憧れのゲーム世界へ

胸脇苦満

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ナターシャと一緒にお城へと移動する。もちろん移動法はエルルだ。
昨日とは違う門兵に軽く挨拶して昨日とは別の場所で馬車が何台も置かれている駐車場らしき場所にエルルを止める。
すると昨日門にいた兵士がそこに待機していた。

「おはようございます。」
「あれ?今日はこっちなんですか?」
「はい。なんでもレイン殿が車を作るとか聞きましてその手伝いをするよう上司から」
「それはこちらからご説明いたします。材料の運び込みの方はどうなってます?」
「は!それはもう直ぐ終わります。」

エルルから降りたナターシャが会話に割ってはいると兵士はどこかへ走っていく。

「どういうことです?」
「予定が空いていれば今日作っていただければと思いまして。何度も足を運ぶのも手間だと思いますし、もちろん予定があれば後日でも構いませんが作れる準備は整えています。準備したものは自由に使っていただいて構いませんし、エルル以外のものを作っていただくのも構いませんよ。」
「あ~じゃあ後で作っちゃいますね。」
「お願いいたします。ではこちらへ」

王都で作ることになるかどこかの工房を借りるものだと思っていたレインだがまさかここで作るとはとちょっと驚く。
できれば事前に教えて欲しかったがそれはレインが冒険者である為いつどこにいるのかわからなくなるからだと聞いてそんなものだろうかと納得する。

「ふぅ~」

ナターシャに案内された部屋の前で大きく深呼吸をするレイン。
プルシアーナとロアナはパチニアと共にテラスでお茶をしているのでここにいるのはレインとナターシャの二人だけだ。
わざわざ重苦しいところに来る必要などないという配慮である。

コンコン

「レイン様をお連れいたしました。」
「どうぞ。」
「失礼いたします。」

ナターシャが扉を開くと少し目が赤くなったパトラが出迎える。
泣きはらしたからか少し化粧をしているようでおしろいのようなものをつけている。

「レイン様皆さん。昨日は取り乱してしまい申し訳ありませんでした。」
「俺こそ無神経なことを言ってごめん。」
「いえ、レイン様は悪くありませんわ。あの話を聞いてしまえばそう思っても仕方ありませんもの。魔道具も使い方次第なのですから。」
「…口に出す必要はなかったと思うよ。ごめん。」
「お二人ともいつまで謝い会うつもりですか?」

業を煮やしたナターシャが口を挟む。

「レイン様は失踪者であったのですから情報収集するのも無理はありません。この国が安全かどうか、また他国の情報を得ようとするのは当然です。パトラ様が怒った理由も…わからないでもありません。ですから双方ともに謝ったのでこれで仲直りということでどうでしょう?」
「えぇ俺はそれでいいですよ。」
「私も…」

ちょっとぎこちないが仲直りするとパトラは大きくため息をつく。

「レイン様…確かに我が国は戦争に巻き込まれていないので軍事力は同規模の国と比べればあると思います。」
「それはもう「聞いてください!」」
「あ、はい。」
「我が国はレイン様が言うようにある程度の軍事力はあります。ですが高ランクの冒険者がいなくなった今、他国に送るような兵力など存在しないのです。もともと四方を大国に囲まれていますが国の国境線には厄災とも天災とも言われるようなモンスターが生息しています。特に三国が交わっている四ヶ所のモンスター出没頻度は多いのです。」
「確かにあの国境線には強いモンスターがいますね。しかもあの場所は迷宮やダンジョンの入口みたいなものです。」
「えぇ。今はそのモンスターは我が国によく出没すると聞いています。幸い国民が襲われたという情報はないものの兵士がいつでも対処できるように町や村を警護するために働いています。ですから、ですから我が国は武力を外に向けることなどありません!!どうかそのことだけはわかっていただきたいのです。」

パトラはどうしてもレインにはわかって欲しかった。それがなぜかと聞かれてもよくわからないのだが他国の陰口を叩くような者達と同じような考えをほんの少しも持って欲しくないと思ったのだ。
どうしても、どうしてもわかって欲しかった。国の情報を外のものに話すのはよくないことはわかっている。怒りのままに話した時も父やその周りの人間に怒られているのでそれはわかってはいるのだがレインにはわかってほしいと思ったのだ。
ナターシャも本来は止める立場であるのだが今回ばかりはパトラの気持ちを優先させてしまう。

「俺もあの後知人から世情を聞いたから大雑把にならこの国のことも知ったよ。正直たった5年でこうも変わるとは思ってなかった…」
「…でしょうね。私もこんなに変わるなんて思いもしませんでした。突如幾人もの国民が消え、交易が途絶え食事もみるみる質素になる。私たちでこれなら国民はどんな食事をしているのか…胸が苦しくなる思いでした。幸い貿易国でもある我が国では保存食の備蓄もあったために被害は少なかったはずです。」
「そう、だね。パトラが怒った理由も今ならわかる気がする。いろいろあったんだよね。他国から見ると被害の少ない国は疎ましいだろうから。」
「お二人ともそれくらいに。辛気臭い話は似合わないですよ?」

これ以上の話はどちらも益がないと思ったナターシャが会話をやめるよう促す。
さすがにこれ以上目を瞑るわけにはいかないと思ったのだ。ミヤビ洋服店の関係者であるレインだからこそある程度の情報はそこから漏れるので今までの情報程度なら知ってるだろうと思うがこれ以上はさすがに問題だ。
実際のところミッドからもっと深い話を聞いているレインなのだがそこまで知る由も無いナターシャはあまり国の事情を知ってはどこから何が漏れるのかわかった者では無い。今までの付き合いから口が固いわけではなさそうと判断しているのでこれ以上知られるわけにもいかないと思うのは仕方ないだろう。

「パトラ様、そろそろテラスに移動したほうがよろしいかと思います。」
「そうですわね。ニアも待ちかねてますわね。」
「じゃあ俺はエルル作りかな?」
「え!?今から作ってくださるのですか!?」
「ナターシャさんとエルルを作る約束してたんですよ。まぁ今日というのは聞いてなかったですが」
「急なお願い申し訳有りません。ですが早いほうが良いかと思いまして。」
「まぁそうですね。早いほうがありがたいのは確かです。ここにずっといるかもわからないので。」

ミッドがこの街にいることを思うとあまり長居して筋トレに付き合わされるのは嫌だと思うレイン。

「私も運転できますか!?」
「え?あぁ…エルルは大きいし多分無理かな?でも違うのなら作ってあげるよ。」
「本当ですか!?」
「え?あぁうん。作る作る。」
「ではまずテラスの方へ行ってから作業場の方へ案内いたしますね。」

先ほどとは打って変わって明るい様子のパトラに切り替え早いなと驚くレイン。
一度テラスでみんなと合流すると作業場へと移動する。なぜか面白そうとのことからみんな一緒についてきているのは遊び場と勘違いしているのだろう。
作業場に到着するとまず今あるエルルを兵士の一人に試乗してもらう。
これは昨日ミッドのトレーニングにいいな発言を聞いてもしかしたら普通の人は運転できないんじゃ無いかと思ったためだ。エルル作成の手伝いのためにいた兵士や何かの職人らしき人たちに試してもらったが二人ほど動かせる人はいたがほとんどは全く動きすらしなかった。動かせた二人も初動は誰かに押してもらわないと動かせなかった。軽量化の魔法付与がある木材でこれである。御察しの通り馬車サイズの木材など重すぎるに決まってる。想像してほしい。できの悪い木製自転車でプレハブを引っ張るのだ。
できますか?無理でしょ!?
摩擦でかなり重たいペダル。魔法を付与させているから発火しないがもし魔法付与していなかったら摩擦で発火炎上していてもおかしく無い出来栄えなのだ。今更ながらこのエルルが危険であることに気づいたレインである。
即席で作ったものなのでその辺はご愛嬌というものだろう。

「え~っと…この大きさのエルルを動かすことはできないということで小型化するか漕ぎ手を増やすかの二択になりますね。」

今ここに集まっている人間はこのデカブツを今まで平然と動かしていたレインにドン引きしている。
当たり前だ。レインよりも明らかにガタイのいい兵士が動かせないものを気だるげではあるが平然と乗り回していたのだ。ありえないだろう。
いや、気だるげだからこそありえないのだ。

「あ、そういえば昨日ミッド様がレイン殿とお知り合いと言っていたのですが?」

昨日門兵をしていた男性が思い出したかのようにレインに質問する。
馬鹿げた力とくればミッドを思い出すのは自然。そしてこの男はミッドがレインを知り合いと言っていたのを聞いている。関係性に興味を持っても仕方ないだろう。

「え?あぁ。俺もバーミリオン流の魔法師だからね。そう親しいわけでは…あるようなないような?」
「「「「「え!?」」」」」

レインの発言に空気が凍りつく。

「ん?どうしたの?」
「あ…え?」
「あの…」
「バーミリ…」
「え?え?そ、え??」

口をパクパクとさせる兵士とナターシャ達。
パチニアとロアナの二人はみんなが驚いてる理由がわからないようでキョロキョロと顔を覗き込む。
バーミリオン流を知らないのはどうやらこの二人だけのようだ。
プルシアーナも入門が難しい優秀な魔法師としか知らないが自分が名前を知っているぐらいだから優秀な派閥であることぐらいは理解している。他の者達はミッドの使う流派であることを知っているのでどれだけ異常なのか重々承知の上ミッドが自分から知り合いだというのも珍しい。
兵士は先のヴァルガードとの一戦でミッドの活躍を間近で見たことのある者達もいる。一方パトラとナターシャは身体強化魔法の使い手という間違った知識ではあるがとてつもない実力者であることぐらいは理解していた。
正確な実力を知っているわけでもないがバーミリオンの門弟というだけで相当なもの。
筋肉集団バーミリオン流魔法師はそれほど有名なのだ。
ここまで有名となればバーミリオン流の名前を語って悪事を働くものもいるがそれはある時を境になりを潜めた。理由はとあるアイテムを身につけるようになったためだ。バーミリオン流の人間は常にその公式アイテムを持ち歩いてる。

門下生なら全員持ってる上腕二頭筋をアピールする力こぶがデザインした刻印入りリストバンドとシックスパックの刻印入りタオル。これはトレーニング時に汗を拭くためにとレインが作ったものだ。プレイヤーは汗をかかないがNPCはなぜか汗をかくので門下生の好感度稼ぎに作った代物だ。好感度が高いほどいい情報を仕入れることができるために行っていたのだが思いの外好評で刻印とバーミリオンのロゴを入れて公式品にまでなったアイテムだ。魔法付与によりどれだけ汗を拭いても数秒で乾き汗の匂いもしないこのアイテムを確認するだけでバーミリオン門下とわかる。
ちなみにこのアイテムを作るために清潔化の魔法が開発された。水中や沼での有用性もこの後に知られるわけだがそれはまた別の機会に。

次に免許皆伝者
男なら黒のブーメランパンツ
女なら桃色マイクロビキニ
どちらもバーミリオン流を示す各々自慢の筋肉を模した刻印とロゴが刻まれており、ほとんど肌を露出しているにもかかわらず肉体に重鎧並みの防御を付与する魔法衣類、いや魔道具、いやいや聖なる神器である。これは服の下に着てるので見せびらかしてるやつはそういないがこの神器がバーミリオン流の証と思っているものが多くバーミリオンを語る場合はこれを見せることを要求される機会も多い。
あとはピッチピチの白いタンクトップにホットパンツ、キャミソールなどバーミリオン流の公式アイテムは色々あるのだがどれもこれもレインの悪ふざけであることはいうまでもない。
プレイヤーはどこかの裁縫師が提供していることは予想しているのだがどこの誰かまで知ってるものは多くない。知ってるものは口が裂けても言うことはないからだ。
以前調べ上げてコウカイした人間がいる。

通称『紐パン事件』
調査したもの達が掲示板に公開した製作者の情報も数分後には削除され代わりに調査していた者達の恥ずかしい写真が公開されていた恐怖の事件。
一部のプレイヤーは紐パンと聞くだけで顔を青ざめ歯を鳴らす。何をされたのか何を晒されたのか…全ては闇の中?
後悔先に立たず。
彼らは製作者を知ることと引き換えに大事な何かを失ってしまったのである。



「あああ、あの!もしかしてあの黒い…黒いものを持っているんですか?」

恐怖を覚えつつも確認しなければいけないとある勇敢な兵士は尋ねる。

「ん?あぁ……ブーメラン……これでしょ?」

レインは黒歴史を思い出しつつバーミリオン流の証として知られるブーメランパンツをイベントリから取り出す。
どうしてあんな悪ふざけをしたのか。
ミヤビを始め数名のフレンドにそそのかされたあの黒歴史を思い出し苦笑する。
誰も思い出したくないあの闇を晒そうとしてくる敵を退治した日々。
それでも一度足を突っ込んでしまっては逃れることのできないこの地獄!
どうして筋肉バカは肌の露出をしたがるのだろうか?
興奮気味に手に入れたことを喜ぶバーミリオンの門弟達だが大抵は数回着用すると恥ずかしがって隠したがる。それでも破格の魔道具と化した魔法衣類には抗えず服の下に着用するあの闇装備。あぁなんてことをしてしまったのだろうと後悔したところでもう遅い。
自身の肉体に誇りのあるものは黒光りする肉体に極細ブーメランで闊歩していることもあるのだが法整備がしっかりしていない国なら捕まえることはできず悪い意味で目立ってしまった極悪装備品だ。


レインの取り出したブーメランパンツを見たもの達はざわめく。バーミリオン流である証拠が目の前に現れては認めざるおえない。
ただ着用しているわけではないため多少の安堵はある。常に履いてる上司を知っているもの達はその異様を、失礼、威容を知っているのだ。確かに破格の装備品なのは認めるがその代償はでかい。上司に類似品(軽度身体強化のみ)の白いブーメランを穿かされた経験がある兵士は戦争の時は何か大事なものが壊れる思いで履いたものだと懐かしむ。
それゆえに苦い顔をしてブーメランパンツを手に持つレインはまだ常識人だろうと判断する。

あんな羞恥心を鍛えるもの履きたくないよなと


レインがそのブツを作った犯人であることも知らずに……
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