借金返済ファンタジー チートスキル 全部盛りでお願いします!

桃川鈴加

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「完璧メイドの恐怖の家計管理」

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豪邸の日常崩壊

朝の陽光が豪邸の窓から差し込む中、レオは目を覚ました。しかし、その光景は彼の想像を絶するものだった。

「うわぁぁぁ!なんやこれ!」

リビングは戦場と化していた。カイロスが人間型の姿で優雅に読書をしている周りには、高級茶器が散乱している。銀髪の美男子が金色の瞳で古書を読みながら、片手で『龍井茶』を優雅に啜っている姿は絵になるのだが、足元の惨状が台無しにしていた。

「この『龍井茶』は実に香り高い。5000年の経験で培った茶道の心得が...」カイロスは陶酔した表情で呟きながら、空になった茶碗を床に置く。「掃除?そんな下賤な作業は竜王の仕事ではない」

隣の部屋では、メリサが12台の魔導コンピューターに囲まれて借金計算に没頭していた。黒髪をまとめ、眼鏡をかけた彼女の表情は真剣そのものだ。

「月利15%複利計算で...現在の借金残高999億1234万5678セルン...あと127年8ヶ月で完済予定...いえ、待って、昨日の収入を計算に入れると...」

魔導コンピューターの画面には複雑な数式が次々と表示され、メリサの指が高速でキーボードを叩いている。しかし、彼女の足元には計算用紙の山、空の皿、コーヒーカップが無造作に放置されていた。

「メリサちゃん、足元見てみぃ。ゴミ屋敷やで」

「今、重要な計算をしているの。1セルンの誤差も許されないのよ」メリサは振り返りもせずに答える。「この計算が終わったら...あと3時間27分かかるけど」

3階からは魔法通信の声が聞こえてくる。リューナが族長業務の会議中らしい。

「月影の森の医療費問題について、今月は15万セルンの赤字です」通信越しに族民の心配そうな声が響く。

「分かりました。私の借金返済を少し遅らせて、医療費を優先しましょう」リューナの疲れた声が聞こえる。

レオが3階に上がると、ダークエルフの美しい族長が魔法の水晶球を前に座っていた。しかし、彼女の周りにも書類が山積みで、疲労の色が濃い。

「リューナ、大丈夫か?」

「ああ、レオ。すまない、族長の仕事が...掃除したいのだが、族民の命に関わることなので」

「私も掃除したいのですが、族長の仕事への責任が...申し訳ありません」

レオは朝から仕事に向かう準備をしながら愚痴をこぼした。

「おい、誰も掃除してへんやんけ!俺だって昼間は稼ぎに出てるんやで!みんなそれぞれ忙しいのは分かるけど、これじゃあかんで」

しかし、各々が自分の優先事項に追われ、家事は完全に後回しになっていた。レオは溜息をつきながら【神器創造】スキルを発動することにした。

「よし、スキルで何とかしたろ!【神器創造】!自動掃除機や!」

光の粒子が集まり、近未来的なデザインの自動掃除機が現れた。流線型のボディに無数のセンサー、そして赤く光る単眼が特徴的だ。

「クリーンマスター9000、起動シマス」機械的な音声が響く。

「おお、これは頼もしい!じゃあ頼んだで」

「汚レヲ殲滅シマス」

その瞬間、クリーンマスター9000の単眼が不気味に光った。

「アレ?なんか嫌な予感が...」

掃除機は最初こそ正常に動いていたが、だんだんと異常な行動を取り始めた。まず、カイロスの高級茶葉を「不要物質」と判定し、強力な吸引力で一気に吸い込んでしまう。

「うわああああ!俺様の龍井茶が!5000セルンもしたのに!」人間型のカイロスが絶叫する。

「汚レノ元凶ヲ除去シマス」

次にメリサの計算資料を「ゴミ」認定し、12台のコンピューターごと粉砕し始めた。

「やめて!私の借金計算データが127時間分も!」メリサが青ざめる。

そして遂に、クリーンマスター9000は究極の結論に達した。

「最大ノ汚レハ建物自体デス。除去シマス」

「ちょっと待て!」

掃除機は豪邸の柱に体当たりを始めた。【神器創造】で作った超高性能AI搭載掃除機だけあって、その破壊力は絶大だった。

「あかん!止まれ止まれ!」レオが慌てて止めようとするが、クリーンマスター9000は無慈悲に柱を削り続ける。

「俺様の龍井茶が...5000年分の涙が...」カイロスは50センチサイズになって茶葉の残骸の前で号泣している。

「私のデータが...一から計算し直しなんて...」メリサも絶望的な表情だ。


現実的解決策とメイド募集

修理が完了した豪邸で、反省会が開かれた。みんなでテーブルを囲んで座っているが、その表情は重い。

「やっぱりスキルに頼ったらあかんな...普通に人の手でやらな」レオが反省の言葉を口にする。

メリサが電卓を冷徹に叩きながら言った。「時給換算してみました」

彼女が手際よく計算した結果を発表する。

「掃除:1日3時間×4人=12時間、料理:1日2時間×担当者(狩りは別)、洗濯・その他:1日2時間、合計:1日約20時間の家事労働」

「20時間て...ほぼ一日中やんけ」

「この時間を稼業に回せば、メイド雇用費を上回る収益が見込めます」メリサが電卓を置いて結論を述べる。「つまり、メイドを雇った方が経済的にも効率的です」

レオは手を打った。「たしかに...お客さん来た時も、ちゃんとしたメイドさんがおった方が信用されるしな」

カイロスも同意する。「高級茶葉を適切に管理できる者が欲しい」本音は掃除をしたくないことだが、それは言わない。

「それに」リューナが付け加える。「私たちは見た目的に人間社会では異質な存在。魔族、ダークエルフ、ドラゴンを引き連れた集団は、どうしても警戒される。人間のメイドがいることで、社会的な信用度も上がるでしょう」

こうして、メイド募集が決定された。

翌日、ノルム町の冒険者ギルドに特殊な求人票が貼り出された。

 【急募】住み込みメイド**
- 勤務地:郊外の豪邸
- 待遇:月給5万セルン+住食費無料
- 応募条件:借金持ち歓迎、完璧な家事スキル必須
- 備考:雇用主も全員借金持ちです。お互い様精神で頑張りましょう
- その他:竜族、魔族、ダークエルフとの共同生活になります

ギルドに集まった冒険者たちの反応は様々だった。

「借金持ち歓迎って...普通逆だろ」

「でも月給5万は高いな。普通のメイドの倍はあるぞ」

「竜族と一緒に住むって...大丈夫なんか?」

「でも、あのレオさんたちやろ?悪人じゃないと思うけど」

ミア受付嬢は温かい笑顔で求人票を見つめていた。「レオさんたち、素敵な求人ですね...借金で困っている人を助けようという気持ちが伝わってきます」
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