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第5話 魔動車(オーギュスタン視点)

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その日、俺はシャルに連れられて王宮の庭にいた。

「これが、その……馬車の代わりの乗り物?」
「そうだ。魔力で動く馬車だから魔動馬車……いや、馬は使わないから魔動車とでも言うべきか?馬車よりも速いし、操縦者の意思で好きに動かせるから無駄が少ない。前にはライトが付いているから夜も走れる。中は快適性が保たれるよう、温度や湿度の調整が出来るようになっている。車輪には振動抑制の魔法が使われていて、シートは最高級のものでクッション性が高いから乗り心地は抜群。それに全ての面に物理と魔法両方の攻撃から守るシールドが張ってある。だが、内側からの魔法は通すようにしてあるから、万が一敵に囲まれても反撃できる。今回は試作品という事で全てが魔力で動くようになっているから魔力の消費量が多くなってしまった。これを普通に動かせるのは私かオーギュくらいの魔力が必要なのではないかな?実用化させるのなら機能を削るか魔道具などを組み合わせる必要がある」

ここまで一息。
研究のこととなると流石の肺活量だ。
夢中で話す様子は何度見ても可愛い。

俺たちは結婚するまでほとんど2人の時間を取れなかったから、月に一度は2人きりでデートに行くようにしている。
次のデートは湖畔にある王家の別荘に行く予定なのだが、そこまでの道中がなかなか遠い。
この魔動車はそこへの移動のために作ったらしい。
今後実用化するかもしれないとはいえ俺とのデートの為だけに僅か2週間でこんな凄いものを作るだなんて、やっぱりシャルは天才だ。

王宮の馬車停めに置かれたそれは、見た目は小型の馬車の車体そのものに近いが、4面全てに窓が付いており、馬につけるためのくびきなども無い。
シャルは説明しながら魔力を供給する為の金のバングルを左手に付けた。

「中も見てくれ」

シャルにエスコートされ、中に入った。
中は前方を向いた2人掛けのシートが一列あり、後ろは荷物が積めるようになっているらしい。シートの正面の壁にはレバーやボタン、舵輪だりんなどが付いている。

「これを使って操縦するんだ」

シャルが手を翳すと操作盤がうっすら光った。

「方向転換は船を参考にしてこの舵輪を使ってみることにした。車輪と連動している。スピードはこっちのレバーで……」

操縦方法はシンプルで練習すれば俺にも出来そうだった。
いつかはシャルを乗せて遠出するのに使えるかもしれない。

「背もたれの部分は倒せるようになっているから、大きい荷物も積めるぞ」

背もたれを倒すと、大人2人がぎりぎり寝転ぶことができる程度のスペースになった。
なるほど。

「ねえ、今から試運転しないか?」
「駄目です。良いわけないでしょう」

間髪入れずにそう言ったのは宰相補佐のカミーユ・ラルエットだった。
俺付きの文官で、学園では1つ上の学年の首席だった、次期宰相候補筆頭のエリートだ。

「別に良いじゃないか。今日の分の公務も終わってるし。お忍びだよ、お忍び」
「こんな目立つものでお忍びもクソもないでしょうが。それに護衛はどうするんです?同乗出来ますか?」
「出来るわけないだろ。これは2人乗りなんだから、俺とシャルが乗るに決まってる」
「アホですか?王太子殿下が護衛も連れずに街に出るなんて、いくらこの乗り物の防備がしっかりしていても許可できません」

口が悪いのが玉に瑕な宰相補佐は、窓の外で姿勢を崩さないままポンポンと嫌味を飛ばしてくる。
不敬とも取られそうな態度だが俺はこういう所が気に入っている。
駄々をこねる俺にラルエットはしばらく思案した後、にっこりと笑顔を浮かべこう言った。

「王家の森の中でしたら良いですよ」

王家の森とは王宮の裏にある森のことで、別名精霊の森とも呼ばれている。
王家に連なる人間しか入れない結界が張られており、精霊の保護地として王家が管理している森だ。

「そろそろ精霊の塔の魔石の交換時期ですから、ついでに行ってきてください」
「なんだ、結局仕事じゃないか」

だが王家の森か。前に入った時は薄暗い森の中で精霊の光がほんのり瞬いて美しかった。
シャルに見せれば喜ぶだろうか。
そう考えていると、シャルが控えめに俺の袖口を引いた。

「王家の森は王家の人間にしか入れないだろう?私が入っても良いのか?」
「当たり前だよ。シャルは俺と結婚したんだから、もう王家の一員だよ」
「そ、そうか。そうだったな」

赤く頬を染めながら照れる様子が可愛い。
抱き寄せてキスをしようとした時、窓の外からゴホンと咳払いが聞こえた。
全く、空気を読まない奴だ。

「では、魔石を準備いたします」

ラルエットはピシリと一礼し、魔石を取りに行った。



□□□



シャルの運転で森へ入った。
森の中は昼間でも薄暗い。
道を進むと、ぽつりぽつりと仄かな明かりが浮かんだ。
これが精霊達の光だ。
シャルは興味深そうに辺りを見渡していた。

「凄いな。本当に精霊が沢山いる……」

窓を開けると精霊達が入ってきた。
その中でも大きな精霊がシャルの手の上にふわりと落ちた。

「こんにちは。……はい、私たちは魔石の交換に……」
「シャル?どうしたの?」
「?精霊と話していただけだが……」

シャルは当たり前のように言ったが、精霊と話せるなんて普通は出来ない。
だが、歴史書の中には度々『精霊の愛し子』が登場し、精霊のお告げを聞いたり力を借りたりする記述がある。
精霊が好む魔力の持ち主が『精霊の愛し子』として選ばれるらしい。
シャルも彼らに負けないくらい魔力の質が良いのだろう。
シャルは再び手の上の精霊に向き合った。

「……そうですか。ではお願いします。オーギュ、精霊殿が案内してくれるそうだぞ」

魔動車の前に出た精霊は、同意するかのように明滅した。

「シャルは精霊と話せるんだね!凄いよ!」
「ああ。私も驚いている。それに精霊がこんなに人間らしい姿をしているなんて知らな——」
「えっ!?」

シャル曰く、精霊は手のひらに乗るくらいの小さな人型で、背中に昆虫のような薄羽が付いているらしい。
これは過去の文献にも無い新たな事実だ。

「驚いたよ、シャル!精霊の姿が見えるなんて聞いたこと無いよ!よっぽど魔力の相性が良いんだね」
「そうなのか?」
「うん。流石、俺の愛しい人」

頬に口付けるとシャルは顔を赤くしてプイと横を向いた。

「せ、精霊殿を待たせてはいけない。早く向かうぞ!」

精霊の光を辿って、森の奥へ進んだ。



□□□



塔の台の上に新しい魔石を置くと、精霊達は嬉しそうに舞い踊った。
魔石の交換は恙無つつがなく終わった。
俺たちは案内してくれた精霊にお礼を言って、再び魔動車に乗り帰路に就いた。
しかし、暫く走ったが一向に出口が見えてこない。
一本道だから迷う筈は無いのだが。

「おかしいな……そろそろ出口に着いてもいい頃だが……」

更に走ると、大きな木のある少し開けた場所へ出た。

「行きにはこんな場所は無かったよね」
「ああ……」

緊張が走るが、周囲には清廉な魔力と精霊の気配があるのみだった。

「もう少し進んでみよう」

俺たちは警戒しながら、再び先に進んだ。



「オーギュ、あの木……」
「さっきの木だね」

シャルと顔を見合わせる。
ここまで脇道は無かった。真っ直ぐ進んできた筈だ。

「空間が歪んでいるのかも。精霊の森は特殊な魔力に満ちているから」
「そうだな。精霊殿に聞いてみよう。あの、すみません……」

シャルは窓を開けて精霊に話しかけた。

「……えっ?……それは困ります!オーギュだけでも……はい?……っ!」

シャルは精霊の言葉に目を見開くと、じわじわと頬を染めた。

「オーギュ、そ、その……」

真っ赤になって言い淀む様子は可愛いが、何を言われたのだろう。
シャルは暫く黙っていたが、決心したように話し始めた。

「精霊殿は、どうやら私の魔力を気に入ったらしく、帰したくないそうだ。だが、精霊殿の望みを叶えれば帰してくれると……」
「……精霊の試練か!」

精霊は気に入った人間に対して望みと言う名の試練を課すという伝説がある。
その試練をクリアすると、とてつもない幸福が訪れるが、クリアできない場合は精霊に囚われてしまうという。
過去に大国を統一した王、古代の黄金郷を発見した冒険家、近代魔術の基礎となる公式を証明した学者など、名だたる面々が精霊の試練をクリアしたと言われてはいるが、全て何百年も昔の事で詳しいことは謎に包まれていた。

「で、試練望みの内容は?」
「その、……私達の……セ……セックスが見たいと……」

シャルの言葉に反応して精霊達は激しく明滅した。
シャルはこんな嘘をつくタイプではないし、精霊達の反応からも試練の内容は本当だろう。
試練と言っても俺にとっては得でしかないのだが、良いのか?

「オーギュ」

声が耳に届くと同時に、唇に柔らかな感触がした。
珍しいシャルからのキスに身が硬くなる。
唇の隙間から探るように舌を入れてきた。
されるがままにして舌の動きを堪能する。
一通り口内を舐られた後、ちゅっと音を立てて離れた。

「私のせいで巻き込んでしまって、本当にすまない。すぐに終わらせるから、我慢してくれないか……?」

上目遣いでそんな風に言われたら別の意味で我慢出来ない。
はやる気持ちを抑えこんで、爽やかな笑顔を浮かべた。

「気にしないで。俺は構わないよ」

シートを倒して服を脱ぐ。
シャルも目を逸らしながらトラウザーズに手を掛けた。
象牙細工のようなほっそりとした長い脚が精霊の光に照らされる。
シャツを引っ張り、下を隠しながら下履きを脱いだ。
こうして恥じらう姿は余計に劣情を煽るのだが、無意識でこれなんだから恐ろしい。
俺がシャツを脱ぐと、シャルはちらりとこちらに目をやった。

「……上も脱ぐのか?」
「皺になるといけないからね。脱いだ方が良い」

魔動車の中とはいえほぼ外という状況で裸になるのに抵抗があるようだった。
シャツのみというのもこれはこれでエロいが、折角(ほぼ)外でするのなら全裸の方が倒錯的だろう。

「どうせ俺たち以外は精霊しかいないんだ。大丈夫」

俺は靴も靴下も全部脱いで、シートに乗り上げた。
窓からのひやりとした風が素肌を撫でる。
シャルも戸惑いながらも全てを脱いで、後孔に洗浄魔法をかけた。

精霊達の薄明かりがシャルの白い肌を闇の中に浮かび上がらせる。
一糸纏わぬその肢体と周りの光が織りなす様相は、まるで一枚の絵画のようだった。
見事な光景だ。さすが精霊。空気が読める。

「綺麗だよ、シャル」

俺の俺はかなり切羽詰まっているのだが、努めてそれを感じさせないよう優しく押し倒す。
少し狭めな空間にシャルの赤い髪が散らばった。
肩に口付けながら胸に手を伸ばす。

「んっ……♡」
「シャル、声、我慢しないで」

左手でくるくると乳輪を撫でると、その中心の飾りはツンと硬くなっていく。
もう片方を口に含んで舌先で弄びながら、右手で内腿を撫でた。

「ふっ♡んっ……♡あぁ♡」

シャルの鼻にかかった喘ぎ声が胸から直に伝わる。
内股を撫でる手の動きに合わせるように、ビクビクと下腹が動いた。

「オーギュ、私もオーギュを触りたいのだが……」
「それなら良い方法があるよ」

俺は寝転ぶと、シャルの向きを逆さまにして上へと導いた。
目の前に白い双丘とぷるりと垂れたペニスがある。

「絶景だ……」

付け根のくすみの無い双球とそこから伸びるすんなりとしたペニスは陶器のように美しいのに赤く色付いた先端部分はだらしなく先走りを垂らしていて、そのアンバランスな様子に余計に興奮した。

「こっ、こんな……恥ずかしい……」
「でもこれなら俺はシャルを触れるし、シャルも俺を触れる。一石二鳥だよね」

滑らかな尻を撫でながらペニスに息を吹きかける。

「あっ♡はぁっ♡」

舌先で亀頭を舐めたり裏筋を刺激してあげたりすると、シャルは逃れるように腰をくねらせた。
がっしりと腰を掴んで、唇でシャルのかわいい陰嚢の感触を味わう。

「シャル、触らないの?」
「んぅ♡触るっ♡」

そう言うとシャルの細い指が俺のペニスに触れた。

「はぁ♡オーギュの匂い……♡」

シャルは俺のペニスの付け根に顔を埋め、そのまま一気に舐め上げた。

「はっ♡おいし♡♡」

シャルは俺の亀頭にキスを落とすと、ペニスを全部口に収め、喉奥で締め付けてきた。
うっ、と思わず声が出る。

おーひゅオーギュひもひいいは気持ち良いか?」

俺の反応に気を良くしたのか、シャルは長い髪を耳にかけ、唾液を纏わせるように舌で竿を舐めながら頭全体を上下に動かした。
向上心の塊であるシャルは、俺との営みの中でこんな技術も身につけたのだ。
俺が仕込んだものであり、俺を悦ばせるためだけに取得してくれたのだと思うと、誇らしさと愛しさと射精感がない混ぜになってこみ上げてくる。

「シャル、気持ち良いよ……俺ももっと良くしてあげる」

ペニス越しに見えるシャルの痴態とそこから与えられる快感に下半身が破裂しそうだった。
先に射精させられたくはない。
俺はシャルを追い詰めようと、先走りを手に纏わせてちゅこちゅこ扱きながら、蕾に舌を這わせた。

「っ♡ダメ♡そんなとこ♡きたない……」
「シャルに汚いところなんて無いよ」

舌を押し付けずりずりと舐めると、声と裏腹に蕾は嬉しそうにヒクヒクと動いた。
シャルはもうフェラチオをする余裕も無く、俺の脚に縋ってただ喘いでいた。
勝ちを確信した俺はとどめとばかりに舌を窄めて中に押し入った。

「やぁっ♡らめっ♡♡あっ♡」

熱い肉壺が舌に絡みついてくる。
ジュルジュル音を立てながら舌を伸ばしてシャルの中を味わった。

「あっ♡ああぁっ♡♡」

シャルがイきそうなのを感じとり、俺は蕾から舌を抜いた。

「あ……なんで……」
「このままイっちゃ駄目だよ。ちゃんと精霊達に見てもらわないと」

俺は体を起こすとシャルに後ろから覆い被さり、ペニスの先を蕾に押し当てた。

「ほら、挿れるよ。俺たちのセックス、ちゃんと見てもらおうね」
「あっ♡あ、あぁ……♡♡♡」

柔らかく解された蕾はずぶずぶと俺のペニスを呑み込んだ。
焦らすようにゆっくりと腰を進める。
窓に反射したシャルはとろとろに蕩けた表情で口を薄く開いて浅く息を吐いていた。
あまりに官能的なその姿に、俺は我慢出来なかった。

「シャル、ごめん」

シャルの腰を掴み、一気に引きつけた。

「~~っ♡♡♡♡♡♡」

シャルは声にならない叫びを上げながら、全身を震わせてイったようだった。
ビクビクと痙攣する肉壁に俺も搾り取られそうになるが、何とか耐える。
俺はシャルを支えるように後ろから手を伸ばして下腹をトン、と指差した。

「全部入ったね。ここまで入ってるよ」
「あ♡おく♡すごい♡♡」

下腹にシャルの尻が当たっている。
俺の先っぽはシャルの奥の窄まりにずっぷりと嵌まり込んだ。
ぐぽぐぽと抜き差しすると、手前も奥もきゅんきゅん締まった。
後ろから突くリズムに合わせて魔動車がギシギシ揺れた。

「はっ♡はっ♡……あぁ♡……そんなっ……言わないでください♡♡♡」

シャルは窓に寄りかかり、喘ぎながら精霊と会話しているようだった。
相手は精霊とはいえ面白くない。

「シャル」

一度抜いて起き上がると、シャルをシートに押し倒した。

「セックス中に他の奴を見ないで。俺だけを見てよ」
「オーギュ……♡」

シャルの手が首の後ろに伸びてきて、抱き込まれた。
鼻先が触れ合うところで止まる。

「嫉妬か?」
「そうだよ」

素直に答えるとちゅ、と触れるだけのキスをされた。

「ふふ、嬉しいな♡」

恍惚とした表情にムラっとして、思わず一気に貫いた。

「んん♡♡♡ちゅっ♡ふっ♡……くちゅ……っは♡」

舌を絡ませて深く口付けながら腰を打ちつける。
ぐりゅぐりゅ前立腺を抉る度に肉壺が蠕動して締め付けてくる。
それが気持ち良くてそこばかりを突いた。

「あっ♡ああっ♡おーぎゅ♡♡きもちいっ♡」
「俺も気持ち良いよ、シャル……っ、出そうだ」
「あんっ♡おーぎゅ♡おくにだして♡♡♡」
射精すよっ!」

シャルの脚が腰に絡まってくる。
それに応えるように最奥に差し込むと、ビュクビュクと大量の精子を注ぎ込んだ。

「あ♡あ♡でてる♡おくに♡♡」

俺の熱を感じて、シャルも肉壁を収縮させながら中で達したようだった。
最後の1滴まで搾り出して抜こうとすると、肉壁が名残惜しそうに纏わりついてきた。
いじらしい様子に再び熱が集まる。

「シャルの中、きゅうきゅう締め付けてきて離れたくないって言ってるよ」
「あっ♡ダメ……♡」

挿入したままシャルを反転させ、ごろりと後ろへ引き込んだ。
不安定な体勢に、シャルは後ろ手に俺に抱き付いた。

「あ♡かくど♡かわって♡♡」
「シャル、見える?俺たちが繋がってる所」

俺の言葉に反応して正面に精霊達が集まってきた。
少しサービスするか。
俺は見えやすいようにシャルの膝裏を手で支え大股開きさせた。
ねっとりと嬲るように腰を回す。

「ほら、精霊も喜んで見てるよ」
「いや♡みないでぇ♡♡」

ゆっくりと突くと先程出した白濁が混ぜられて、ぐちゅぐちゅいやらしい音を立てた。
速まる律動に合わせてシャルのペニスがプルプルと揺れ、先走りが飛び散った。

「ほら、自分で触って」

俺が手を導くと、シャルは素直にペニスを扱いた。
後ろから手を伸ばしてこりゅこりゅ乳首を弾くと、のけぞって悦んだ。
白い首筋に浮かぶ汗を舐め取りながらどちゅどちゅ腰を押し付ける。

「はっ♡はっ♡あああああぁっ♡」

ズンと奥を突くと、シャルはプシャっと潮を噴いた。

「シャル、可愛いよ」
「おーぎゅ♡きすして♡♡♡」

シャルの顎を掴み噛み付くようにキスをしながら腰を突き上げた。

「ああ。シャル、好きだ。愛してる」
「あっ♡あんっ♡しゅき♡おーぎゅしゅきぃ♡♡♡♡」

好き好きと言いながら、シャルは前から勢い良く白濁を飛ばし、後孔を食い締めて絶頂した。
その刺激を感じながら、俺もシャルの中に射精した。
ずるりとペニスを抜くと、たっぷり注いだシャルの中からとろりと白濁が垂れた。

「良く頑張ったね」

頭を撫でてあげると、シャルは薄らと笑顔を浮かべて2、3回荒い息を吐くと、くたりと意識を手放した。
愛しさが溢れ、後ろから掻き抱く。
精霊は俺たちを祝福するように飛び回っていた。

その時、窓の外から大きな精霊がふわりと近づいてきてシャルの額にキスするように触れた。
ムッとして追い払い、キスの上書きをする。

『加護を与えただけじゃよ。全く、狭量な奴じゃのう』

不思議な声が空間に響いた。
顔を上げると目の前に精霊が浮かんでいた。

『愛し子の事、頼むぞ』

光が消える直前に、薄らと人型の影が見えたような気がした。
周囲の魔力の流れが変わる。
窓の外を見ると、森の入り口あたりの景色が見えた。

「帰ってきたよ、シャル」

俺はシャルの腕からバングルを外し、魔動車を運転して王子宮いえまで戻った。



□□□



「ここがこうなってて……」

シャルは机にかじり付いて、紙の上にペンを走らせていた。
精霊の姿を資料として残し世間に公表する為、シャルに描いてもらうことになったのだ。

「描けたぞ!」

自慢げな表情が可愛い。
ありがとうと受け取ろうとして思わず固まった。

「シャル……これは何?」
「何って、精霊殿だが」

そこに描かれていたのは、背中に何かを背負った魔物のような物体だった。
器用な天才でも苦手なことがあるんだな。
文字はあんなに綺麗なのに。

結局俺がシャルの説明を聞き取りながら描いた絵が、精霊の姿として公表される事となった。
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