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第4話
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「貴様に礼を返したかったが生憎、俺は森から出られない身だ。だから、あの時の恩を返すことができずにいた。
改めて、礼を言う。フェルを助けてくれて感謝する。」
「あ、いいえ。そんな…、私こそ…。この子の名前、フェルって言うんですね。」
セラフィーナがそう言うと、かあ、と答えるようにフェルが鳴いた。
「そういえば、まだ名を名乗っていなかったな。
俺の名は、ヴァルス。この黒の森に住んでいる闇の一族だ。」
「ヴァルス様…。あ、改めまして、私はセラフィーナと申します。あの、闇の一族とは一体…?」
「妖精の一種といえば分かりやすいか。」
「妖精!?」
セラフィーナは弾かれたように顔を上げた。
妖精…。この人が?セラフィーナは思わずまじまじと目の前の彼を見つめた。
「私…、妖精って初めて見ました。絵本に出てくる妖精ってもっと小さいイメージだったのに、全然違うんですね!」
セラフィーナの言葉にヴァルスは眉を顰めた。
「…貴様、俺が怖くないのか?」
セラフィーナはキョトンと目を瞬いた。
「聖女である貴様なら、俺達一族の危険性を教会から嫌という程、教え込まれたはずだ。
妖精は人間よりも魔力があり、危険な存在だと…。
そう聞いたことはないのか?」
「それは…、」
確かにシスターや神父はいつもセラフィーナに言い聞かせていた。
妖精に心を許してはいけません。
彼らは人間と違い、残酷で危険な生き物なのだと。
セラフィーナは絵本や文献、それに教会の人間から妖精についての知識は与えられた。でも…、セラフィーナは妖精を見たこともないし、会ったこともない。
それなのに、どうして、そんな風に決めつける理由が分からなかった。
「忘れたのか?俺があの兵士達に何をしたのか。…貴様はその目で見た筈だ。」
セラフィーナはビクッとした。そうだ。確かに…、あの兵士達は彼が殺した。
彼らの返り血を浴び、その末路をセラフィーナはこの目で見たのだ。あの時の光景は脳裏に焼き付いている。
「でも…、あの…、あなたは私を助けて下さいました。」
セラフィーナはギュッと胸元で手を握り締めながら答えた。
「私は…、あなたに救われました。あのままだったら、私は彼らに穢されて、屈辱を与えられてきっとそのまま殺されていました。だから、その…、あなたは私の命の恩人です。」
セラフィーナはそう言って、ヴァルスを見つめた。
「なら、俺の事が怖くないと?そう言い切れるのか?」
ヴァルスはそう言って、目を細めた。
バサッと翼を大きく動かすと、ブワッと強い風が巻き起こり、セラフィーナの髪が乱れた。ヴァルスの手が変形し、鋭い爪が現れた。長くて、見るからに鋭そうな爪…。
人間の皮膚など簡単に引き裂いてしまいそうだ。
セラフィーナは息を呑んだ。
それでも、震えそうになる自分を叱咤しながら口を開いた。
「怖くない、と言ったら…、嘘になります。初めてあなたを見た時は確かに怖いと思いました。でも…、」
それ以上にセラフィーナはヴァルスの黄金の瞳の美しさに目を奪われたのだ。
ただ、それを言うのは何だか恥ずかしくて、セラフィーナは口を噤んだ。
なので、言葉を選びながら自分の気持ちを話した。
「それでも…、あなたが私を助けてくれたことに変わりありません。だから…、今はそこまで怖くないです。」
セラフィーナはそう言って、微笑んだ。
ヴァルスはピクツと僅かに眉を動かしたが無表情で何を考えているのか分からない。
だが、彼は無言で手を下ろすと、長く鋭い爪はいつの間にか人と変わらない普通の爪に戻っていた。
不思議…。セラフィーナはそう思いながら、じーとヴァルスの手を見つめた。
「変わっているな。少なくとも、俺が知る限り、そんな人間は初めて見た。
…それは、貴様が聖女だからか?」
「そ、そうなんですか?どうでしょう…。
私はもう聖女ではないので…、分かりませんが…。」
「…。」
ヴァルスは無言でセラフィーナに近付いた。
コツコツとゆっくりと一歩一歩足を進めて。
やがて、セラフィーナの目の前に来ると、ピタリ、と立ち止まった。そのままセラフィーナを無表情で見下ろす。
セラフィーナは驚きながらも逃げることなく、彼を見上げた。彼からは敵意や恐怖を感じなかったからだ。
「美しいな…。」
「!?」
セラフィーナは目を見開いた。
う、美しい!?わ、私が?
セラフィーナは突然の言葉に混乱し、顔が真っ赤になった。ど、どうしよう…。こういう時、何て答えれば…、
社交辞令で褒められることはよくあったのに何でこんなに胸がドキドキするんだろう。
と、とにかく!何か、何か言わないと…、
混乱した頭でセラフィーナがぐるぐるとそう考えていると、
「このように澄んだ魔力は見たことがない。」
「…はい?」
セラフィーナはヴァルスの言葉に一瞬、固まった。
「人間の魔力など、不完全でちっぽけなものばかりだ。それに、どの魔力も濁っているものが多かった。だが、このような美しい魔力を持った人間は初めてだ。さすがは聖女といったところか。貴様が聖女に選ばれる理由が分かる気がする。」
―う、美しいってそういう意味?
アハハ…。そ、そっちか。…そ、そうだよね。わ、私ったら…、勘違いをして恥ずかしい…!
一人納得したようにそう話すヴァルスにセラフィーナは恥ずかしくなって俯いた。
つまりだ。ヴァルスが美しいと評したのはセラフィーナの魔力であって、別にセラフィーナを美しいと言った訳ではないのだ。セラフィーナは猛烈に恥ずかしくなり、この場から逃げ出したいとすら思った。
「先程、聖女ではない、と言ったな。だが、聖女としての資格や条件を失くしたわけではなさそうだ。
その魔力は聖女にふさわしい魔力だ。魔力の質だけではない。人間にしては、莫大な魔力量も兼ね備えている。
これ程の貴重な人材を手放すなど人間は愚かな生き物だな。…もしや、誰かに陥れられたのか?」
セラフィーナは思わず肩をビクッとした。
「人間は富や権力に執着する生き物だと聞くし、その下らない権力争いに巻き込まれたのか?
…本当に、人間とはいつの時代も同じことを繰り返す学習しない生き物だな。」
呆れた溜息を吐きながらもヴァルスは、
「まあ…、そちらの事情はどうでもいい。俺が聞きたいのはこの先、貴様はどうしたいのかという事だ。」
セラフィーナはハッとした。
「国に帰りたいというのなら、無事に送り届けよう。帰りたくないというのなら、ここにいればいい。
ここが嫌なら、他国の国でも遠い異国でも好きな所を選ぶがいい。」
「え…、い、いいのですか?でも、この森は人間は立ち入ることを許可していないのでは…?」
「普通はそうだが、今回は特別だ。フェルを助けてくれた恩人を手荒に扱う訳にはいかないからな。受けた恩は返すのが我々一族の掟だ。」
セラフィーナは呆然とヴァルスを見つめた。
「何だ?」
「あ!いいえ!ただ…、びっくりしてしまって…、妖精って義理堅いのですね。…安心しました。」
ひょっとしたら、人間よりもよっぽど律儀で義理に厚いのかもしれない。セラフィーナはそう思った。そんな一面を持つ彼の姿にセラフィーナは好感を持った。
「あの…、実は私…、わけあって国には帰れないのです。だ、だから…、ここにいさせて下さい!お願いします!」
バッと頭を下げてセラフィーナは頼み込んだ。
「好きにしろ。」
ヴァルスの言葉にセラフィーナはぱあ、と顔を輝かせて顔を上げた。
「ありがとうございます!」
「だが、見ての通り、この森は瘴気に覆われ、光に見放された呪われた森だ。それでもいいのなら、ここにいるがいい。」
「呪われた森?この森は呪われているのですか?」
「…ああ。古くから続く呪いだ。5千年以上前からのな。」
「そ、そんな前から!?ど、どうしてそんな…。」
「…さあ。大昔の事だから俺も詳しくは知らない。もうずっと続いている呪いだからな。俺もこの森の奴らも慣れた。」
「…。」
「まあ、そういう事だ。聖女であった貴様に呪いは効かない様子だし、害はないだろう。」
そう言って、ヴァルスはこの話は終いだというように締めくくった。
改めて、礼を言う。フェルを助けてくれて感謝する。」
「あ、いいえ。そんな…、私こそ…。この子の名前、フェルって言うんですね。」
セラフィーナがそう言うと、かあ、と答えるようにフェルが鳴いた。
「そういえば、まだ名を名乗っていなかったな。
俺の名は、ヴァルス。この黒の森に住んでいる闇の一族だ。」
「ヴァルス様…。あ、改めまして、私はセラフィーナと申します。あの、闇の一族とは一体…?」
「妖精の一種といえば分かりやすいか。」
「妖精!?」
セラフィーナは弾かれたように顔を上げた。
妖精…。この人が?セラフィーナは思わずまじまじと目の前の彼を見つめた。
「私…、妖精って初めて見ました。絵本に出てくる妖精ってもっと小さいイメージだったのに、全然違うんですね!」
セラフィーナの言葉にヴァルスは眉を顰めた。
「…貴様、俺が怖くないのか?」
セラフィーナはキョトンと目を瞬いた。
「聖女である貴様なら、俺達一族の危険性を教会から嫌という程、教え込まれたはずだ。
妖精は人間よりも魔力があり、危険な存在だと…。
そう聞いたことはないのか?」
「それは…、」
確かにシスターや神父はいつもセラフィーナに言い聞かせていた。
妖精に心を許してはいけません。
彼らは人間と違い、残酷で危険な生き物なのだと。
セラフィーナは絵本や文献、それに教会の人間から妖精についての知識は与えられた。でも…、セラフィーナは妖精を見たこともないし、会ったこともない。
それなのに、どうして、そんな風に決めつける理由が分からなかった。
「忘れたのか?俺があの兵士達に何をしたのか。…貴様はその目で見た筈だ。」
セラフィーナはビクッとした。そうだ。確かに…、あの兵士達は彼が殺した。
彼らの返り血を浴び、その末路をセラフィーナはこの目で見たのだ。あの時の光景は脳裏に焼き付いている。
「でも…、あの…、あなたは私を助けて下さいました。」
セラフィーナはギュッと胸元で手を握り締めながら答えた。
「私は…、あなたに救われました。あのままだったら、私は彼らに穢されて、屈辱を与えられてきっとそのまま殺されていました。だから、その…、あなたは私の命の恩人です。」
セラフィーナはそう言って、ヴァルスを見つめた。
「なら、俺の事が怖くないと?そう言い切れるのか?」
ヴァルスはそう言って、目を細めた。
バサッと翼を大きく動かすと、ブワッと強い風が巻き起こり、セラフィーナの髪が乱れた。ヴァルスの手が変形し、鋭い爪が現れた。長くて、見るからに鋭そうな爪…。
人間の皮膚など簡単に引き裂いてしまいそうだ。
セラフィーナは息を呑んだ。
それでも、震えそうになる自分を叱咤しながら口を開いた。
「怖くない、と言ったら…、嘘になります。初めてあなたを見た時は確かに怖いと思いました。でも…、」
それ以上にセラフィーナはヴァルスの黄金の瞳の美しさに目を奪われたのだ。
ただ、それを言うのは何だか恥ずかしくて、セラフィーナは口を噤んだ。
なので、言葉を選びながら自分の気持ちを話した。
「それでも…、あなたが私を助けてくれたことに変わりありません。だから…、今はそこまで怖くないです。」
セラフィーナはそう言って、微笑んだ。
ヴァルスはピクツと僅かに眉を動かしたが無表情で何を考えているのか分からない。
だが、彼は無言で手を下ろすと、長く鋭い爪はいつの間にか人と変わらない普通の爪に戻っていた。
不思議…。セラフィーナはそう思いながら、じーとヴァルスの手を見つめた。
「変わっているな。少なくとも、俺が知る限り、そんな人間は初めて見た。
…それは、貴様が聖女だからか?」
「そ、そうなんですか?どうでしょう…。
私はもう聖女ではないので…、分かりませんが…。」
「…。」
ヴァルスは無言でセラフィーナに近付いた。
コツコツとゆっくりと一歩一歩足を進めて。
やがて、セラフィーナの目の前に来ると、ピタリ、と立ち止まった。そのままセラフィーナを無表情で見下ろす。
セラフィーナは驚きながらも逃げることなく、彼を見上げた。彼からは敵意や恐怖を感じなかったからだ。
「美しいな…。」
「!?」
セラフィーナは目を見開いた。
う、美しい!?わ、私が?
セラフィーナは突然の言葉に混乱し、顔が真っ赤になった。ど、どうしよう…。こういう時、何て答えれば…、
社交辞令で褒められることはよくあったのに何でこんなに胸がドキドキするんだろう。
と、とにかく!何か、何か言わないと…、
混乱した頭でセラフィーナがぐるぐるとそう考えていると、
「このように澄んだ魔力は見たことがない。」
「…はい?」
セラフィーナはヴァルスの言葉に一瞬、固まった。
「人間の魔力など、不完全でちっぽけなものばかりだ。それに、どの魔力も濁っているものが多かった。だが、このような美しい魔力を持った人間は初めてだ。さすがは聖女といったところか。貴様が聖女に選ばれる理由が分かる気がする。」
―う、美しいってそういう意味?
アハハ…。そ、そっちか。…そ、そうだよね。わ、私ったら…、勘違いをして恥ずかしい…!
一人納得したようにそう話すヴァルスにセラフィーナは恥ずかしくなって俯いた。
つまりだ。ヴァルスが美しいと評したのはセラフィーナの魔力であって、別にセラフィーナを美しいと言った訳ではないのだ。セラフィーナは猛烈に恥ずかしくなり、この場から逃げ出したいとすら思った。
「先程、聖女ではない、と言ったな。だが、聖女としての資格や条件を失くしたわけではなさそうだ。
その魔力は聖女にふさわしい魔力だ。魔力の質だけではない。人間にしては、莫大な魔力量も兼ね備えている。
これ程の貴重な人材を手放すなど人間は愚かな生き物だな。…もしや、誰かに陥れられたのか?」
セラフィーナは思わず肩をビクッとした。
「人間は富や権力に執着する生き物だと聞くし、その下らない権力争いに巻き込まれたのか?
…本当に、人間とはいつの時代も同じことを繰り返す学習しない生き物だな。」
呆れた溜息を吐きながらもヴァルスは、
「まあ…、そちらの事情はどうでもいい。俺が聞きたいのはこの先、貴様はどうしたいのかという事だ。」
セラフィーナはハッとした。
「国に帰りたいというのなら、無事に送り届けよう。帰りたくないというのなら、ここにいればいい。
ここが嫌なら、他国の国でも遠い異国でも好きな所を選ぶがいい。」
「え…、い、いいのですか?でも、この森は人間は立ち入ることを許可していないのでは…?」
「普通はそうだが、今回は特別だ。フェルを助けてくれた恩人を手荒に扱う訳にはいかないからな。受けた恩は返すのが我々一族の掟だ。」
セラフィーナは呆然とヴァルスを見つめた。
「何だ?」
「あ!いいえ!ただ…、びっくりしてしまって…、妖精って義理堅いのですね。…安心しました。」
ひょっとしたら、人間よりもよっぽど律儀で義理に厚いのかもしれない。セラフィーナはそう思った。そんな一面を持つ彼の姿にセラフィーナは好感を持った。
「あの…、実は私…、わけあって国には帰れないのです。だ、だから…、ここにいさせて下さい!お願いします!」
バッと頭を下げてセラフィーナは頼み込んだ。
「好きにしろ。」
ヴァルスの言葉にセラフィーナはぱあ、と顔を輝かせて顔を上げた。
「ありがとうございます!」
「だが、見ての通り、この森は瘴気に覆われ、光に見放された呪われた森だ。それでもいいのなら、ここにいるがいい。」
「呪われた森?この森は呪われているのですか?」
「…ああ。古くから続く呪いだ。5千年以上前からのな。」
「そ、そんな前から!?ど、どうしてそんな…。」
「…さあ。大昔の事だから俺も詳しくは知らない。もうずっと続いている呪いだからな。俺もこの森の奴らも慣れた。」
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