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第一話
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ピ、ピピ、ピピピッ、ピピピピッ、ピピピピピ…
「……ん、ぅ…。」
目覚まし時計を止め、その時刻を確認する。
(…?あれ、まだ夜中じゃん……?昨日付け間違ちゃったのかな…?)
そんなことを思いながらも、むくり、と体を起こす。生憎、一回起きてしまったら、寝れないタイプなのだ。
「ぅぉお、すご……」
部屋の窓から見えた夜空には、とてつもない数の星が写っている。言うほど田舎でもないこの町で、こんな光景は見たことが無い。
(早起き(?)して、ちょっとお得だったかも……///)
折角だから、少し散歩に出かけることにした。
「…ふ、ゃぁ、ぁ……」
歩き始めた直後、すぐに眠気が襲ってきた。この星空の下、そんな間抜けなあくびをしてしまったものだから、誰にも聞かれてはいないかと、辺りをキョロキョロ見回してしまった。まぁ、幸い、こんな夜遅くに出歩く人なんて、僕以外はいなかったようだ…。
(ぅ……、あ、焦った…)
こんな声、バイトの友人で、わりと近くに住んでいる啓太にでも聞かれたら、それこそ、女の子と話すときのネタにされかねないからなぁ…。
そのまま、とくに何も考えることなく、ボーッと歩いていた。
喉が渇いてきたので、近くの自販機で飲み物を買った。それをゴキュゴキュと飲みながらベンチに座る。だが、座ったところで何をするわけでもない。
?「あの…」
「っ!」
急に誰かに声をかけられた。
「はっ、はいっ。なんで…」
しょうか。と言い終わる前に、僕は言葉を発するのを、やめてしまった。なんでかと言うと、一言で言えば、見惚れてしまっていたのだ。そこに立っていた青年に。
濃い栗色の目に、茶色と金色が混じったような髪色、そして、とても整ったその顔立ち。まるで、どこかの国の王子様みたい。いや、もしかしたら、騎士の方があっているかも知れない。
でも、そんな高貴そうな顔立ちとは裏腹に、その人の服装はボロボロだった。
?「えっと…。俺、その、道に迷っちゃって……、すいません、教えてもらえませんか?」
「え…!ぁ、わかり、ました!どこに行きたいんですか?」
?「えっと…、若草シェアハウスってところに、行きたいん、ですけど」
「え」
そ、そこって…
「あ、あの、そこって多分、うちだと思います」
?「えっ…?」
ぅ、うぅん…。
「ぃ、いい、から、ついてきて下さいっ…!」
「……ん、ぅ…。」
目覚まし時計を止め、その時刻を確認する。
(…?あれ、まだ夜中じゃん……?昨日付け間違ちゃったのかな…?)
そんなことを思いながらも、むくり、と体を起こす。生憎、一回起きてしまったら、寝れないタイプなのだ。
「ぅぉお、すご……」
部屋の窓から見えた夜空には、とてつもない数の星が写っている。言うほど田舎でもないこの町で、こんな光景は見たことが無い。
(早起き(?)して、ちょっとお得だったかも……///)
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「…ふ、ゃぁ、ぁ……」
歩き始めた直後、すぐに眠気が襲ってきた。この星空の下、そんな間抜けなあくびをしてしまったものだから、誰にも聞かれてはいないかと、辺りをキョロキョロ見回してしまった。まぁ、幸い、こんな夜遅くに出歩く人なんて、僕以外はいなかったようだ…。
(ぅ……、あ、焦った…)
こんな声、バイトの友人で、わりと近くに住んでいる啓太にでも聞かれたら、それこそ、女の子と話すときのネタにされかねないからなぁ…。
そのまま、とくに何も考えることなく、ボーッと歩いていた。
喉が渇いてきたので、近くの自販機で飲み物を買った。それをゴキュゴキュと飲みながらベンチに座る。だが、座ったところで何をするわけでもない。
?「あの…」
「っ!」
急に誰かに声をかけられた。
「はっ、はいっ。なんで…」
しょうか。と言い終わる前に、僕は言葉を発するのを、やめてしまった。なんでかと言うと、一言で言えば、見惚れてしまっていたのだ。そこに立っていた青年に。
濃い栗色の目に、茶色と金色が混じったような髪色、そして、とても整ったその顔立ち。まるで、どこかの国の王子様みたい。いや、もしかしたら、騎士の方があっているかも知れない。
でも、そんな高貴そうな顔立ちとは裏腹に、その人の服装はボロボロだった。
?「えっと…。俺、その、道に迷っちゃって……、すいません、教えてもらえませんか?」
「え…!ぁ、わかり、ました!どこに行きたいんですか?」
?「えっと…、若草シェアハウスってところに、行きたいん、ですけど」
「え」
そ、そこって…
「あ、あの、そこって多分、うちだと思います」
?「えっ…?」
ぅ、うぅん…。
「ぃ、いい、から、ついてきて下さいっ…!」
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