送っています。 でも、今のレオンハルト様の目には、もう迷いはありませんでした。
祭壇の前まで進むと、司会進行役のフリードリヒ国王陛下(まさかの立候補です)が、咳払いをしました。
「えー、これより。ヴァレリウス・グランツとルシエル・フォン・レイヴンハートの『終身パートナーシップ契約』の締結式を執り行う」
陛下、結婚式を契約締結式と呼ばないでください。 会場からクスクスと笑いが漏れます。
「新郎。誓いの言葉を」
促されたヴァレリウス様は、懐から分厚い書類を取り出しました。 ……出ました。 彼が徹夜で作成したという、特製『婚姻契約書』です。
彼は眼鏡の位置を正し、朗々とした声で読み上げ始めました。
「私、ヴァレリウス・グランツは、ルシエル嬢に対し、以下の条項を永久に遵守することを誓約する。 第一条。私の心身、財産、および将来のすべての時間は、君の幸福を最大化するために捧げられる。 第二条。君が笑えば共に笑い、君が泣けばその原因を法的・物理的に排除する。 第三条。……たとえ世界が再び混沌に飲み込まれようとも、私の左手は君の手を離さない」
会場のあちこちから、ため息とすすり泣きが聞こえてきます。 なんて堅苦しくて、なんて情熱的な愛の言葉でしょう。
「……以上、全百条。異議はあるか?」
彼は書類を閉じ、不安そうに私を見ました。 私は首を横に振りました。
「異議なし、ですわ。……ただし、追加条項を一つだけ」
「なんだ? なんでも言ってくれ」
「第百一条。……毎日一回、愛の言葉を囁くこと。監査報告書のような文面ではなく、甘い言葉で!」
ヴァレリウス様は一瞬目を見開き、それから耳まで真っ赤にして、小さく頷きました。
「……善処する。いや、必達目標とする」
「ふふ。期待していますわ」
陛下が満足げに頷きました。
「よろしい。では、契約の成立を証して……『捺印(キス)』を!」
ヴァレリウス様が、私のベールをそっと上げました。 蒼穹の瞳が、至近距離で私を捉えます。
「……愛している、ルシエル」
「私もです。ヴァレリウス様」
重なる唇。 一年前、この場所で「婚約破棄だ!」と叫ばれた時には想像もしなかった、温かくて優しい口づけ。 シャッター音のような魔法のフラッシュが焚かれ、割れんばかりの拍手が巻き起こりました。
式が終わり、披露宴へと移りました。 庭園でのガーデンパーティ。 かつて私が「破棄記念バーベキュー」を開いた庭で、今度は国中の人々を招いての祝宴です。
「さあさあ、お嬢様! いえ、奥様! 本日のメインイベントです!」
ミラが持ってきたのは、巨大なウェディングケーキ……ではなく、樽いっぱいの極上ワインでした。
私はグラスを手に取り、高らかに掲げました。 隣には、同じくグラスを持ったヴァレリウス様。
「皆様! 本日はお集まりいただき、ありがとうございます!」
私は息を吸い込み、あの日と同じように、でもあの日よりもっと晴れやかな笑顔で叫びました。
「一年前、私はここで婚約破棄をされました。……その時、私は叫びました。『やったー! 自由だ!』と!」
会場が笑いに包まれます。
「でも、今は違います。……自由よりも素敵な『不自由』を見つけてしまいましたから」
私はヴァレリウス様を見上げました。 彼の手には、もう光の鎖はありません。 でも、見えない絆が、私たちをしっかりと繋いでいます。
「愛する人と共に生きるという契約は、どんな自由よりも心が満たされます。……ですから、私は叫び直しますわ!」
私はグラスを空に突き上げました。
「婚約破棄? やったー! ……おかげで、最高の旦那様と巡り会えましたもの!!」
「……君という人は」
ヴァレリウス様が苦笑し、そして優しく私の腰を抱き寄せました。
「なら、私も叫ぼう。……独身貴族? 破棄だ! 君との契約こそが、私の至上の喜びだ!」
「「乾杯!!」」
カチン! グラスが触れ合う軽快な音が、青空に吸い込まれていきました。
『悪役令嬢』と呼ばれた私は、もういません。 泣かない令嬢。 転んでもタダでは起きない令嬢。 そして、氷の法務官を溶かした、世界一幸せな花嫁。
これからも、色々なことがあるでしょう。 喧嘩もするでしょうし、また国を揺るがすような事件に巻き込まれるかもしれません。 でも、大丈夫。 私の隣には、最強の法務官様がいて、ポケットには『愛の契約書』が入っているのですから。
「さあ、ヴァレリウス様。新婚旅行に行きますわよ! 南の島で、うんと甘やかしてくださいね!」
「……ああ。覚悟しておけ。私の溺愛は、法律でも規制できないぞ」
私たちは手を取り合い、新しい未来へと駆け出しました。 最高のハッピーエンドの、その先へ。
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