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ep.1 「記録に残すべきかどうか」
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僕は、怪異を追いかけているわけじゃない。
この世の不思議を解き明かそうとも思っていないし、超常現象を暴くことに興味があるわけでもない。
ただ、気づくと、妙な出来事に巻き込まれている。
◇
僕の仕事は、フリーのライターだ。
人に頼まれた記事を書き、取材をし、情報を整理するのが仕事。
とはいえ、「書く仕事」なら何でも引き受けるタイプだ。
芸能人のゴシップ記事を書くこともあれば、地方のグルメレポートをまとめることもある。
都市伝説や、奇妙な事件の取材をすることもある。
だが、僕自身は特に怪奇現象に執着しているわけじゃない。
それなのに、なぜか――そういう話に巻き込まれることが多い。
◇
たとえば、ある村では「この名前を呼んではいけない」と言われた。
ある町では「四人掛けの席に五人目が座ることがある」と聞いた。
あるアパートでは「昨日までなかった部屋が増えている」と訴える住人がいた。
普通なら、「そんな話があるんだな」で終わる。
けれど、僕の場合は少し違う。
それらの現象が、実際に起こる。
◇
だから、こうして記録を残す。
取材の記録として、記事の一部として、あるいは……忘れないために。
けれど、時々思うことがある。
「これを記録に残していいのか?」
◇
たとえば、写真だ。
僕には、「写真の中に入る」という能力がある。
どうしてそんなことができるのかは分からないし、そもそも、いつからできるようになったのかも覚えていない。
ただ、ひとつだけ言えるのは――
写真の中には、本来いるはずのないものがいることがある。
◇
それを「知ること」は、本当にいいことなのだろうか?
もし、この記録が誰かの目に留まったら?
もし、これを読んだ誰かが、「そちら側」に引き寄せられてしまったら?
◇
……まあ、考えても仕方がないか。
どうせ、興味がない人には関係のない話だ。
けれど、もし。
「最近、奇妙なことが続いている」と感じることがあれば、注意したほうがいい。
それはもしかしたら、すでにそちら側に片足を踏み入れているのかもしれないから。
この世の不思議を解き明かそうとも思っていないし、超常現象を暴くことに興味があるわけでもない。
ただ、気づくと、妙な出来事に巻き込まれている。
◇
僕の仕事は、フリーのライターだ。
人に頼まれた記事を書き、取材をし、情報を整理するのが仕事。
とはいえ、「書く仕事」なら何でも引き受けるタイプだ。
芸能人のゴシップ記事を書くこともあれば、地方のグルメレポートをまとめることもある。
都市伝説や、奇妙な事件の取材をすることもある。
だが、僕自身は特に怪奇現象に執着しているわけじゃない。
それなのに、なぜか――そういう話に巻き込まれることが多い。
◇
たとえば、ある村では「この名前を呼んではいけない」と言われた。
ある町では「四人掛けの席に五人目が座ることがある」と聞いた。
あるアパートでは「昨日までなかった部屋が増えている」と訴える住人がいた。
普通なら、「そんな話があるんだな」で終わる。
けれど、僕の場合は少し違う。
それらの現象が、実際に起こる。
◇
だから、こうして記録を残す。
取材の記録として、記事の一部として、あるいは……忘れないために。
けれど、時々思うことがある。
「これを記録に残していいのか?」
◇
たとえば、写真だ。
僕には、「写真の中に入る」という能力がある。
どうしてそんなことができるのかは分からないし、そもそも、いつからできるようになったのかも覚えていない。
ただ、ひとつだけ言えるのは――
写真の中には、本来いるはずのないものがいることがある。
◇
それを「知ること」は、本当にいいことなのだろうか?
もし、この記録が誰かの目に留まったら?
もし、これを読んだ誰かが、「そちら側」に引き寄せられてしまったら?
◇
……まあ、考えても仕方がないか。
どうせ、興味がない人には関係のない話だ。
けれど、もし。
「最近、奇妙なことが続いている」と感じることがあれば、注意したほうがいい。
それはもしかしたら、すでにそちら側に片足を踏み入れているのかもしれないから。
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