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第17話
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「食事を持ってきた。食べれるか?」
「はい。ありがとうございます。」
セラフィーナは笑顔で食事を受け取った。
盆に乗った蓋を開ける。中から、お肉と野菜を使った彩り豊かなサンドイッチにスープ、果物がでてきた。
「わ…、美味しそう。これ、どうしたんですか?」
「この森の住人で人間の食べ物が好きだという変わった奴がいる。そいつに頼んで作って貰った。」
「へえ。そんな妖精もいるんですね。あ…、もしかして、今までの食事って…、」
「ああ。そいつに頼んで作って貰っていた。
初日に出した食事はあんな物しかなかったが。」
そうだったんだ。そういえば、初めて食事をご馳走になった時は果物だけだったがそれ以降はきちんとした食事が用意されていた。わざわざ私の為に食事を用意してくれていたんだ。
「わざわざ私の食事の為にすみません。ありがとうございます。」
「人間は食事をしないと生きられないのだろう。いいから、早く食べろ。」
「はい。」
セラフィーナは食事前の祈りを捧げて、サンドイッチを手に取った。
そのまま食べようとするが…、ヴァルスがじっとこちらを見ている。…何だか、すごく食べにくい。
「あ、あの…、」
「どうした?遠慮はするな。」
「い、頂きます。」
ヴァルスはセラフィーナの気持ちに全く気付いていない様子だった。見られていると食べにくいとは言えず、セラフィーナは観念してそのまま食事をすることにした。
「あ…、美味しい!これを作った方は料理上手なんですね。」
「そうなのか?俺は人間の食べ物を口にしたことがないから、上手いか不味いかは知らない。まあ、口に合ったのならいい。」
「そういえば、妖精は食事をしなくても生きていけるんでしたっけ?」
セラフィーナはサンドイッチを頬張りながら、ヴァルスに訊ねた。
「別に食べられないわけじゃないが食べなくても生きていける。人間の食べ物を口にしたいと思ったことはないが。」
「え‥、勿体。美味しい物、たくさんあるのに…。」
「…そうか。」
ヴァルスはセラフィーナから視線を逸らした。頬杖をつき、窓の外に目を向ける。セラフィーナはもぐもぐと口を動かして、食事を楽しんだ。
「フェル。どうしたんだ?」
「カアカア!」
戻ってきたフェルが何か袋のようなものを咥えていた。ヴァルスはフェルが持ち帰った袋を受け取った。
「何だ?これは?」
フェルに開けるようにせっつかれ、ヴァルスは袋のリボンを解いた。随分と小綺麗な袋だな。
そう思いながら、中を確認する。そこには四角い形をした白い塊がゴロゴロとたくさん入っていた。初めて見る物だ。石?いや。これは…、食べ物か?思わずそれを手に取り、まじまじと見つめる。試しに味見をしようと口に入れようとしたその時…、
「何をしておる?ヴァルス。」
背後からの声に驚き、ヴァルスは思わず袋と食べようとしていた謎の食べ物を落としてしまった。振り返ると、鷲の翼を持ち、頭から角を生やした自分によく似た女の妖精が立っていた。ヴァルスの母だ。
「あ…、」
「それは…、人間の食べ物じゃな?」
母は地面に落ちた袋とそこから零れ出ている白い塊を見て、鼻を覆い、目を細めた。
ヴァルスはまずい、と顔を強張らせた。母はヴァルスを睨みつけた。
「ヴァルス!何故、このような人間の食い物を持ち込むのじゃ!ああ…!臭い…!人間の匂いがする…!」
そう言って、母は地面に落ちた白い塊を跡形もなく炎で燃やし尽くした。
「ヴァルス!人間の食べ物など決して、口にするでない!あんな下等生物と同じ物を口にするなど…、吐き気がする!」
母はアーウェンの力と記憶を最も強く受け継いでいた。それ故にアーウェンが人間に抱いた憎悪という強い感情が母にも影響し、共鳴しているかのようだった。ヴァルスはそれ以来、人間の食べ物には手を出すことはしなくなった。後にあの白い塊は砂糖であると知った。砂糖は甘い食べ物で女子供に人気があるらしいということも。
「ヴァルス?」
セラフィーナの声でヴァルスは我に返った。つまらないことを思い出してしまった。
「…何だ。」
「あ、いえ…。何か考え事をしている様子だったのでどうしたのかな、と…。」
「…いや。大したことじゃない。」
ヴァルスは首を振り、無言になった。
…?どうしたのだろうか?セラフィーナはお茶を飲みながら、不思議そうに首を傾げた。
「一つ、聞きたい。」
「…?何ですか?」
「砂糖とは…、どんな味だ?」
「へ?砂糖、ですか?」
頷くヴァルス。セラフィ―ナは突然の質問に面食らいながらも、正直に答えた。
「とても甘くて美味しい食べ物ですよ。もしかして、砂糖に興味があるんですか?でしたら、是非一度食べてみてください!私も砂糖が好きなんです。ケーキやお茶にも使えるし、最強の調味料ですよね!」
意外だ。ヴァルスってもしかして、甘い物が好きなのかな?何だか、可愛い。セラフィーナはヴァルスの新しい一面を知れて、嬉しくなった。ヴァルスが人間の食べ物に興味を持ってくれたことが嬉しくて、セラフィーナはふと、デザートのオレンジに目を留めた。
「あ、そうだ!砂糖とは違いますけど…、これも甘い食べ物ですよ。」
セラフィーナはヴァルスに食べやすいように皮を剥き、オレンジを半分、差し出した。
「どうぞ。オレンジは砂糖程、甘くないですけど、糖分が含まれているから甘いんですよ。甘いだけじゃなくて、さっぱりしてとっても美味しいんです。」
セラフィーナはニコニコと笑ってオレンジを差し出す。
「いや…、俺は別に…、」
「そう仰らず!私一人じゃ量が多いと思ってたんです。だから、はい!どうぞ。」
ヴァルスが遠慮をしていると思ったセラフィーナはやや強引にヴァルスにオレンジを差し出した。
ヴァルスはオレンジをまじまじと見つめる。
まるで奇妙な物体を見るかのような視線。
何だか、こうしてみると子供みたいだ。
セラフィーナは口元が綻んだ。
セラフィーナはオレンジを口に運んだ。
爽やかな風味が口の中に広がる。
美味しい…。程よい甘さだ。
「美味しいです!ヴァルスも食べてみてください。」
ヴァルスははあ、と溜息を吐きながら、オレンジを口に放り込んだ。静かに咀嚼するヴァルスにセラフィーナは訊ねた。
「どうですか?」
「…ああ。美味いと思う。」
「良かったです!」
ヴァルスの言葉にセラフィーナはニコッと微笑んだ。
食事を終えたセラフィーナは食べ終わったお盆をヴァルスに返すと、
「ご馳走様でした。サンドイッチもスープも全部、美味しかったです。あの、今度食事を作ってくれたという方にお礼を言いたいのですけど…、」
「あいつにはちゃんと伝えておこう。…無理して、わざわざ顔を合わせる必要はない。」
「え…、でも、それだと失礼ですし…、できれば今度、直接会ってお礼を言いたいのですが…。」
ヴァルスは数秒、黙り込んだ。
「…分かった。また機会を作るからその時に改めて礼を言えばいい。」
「ありがとうございます!」
「だが、それはお前の魔力が回復してからだ。」
ヴァルスの言葉にセラフィーナははい!と頷いた。
そういえば、今までの食事はその妖精が作ってくれたということだよね。毎回作ってもらうのは何だか申し訳ないな。
「そうだ!あの…、ヴァルス。私も料理を作ってみてもいいですか?」
「構わないが…、お前、料理ができるのか?」
「いえ。私、生まれてから一度も料理はしたことないです!」
「…。」
きっぱりと言うセラフィーナにヴァルスはやや呆れた顔をした。
「したことはないですけど、これから作れるように頑張ります!」
「別に料理など作れなくても問題ない。あいつに頼めばいつでも…、」
「でも、毎回食事を作ってもらうのは何だか申し訳ないですし…。それに、自分でも作れるようになりたいなと思って…、」
「…分かった。それなら、厨房は好きに使うといい。近い内に食料も手に入れておく。」
「え、いいんですか!?ありがとうございます!」
セラフィーナはぱあ、と顔を輝かせて手を組んだ。
やった!実は、食べたい料理もあったから、丁度いい。それを自分でも作れるように頑張ろう!
セラフィーナは早く魔力が回復しないかなと願った。
「はい。ありがとうございます。」
セラフィーナは笑顔で食事を受け取った。
盆に乗った蓋を開ける。中から、お肉と野菜を使った彩り豊かなサンドイッチにスープ、果物がでてきた。
「わ…、美味しそう。これ、どうしたんですか?」
「この森の住人で人間の食べ物が好きだという変わった奴がいる。そいつに頼んで作って貰った。」
「へえ。そんな妖精もいるんですね。あ…、もしかして、今までの食事って…、」
「ああ。そいつに頼んで作って貰っていた。
初日に出した食事はあんな物しかなかったが。」
そうだったんだ。そういえば、初めて食事をご馳走になった時は果物だけだったがそれ以降はきちんとした食事が用意されていた。わざわざ私の為に食事を用意してくれていたんだ。
「わざわざ私の食事の為にすみません。ありがとうございます。」
「人間は食事をしないと生きられないのだろう。いいから、早く食べろ。」
「はい。」
セラフィーナは食事前の祈りを捧げて、サンドイッチを手に取った。
そのまま食べようとするが…、ヴァルスがじっとこちらを見ている。…何だか、すごく食べにくい。
「あ、あの…、」
「どうした?遠慮はするな。」
「い、頂きます。」
ヴァルスはセラフィーナの気持ちに全く気付いていない様子だった。見られていると食べにくいとは言えず、セラフィーナは観念してそのまま食事をすることにした。
「あ…、美味しい!これを作った方は料理上手なんですね。」
「そうなのか?俺は人間の食べ物を口にしたことがないから、上手いか不味いかは知らない。まあ、口に合ったのならいい。」
「そういえば、妖精は食事をしなくても生きていけるんでしたっけ?」
セラフィーナはサンドイッチを頬張りながら、ヴァルスに訊ねた。
「別に食べられないわけじゃないが食べなくても生きていける。人間の食べ物を口にしたいと思ったことはないが。」
「え‥、勿体。美味しい物、たくさんあるのに…。」
「…そうか。」
ヴァルスはセラフィーナから視線を逸らした。頬杖をつき、窓の外に目を向ける。セラフィーナはもぐもぐと口を動かして、食事を楽しんだ。
「フェル。どうしたんだ?」
「カアカア!」
戻ってきたフェルが何か袋のようなものを咥えていた。ヴァルスはフェルが持ち帰った袋を受け取った。
「何だ?これは?」
フェルに開けるようにせっつかれ、ヴァルスは袋のリボンを解いた。随分と小綺麗な袋だな。
そう思いながら、中を確認する。そこには四角い形をした白い塊がゴロゴロとたくさん入っていた。初めて見る物だ。石?いや。これは…、食べ物か?思わずそれを手に取り、まじまじと見つめる。試しに味見をしようと口に入れようとしたその時…、
「何をしておる?ヴァルス。」
背後からの声に驚き、ヴァルスは思わず袋と食べようとしていた謎の食べ物を落としてしまった。振り返ると、鷲の翼を持ち、頭から角を生やした自分によく似た女の妖精が立っていた。ヴァルスの母だ。
「あ…、」
「それは…、人間の食べ物じゃな?」
母は地面に落ちた袋とそこから零れ出ている白い塊を見て、鼻を覆い、目を細めた。
ヴァルスはまずい、と顔を強張らせた。母はヴァルスを睨みつけた。
「ヴァルス!何故、このような人間の食い物を持ち込むのじゃ!ああ…!臭い…!人間の匂いがする…!」
そう言って、母は地面に落ちた白い塊を跡形もなく炎で燃やし尽くした。
「ヴァルス!人間の食べ物など決して、口にするでない!あんな下等生物と同じ物を口にするなど…、吐き気がする!」
母はアーウェンの力と記憶を最も強く受け継いでいた。それ故にアーウェンが人間に抱いた憎悪という強い感情が母にも影響し、共鳴しているかのようだった。ヴァルスはそれ以来、人間の食べ物には手を出すことはしなくなった。後にあの白い塊は砂糖であると知った。砂糖は甘い食べ物で女子供に人気があるらしいということも。
「ヴァルス?」
セラフィーナの声でヴァルスは我に返った。つまらないことを思い出してしまった。
「…何だ。」
「あ、いえ…。何か考え事をしている様子だったのでどうしたのかな、と…。」
「…いや。大したことじゃない。」
ヴァルスは首を振り、無言になった。
…?どうしたのだろうか?セラフィーナはお茶を飲みながら、不思議そうに首を傾げた。
「一つ、聞きたい。」
「…?何ですか?」
「砂糖とは…、どんな味だ?」
「へ?砂糖、ですか?」
頷くヴァルス。セラフィ―ナは突然の質問に面食らいながらも、正直に答えた。
「とても甘くて美味しい食べ物ですよ。もしかして、砂糖に興味があるんですか?でしたら、是非一度食べてみてください!私も砂糖が好きなんです。ケーキやお茶にも使えるし、最強の調味料ですよね!」
意外だ。ヴァルスってもしかして、甘い物が好きなのかな?何だか、可愛い。セラフィーナはヴァルスの新しい一面を知れて、嬉しくなった。ヴァルスが人間の食べ物に興味を持ってくれたことが嬉しくて、セラフィーナはふと、デザートのオレンジに目を留めた。
「あ、そうだ!砂糖とは違いますけど…、これも甘い食べ物ですよ。」
セラフィーナはヴァルスに食べやすいように皮を剥き、オレンジを半分、差し出した。
「どうぞ。オレンジは砂糖程、甘くないですけど、糖分が含まれているから甘いんですよ。甘いだけじゃなくて、さっぱりしてとっても美味しいんです。」
セラフィーナはニコニコと笑ってオレンジを差し出す。
「いや…、俺は別に…、」
「そう仰らず!私一人じゃ量が多いと思ってたんです。だから、はい!どうぞ。」
ヴァルスが遠慮をしていると思ったセラフィーナはやや強引にヴァルスにオレンジを差し出した。
ヴァルスはオレンジをまじまじと見つめる。
まるで奇妙な物体を見るかのような視線。
何だか、こうしてみると子供みたいだ。
セラフィーナは口元が綻んだ。
セラフィーナはオレンジを口に運んだ。
爽やかな風味が口の中に広がる。
美味しい…。程よい甘さだ。
「美味しいです!ヴァルスも食べてみてください。」
ヴァルスははあ、と溜息を吐きながら、オレンジを口に放り込んだ。静かに咀嚼するヴァルスにセラフィーナは訊ねた。
「どうですか?」
「…ああ。美味いと思う。」
「良かったです!」
ヴァルスの言葉にセラフィーナはニコッと微笑んだ。
食事を終えたセラフィーナは食べ終わったお盆をヴァルスに返すと、
「ご馳走様でした。サンドイッチもスープも全部、美味しかったです。あの、今度食事を作ってくれたという方にお礼を言いたいのですけど…、」
「あいつにはちゃんと伝えておこう。…無理して、わざわざ顔を合わせる必要はない。」
「え…、でも、それだと失礼ですし…、できれば今度、直接会ってお礼を言いたいのですが…。」
ヴァルスは数秒、黙り込んだ。
「…分かった。また機会を作るからその時に改めて礼を言えばいい。」
「ありがとうございます!」
「だが、それはお前の魔力が回復してからだ。」
ヴァルスの言葉にセラフィーナははい!と頷いた。
そういえば、今までの食事はその妖精が作ってくれたということだよね。毎回作ってもらうのは何だか申し訳ないな。
「そうだ!あの…、ヴァルス。私も料理を作ってみてもいいですか?」
「構わないが…、お前、料理ができるのか?」
「いえ。私、生まれてから一度も料理はしたことないです!」
「…。」
きっぱりと言うセラフィーナにヴァルスはやや呆れた顔をした。
「したことはないですけど、これから作れるように頑張ります!」
「別に料理など作れなくても問題ない。あいつに頼めばいつでも…、」
「でも、毎回食事を作ってもらうのは何だか申し訳ないですし…。それに、自分でも作れるようになりたいなと思って…、」
「…分かった。それなら、厨房は好きに使うといい。近い内に食料も手に入れておく。」
「え、いいんですか!?ありがとうございます!」
セラフィーナはぱあ、と顔を輝かせて手を組んだ。
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