憧れのゲーム世界へ

胸脇苦満

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レインが本当の意味でプルシアーナを好きになり家族になりたいと思ってから一夜明ける。
朝日が昇る前に目が覚めたレイン。今の時間がわからないが多分朝ではある。
ゲーム時代に重宝した時計アイテムをイベントリから取り出し作動させる。

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魔力時計ローレンツ レア度3
耐久 120
品質 A

魔道具技師ウォットー・ローレンツ作
空気中の魔力を取り込み時間を示す魔道具
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シンプルなアナログタイプの腕時計で地球で言うところのブランド品ではあるが宝石などは一切使われていない。
時計の裏側に刻印された魔法陣が美しい芸術品であるような作りで、ひとかけらの時空魔石が中心部分に施されている。灰色の魔石が宝石のように見えなくもないが余計な装飾がなくレインお気に入りの時計だ。

時間を見ると5時18分を示している。
まだ薄暗いことを考えると夏ではなさそうだ。昨日の草原の青々とした草から察するに春なんだろうと結論付ける。

「ん~~おしっこ~」

目をゴシゴシと擦りながら起きてくるロアナ。

「ロアナおはよう。トイレの場所わかる??」
「ん~…あ!お兄ちゃん!おはよう!!私一人で行けるよ!!」

レインの顔を見るなりパァっと明るい表情になって飛び起きると胸を張って一人でトイレに行けることを自慢するロアナ。バタバタとかけていくとその音でプルシアーナがもぞもぞと動き始める。

「ん~、ロアあんまり大きな声出すとレインさんにめいわ……」

プルシアーナがそういって布団から起きるのを微笑ましげに眺めるレイン。
レインと目が合い顔が真っ赤になるプルシアーナが可愛くて仕方ない。着崩れした寝間着から覗く白い肌がなんとも色っぽい雰囲気を醸し出しているようだ。

「プルシアーナおはよう。」
「お、おはようございます…」

顔を真っ赤にしたプルシアーナがハッと自分の格好に気づくと着崩れた服を直す。
「あぁもうちょっと」と残念そうにするレインだが恥ずかしそうにしてる今もこれはこれでいいものだと朝からご機嫌だ。
朝からご機嫌のレインは昼に城へ行くことを考えてイベントリから比較的見栄えのいい服を選ぶ。
ゲーム時代にも貴族や王族に謁見することもあった為に装備を登録していたのだがその登録画面が初期化されてしまっているのでドレスコードがわからない。新たに登録できないものかと登録してみれば一応登録できるが装備に反映されることはなく、手元に現れるだけのようだ。こんなとこはゲームとは違うみたいだ。
国によっては若干ドレスコードが異なる為にいちいち覚えていられなかったがコレクターであるレインは謁見でつかってはダメな色ぐらいは知っているのが唯一の救いである。
たいていの国は爵位によって色が決まっているのがなんともめんどくさいがエルトゥールルは貿易国であるがゆえか謁見の際のドレスコードがかなりゆるい。大公家以外には決まった色がないのが救いだ。
記憶を頼りに使ってはいけない色を思い出す。
レインの記憶が黄色であると導き出し記憶の中の謁見装備を選ぶ。

ブラッドシルクを使った真っ赤なインナーの上にミノタウロスの皮を鞣して作ったベスト、ミスリル糸を編み込んだ黒のジャケットとズボン。外見はちょとチャラいサラリーマン風だが重鎧といってもいいほどの防御性能で皮鎧よりも軽い無駄に高性能なサラリーマンの出来上がりだ。
ケモミミ姉妹には昨日『ミヤビ洋服店』で買った服を着てもらうのだが、孤児院育ちということも考慮して地味目なものを選ぶ。
プルシアーナは清涼感のある青を基調としたドッキングワンピースでスカート部分がチュール生地のレイヤーとなっている。ドレスと言い張れないこともなくは…という感じだ。
ロアナは濃紺のAラインワンピースで9歳という年齢からしたらこの程度で十分だろう。
派手すぎてもおとなしすぎても嫌な顔をするものはいるのでこのくらいがちょうどいい。

着替えも終わり朝食の時間だ、朝食は卵焼きと鮎のような川魚の塩焼きに味噌汁と昨晩とは打って変わって薄味で味噌汁はきちんと出汁をとってるようでかなり満足いくものだった。思わずやるじゃんと呟いてしまったのは仕方ないことだろう。
朝食を食べ終えると昨日約束していたアクセサリーを受け取りに『ミヤビ洋服店』へと向かう。
昨日と同じドアマンが迎え入れてくれると若干目の下にクマができたフェリタニカが満面の笑みで迎えてくれる。
店の中にはまだ昨日出した革と針が隅っこに山積みになってるところを見ると片付けるよりもアクセサリーを作るのを優先してくれたようだ。

「レイン様お待ちしていました。つい先ほど出来上がりましたわ!」
「あ、ありがとう…」

目が真っ赤に充血したフェリタニカの姿に若干引き気味の三人だが徹夜して作ってくれたであろうことを思うと何もいえずにコクコクと頷く。

「早速ですがこちらです。」

フェリタニカが用意してくれたアクセサリーが机に並ぶ。
プルシアーナとロアナに作ってくれたのはネックレスと指輪だ。
ネックレスは小さな半透明の無属性魔石を使って簡易の結界生成魔道具で護身用にと作ってくれた。
魔石に刻印を刻み台座に刻んだ魔法陣と連動させることで魔石内の魔力を呼び水にして周囲の魔力を使って結界を生成する魔道具だ。無属性魔石なので大きな結界ではないがこれがあるのとないのでは生存率が変わるだろう。

魔石は電池のように魔道具に組み込む、魔法の触媒、薬の材料と用途は多いのだが魔道具にするときに一番効率がいいのは今回のように魔石に刻印を刻み魔石を魔道具の核部分に加工するのがいいだろう。だが今の世界にそれができるだけの腕がある生産職はほとんどいない。魔石に刻印を刻むのはかなり高等な技術で刻印を刻み始めると魔石内の魔力が不安定になり最悪爆発の危険がある。刻印が複雑であればあるほど大きな効果があり、職人のイメージによって同じ模様でも効果に変化が生じてしまうのでまったく同じものは存在しないと言われる。魔石の質や属性によっても難易度が大幅に変わり今のフェリタニカの技術では無属性の小魔石が限界だ。

指輪は魔封石に加工して身体強化の付与効果をつけてくれている。
魔封石とは宝石に魔力を込めて作り出す石で、付与魔法や刻印を刻むことで比較的簡単に魔道具を作ることのできる代物だ。装備者と宝石の相性によって発揮される効力が異なり、付与できる魔法の数も違うので相性を見極めて装備する必要がある面倒な魔道具だ。魔石に比べると容量は小さいが安定した効果を得やすく、宝石内の魔力がなくなっても魔力を込めるだけで再使用可能なためにアクセサリー型の魔道具には基本的にはこちらを使うことが多い。
プルシアーナがターコイズ、ロアナは鶏血石を使用して身体強化の付与をつけている。

「おぉ!魔道具じゃん!!結界と身体強化ね。じゃぁ二人ともつけてみてよ!」
「え!こんな高価なもの私に「いいの!?」」

プルシアーナは遠慮し、ロアナは自分がつけてもいいのかと喜んでいる。

「せっかく二人のために作ったんだからね。」

レインの言葉に恐る恐るアクセサリーをつけるプルシアーナと嬉しそにつけるロアナ。
満足げな表情のフェリタニカが二人に使い方を教えている。ネックレスは呼び水となる魔力が無くなると使えなくなるが指輪は普段生活している時の余剰魔力を蓄える仕組みだそうだ。
レインやミヤビが作る魔封石の場合空気中の魔力を吸収して使って発動するのだがそういったものではないらしいくまだまだ修行が必要だとがっくりとした様子のフェリタニカ。だが一般的には自動で魔力を込められる時点で職人の中ではかなりの技術である。

二人の分を受け取ると次はパトラとナターシャにあげる用のアクセサリーを受け取る。
こちらは二人のネックレス同様の魔道具でデザインも同じだ。
それから念のために誕生祭用のプレゼントを見せてもらったのだが、それはアクセサリーではなく反物だった。
ミヤビの店は会員制の一見さんお断りであるためどんな権力がある貴族であろうと断るときは断る徹底した経営方針を貫いている。ここの領主は『世界融合』の後に就任したようで今まで利用したことがないのだそうだ。
そこでなぜ反物かという話になるのだが、ミヤビの店の紹介方法がこれなのだ。普段利用している常連客が『ミヤビ洋服店』で購入したミヤビまたは支店長の刻印入りの反物を紹介したい人物にプレゼントしてその反物持参で来店することによって利用することができるようになるのだ。
高級洋服店である『ミヤビ洋服店』はそこの服を着てることが貴族にとって一種のステータスになるらしく、エルトゥールル公国でここの服を購入できる貴族はそう多くないそうで大公の娘であるパトラですら大公と一緒に来店しなければ利用できない徹底ぶりには舌を巻く。

レイン的には反物だけでいいものか不安になりつつも贈呈品を受け取り店を後にするとお昼までの空き時間を利用して買い物をすることにした。
レインは一応冒険者であるために旅や狩猟の類をすることも多い。二人には護身用の武具が必要だと思ったのだ。

「昼まで時間あるから武器でもに見に行こうか。」
「武器ですか?」
「俺は冒険者だし旅をすることも多いから護身用に必要だと思うんだよね。」
「私に使える武器なんて…あるんでしょうか?」
「私は??」

うつむき気味のプルシアーナとレインの服を引っ張って興味津々のロアナ。プルシアーナの疑問も理解できる。今まで孤児院育ちで武術の経験などなかったのだろう。
だが今二人には身体強化用の指輪があるのでその辺の初心者冒険者よりは強いはずだ。

「二人とも大丈夫だよ。さっき指輪の使い方を習ったでしょ?その指輪の使い方さえ上手くなれば駆け出し冒険者よりは強いはずだから。」
「本当ですか?私もロアも家畜の解体しかしたことがないですよ?魔法だって使えません。」
「え!?解体したことあるの?」
「はい。孤児院で育ててた家畜の世話と解体は私たちの仕事でしたので。たまに冒険者の方が持ってくるモンスターの解体もしますよ。」
「そうなんだ…すごいね。」

ゲームだと解体のスキルがあっても本当に解体することは少ない。倒してナイフを突き立てるとドロップ品が現れるからだ。捕獲した時以外に本当の解体に近いことは何もない。ゲームであるために出血も少ないし血の匂いもしない。臓物も作り物のような感触で繊細な人間でない限り気分が悪くなるようなことも少ない上に設定によりモザイク処理も可能であった。
だがこの世界は違う。実はサーバルタイガーを解体した時にあまりにもリアルで気分が悪くなっていたレインは今後の解体をどうしようかと考えていたのだ。血の匂いで感覚が麻痺していたのと、女性の前でカッコつけていたから頑張れたようなものである。一度解体できたことを考えると何度か練習すればなれるだろうがモンスターの種類によっては躊躇することも多いだろう。幸いモンスターの命を奪った罪悪感は多少あるものの思っていたほど思い詰めることはない。解体ができる二人に頼りきるつもりはないが解体経験があるのなら弱いモンスターを倒して戦闘スキルを覚えればなんとか自衛ぐらいはできるだろう。

「うん。解体できるなら戦えるんじゃないかな?」

比較的楽にレベリングできそうな戦闘職を考えつつこの世界の今のルール。手に入れたジョブが全て有効化されることを考える。15種までは特に体に負担があるジョブはないはずだし、魔道具でペナルティーを相殺できそうだと結論付ける。効率よくジョブを取得するとペナルティなんてほとんどないに等しいのだが取得する順番が難しい。

「が、頑張ります!」
「私も!」

レインの言葉に張り切るプルシアーナとロアナを連れて武器屋に入る。
初心者の二人にはあまり強力な武器を持たせても危ないだけだ。かといって安物も手に合わない可能性は十分あり得る。レインの所有する武器から貸し出すのもいいが初心者が扱えるものは『空中庭園』に置きっぱなしなのだ。

(あれ?そういえば空中庭園ってどうなってんだ?)

ふと疑問に思うと置きっ放しのコレクションが気になってくる。幸か不幸か初心者用武具店をモチーフにしていたために普段使いのアイテムや素材は全てイベントリ内にあるが『空中庭園』においてあるものは欠陥武器コレクションが多く、もう2度と手に入らないかもしれないものばかりだ。
現在『空中庭園』を設置してるのは日本人プレイヤーが入り浸ってる『紀の国』という今いる大陸から船で1日ほどの島国だ。大きさは北海道ほどなのだが日本とほぼ同じ風習でなぜか落ち着くのだ。土足文化が馴染めない日本人はほとんどこの国をホームタウンとしている。

(え?もしかして…イヤイヤそんなわけないよな?)

レインの背中に嫌な汗が流れると『空中庭園』のロストという最悪の予想が頭をよぎる。
ゲームならマイホームの情報がステータス画面に表示されるのだが今はその表示がない。つい先ほどまで楽しかった気分が不安でいっぱいになる。

「レインさんどうしたんですか?」
「お兄ちゃんどうしたの?」

冷や汗が流れるレインを心配そうに見つめる二人が目に入ると頭を軽く降って平静を取り戻す。

「大丈夫なんでもないよ。」
(だ、大丈夫。ここでの用事が終わったらリターンホームで帰ればいいんだ。うんそうだそうだ。)

自分に言い聞かせるようにそう納得させると二人の武具を選ぶことにする。
防具に関してはイベントリ内のものを流用するとして武器だけを選ぶ。
初心者の二人にはまず槍かメイスだろうと身長にあった槍とメイスを選ぶ。
プルシアーナは鉄製の槍とメイスをロアナは槍だけを買うことになった。ロアナの身長ではさすがにメイスは振り回せなかったようだ。指輪の効果で持つことはできるのだが振りかぶると重心がぶれてしまって力が乗らないのだ。
二人の武器を選んでる間店員が不思議なものを見るように眺めていたが購入することを知るや否や営業スマイルで現金な店員だ。槍が3800ルルでメイスが4600ルルという信じられない安さでレインが驚いている中プルシアーナがこんなに高いのかと違う意味で驚いていた。
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