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決戦前夜
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「明日が最後の戦いになると思う。みんな良くやってくれたね。最後まで気を抜かずに全力で行こう!」
砦の食堂でテーブルを囲む仲間を見回す。
勇者、魔術師、治癒師、剣士、弓師、斥候、勇者見習いの少年、そして俺。
明日、ここにいる8人で魔王たちと戦うのだ。
勇者の作った魔王城の地図を見ながら、作戦を確認する。
そこには魔国の宰相や元帥がいるであろう場所まで示されていた。
トラップや隠し通路までご丁寧に書かれている。
記憶が無いふりをしている手前何も言わないが、正直よく調べたものだと感心したと同時に魔王城のセキュリティが心配になった。
魔王城に乗り込み、最上階にある瘴気を生み出す魔法陣を破壊する。
それが明日やるべき事だ。
「抵抗してくる魔族もいるだろうけど、無抵抗の魔族は殺さないでほしい。それから宰相はできれば生け捕りにして欲しいんだ。聞きたいことがあるから」
敵であっても犠牲者最小限に抑えるというのは勇者の基本的な方針らしい。
最初は甘っちょろい奴だと影で笑ったが、勇者の普段の行動を見ていると賛同したくなる気も分かる。
勇者は自分を犠牲にしてまで他人を守ろうとする。
自身の危険を顧みない戦い方に、何度ヒヤヒヤさせられたか。
その度に俺も注意するのだが、のらりくらりと躱されて聞く耳を持たない。
それどころか、俺に怪我がなくて良かったなんて嬉しそうに笑うから何も言い返せなくなる。
作戦会議後、そのまま早めの夕食をとり、いつも通り勇者の部屋に向かった。
「ユーリ、明日のためにしっかり魔力を供給したいんだ」
勇者の手が俺の下腹を撫でた。
魔力の最も効率的な供給方法——それは性行為だ。
ずくりと後孔が疼く。
これまでの度重なるキスや行為で互いの魔力は十分馴染んでいる。
飲むだけでも天にも昇る心地だった精液を体内に直接注がれたのなら——
甘美な想像に身震いした。
「抱いても良い?」
耳元で囁かれた言葉に、俺はコクリと頷いた。
勇者の手がクラバットを外し、シャツの胸元をはだけさせると、そこに強く吸い付いた。
俺の体にまた一つ、赤い花弁が増えた。
そのままシャツを取り去ろうとするが——
「ま、待ってください。風呂に……入らせてくれませんか?」
「俺はこのままで良いけど……ユーリの匂いが濃くて」
「~っ!駄目です!」
俺の臭いだなんて言うけど結局汗臭いって事だから恥ずかしい。
それに濃い勇者の臭いを想像しただけで体温が上がって熱が出そうだった。
「じゃあ風呂で準備しよう」
俺がドギマギしていると、勇者はあっさりと引き下がった。
今日は俺がやるからと丁寧に服を脱がされ、風呂へ連れて行かれた。
「全部俺に任せて」
軽くキスをしてから勇者は身を屈めると、俺の胸の尖を指で弾いた。
胸からの甘い痺れが背筋を走る。
毎日弄られた事により赤く肥大したそれは、簡単に快楽を拾ってきた。
「こんなに大きくなっちゃって……エッチでかわいい乳首だね」
「や……ウィルのせいです……」
「おっぱい出るかな?」
「やんっ!出ません!…っ!」
胸全体を揉まれ、先端をぎゅっと絞り出すようにつままれる。
かと思えば、口に含み舌で転がされ、強く吸いつかれる。
いつもよりしつこく舐めしゃぶられて、もうすっかり張り詰めてしまった中心に、強い射精感が湧き上がって来た。
「あっ、もう、イク——」
絶頂の寸前で、勇者は口を離した。
「あ……なんで……」
「凄いよ、胸だけでもイケそうだね。でも今日はダメ。こっちでたくさんイかせてあげるね」
下腹をトンと押された。
高みの寸前で下されてしまった体はそんな何気ない刺激にも敏感に反応し、甘い声が出た。
だが、圧倒的に刺激が足りない。
火照った体が苦しかった。
下に降りて来た勇者の手は、俺の尻たぶを揉みながら割り開き、間の蕾を指でつついた。
後ろで気持ち良くなれる事を、その快楽を、俺はもう知っている。
期待で先走りがダラダラと止まらなかった。
「しっかり解してあげるね」
促されるまま壁に手をつき、尻を突き出す。
洗浄魔法をかけたそこに香油を塗りたくり、勇者の指が入ってきた。
脱力したそこはスルスルと勇者の指を呑み込む。
勇者はマッサージするように押し広げ、指を2本、3本と増やしていった。
しかしいつまで経っても決定的な所を触ってくれない。
どうしてもそこに刺激が欲しくて腰を揺らすが、するりと躱されてしまう。
「いじわるしないでぇ……」
「今日は俺がここに挿入るまでイクのはお預けだよ」
勇者は俺の懇願を無慈悲に却下すると、再びゆっくりと指を動かした。
「すっかり解せたね」
イけそうでイけない刺激を与えられ続け、俺の思考はすっかり蕩かされていた。
くぱぁ、と3本の指が蕾を開く。
冷たい空気に晒された肉壁は、ヒクヒクと熱の侵入を期待していた。
「ベッドに行こう」
漸く絶頂できる。
俺は浅い息を繰り返し、期待に胸を膨らませながら頷いた。
勇者に抱き上げられて風呂を出る。
体を魔術で乾かすと、そのままベッドへ下ろされた。
うつ伏せにされ脚を開いた状態で尻を持ち上げられる。
「ユーリ、綺麗だよ」
つ、と背中に舌が伝い、じゅっと吸われる。
その僅かな刺激にも大袈裟に反応してしまう。
絶頂を寸止めされた体は、貪欲に快楽を求めていた。
「あっ、は、はやく……」
「ふふ、ユーリは欲しがりだなぁ」
ゆっくりと勇者が覆い被さってくる。
イキたいイキたいイキたいイキたい——
そこに当たる肉塊が早く欲しくて、ヒクヒクと蕾を揺らした。
「挿入れるね」
「あ、ああっ!」
ぐぷりと押し開かれ、待望の熱が入ってきた。
ぐりゅ、と肉壁が開かれる感覚に、目の前に真っ白な光が飛び散り足の指をピンと伸ばして絶頂してしまった。
「挿入れただけでイっちゃったね。ユーリは淫乱だなぁ」
「はっ、はっ、あぁ……」
快楽に押し流されて意味のある言葉が紡げない。
ただ、ぼんやり見えただらりと白濁を垂らしている自分の中心は確かに卑猥だった。
「まだちょっとしか入ってないよ。全部入れるね」
「あ、あっ…」
ゆっくりと、勇者は侵入してくる。
その熱が動くたび、軽い絶頂を繰り返した。
「全部入ったよ」
指では届かなかった奥の方まで満たされた時、侵入が止まった。
尻に下生えが当たる感触があり、勇者と密着しているのだと分かった。
「ようやくユーリとひとつになれた。嬉しい……」
俺の中で勇者の熱がドクドクと脈打っている。
胸がいっぱいになって、俺は後孔をきゅうと締め付けた。
「ユーリの中、凄く気持ち良いよ。腸壁がうねって俺のチンポを離したくないって言ってるみたいだ」
俺の背を撫でながら甘い声でそう言われて、余計に中を意識してしまった。
「ああ、もう我慢できない。ユーリ、動くよ」
勇者は俺の腰を持って、ゆっくりと抽送を始めた。
「ぅぁ……っは……ウィル……」
「……っ、はぁ……っ」
甘い吐息が聞こえる。
どんな表情をしているのだろう。勇者の顔が見たい。
上半身を捻り肩越しに見えた勇者は、苦しそうに眉を寄せながらも恍惚とした表情で俺を穿っていた。
胸が張り裂けそうなくらいきゅんとなる。
それをキスで鎮めて欲しくて手を伸ばすと、勇者は俺に覆い被さるように抱きつき、甘いキスをくれた。
「ちゅ…っは、ウィル……ちゅ……」
「ユーリ……」
キスの合間に名を呼びあう。
名を呼ぶ度に正体のわからない感情が溢れ出ようとしてくる。
それに気付かないふりをして、夢中で唇を貪った。
抽送のスピードが速まるにつれ、俺は高みへと押し上げられていく。
熱い塊がゴリゴリと俺の中で暴れ回る。
「あっ……きもちいぃ……!」
「ユーリ……ユーリ……」
勇者はうわごとのように俺の名を呼びながら、腰を打ち付けてくる。
「ああっ!イクっ!!!」
「っ!」
俺が肉壁を痙攣させながら達すると同時に、勇者も俺の中で果てた。
腹の中がドクドクと注がれる熱い液体で満たされていく。
触ってもいない前からは、白濁がトロトロと流れ出ていた。
甘い痺れの中で息を整えていると、勇者のものが刺さったまま、体をひっくり返された。
「あっ……あぁっ!」
「ユーリ」
名を呼ばれてゆるゆると顔を上げる。
勇者は目を細めると、耳元へ顔を寄せた。
「俺のこと覚えてるでしょ?」
これまでと一変した冷たい声色に目を見開く。
「な、何の事ですか?」
もしかして、記憶のことを言っているのだろうか。
今までそんな素振りは全く見せなかったのに。
「とぼけなくても良いよ。君は生まれ変わりじゃない。あの時俺が殺したユーリだ」
勇者は最後に見た時と同じ暗い目をしていた。
急速に体が冷えていく。
いつから知っていた?
俺の考えも分かっているのか?
今になって伝えてきたのは何の為だ?
「……だったらどうする?」
震える声で、そう返すのが精一杯だった。
しかし勇者はふっと空気を緩め、何でもないように言った。
「どうもしないよ。ただ、俺の事忘れたって言うなんて許せなかっただけで」
覚えていてくれて嬉しい、と言われ、拍子抜けする。
「俺が明日寝返ってもいいのか?」
「構わないよ。こうしてユーリと繋がれただけで、俺は十分だから」
そう言って勇者はうっそりと笑った。
「世界平和なんてどうでもいい。俺が欲しいのはユーリだけだよ」
勇者が俺だけを求めている。その事実に心も体も歓喜していた。
それを自覚して漸く理解した。
俺の勇者に対する気持ちが何なのか——
俺は勇者を愛しているのだと。
胸がきゅんとなり、肉壁をうねらせる。
その動きに応えるように、勇者は腰を動かした。
「あっ、まて!」
勇者の体を引き寄せ胸に唇を寄せると、強く吸い付く。
その白い胸に赤い印が付いた。
俺の所有印。
ささやかなその印が愛おしくて、俺は確かめるように指先で撫でる。
「これでウィルは俺のものだ……お揃いだな」
先程つけられた胸元の赤い印を指差した。
勇者は大きく目を見開くと、恍惚とした表情に変わった。
「ユーリ……もう誰にも渡さない」
勇者は俺の手を絡めとり、ベッドに縫いつけた。
その目が肉食獣のように鋭くなる。
「煽ったのはユーリだから、覚悟してよね」
ズブリと一気に奥に突き立てられる。
「んっ、あ、きもちいいっ!」
「ユーリ、好きだよ。愛してる」
先程以上に荒々しく抽送される。
パンパンと肉の当たる音とぐちゅぐちゅという水音が部屋に響く。
愛しい、嬉しい、気持ち良い——
さまざまな感情が溢れ、涙になって出てきた。
「ユーリ、好き」
「おれも……っ!ウィル……っ!すき……っ!!」
箍が外れたように溢れ出てくる感情をそのまま口にする。
思いが通じて悦ぶ体は、より深いところまでその熱を受け入れた。
奥の方にある窄まりを、熱塊がこじ開けようと何度も打ち付けてくる。
徐々に受け入れ体制にはいったそこは、熱の先端が当たる度にちゅっちゅと吸い付いた。
「あっあああああああっ!!!」
柔らかく解れたそこに勇者の熱がぐぷりと差し込まれると、その衝撃で俺は全身を大きく震わせながら3度目の絶頂に至った。
後孔の収縮に促されるように、勇者も俺の最奥で白濁を放った。
最後の1滴まで搾り取るように無意識のうちに腸全体をうねらせた。
注ぎ込まれた魔力が体中をぐるぐると駆け巡っている。
ぼんやりとした意識の中で、これだけは伝えなくてはと口を動かす。
「愛してる……」
流れ込む魔力の濁流に溺れ、俺は意識を手放した。
砦の食堂でテーブルを囲む仲間を見回す。
勇者、魔術師、治癒師、剣士、弓師、斥候、勇者見習いの少年、そして俺。
明日、ここにいる8人で魔王たちと戦うのだ。
勇者の作った魔王城の地図を見ながら、作戦を確認する。
そこには魔国の宰相や元帥がいるであろう場所まで示されていた。
トラップや隠し通路までご丁寧に書かれている。
記憶が無いふりをしている手前何も言わないが、正直よく調べたものだと感心したと同時に魔王城のセキュリティが心配になった。
魔王城に乗り込み、最上階にある瘴気を生み出す魔法陣を破壊する。
それが明日やるべき事だ。
「抵抗してくる魔族もいるだろうけど、無抵抗の魔族は殺さないでほしい。それから宰相はできれば生け捕りにして欲しいんだ。聞きたいことがあるから」
敵であっても犠牲者最小限に抑えるというのは勇者の基本的な方針らしい。
最初は甘っちょろい奴だと影で笑ったが、勇者の普段の行動を見ていると賛同したくなる気も分かる。
勇者は自分を犠牲にしてまで他人を守ろうとする。
自身の危険を顧みない戦い方に、何度ヒヤヒヤさせられたか。
その度に俺も注意するのだが、のらりくらりと躱されて聞く耳を持たない。
それどころか、俺に怪我がなくて良かったなんて嬉しそうに笑うから何も言い返せなくなる。
作戦会議後、そのまま早めの夕食をとり、いつも通り勇者の部屋に向かった。
「ユーリ、明日のためにしっかり魔力を供給したいんだ」
勇者の手が俺の下腹を撫でた。
魔力の最も効率的な供給方法——それは性行為だ。
ずくりと後孔が疼く。
これまでの度重なるキスや行為で互いの魔力は十分馴染んでいる。
飲むだけでも天にも昇る心地だった精液を体内に直接注がれたのなら——
甘美な想像に身震いした。
「抱いても良い?」
耳元で囁かれた言葉に、俺はコクリと頷いた。
勇者の手がクラバットを外し、シャツの胸元をはだけさせると、そこに強く吸い付いた。
俺の体にまた一つ、赤い花弁が増えた。
そのままシャツを取り去ろうとするが——
「ま、待ってください。風呂に……入らせてくれませんか?」
「俺はこのままで良いけど……ユーリの匂いが濃くて」
「~っ!駄目です!」
俺の臭いだなんて言うけど結局汗臭いって事だから恥ずかしい。
それに濃い勇者の臭いを想像しただけで体温が上がって熱が出そうだった。
「じゃあ風呂で準備しよう」
俺がドギマギしていると、勇者はあっさりと引き下がった。
今日は俺がやるからと丁寧に服を脱がされ、風呂へ連れて行かれた。
「全部俺に任せて」
軽くキスをしてから勇者は身を屈めると、俺の胸の尖を指で弾いた。
胸からの甘い痺れが背筋を走る。
毎日弄られた事により赤く肥大したそれは、簡単に快楽を拾ってきた。
「こんなに大きくなっちゃって……エッチでかわいい乳首だね」
「や……ウィルのせいです……」
「おっぱい出るかな?」
「やんっ!出ません!…っ!」
胸全体を揉まれ、先端をぎゅっと絞り出すようにつままれる。
かと思えば、口に含み舌で転がされ、強く吸いつかれる。
いつもよりしつこく舐めしゃぶられて、もうすっかり張り詰めてしまった中心に、強い射精感が湧き上がって来た。
「あっ、もう、イク——」
絶頂の寸前で、勇者は口を離した。
「あ……なんで……」
「凄いよ、胸だけでもイケそうだね。でも今日はダメ。こっちでたくさんイかせてあげるね」
下腹をトンと押された。
高みの寸前で下されてしまった体はそんな何気ない刺激にも敏感に反応し、甘い声が出た。
だが、圧倒的に刺激が足りない。
火照った体が苦しかった。
下に降りて来た勇者の手は、俺の尻たぶを揉みながら割り開き、間の蕾を指でつついた。
後ろで気持ち良くなれる事を、その快楽を、俺はもう知っている。
期待で先走りがダラダラと止まらなかった。
「しっかり解してあげるね」
促されるまま壁に手をつき、尻を突き出す。
洗浄魔法をかけたそこに香油を塗りたくり、勇者の指が入ってきた。
脱力したそこはスルスルと勇者の指を呑み込む。
勇者はマッサージするように押し広げ、指を2本、3本と増やしていった。
しかしいつまで経っても決定的な所を触ってくれない。
どうしてもそこに刺激が欲しくて腰を揺らすが、するりと躱されてしまう。
「いじわるしないでぇ……」
「今日は俺がここに挿入るまでイクのはお預けだよ」
勇者は俺の懇願を無慈悲に却下すると、再びゆっくりと指を動かした。
「すっかり解せたね」
イけそうでイけない刺激を与えられ続け、俺の思考はすっかり蕩かされていた。
くぱぁ、と3本の指が蕾を開く。
冷たい空気に晒された肉壁は、ヒクヒクと熱の侵入を期待していた。
「ベッドに行こう」
漸く絶頂できる。
俺は浅い息を繰り返し、期待に胸を膨らませながら頷いた。
勇者に抱き上げられて風呂を出る。
体を魔術で乾かすと、そのままベッドへ下ろされた。
うつ伏せにされ脚を開いた状態で尻を持ち上げられる。
「ユーリ、綺麗だよ」
つ、と背中に舌が伝い、じゅっと吸われる。
その僅かな刺激にも大袈裟に反応してしまう。
絶頂を寸止めされた体は、貪欲に快楽を求めていた。
「あっ、は、はやく……」
「ふふ、ユーリは欲しがりだなぁ」
ゆっくりと勇者が覆い被さってくる。
イキたいイキたいイキたいイキたい——
そこに当たる肉塊が早く欲しくて、ヒクヒクと蕾を揺らした。
「挿入れるね」
「あ、ああっ!」
ぐぷりと押し開かれ、待望の熱が入ってきた。
ぐりゅ、と肉壁が開かれる感覚に、目の前に真っ白な光が飛び散り足の指をピンと伸ばして絶頂してしまった。
「挿入れただけでイっちゃったね。ユーリは淫乱だなぁ」
「はっ、はっ、あぁ……」
快楽に押し流されて意味のある言葉が紡げない。
ただ、ぼんやり見えただらりと白濁を垂らしている自分の中心は確かに卑猥だった。
「まだちょっとしか入ってないよ。全部入れるね」
「あ、あっ…」
ゆっくりと、勇者は侵入してくる。
その熱が動くたび、軽い絶頂を繰り返した。
「全部入ったよ」
指では届かなかった奥の方まで満たされた時、侵入が止まった。
尻に下生えが当たる感触があり、勇者と密着しているのだと分かった。
「ようやくユーリとひとつになれた。嬉しい……」
俺の中で勇者の熱がドクドクと脈打っている。
胸がいっぱいになって、俺は後孔をきゅうと締め付けた。
「ユーリの中、凄く気持ち良いよ。腸壁がうねって俺のチンポを離したくないって言ってるみたいだ」
俺の背を撫でながら甘い声でそう言われて、余計に中を意識してしまった。
「ああ、もう我慢できない。ユーリ、動くよ」
勇者は俺の腰を持って、ゆっくりと抽送を始めた。
「ぅぁ……っは……ウィル……」
「……っ、はぁ……っ」
甘い吐息が聞こえる。
どんな表情をしているのだろう。勇者の顔が見たい。
上半身を捻り肩越しに見えた勇者は、苦しそうに眉を寄せながらも恍惚とした表情で俺を穿っていた。
胸が張り裂けそうなくらいきゅんとなる。
それをキスで鎮めて欲しくて手を伸ばすと、勇者は俺に覆い被さるように抱きつき、甘いキスをくれた。
「ちゅ…っは、ウィル……ちゅ……」
「ユーリ……」
キスの合間に名を呼びあう。
名を呼ぶ度に正体のわからない感情が溢れ出ようとしてくる。
それに気付かないふりをして、夢中で唇を貪った。
抽送のスピードが速まるにつれ、俺は高みへと押し上げられていく。
熱い塊がゴリゴリと俺の中で暴れ回る。
「あっ……きもちいぃ……!」
「ユーリ……ユーリ……」
勇者はうわごとのように俺の名を呼びながら、腰を打ち付けてくる。
「ああっ!イクっ!!!」
「っ!」
俺が肉壁を痙攣させながら達すると同時に、勇者も俺の中で果てた。
腹の中がドクドクと注がれる熱い液体で満たされていく。
触ってもいない前からは、白濁がトロトロと流れ出ていた。
甘い痺れの中で息を整えていると、勇者のものが刺さったまま、体をひっくり返された。
「あっ……あぁっ!」
「ユーリ」
名を呼ばれてゆるゆると顔を上げる。
勇者は目を細めると、耳元へ顔を寄せた。
「俺のこと覚えてるでしょ?」
これまでと一変した冷たい声色に目を見開く。
「な、何の事ですか?」
もしかして、記憶のことを言っているのだろうか。
今までそんな素振りは全く見せなかったのに。
「とぼけなくても良いよ。君は生まれ変わりじゃない。あの時俺が殺したユーリだ」
勇者は最後に見た時と同じ暗い目をしていた。
急速に体が冷えていく。
いつから知っていた?
俺の考えも分かっているのか?
今になって伝えてきたのは何の為だ?
「……だったらどうする?」
震える声で、そう返すのが精一杯だった。
しかし勇者はふっと空気を緩め、何でもないように言った。
「どうもしないよ。ただ、俺の事忘れたって言うなんて許せなかっただけで」
覚えていてくれて嬉しい、と言われ、拍子抜けする。
「俺が明日寝返ってもいいのか?」
「構わないよ。こうしてユーリと繋がれただけで、俺は十分だから」
そう言って勇者はうっそりと笑った。
「世界平和なんてどうでもいい。俺が欲しいのはユーリだけだよ」
勇者が俺だけを求めている。その事実に心も体も歓喜していた。
それを自覚して漸く理解した。
俺の勇者に対する気持ちが何なのか——
俺は勇者を愛しているのだと。
胸がきゅんとなり、肉壁をうねらせる。
その動きに応えるように、勇者は腰を動かした。
「あっ、まて!」
勇者の体を引き寄せ胸に唇を寄せると、強く吸い付く。
その白い胸に赤い印が付いた。
俺の所有印。
ささやかなその印が愛おしくて、俺は確かめるように指先で撫でる。
「これでウィルは俺のものだ……お揃いだな」
先程つけられた胸元の赤い印を指差した。
勇者は大きく目を見開くと、恍惚とした表情に変わった。
「ユーリ……もう誰にも渡さない」
勇者は俺の手を絡めとり、ベッドに縫いつけた。
その目が肉食獣のように鋭くなる。
「煽ったのはユーリだから、覚悟してよね」
ズブリと一気に奥に突き立てられる。
「んっ、あ、きもちいいっ!」
「ユーリ、好きだよ。愛してる」
先程以上に荒々しく抽送される。
パンパンと肉の当たる音とぐちゅぐちゅという水音が部屋に響く。
愛しい、嬉しい、気持ち良い——
さまざまな感情が溢れ、涙になって出てきた。
「ユーリ、好き」
「おれも……っ!ウィル……っ!すき……っ!!」
箍が外れたように溢れ出てくる感情をそのまま口にする。
思いが通じて悦ぶ体は、より深いところまでその熱を受け入れた。
奥の方にある窄まりを、熱塊がこじ開けようと何度も打ち付けてくる。
徐々に受け入れ体制にはいったそこは、熱の先端が当たる度にちゅっちゅと吸い付いた。
「あっあああああああっ!!!」
柔らかく解れたそこに勇者の熱がぐぷりと差し込まれると、その衝撃で俺は全身を大きく震わせながら3度目の絶頂に至った。
後孔の収縮に促されるように、勇者も俺の最奥で白濁を放った。
最後の1滴まで搾り取るように無意識のうちに腸全体をうねらせた。
注ぎ込まれた魔力が体中をぐるぐると駆け巡っている。
ぼんやりとした意識の中で、これだけは伝えなくてはと口を動かす。
「愛してる……」
流れ込む魔力の濁流に溺れ、俺は意識を手放した。
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竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
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