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第二十話王女の招待1
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「お嬢様、王城より使いの方がいらっしゃっているのですが」
「使い?」
アンに声をかけられて、ルチアは読んでいた小説から顔を上げた。
「はい。王女殿下から、お嬢様に内密なご相談があるとかで、お嬢様に口頭でお伝えしたいとか」
ライザとは、内密な相談を受けるほど親しくなった記憶もなく、それどころか、ノイアーの婚約者になったことで目の敵にされてもおかしくないとすら思っていた。
「わかったわ。とりあえず会ってみる」
ルチアが本を机に伏せ、アンに王女の侍女の待つ応接間に案内させた。
応接間には、王城侍女のお仕着せを着た侍女が一人姿勢正しくソファーに座っており、ルチアが現れると立ち上がって深々と礼をとった。
「この度は先触れないご訪問をお受けいただき、ありがとうございます。私、ライザ第一王女殿下の侍女をしておりますカンナと申します」
カンナと名乗った侍女は、ごく普通の侍女といった感じで、王女の内密な用事を任されるような……ぶっちゃけできる侍女風ではなかった。
「あの、人払いをお願いします。王女殿下からの言伝がありますので」
カンナはアンをチラリと見て言い、アンはそう言われてもシレッと壁際に立って部屋を出て行く素振りは見せなかった。
アンの顔には、本当にライザからの使いかもわからない胡散臭い人物とお嬢様を二人にする訳ないだろうとまざまざと書かれている。
「申し訳ないけど、それはできないわ。彼女は私の護衛も兼ねているの。あなたを疑う訳じゃないけど、あなただって初見の人物と王女殿下を二人になんかしないでしょ?とりあえず、座りなさいな」
ルチアもアンを下がらせるつもりはなく、カンナに座るように伝えると、自分もその前に腰を下ろした。
「それで、私は王女殿下から内密の相談を受けるほどあの方とは親しくないのだけれど、相談相手は私であっているのかな。ノイアーにじゃないの?」
「ルチア・シンドルフ様にと言い使って来ました」
「そう……、で?」
「お人払いを……」
「しません。言えないのならば、このまま帰りなさい」
付け入る隙なくピシャリと言い放つルチアに、カンナは渋々話し出した。主の命令を違えて話しちゃうんだ……と、内心ルチアもアンも驚いたが、とりあえずカンナの話を聞いてみた。
それによると、あれだけアレキサンダーには気をつけるようにと忠告したというのに、ライザはアレキサンダーと接触してしまったらしいのだ。しかも、かなりしつこくされていて、このままでは何をされるかわからない。下手に国王に話そうものならば、国際問題にも発展しそうだから、ルチアにまず相談したいとのことだった。
「ライザ第一王女殿下にちょっかいかけないように、私がアレキサンダー殿下に忠告しろって言うの?」
「いえ、まずはライザ第一王女殿下とお話いただいて、どうすれば良いか、二人で考えたいそうです。ですから、ぜひこのあと私と一緒に王城にお越しいただき、王女殿下に会っていただきたいんです」
「今すぐ?」
「はい、今すぐです」
非常識にも程がある……が、それくらい切羽詰まった状況なのかもしれない。
ルチアは二回目の人生を思い返していた。あの時、アレキサンダーに乱暴されそうになったライザを最初に発見したのはルチアだった。あまりのショックで我をなくしたライザは、絶望から自死を選ぼうとしたくらいで、その時の様子を思い出すと、ルチアの胸もかなり痛んだ。アレキサンダーを蹴り飛ばしたのは四回の人生で、あれが最初で最後であるが、どうせなら股間を踏み潰してやれば良かったと後悔したくらいだ。ちなみに蹴りを入れたのは、夫の浮気に嫉妬したからではなく、性犯罪者を撃退しようとしたからだ。その後、その場に飛び込んできたノイアーに、アレキサンダーが斬り殺されそうになり、盾にされて二回目の人生は幕を閉じたのであった。
あの二の舞になる前に……。
「わかったわ。王城へ行くわ」
「お嬢様?!」
ルチアはアンに黙るように合図をして立ち上がった。
「着替えてくるから、少し待っていてちょうだい」
ルチアはアンを引き連れて応接間を出た。
「セバスチャン、ノイアーに人をやって。私が王女殿下に呼ばれて王城へ向かったと伝えてちょうだい」
ルチアが扉の外に控えていたセバスチャンに耳打ちすると、セバスチャンは頷いて足早に廊下を歩いて去った。
★★★
「侍女の方はこちらでお待ちください」
ルチアが案内されたのは、王城のサロンではなく、第二庭園と呼ばれる裏庭にある生け垣迷路だった。
「ここですか?」
「はい、この中に東屋がありまして、そこならば人の耳を気にしないでお話ができますから」
迷路と言っても、成人男性ならば頭が出てしまうくらいの生け垣だし、引っかき傷やドレスが破れるのを気にしなければ、生け垣を突っ切って抜け出すこともできそうだった。東屋の屋根も見えているし、大人であれば難しい迷路という訳ではなさそうだ。背の低いルチアは、上から正しい道を見つけることはできないが。
「左手を生垣に添えて歩けば、東屋までたどり着きます。そちらでしばらくお待ち下さい」
「一人で行く訳ね」
カンナは「もちろんです」と頷く。
「わかりました」
ルチアはアンに控えているように目で合図を送ると、一人生け垣の中に入って行った。言われた通りに左手を生け垣に添えて歩くと、行き止まりなどに遭遇することなく、東屋に到着した。東屋の中には、お茶菓子とお茶が用意されており、ライザは後から来るのか誰もいなかった。
(これって、王女殿下が来る前に食べてていいものかしらね)
普通に考えたら駄目だろう。しかし、そこで我慢しないのもルチアだった。
一口クッキーを食べ、あまりの美味しさに手が止まらなくなる。二、三枚のつもりが、クッキーを半分くらいたいらげたところで、ガサガサと音がして、生け垣迷路から人が現れた。
「王女……殿」
立ち上がったルチアの前に立ったのは、ライザではなくアレキサンダーだった。
「なんでアレキサンダー殿下が?」
「ルチア、晩餐会ぶりだな」
アレキサンダーが手を広げて近づいて来たので、ルチアは石のテーブルを挟んでアレキサンダーと真逆に移動した。
「ストップです、殿下。それ以上近寄られたら大声で叫びますから」
「は?何を警戒しているんだ。別に、友好の証としてハグをしようとしただけじゃないか」
「私達の間に友好なんかはないですよね。会ったのも数回だし、会話も大勢いる中でちょこっと挨拶したくらいじゃないですか」
ジリジリと近寄ろうとするアレキサンダーと、時計回りにテーブルを回って逃げるルチア。ピリピリとした雰囲気の中、先に折れたのはアレキサンダーだった。目の前にあった椅子をひいてだらしなく座り、大袈裟な溜息をついてみせる。
「そこまで本心を隠さなくてもいいのに」
「はい?」
ルチアは警戒を解かず、椅子の背に手をかけたものの、座らずにアレキサンダーを注視した。
「だから、本当は僕の為に雷霆将軍と婚約したんだよな?周りには誰もいないんだから、正直になればいいだろ」
(はぁーっ!?)
まさか、本当にそんなことを信じているのか?あれだけ人前でノイアーに憧れているとはっきりと言ったのに。アレキサンダーはポジティブの塊のような人間だったことを思い出した。なんでも自分の良いように受け取り、それが真実だと思い込む性質があるのだ。
「正~直に、私はあなたのことは好きじゃないです。私のタイプは、ニヤけたイケメンもどきじゃなく、筋肉マッチョな強面ですから」
「まあ、僕は確かにイケメンだけれど、ニヤけてはいないぞ」
(もどきよ、もどき!似て非なるものだから)
「もしかして、自覚なさってない?ダイナマイトボディの女性の前では、デッレデレの凄いニヤけ顔になってますよ。さすがに、あそこまであからさまだとひきます。好きになる要素皆無です。そんなことより、ゴールドフロント国民として、アレキサンダー殿下に奏上したいことがあります」
「そんなことって……」
アレキサンダーにとって女とは、媚びて積極的に足を開く女か、嫌がる素振りを見せて気を引こう(アレキサンダーの思い込み!)とする女の二種類しかいなかった。アレキサンダーの中でライザは後者であり、ルチアは……未知の存在と言えた。
「まさかと思いますけど、ライザ第一王女殿下に手なんか出していないですよね」
「それは嫉妬か!」
嬉しそうに叫ぶアレキサンダーに、ルチアは思わずテーブルを殴りつけた。そんな扱いを受けたことのないアレキサンダーは、身体を縮めて小さなルチアを恐ろしそうに見つめた。
「おまえ、こっちにいる間に雷霆将軍に随分影響を受けたんじゃないか?」
「だとしたら嬉しいですね」
「恐ろしいの間違いじゃ……」
ルチアに睨みつけられて、アレキサンダーはさらに小さくなる。
「……昔は妖精のように儚げで、たおやかに見えたのに」
「殿下、幻想です」
「……裏切られた」
ルチアにピシャリと言われ、長いアレキサンダーの片想いが、幻想の一言で片付けられてしまった。まぁ、純粋にルチアだけを想い続けていた訳ではないし、好き勝手女遊びし放題だった訳だから、裏切られたとか言われても、「はぁっ!?」と眉を吊り上げて聞き返したくもなる。不敬になるから我慢するが。
「で、ライザ第一王女殿下に手を出していないんでしょうね!?」
ルチアは、なるべく冷静を装いながら、念を押して聞いた。
「ちょこっと味見くらいしか……」
「はぁっ!?」
思わずフォークを投げつけそうになり、ルチアはなんとか踏みとどまる。アレキサンダーがライザに手を出したことが原因で、ルチアは今までの生で何度も命を落としてきたというのに。
(まさか今度もなの!?)
「使い?」
アンに声をかけられて、ルチアは読んでいた小説から顔を上げた。
「はい。王女殿下から、お嬢様に内密なご相談があるとかで、お嬢様に口頭でお伝えしたいとか」
ライザとは、内密な相談を受けるほど親しくなった記憶もなく、それどころか、ノイアーの婚約者になったことで目の敵にされてもおかしくないとすら思っていた。
「わかったわ。とりあえず会ってみる」
ルチアが本を机に伏せ、アンに王女の侍女の待つ応接間に案内させた。
応接間には、王城侍女のお仕着せを着た侍女が一人姿勢正しくソファーに座っており、ルチアが現れると立ち上がって深々と礼をとった。
「この度は先触れないご訪問をお受けいただき、ありがとうございます。私、ライザ第一王女殿下の侍女をしておりますカンナと申します」
カンナと名乗った侍女は、ごく普通の侍女といった感じで、王女の内密な用事を任されるような……ぶっちゃけできる侍女風ではなかった。
「あの、人払いをお願いします。王女殿下からの言伝がありますので」
カンナはアンをチラリと見て言い、アンはそう言われてもシレッと壁際に立って部屋を出て行く素振りは見せなかった。
アンの顔には、本当にライザからの使いかもわからない胡散臭い人物とお嬢様を二人にする訳ないだろうとまざまざと書かれている。
「申し訳ないけど、それはできないわ。彼女は私の護衛も兼ねているの。あなたを疑う訳じゃないけど、あなただって初見の人物と王女殿下を二人になんかしないでしょ?とりあえず、座りなさいな」
ルチアもアンを下がらせるつもりはなく、カンナに座るように伝えると、自分もその前に腰を下ろした。
「それで、私は王女殿下から内密の相談を受けるほどあの方とは親しくないのだけれど、相談相手は私であっているのかな。ノイアーにじゃないの?」
「ルチア・シンドルフ様にと言い使って来ました」
「そう……、で?」
「お人払いを……」
「しません。言えないのならば、このまま帰りなさい」
付け入る隙なくピシャリと言い放つルチアに、カンナは渋々話し出した。主の命令を違えて話しちゃうんだ……と、内心ルチアもアンも驚いたが、とりあえずカンナの話を聞いてみた。
それによると、あれだけアレキサンダーには気をつけるようにと忠告したというのに、ライザはアレキサンダーと接触してしまったらしいのだ。しかも、かなりしつこくされていて、このままでは何をされるかわからない。下手に国王に話そうものならば、国際問題にも発展しそうだから、ルチアにまず相談したいとのことだった。
「ライザ第一王女殿下にちょっかいかけないように、私がアレキサンダー殿下に忠告しろって言うの?」
「いえ、まずはライザ第一王女殿下とお話いただいて、どうすれば良いか、二人で考えたいそうです。ですから、ぜひこのあと私と一緒に王城にお越しいただき、王女殿下に会っていただきたいんです」
「今すぐ?」
「はい、今すぐです」
非常識にも程がある……が、それくらい切羽詰まった状況なのかもしれない。
ルチアは二回目の人生を思い返していた。あの時、アレキサンダーに乱暴されそうになったライザを最初に発見したのはルチアだった。あまりのショックで我をなくしたライザは、絶望から自死を選ぼうとしたくらいで、その時の様子を思い出すと、ルチアの胸もかなり痛んだ。アレキサンダーを蹴り飛ばしたのは四回の人生で、あれが最初で最後であるが、どうせなら股間を踏み潰してやれば良かったと後悔したくらいだ。ちなみに蹴りを入れたのは、夫の浮気に嫉妬したからではなく、性犯罪者を撃退しようとしたからだ。その後、その場に飛び込んできたノイアーに、アレキサンダーが斬り殺されそうになり、盾にされて二回目の人生は幕を閉じたのであった。
あの二の舞になる前に……。
「わかったわ。王城へ行くわ」
「お嬢様?!」
ルチアはアンに黙るように合図をして立ち上がった。
「着替えてくるから、少し待っていてちょうだい」
ルチアはアンを引き連れて応接間を出た。
「セバスチャン、ノイアーに人をやって。私が王女殿下に呼ばれて王城へ向かったと伝えてちょうだい」
ルチアが扉の外に控えていたセバスチャンに耳打ちすると、セバスチャンは頷いて足早に廊下を歩いて去った。
★★★
「侍女の方はこちらでお待ちください」
ルチアが案内されたのは、王城のサロンではなく、第二庭園と呼ばれる裏庭にある生け垣迷路だった。
「ここですか?」
「はい、この中に東屋がありまして、そこならば人の耳を気にしないでお話ができますから」
迷路と言っても、成人男性ならば頭が出てしまうくらいの生け垣だし、引っかき傷やドレスが破れるのを気にしなければ、生け垣を突っ切って抜け出すこともできそうだった。東屋の屋根も見えているし、大人であれば難しい迷路という訳ではなさそうだ。背の低いルチアは、上から正しい道を見つけることはできないが。
「左手を生垣に添えて歩けば、東屋までたどり着きます。そちらでしばらくお待ち下さい」
「一人で行く訳ね」
カンナは「もちろんです」と頷く。
「わかりました」
ルチアはアンに控えているように目で合図を送ると、一人生け垣の中に入って行った。言われた通りに左手を生け垣に添えて歩くと、行き止まりなどに遭遇することなく、東屋に到着した。東屋の中には、お茶菓子とお茶が用意されており、ライザは後から来るのか誰もいなかった。
(これって、王女殿下が来る前に食べてていいものかしらね)
普通に考えたら駄目だろう。しかし、そこで我慢しないのもルチアだった。
一口クッキーを食べ、あまりの美味しさに手が止まらなくなる。二、三枚のつもりが、クッキーを半分くらいたいらげたところで、ガサガサと音がして、生け垣迷路から人が現れた。
「王女……殿」
立ち上がったルチアの前に立ったのは、ライザではなくアレキサンダーだった。
「なんでアレキサンダー殿下が?」
「ルチア、晩餐会ぶりだな」
アレキサンダーが手を広げて近づいて来たので、ルチアは石のテーブルを挟んでアレキサンダーと真逆に移動した。
「ストップです、殿下。それ以上近寄られたら大声で叫びますから」
「は?何を警戒しているんだ。別に、友好の証としてハグをしようとしただけじゃないか」
「私達の間に友好なんかはないですよね。会ったのも数回だし、会話も大勢いる中でちょこっと挨拶したくらいじゃないですか」
ジリジリと近寄ろうとするアレキサンダーと、時計回りにテーブルを回って逃げるルチア。ピリピリとした雰囲気の中、先に折れたのはアレキサンダーだった。目の前にあった椅子をひいてだらしなく座り、大袈裟な溜息をついてみせる。
「そこまで本心を隠さなくてもいいのに」
「はい?」
ルチアは警戒を解かず、椅子の背に手をかけたものの、座らずにアレキサンダーを注視した。
「だから、本当は僕の為に雷霆将軍と婚約したんだよな?周りには誰もいないんだから、正直になればいいだろ」
(はぁーっ!?)
まさか、本当にそんなことを信じているのか?あれだけ人前でノイアーに憧れているとはっきりと言ったのに。アレキサンダーはポジティブの塊のような人間だったことを思い出した。なんでも自分の良いように受け取り、それが真実だと思い込む性質があるのだ。
「正~直に、私はあなたのことは好きじゃないです。私のタイプは、ニヤけたイケメンもどきじゃなく、筋肉マッチョな強面ですから」
「まあ、僕は確かにイケメンだけれど、ニヤけてはいないぞ」
(もどきよ、もどき!似て非なるものだから)
「もしかして、自覚なさってない?ダイナマイトボディの女性の前では、デッレデレの凄いニヤけ顔になってますよ。さすがに、あそこまであからさまだとひきます。好きになる要素皆無です。そんなことより、ゴールドフロント国民として、アレキサンダー殿下に奏上したいことがあります」
「そんなことって……」
アレキサンダーにとって女とは、媚びて積極的に足を開く女か、嫌がる素振りを見せて気を引こう(アレキサンダーの思い込み!)とする女の二種類しかいなかった。アレキサンダーの中でライザは後者であり、ルチアは……未知の存在と言えた。
「まさかと思いますけど、ライザ第一王女殿下に手なんか出していないですよね」
「それは嫉妬か!」
嬉しそうに叫ぶアレキサンダーに、ルチアは思わずテーブルを殴りつけた。そんな扱いを受けたことのないアレキサンダーは、身体を縮めて小さなルチアを恐ろしそうに見つめた。
「おまえ、こっちにいる間に雷霆将軍に随分影響を受けたんじゃないか?」
「だとしたら嬉しいですね」
「恐ろしいの間違いじゃ……」
ルチアに睨みつけられて、アレキサンダーはさらに小さくなる。
「……昔は妖精のように儚げで、たおやかに見えたのに」
「殿下、幻想です」
「……裏切られた」
ルチアにピシャリと言われ、長いアレキサンダーの片想いが、幻想の一言で片付けられてしまった。まぁ、純粋にルチアだけを想い続けていた訳ではないし、好き勝手女遊びし放題だった訳だから、裏切られたとか言われても、「はぁっ!?」と眉を吊り上げて聞き返したくもなる。不敬になるから我慢するが。
「で、ライザ第一王女殿下に手を出していないんでしょうね!?」
ルチアは、なるべく冷静を装いながら、念を押して聞いた。
「ちょこっと味見くらいしか……」
「はぁっ!?」
思わずフォークを投げつけそうになり、ルチアはなんとか踏みとどまる。アレキサンダーがライザに手を出したことが原因で、ルチアは今までの生で何度も命を落としてきたというのに。
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