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第2章 王立ルミナス学院 1年目
第18話 試験本番
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冬の気配が王立ルミナス学院に静かに忍び寄っていた。
朝の空気は冷たく澄み渡り、校舎の窓にはうっすらと霜が降りている。
クラリス・ヴェルディアは、寮の個室で制服の襟を整えながら鏡の前に立っていた。
「今日から後期試験……」
あれから、クラリスは毎日剣を握り、放課後は欠かさずノクターンに会いに行っていた。学力試験の科目についても、前回よりも良い結果がとるために、毎晩遅くまで勉強をしていた。
その瞳は、春の入学式の頃よりもずっと強く、そして静かに燃えていた。
*
食堂では、試験前の緊張が漂っていた。
生徒たちは静かに朝食をとりながら、ノートを見返したり、友人と小声で確認し合ったりしている。
クラリスは、ロジーナ・エルスと向かい合って席に座っていた。
ロジーナはパンをちぎりながら、少し不安げな顔をしていた。
「クラリス様……今回、実技もあるんですよね。剣術、馬術、サバイバル術……」
「ええ。でも、準備はしてきたわ。あなたも弓術、頑張っていたじゃない」
クラリスは微笑みながら言った。
ロジーナは少しだけ笑った。
「はい。クラリス様のおかげです。学力試験の科目も、前よりは自信あります」
*
学力試験は1日目、2日目に分かれて行われる。
教室には、試験官が静かに用紙を配っている。
クラリスは、鉛筆を並べ、深呼吸をひとつして、試験開始の合図を待った。
「では、始めてください」
*
1日目 王国史。
クラリスは、レイモンド・カスティールの名を記した問題に目を留めた。
(制度の始まり……英雄の名は、今も語られ続けている)
運命力理論。
「数値は絶対か?」という問いに、クラリスは迷わず答えた。
(絶対ではない。人の意志が、数字を超えることもある)
2日目 論理的思考。
「制度における公平性とは何か」
クラリスは、制度の限界と可能性を冷静に分析した。
一般教養。
語彙、計算、歴史的文献の読解――すべて、彼女の努力の成果が表れていた。
*
3日目は、実技試験。
まずは剣術。
クラリスは、訓練用の軽装に着替え、演習場に立った。
演習場に集まると、レイナ教官は前に出てきた。
「今回のテストは、1人ずつ私と模擬戦を行ってもらう。10秒間、私の攻撃を防ぎきれば、90点。また、反撃して、私に一太刀浴びせることができれば、100点とする。」
生徒は、皆驚きの表情をしていたが、ゼノだけは微かに笑っていた。
「さあ、準備のできたものから、かかってきなさい。」
そうレイナ教官に言われ、ゼノ一人だけ前に出る。
木剣を構え、互いに礼をして、試合が始まった。
先にレイナが動き、ゼノがそれを防ぐ形となった。
それはクラリスが放課後に見た、あの動きだった。
対するゼノはお手本のような守りの型で、それを防ぐ。
そのまま何度か打ち合い、残り時間がわずかとなったとき、ゼノが動く。
その動きはおそらく、王国騎士団が使う“攻めの型”なのだろうとクラリスは感じた。
そして、ゼノの剣がレイナに届きかけたとき、時間切れとなった。
両者はまた向かい合い、互いに礼をして、試合が終わった。
「いい動きだ。私の攻撃をしのぎ、もう少しで一太刀入るところだった。ゼノ・ヴァルハルト、お前は98点だ」
レイナがそういうと、生徒はざわついた。
「次の者、前に出ろ」
そう言われ、誰もがためらう中、クラリスが前に出る。
そして、両者礼をし、剣を構え、試合が始まる。
レイナがクラリスとの間合いを詰めた。
なんとか最初の攻撃をしのぐ。息をする間もなく、次々にレイナの剣がクラリスに迫る。
(放課後に剣を見てもらっていたけど、打ち合ってはくれなかった。それに、見ていた時よりも、実際に間近で見るほうが何倍も速い。それに…)
クラリスは思考をめぐらす。
(結局、先生は授業で習ったことしか教えてくれなかったから、私には攻撃手段がない。でもだからこそ、やることははっきりしてる。10秒は耐えきってみせる。)
そして、クラリスにとって、とても長い10秒が経過した。
クラリスは息を整え、レイナに向かい合い、礼をした。
「見事だ、クラリス・ヴェルディア。数カ月前に初めて剣を握ったとは思えないほどの上達だ。90点だ。」
レイナの言葉に、その場にいた生徒たちが歓声をあげた。ゼノは少し驚いたような表情をしていた。
クラリスは達成感に満ちた表情をしながら、クラスの輪に入っていった。
「見事だ」
レイナが静かに頷いた。
*
次は馬術。
クラリスは、ノクターンの前に立ち、そっと手を伸ばした。
「今日もよろしくね」
ノクターンは自信満々に鼻を鳴らし、クラリスの手に頬を寄せた。
障害物走。
クラリスは、ノクターンと息を合わせ、見事にコースを走り抜けた。
観覧席では、教官たちが驚きの声を漏らしていた。
「気性の荒いノクターンを、ここまで手懐けるとは……」
*
最後はサバイバル術。
クラリスは、ロジーナと同じグループになった。
課題は「負傷者を抱えた状態で、山岳地帯から脱出する方法を選べ」
クラリスは、冷静に地図を確認し、最短かつ安全なルートを提案した。
ロジーナは、彼女の判断に頷いた。
*
こうして、クラリスの1年目の後期試験は終了した。
寮に帰ったクラリスは、確かな手ごたえと少しだけ周りに認めてもらえたような気がして、満足した表情で気絶するようにベットで横になった。
朝の空気は冷たく澄み渡り、校舎の窓にはうっすらと霜が降りている。
クラリス・ヴェルディアは、寮の個室で制服の襟を整えながら鏡の前に立っていた。
「今日から後期試験……」
あれから、クラリスは毎日剣を握り、放課後は欠かさずノクターンに会いに行っていた。学力試験の科目についても、前回よりも良い結果がとるために、毎晩遅くまで勉強をしていた。
その瞳は、春の入学式の頃よりもずっと強く、そして静かに燃えていた。
*
食堂では、試験前の緊張が漂っていた。
生徒たちは静かに朝食をとりながら、ノートを見返したり、友人と小声で確認し合ったりしている。
クラリスは、ロジーナ・エルスと向かい合って席に座っていた。
ロジーナはパンをちぎりながら、少し不安げな顔をしていた。
「クラリス様……今回、実技もあるんですよね。剣術、馬術、サバイバル術……」
「ええ。でも、準備はしてきたわ。あなたも弓術、頑張っていたじゃない」
クラリスは微笑みながら言った。
ロジーナは少しだけ笑った。
「はい。クラリス様のおかげです。学力試験の科目も、前よりは自信あります」
*
学力試験は1日目、2日目に分かれて行われる。
教室には、試験官が静かに用紙を配っている。
クラリスは、鉛筆を並べ、深呼吸をひとつして、試験開始の合図を待った。
「では、始めてください」
*
1日目 王国史。
クラリスは、レイモンド・カスティールの名を記した問題に目を留めた。
(制度の始まり……英雄の名は、今も語られ続けている)
運命力理論。
「数値は絶対か?」という問いに、クラリスは迷わず答えた。
(絶対ではない。人の意志が、数字を超えることもある)
2日目 論理的思考。
「制度における公平性とは何か」
クラリスは、制度の限界と可能性を冷静に分析した。
一般教養。
語彙、計算、歴史的文献の読解――すべて、彼女の努力の成果が表れていた。
*
3日目は、実技試験。
まずは剣術。
クラリスは、訓練用の軽装に着替え、演習場に立った。
演習場に集まると、レイナ教官は前に出てきた。
「今回のテストは、1人ずつ私と模擬戦を行ってもらう。10秒間、私の攻撃を防ぎきれば、90点。また、反撃して、私に一太刀浴びせることができれば、100点とする。」
生徒は、皆驚きの表情をしていたが、ゼノだけは微かに笑っていた。
「さあ、準備のできたものから、かかってきなさい。」
そうレイナ教官に言われ、ゼノ一人だけ前に出る。
木剣を構え、互いに礼をして、試合が始まった。
先にレイナが動き、ゼノがそれを防ぐ形となった。
それはクラリスが放課後に見た、あの動きだった。
対するゼノはお手本のような守りの型で、それを防ぐ。
そのまま何度か打ち合い、残り時間がわずかとなったとき、ゼノが動く。
その動きはおそらく、王国騎士団が使う“攻めの型”なのだろうとクラリスは感じた。
そして、ゼノの剣がレイナに届きかけたとき、時間切れとなった。
両者はまた向かい合い、互いに礼をして、試合が終わった。
「いい動きだ。私の攻撃をしのぎ、もう少しで一太刀入るところだった。ゼノ・ヴァルハルト、お前は98点だ」
レイナがそういうと、生徒はざわついた。
「次の者、前に出ろ」
そう言われ、誰もがためらう中、クラリスが前に出る。
そして、両者礼をし、剣を構え、試合が始まる。
レイナがクラリスとの間合いを詰めた。
なんとか最初の攻撃をしのぐ。息をする間もなく、次々にレイナの剣がクラリスに迫る。
(放課後に剣を見てもらっていたけど、打ち合ってはくれなかった。それに、見ていた時よりも、実際に間近で見るほうが何倍も速い。それに…)
クラリスは思考をめぐらす。
(結局、先生は授業で習ったことしか教えてくれなかったから、私には攻撃手段がない。でもだからこそ、やることははっきりしてる。10秒は耐えきってみせる。)
そして、クラリスにとって、とても長い10秒が経過した。
クラリスは息を整え、レイナに向かい合い、礼をした。
「見事だ、クラリス・ヴェルディア。数カ月前に初めて剣を握ったとは思えないほどの上達だ。90点だ。」
レイナの言葉に、その場にいた生徒たちが歓声をあげた。ゼノは少し驚いたような表情をしていた。
クラリスは達成感に満ちた表情をしながら、クラスの輪に入っていった。
「見事だ」
レイナが静かに頷いた。
*
次は馬術。
クラリスは、ノクターンの前に立ち、そっと手を伸ばした。
「今日もよろしくね」
ノクターンは自信満々に鼻を鳴らし、クラリスの手に頬を寄せた。
障害物走。
クラリスは、ノクターンと息を合わせ、見事にコースを走り抜けた。
観覧席では、教官たちが驚きの声を漏らしていた。
「気性の荒いノクターンを、ここまで手懐けるとは……」
*
最後はサバイバル術。
クラリスは、ロジーナと同じグループになった。
課題は「負傷者を抱えた状態で、山岳地帯から脱出する方法を選べ」
クラリスは、冷静に地図を確認し、最短かつ安全なルートを提案した。
ロジーナは、彼女の判断に頷いた。
*
こうして、クラリスの1年目の後期試験は終了した。
寮に帰ったクラリスは、確かな手ごたえと少しだけ周りに認めてもらえたような気がして、満足した表情で気絶するようにベットで横になった。
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