気功だけで世界を変える:クラスも勇者もいらない

佐藤祐騰久兵衛

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影魔石流通会編

影魔石流通会、開幕

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*ルール*
影魔石流通会は、魔石を主な通貨として取引を行う特殊な売買ゲームである。魔石とマネの両方を用いるが、最終的な勝敗は魔石の所有量によって決まる。

今回の参加者は6人。
各参加者は、他の5人それぞれと1対1のトレードを行う。そのため、合計で5ラウンドのトレードが実施される。

*取引の方式
取引は「マネによる魔石の買取」と「魔石同士の交換」の二通りのみ。
場外取引は禁止。
場内の参加者によるスキル使用は一切禁止。
取引は、双方の合意をもって執り行い、取引監督官が双方が同意した条件に従って取引が行われることを徹底させる。
取引に定められた条件と大会のルールに相違がある場合、大会のルールを優先するものとする。
魔石の鑑定は取引監督官が担当する。
鑑定結果を公開するかどうかについて、その決定は鑑定を依頼した者に委ねられる。
強制取引の場合、鑑定結果は必ず公開される。
手数料として、依頼者の魔石から鑑定対象のマナ総量の10%(最低100万マナ)が差し引かれるか、または魔石のマナ総量の半分に相当するマネ(最低100万マネ)を支払う。

強制取引フォーストレード

各プレイヤーは相手ごとに1回強制取引を持ちかけられる。

・内容:金額と魔石の数を指定して買取を要求、または魔石交換を要求できる。

・禁止事項:自分の魔石を相手に強制的に売りつけることは不可。

・拒否の条件:
提示側が取引に指定した拒否側の魔石の一部あるいは全部を鑑定・公開し、相手の提示額や魔石の価値と比較。
魔石の価値は、内蔵マナ1点ごと1マネとする。
相手の提示額または交換に指定した魔石の価値が、鑑定した拒否側の魔石を上回る場合、拒否側はその差額をペナルティとして支払う。
逆に鑑定した拒否側の魔石の合計価値が提示額または交換に指定した魔石の価値を上回る場合、提示側がその差額をペナルティとして支払う。
なお、拒否側の魔石の価値が鑑定済みである場合、そのまま提示側が用意した魔石及びマネの総額と、取引に指定された拒否側の魔石の価値との差額を比較するものとする。この場合、ペナルティ発生を前提とした提示は不可とし、その条件に該当しない強制取引は拒否出来ない物とする。
公開鑑定結果の隠蔽と「シャッフル」
公開された鑑定結果を隠蔽するには、取引監査官に依頼して鑑定された魔石に内蔵したマナを減らすもしくは増やすことで、鑑定結果が無効にするという手段のみ
手数料は増やすもしくは減らすマナの10%(最低100万マナ)。現金による支払は不可とする
「シャッフル」とは、上記の手段により多数の魔石の鑑定結果を隠蔽する手法をさしていう

勝敗条件
・第5ラウンド終了時、運営が各参加者の魔石のマナ総量を発表し、ランキングを決定。

・基準値(決定ライン)= 大会に持ち込まれた魔石の総価値 ÷ 参加者数

・結果判定:
基準値以上 → 賞金獲得
基準値未満 → 基準値との差額と同等のペナルティが発生
例:参加者6人の持ち込み総額が150億なら、決定ラインは25億。

***

 ウイルヘルムが指定された地点に到着すると、すでに迎えの者が待っていた。黒いフードを深く被った男が一歩前に出て、恭しく尋ねる。
「ウイルヘルミナ・シュヴァルツ様でいらっしゃいますね?」
 ウイルヘルムはわずかに顎を引き、穏やかな微笑を浮かべながら頷いた。
「ええ、ご案内よろしくて?」
 甘やかでありながら芯の強さを感じさせる声音。ゆったりとした仕草で、手元のパラソルを軽く傾ける。淡い光を受けたその動きには、貴族令嬢として当然のような優雅さがあった。
 迎えの者は深く一礼すると、用意された馬車へと案内した。外観は木目の質素な造りだが、扉が開かれると、その内装は絢爛たるものだった。上質な赤いビロードが敷かれた座席、精巧な金細工が施された装飾、揺れるたびに煌めく魔法灯。表向きの地味さとは裏腹に、座るだけで高揚感を覚えるほどの贅が尽くされていた。
「目隠しをお願いいたします。」
 馬車の中で待機していたフードを被った別の人間が、黒い布で手際よくウイルヘルム目元を覆う。
 ほどなくして馬車が動き出した。
 窓を開けることは許されず、そもそも目隠しで外の様子はわからない。だが、車輪が石畳を離れ、途中から柔らかい土の感触へと変わったのを足元の振動で感じる。おそらく市街地を抜け、どこか人目につきにくい場所へ向かっているのだろう。
 揺れが心地よくすら思えてきた頃、ようやく馬車が速度を落とし、やがて完全に停止した。
「ご到着です。」
 扉が開かれ、澄んだ朝の空気が流れ込む。出発前は気持ちのいい朝の陽気だったはずなのに、馬車を降りた瞬間、どこかひんやりとした空気が肌を撫でた。まるで、この場所だけ温度が低いかのように。
 ウイルヘルムはゆっくりと目隠しを外し、変わらぬ優雅さを保ったまま、足元を確かめるようにして馬車を降りて、ゆっくりと視線を巡らせた。
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