死に戻り執事は、前世で見捨てた主に二度目の口づけをされる

なつめ

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第27話 私はお前を選ぶ


 地下牢の空気は、告白のあとも少しも軽くならなかった。

 湿った石壁。錆びた鉄格子。天井のひびから落ちる水の音。ぽたり、ぽたり、と規則正しく繰り返されるその音が、まるで時間そのものを刻んでいるみたいに、ネフレク・サルヴェインの耳へ入ってくる。地下に満ちる冷えた匂いは、血と鉄と、長く閉ざされていた石の呼気のようなものを含んでいて、前世の夜と今世の今が少しもきれいに分かれてはくれなかった。

 前世で、自分はここに主を置いて出た。

 救うつもりで書類を運んだのに、その書類こそが断罪の決め手だった。

 来るのが遅いと、そう言われた。

 責める代わりに口づけられた。

 それでも連れて逃げられなかった。

 その全部を、今やっと口にした。

 言った瞬間、少しは楽になるのではないかと、どこかで思っていたのかもしれない。いや、そんなふうに期待する資格はないと分かっていた。それでも、長く胸の奥へ沈め続けたものを外へ出せば、少なくとも息のしづらさだけは薄くなるような気がしていた。

 実際は逆だった。

 言葉にしたことで、罪は輪郭を持った。湿った石の上へ並べられ、触れられるものになった。ごまかしも、言い換えも、もうきかない。間に合わなかったのではない。守れなかったのでもない。置き去りにしたのだと、自分の口で言ってしまった。その言葉は、いまこの地下通路の冷えた空気の中で、まだ生きたまま、ネフレクの喉へ棘のように刺さっていた。

 両膝を石床についた姿勢のまま、ネフレクは頭を垂れていた。

 石は冷たい。湿っている。布越しでも、その冷えは骨へ染みた。左肩の傷はじくじくと熱を持っている。包帯の下で脈打つたび、縫い目の奥が鈍く痛む。けれど今は、その痛みすら遠かった。もっと別の重さが、胸の奥へ鉛のように沈んでいる。

 イスハルドは何も言わない。

 その沈黙が、ひどく長かった。

 怒りの前の間ではない。ただ、深く息を落としたあとの静けさが、そのままネフレクの上へ被さっている。前世でも、この人はすぐには怒らなかった。責めるより先に顔を上げさせ、静かな熱だけをくれた。そのことがどれほど残酷だったかを、ネフレクは今も覚えている。責められればまだ、罪に見合う痛みを受け取れた気がした。けれどこの人は、たいてい怒りより前に、こちらの予想できないものを寄越す。

 だから今も怖かった。

 長い沈黙のあと、何を言われるのか。

 何も言われないまま立ち去られるのか。

 あるいは、今世の関係そのものをここで終わらせるのか。

 そのどれもがあり得ると思えた。あり得て当然だ。前世の罪を、今世の信頼の上へ載せて告白したのだから。

 やがて、イスハルドが一歩だけ近づく気配がした。

 石床へ靴が触れる乾いた音。湿った空気の中で、その一歩だけが妙にはっきりと聞こえる。

「ネフレク」

 低い声が、上からではなく、まっすぐ落ちる。

 ネフレクはすぐには顔を上げられなかった。前世でも、似たような声で呼ばれた気がする。地下牢の中で。来るのが遅いと言われたあと。顔を上げさせられたあと。口づけの前。記憶が今の声へ重なって、喉の奥がひどく熱くなる。

「顔を上げろ」

 命令だ。

 今世の主としての、いつもの低く揺れない命令。

 ネフレクはそれに従おうとして、だが動きが少しだけ遅れた。怖かった。上げた先で何を見るのかが。怒りか、軽蔑か、あるいはもっと別の、見たくない静けさか。

 それでも、主の命令には逆らえない。逆らいたくもない。

 ネフレクはゆっくりと顔を上げた。

 地下牢の灯りは弱い。格子の向こうの通路から差し込む灯りと、壁にかかった小さな火が、湿った石へ鈍い色を落としている。その薄暗がりの中で、イスハルドの顔はいつもより影が濃かった。黒髪の影。睫毛の影。頬の線に落ちる灯り。それでも瞳だけははっきりと見えた。琥珀金というより、今はもっと深く沈んだ色だ。怒っていないわけではない。だが少なくとも、その怒りは前へ出ていない。

 代わりにあったのは、ひどく静かな選択の目だった。

 ネフレクはその目を見た瞬間、息をひとつ忘れた。

 まだ何も言われていないのに、そこにあるものの重さだけで胸が詰まりそうになる。

 イスハルドはしばらく黙って、ネフレクの顔を見ていた。見下ろすのではなく、見定めるでもなく、ただまっすぐに。前世の罪を吐き出したあとの顔を、逃げずに見ている。そのこと自体が、ネフレクにはすでに痛かった。

「お前は」

 ようやく、イスハルドが口を開いた。

 低く、静かな声。

「今も、自分を赦す気はないらしいな」

 ネフレクは小さく息を呑んだ。

 図星だった。いや、図星というより、それ以外の答えなど自分にはない。赦されることなど望まないと、ついさっき自分で言った。望まないというより、望んではいけないのだと思っている。前世の地下牢の夜を抱えたまま、今世でこうして主の傍にいること自体が、もう十分に身の程知らずなのだから。

「……はい」

 ようやく、それだけを答える。

「望める立場では、ございません」

 その言葉は、冷たい石床よりずっとよく自分の膝へ食い込んだ。立場ではない。まるで自分を物のように言う響きだと、どこか冷えた部分では分かる。それでも、今のネフレクにはそれがいちばんしっくり来る言い方だった。愛される資格も、選ばれる資格も、自分にはない。そう思ってきた時間が長すぎる。

 イスハルドはその返答を聞いても、表情を変えなかった。少しだけ睫毛が落ちる。それだけ。

 そして、次の瞬間。

「それでも私はお前を選ぶ」

 その一言が落ちた。

 ネフレクは、自分が今何を聞いたのか、すぐには理解できなかった。

 赦す、ではない。

 許す、でもない。

 哀れむでも、慰めるでも、過去は過去だと流すでもない。

 選ぶ。

 ただ、その一語。

 それがあまりにもまっすぐで、あまりにも明確で、だからこそネフレクの胸を容赦なく打ち抜いた。

 選ぶ。

 それは慈悲ではない。慈悲ならまだ、受け取る側は頭を垂れるだけで済む。上から与えられるものだからだ。赦しもそうだ。罪の上へ置かれる、大きくて一方的な許可だ。けれど「選ぶ」は違う。対等であることを前提にはしていないのに、それでもはっきりと意志の形を持っている。何かを知った上で、その何かを排除せず、自分の側へ置くという選択だ。

 その言葉の重さを、ネフレクの心は一瞬で理解してしまった。

 理解した瞬間、呼吸がうまくできなくなる。

「……な、ぜ」

 喉の奥から漏れた声は、情けないほど震えていた。

 なぜ。

 そう問うしかなかった。問いながら、自分でその問いの愚かさも分かっている。理由などあってたまるか。あっても、今の自分に聞いて耐えられるとは思えない。それでも、口から出てしまった。

 イスハルドはその問いに、すぐには答えなかった。だが沈黙も長くは取らない。まっすぐにネフレクを見たまま、低く言う。

「お前が前に何をしたか、私は知らなかった」

 前世の罪を、確かに今この場で初めて聞いたのだと、その言い方で分かる。口づけの記憶の欠片や、地下牢の匂いに引かれる感覚はあっても、具体的な罪の形までは持っていなかった。持っていなかったのに、今、こうして知った。

「だが」

 続く。

「今知った上で、なお変わらん」

 その一言が、ネフレクには重すぎた。

 知る前に選んでいたなら、まだ分かる。今世の働き。忠義。傷。庇った夜。そういうものだけを見て、主が傍へ置くと決めることはあり得る。だが今は違う。前世で自分が何をしたかを、ちゃんと聞いたあとだ。救うつもりで書類を運び、それが断罪の決め手になり、地下牢で口づけられても連れて逃げられなかったことを、全部聞いたあとで、なお変わらないと言う。

 そんなのは、残酷すぎる。

 愛される資格がないと自分を裁き続けてきた人間へ向ける言葉としては、優しすぎて、重すぎて、残酷だ。

「お前は」

 イスハルドの声が、さらに少しだけ低くなる。

「前の夜を、自分の中で止めたまま今まで来た」

 ネフレクは息を呑む。

「だから何度も、自分が消えるほうを選ぼうとした」

 別邸退避案。旧礼拝堂への単独潜入。毒の夜も、火薬庫も、全部だ。前世の帳尻を合わせるように、自分だけが傷つく形ばかり選んできた。守るためと整えながら、実際には自分を罰するための選択を。

「それを知った」

 イスハルドは言う。

「知ったうえで、なお、お前を切る理由にはならん」

 ネフレクの胸の奥で、何かが音を立てて崩れかける。

 切る理由にならない。

 前世の罪が、切る理由にすらならないと、この人は言う。そんなことがあっていいのか。そんなふうに、罪より自分という人間を先に見られることが、果たして許されるのか。

「……違う」

 気づけば、ネフレクは首を振っていた。

 否定したいわけではない。けれど、そのまま受け取るにはあまりに耐え難い。

「違います」

 声が掠れる。

「そんなのは」

「何がだ」

「優しすぎます」

 それが本音だった。

 赦しではない。慈悲でもない。ただ選ぶとだけ言う。その選択は、ネフレクにとって赦されることよりよほど重い。赦しならまだ、頭を垂れて受けるだけでいい。だが選ばれるとなれば、自分はこれからもこの人の視界の中へ置かれ続ける。罪を抱えたまま。許されないと思いながら。それでも選ばれた側として。

 そのほうが、ずっと残酷だった。

「優しさではない」

 イスハルドは静かに言う。

「私の選択だ」

 また、選ぶという言葉が落ちる。

 慈悲ではないと、はっきり断たれる。つまり、哀れだから傍へ置くのではない。赦すためでもない。単に、自分の意志でそうするのだと。誰に言い訳するわけでもなく、そう決めたのだと。

 ネフレクはそこで、本当にどうしていいか分からなくなった。

 前世の罪を吐き出した自分へ返ってくる言葉として、それはあまりにも想定外だった。怒られる覚悟はあった。軽蔑される覚悟も、遠ざけられる覚悟も。けれど、知ったうえでなお選ぶと言われる覚悟だけは、どこにもなかった。

 胸が痛い。

 苦しい。

 それなのに、嬉しいと思ってしまう自分が、何より許せない。

「……私は」

 何とか声を出す。

「そのようなものを、受け取れる人間では」

「勝手に決めるな」

 イスハルドが切った。

 低い声だった。だが、そこに初めて少しだけ強い熱が混じる。

「受け取るかどうかまで、お前に決めさせる気はない」

 ネフレクは目を見開いた。

 その言い方は、あまりにこの人らしかった。選ぶのは私だと。お前が自分をどう裁こうが、そこへ従ってやる義理はないと。残酷で、傲慢で、そしてどうしようもなく救いになる。

 そんなふうに言われて、泣かないでいられるほど、ネフレクの中身はもう整っていなかった。

 最初にほどけたのは、呼吸だった。

 喉の奥へ詰まっていた何かが、一気にゆるむ。空気を吸ったつもりなのに、肺のほうがうまく追いつかない。胸が痛い。肩の傷が脈打つ。それでも、それよりもっと奥のところが、ひどく柔らかく崩れる感覚があった。

「ネフレク」

 イスハルドが呼ぶ。

 だがその二度目の呼びかけが届くより先に、ネフレクは本当に、初めて、主の前で泣いた。

 声をあげるわけではない。

 泣き顔を見せたくなくて、無意識に唇を噛み、喉の奥で息を殺そうとする。けれど、それで堰が止まるほど甘くはなかった。目の奥が熱くなり、一度だけ瞬いた瞬間、滲みがそのまま零れた。頬を伝う。地下の冷たい空気の中で、その涙だけが異様に熱かった。

 泣く資格などないと、頭のどこかがまだ言っている。

 前世で置き去りにした人の前で、今世で選ぶと言われて泣くなど、どれほど身勝手だと。赦しを求めていないと言いながら、その言葉に救われている顔だと。

 その全部が分かる。分かるのに、止まらない。

「……みっともない」

 ようやく漏れた声は、自分でも驚くほど弱かった。

 こんなふうに涙を見せるのは、たぶん初めてだ。熱に浮かされた夜だって泣きはしなかった。地下牢の告白でも、声は震えても、涙そのものは落ちなかった。なのに今は駄目だ。選ぶと言われた一言だけで、今まで必死に固めてきたものが全部、脆いところから崩れていく。

 イスハルドはしばらく何も言わなかった。

 その沈黙が、今度は責めるものではなく、泣くこと自体を取り上げない静けさだと分かって、ネフレクは余計につらくなる。

 やがて、イスハルドがゆっくりと膝を折った。

 ネフレクの目の前、石床の上へ、片膝をつく。前世でも、地下牢で近い位置にあった視線を思い出す。けれど今世は違う。格子の内側でもない。罪を知らぬままの優しさでもない。今は全部を聞いたあとで、それでも選ぶと言った人が、自分と同じ低さまで降りてくる。

 その事実が、涙をさらにひどくした。

 イスハルドの手が伸びる。

 ネフレクは反射で強張った。だが触れたのは頬ではなかった。涙を拭うのではなく、顎の少し下、俯ききってしまわないよう軽く支えるだけの位置だ。前世で顔を上げさせられた夜と似ている。似ているのに、今は違う。今世のイスハルドは、怒りでも優しさでもなく、ただはっきり選択の側としてそこにいる。

「泣くなとは言わん」

 低い声。

 その一言に、ネフレクはまた喉を詰まらせた。

 泣くなとは言わない。慰めでも命令でもなく、ただ泣いていることを取り上げない。そのことのほうが、どんな叱責よりも深く入る。

「だが」

 イスハルドは続ける。

「お前は、もうそれを理由に私の前から消えるな」

 消えるな。

 そこへまた戻る。別邸退避案を叩き潰された夜も、廊下の壁際で言われた時もそうだった。今はそこへ、前世の告白のあとでさえ変わらずに同じ命令が重なる。

 前世の罪を知った上でも、消えるなと。

 それは赦しではない。逃げる余地を奪う選択だ。

 ネフレクは涙を零したまま、小さく頷いた。頷くしかなかった。拒む理由は、もうどこにも残っていない。

「……はい」

 声が途切れる。

「イスハルド、様」

 最後の呼び名だけは、痛いほど慎重に口にした。

 前夜、初めて名で呼ばされた時に変わった空気が、今夜はまた別の重さで戻ってくる。閣下でも、旦那様でもない。罪を知った上で、それでも選ぶと言った人の名。今のネフレクには、その呼び名だけが唯一まっすぐ返せるものだった。

 イスハルドの瞳がわずかに揺れる。

 ほんの一瞬だ。だが、地下の湿り気の中では十分に鮮明だった。

「そうだ」

 低く返る。

「それでいい」

 また同じ言葉。

 だが今度の「いい」は、前よりずっと深い。前夜の名を呼んだ時は、二人の距離が変わる音だった。今夜は、その距離へ前世の罪まで乗せたうえで、それでもいいと言われる。

 優しくて、重くて、残酷だ。

 ネフレクは再び目を閉じかけて、すぐにやめた。閉じたらまた、地下牢の一度きりの口づけまで今へ混ざってしまう。もう十分に混ざっているのに、これ以上は本当に息ができなくなる。

 イスハルドはそれ以上、何も言わなかった。

 顎へ添えた指も、ごく短く触れていただけで、すぐに離れた。涙を拭いはしない。慰めもしない。ただ、そこにいる。選んだという事実だけを、地下の湿った空気の中へ静かに置く。

 その静けさのほうが、ネフレクにはどんな抱擁より重かった。

 地下牢の水音は相変わらずぽたり、ぽたりと落ちている。

 鉄格子は錆びた匂いを吐き、石壁は冷たい。前世と同じ景色の中で、今世のネフレクはようやく、置き去りにした夜の罪を主の前へ差し出した。そして、赦しではなく選択を返された。

 その重さに耐えきれず、初めて泣いた。

 それがどれほどみっともなくても、どれほど身勝手でも、もう引っ込めることはできない。涙も、告白も、選ばれたという事実も、全部がそのまま地下の湿りへ溶けずに残っている。

 近衛の気配が、少しだけ近づく。そろそろ上へ戻るべきだ。地下で長く立ち止まっている余裕はない。王弟派の残党、封じるべき通路、確かめるべき記録、やることはいくらでもある。

 それでも、今だけは。

 今だけは、この湿った石壁と鉄格子のあいだで、ネフレクは泣くことをやめられなかった。

 赦しではない。

 慈悲でもない。

 ただ、私はお前を選ぶ、と言われた。

 その言葉は、ネフレクにとって、あまりにも重く、優しく、残酷だった。


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