なつめ

なつめ

BL、恋愛ファンタジー、悪役令嬢、後宮恋愛、切ない恋、ミステリー要素のある物語を書いています。 執着やすれ違い、身分差、秘密、運命に揺れる関係が好きです。 完結済み作品もあります。
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遠花家の長女、遠花依鈴は、華族の娘でありながら、家の中では使用人以下の生活を強いられていた。 妹の着物を整え、母の茶会を支え、父の帳簿を直し、使用人たちの不始末まで背負わされる毎日。 食事は残り物。部屋は北向きの物置。 それでも依鈴は「姉なのだから」と言われ続け、黙って耐えてきた。 そんなある日、帝都で恐れられるあやかし華族、久々湊家から婚姻の話が届く。 妹が嫌がったその縁談に、遠花家は依鈴を差し出した。 契約上の妻。 一年だけの花嫁。 人ならざるものが棲む屋敷。 狐火を従える冷たい旦那様。 捨てられるように嫁いだ依鈴を待っていたのは、初めて与えられる温かな食事と、初めて呼ばれる「奥様」という言葉だった。 けれど、依鈴が少しずつ居場所を得るほど、彼女を粗末に扱ってきた者たちは、その価値に気づき始める。 家族、妹、社交界の女たち、そして旦那様の過去を知る者たち。 これは、誰かの都合で生かされてきた姉が、帝都の夜と狐火の屋敷で、自分の名前と帰る場所を取り戻していく契約婚姻譚。
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