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※第8話 枯渇
あの日以降、表面的には何も変わっていない。優斗との行為はやんわりと避けるようになったが、もとより魔力に不足していないエデュアルドだ。他のメンバーを優先することは必然だった。
しかし、エデュアルドの内心はずいぶんと変わってしまった。
「本当に良いのかい?」
複雑そうな表情で問いかけてくるベルトランに、エデュアルドは笑顔で返した。
「良いんだ。私は魔力にまだ余裕があるからな」
「エディ……」
優斗は眉を寄せ何かを言いかけたが、すぐに目を伏せるとベルトランを伴い自室へ向かった。
去っていく優斗の後ろ姿に胸が痛む。一度認めてしまった恋心は日を追うごとに大きくなっていき、エデュアルドにはもうどうすることも出来なかった。
行かないで欲しい。私を見て欲しい。
そんな浅ましい欲望が口をついて出てしまいそうで、エデュアルドは拳を固く握った。優斗は勇者で、エデュアルドはただの盾だ。そこに友情はあっても愛情は無い。そう思うと悲しくて辛くてたまらなかった。
しかし、この気持ちを押し殺さなければパーティ全体がぎくしゃくしてしまうかもしれない。自分の感情ひとつで仲間の足を引っ張るわけにはいかない。
エデュアルドは頭を振って雑念を払うと、部屋へ戻った。
翌日、いつものように朝食を食べ終えた一行は転移陣を通り魔界へ向かった。
旅も終盤に差し掛かっている。ここから先は今まで以上に過酷な戦闘が予想されるだろう。気を引き締めなければならない。
「よし! 行こう!」
優斗の言葉に応えながら、エデュアルドも一歩を踏み出した。
出てくる魔物は最初のころとは比べ物にならないくらい強い。しかし、こちらも確実に力をつけている。苦戦することはあれど大きな怪我をすることなく進んでいった。
もう少しで魔法標識というところで濃密な瘴気を感じ取る。エデュアルドが足を止めると各々武器を構えた。このころになると言葉を交わすまでも無く、パーティ全員が魔物の気配を感じ取れるようになっていた。
目指していた魔法標識の前に立ち塞がるように現れたのは2体のオーガだった。前にいる1体は棍棒を持ち、後ろにいるもう1体は斧を持っていた。
「私が引き付ける」
そう言い残し、エデュアルドは剣を構えて飛び出した。
まずは棍棒を持ったオーガに対峙する。大振りな一撃ながらその肉体からは想像できないほどの速さだった。その一撃をギリギリでかわすとそのまま懐に入り込んだ。盾を構え防御の姿勢を取る。
ガンッ!
重い音を立てながら攻撃を受けるものの衝撃に耐え抜き、すぐさま反撃に出る。素早い動きから繰り出される斬撃を振り払おうと、オーガは腕を大きく振るった。
その隙に詠唱を終えたイラたちが次々と魔法を放つ。炎や氷、風などあらゆる属性の攻撃がオーガを襲った。
「グオオォオォォ!」
苦しむような声を上げるオーガだったがすぐに体勢を整えると、エデュアルドに襲い掛かった。
「エディ! 武器強化・盾!」
優斗のスキルを受けエデュアルドの剣がキラリと光る。エデュアルドはオーガの攻撃を冷静に見極め回避すると、すれ違いざまに首を切りつけた。
血飛沫を上げ倒れるオーガを確認し次の相手へ視線を向ける。
仲間が倒れたのを見届けて、ようやく斧を持ったオーガが動き出した。仲間の死にも動揺を見せず向かってくるオーガにまずはエデュアルドが応戦するが、このオーガは先程のオーガよりも数段強かった。振り下ろされる斧をかわしながら攻撃を加えていく。しかしなかなか決定打を与えられないでいた。避けきれなかった攻撃が身体に当たる度、少しずつダメージを負っていく。
このままでは押し切られてしまう。そう思った時だった。
「ボクたちも負けていられないね」
イラの声と共にいくつもの魔法陣が現れる。そこから放たれるのは雷だ。
一瞬にしてオーガの動きを止め感電させる。そして間髪入れずフォリオが杖を掲げると無数の風の刃が現れオーガを切りつけた。
「……止めだ!」
ベルトランが剣に魔法を乗せて心臓を突き刺す。全身切り刻まれたオーガは大きな唸り声を上げながら地面に倒れ数度痙攣したが、やがて動かなくなった。
「危ない危ない。エデュだけにいいとこ持ってかれるとこだったよ!」
「ふふ、俺たちにも見せ場を残しておいてほしいな」
「攻撃の面では君たちの方が上だろう」
「傷は大丈夫ですか? すぐに治しますね」
フォリオが皆に治癒魔法をかける。戦闘終了直後特有の緩んだ空気が漂いかけたその時だった。
「エディ! 危ない!」
優斗の叫び声にハッと視線を向ける。エデュアルドを守るように立ちふさがった優斗の肩越しに、振り上げられた斧が迫っていた。
ギラリと光る刃が優斗の首元に届く。時が圧縮されたかのようにゆっくりと感じる時間の中、エデュアルドは咄嵯に手を伸ばした。
「ユート!!!」
叫び声と共に、エデュアルドの体から激しい光の奔流が放たれる。凝縮した魔力で作られた光の壁は優斗を襲おうとするオーガの腕を弾き飛ばした。
「グアァァァアァ!」
全ての魔力を注いだ聖防護壁は異常なまでの輝きを放ちながらオーガの身体を焼き尽くす。消えゆくオーガを背に、優斗がゆっくりと振り返った。
良かった。ユートは無傷だ。
安堵した刹那、ドクンと心臓が跳ねる。
「っ、はっ……!」
「エディ?」
体が燃えるように熱い。立っていることが出来ずその場に膝をつくと、心配そうな表情を浮かべながら優斗が駆け寄ってきた。
「……ユ、ト……」
肩に触れられただけなのにビクリと反応してしまう。そんな様子に驚いたのか、優斗が目を見開いた。
「魔力枯渇だ!」
「早く帰還の準備を!」
「いまやってるよぅ!」
皆の声がどこか遠くに感じる。エデュアルドは熱に浮かされながらも必死で理性を保とうとした。
「転移陣は設置したけどこのまま抜けるのは危ないよ!」
イラが焦りの声を上げる。転移陣を使うのにも若干の魔力を消費するのだ。今のエデュアルドの状態で無理やり使えば命にかかわるかもしれない。
「……みんなは先に戻ってて」
短い逡巡の後、優斗が口を開いた。その言葉に全員が息を飲む。ベルトランが口を開きかけたが、フォリオがそれを制止する。何をするつもりか皆察しているのだろう。反論する者は誰もいなかった。
「任せて。俺が責任もって連れ帰るから」
「優斗……頼んだよ」
ベルトランがそう言うと3人は転移陣をくぐり姿を消した。
2人きりになったタイミングで優斗はエデュアルドを優しく地面に押し倒した。
「ごめん。ちょっと我慢して」
「やめろ……! 放せ……」
泥や汗にまみれた汚れた体など見られたくない。エデュアルドは抵抗したが、あっさりと押さえつけられてしまった。
「やだ。放さない」
普段なら優斗を退けることなんて容易いのに、今は全く力が入らない。優斗が慣れた手つきでシャツのボタンを外すと、汗に濡れた肌が日差しに晒されエデュアルドは小さく震えた。
優斗はエデュアルドの肌に顔を寄せると、スンっと匂いを嗅いだ。
「ん……エディの匂い……」
「や……! やめて……くれ……!」
羞恥でどうにかなりそうだった。もう半日以上体を洗っていないのだ。悪臭を放っているに違いない。
「やめない」
エデュアルドの懇願むなしく、優斗はそのまま目の前にある胸の突起を口に含んだ。
「あッ♡、ん、く……ふぁ、ン」
熱を持った舌先が慎ましい果実をこねくり回す。時折甘噛みするとエデュアルドは甘い声を上げた。胸先からじわじわと優斗の魔力が伝わってくる。でも、足りない。こんなものでは。
優斗はその声を聞きながら、ズボンに手をかけ下着ごとずり下ろした。露わになったそこは先走りでぐしょりと湿っていた。
「すごい、びちょびちょ」
「う、うるさ……い……!」
恥ずかしさに顔を背ける。肌よりももっと汚いはずのそこを、優斗は躊躇なく口に含むと激しく吸い上げた。
「ひぁ♡ あっ、だめ♡、ああァ!」
ユートの口を汚してしまう。
辛うじて残った理性で優斗の頭を掴んで引き離そうとしたが、快楽に侵された身体ではそれすらままならなかった。
「や……やめっ……♡」
「エディ、お願いだから大人しくして」
優斗はエデュアルドのモノを片手で扱きながら、後ろまで垂れた先走りを指先に絡めて後孔にあてがいゆっくりと挿入した。
「ん、はぅ、ユ、トぉ♡……や、だ」
「大丈夫だよ、ほら、ここ好きでしょう?」
「アッ、アアァ♡♡」
こんな時間なのに。身体は汚いままなのに。ここは魔界で、しかも外なのに。
なのに、優斗を欲してしまう。これではいけないと頭を振るが、肉壁は離さないとばかりにに優斗の指を食い締めた。
優斗が前立腺を押し込む。強い快感に開きっぱなしだった口端から唾液が垂れた。そのまま何度も同じ場所を攻め立てられれば、エデュアルドの理性は簡単に崩れ去った。魔力が――優斗が欲しい。
「ユートっ♡ ……早く、挿れて、くれ……っ!」
「……っ! 煽らないで、よっ!」
優斗は我慢できないとばかりに前を寛げると、一気に奥深くを突き刺した。
待ち望んだ刺激にエデュアルドの中がきゅうっと締まる。優斗の形をありありと感じてしまい、エデュアルドの目には涙が溜まった。
繋がる粘膜から、優斗の魔力が伝わってくる。それは今までに感じたことの無いほどに甘くて濃厚なものだった。
「はぁ……! は、あ、あぁ……♡♡♡」
ごり、と手前を抉られ背筋が大きく仰け反る。ぼんやりと見つめた視界の隅に黒い影が動くのが見えた。
「っ、あれ、は……」
そこにいたのは狼の姿をした魔獣だった。
全魔力を込めた聖防護壁に守られている以上、危険はない。しかし透明な聖防護壁越しでは、魔獣の視線は防げなかった。
ああ、見られている。
優斗は何を思ったか体制を変えると、聖防護壁に手をつかせ、激しく腰を打ち付けて来た。正面の魔獣からはエデュアルドの痴態が全て見えているだろう。
「はっ♡、ンッ、……や……っ、……見られて……、」
ポロリと一粒涙が流れ落ちる。優斗はそれを舐め取ると、耳元で囁くように言った。
「いいんだよ。見せつけてやろうよ? 俺達愛し合ってますってさ……」
「んぁっ♡ あ、あぁ♡ だめだ……!」
快楽の激流に呑まれながらも、優斗の言葉に心の奥が冷静になった。
愛し合ってるのは自分たちじゃない。睦言とはいえベルに対して不誠実だ。
それでも身体は言うことを聞かない。優斗の動きに合わせて淫らに揺れてしまう自分の身体を、エデュアルドは恨めしく思った。
「エディは俺のだから、あっち行ってろ」
優斗が低い声で何かを呟く。エデュアルドの耳には届かなかったその言葉を理解したのだろうか、魔獣はか細くひと鳴きするとくるりと踵を返して森の奥へ去っていった。
それを見届けると優斗はエデュアルドの身体を反転させて向かい合わせにし、その唇を奪った。
貪るような口づけを交わしながら、優斗は動きを再開する。
「ん、ふぅ……、んん……!」
絡み合う舌と舌。唾液が混ざり合い、飲み込みきれないそれが顎へと伝う。
下半身からはぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響く中、頭の中は真っ白になり何も考えられなかった。
ユートが好き。
そんな本能に突き動かされてエデュアルドは優斗の背中に腕を回すと、ぎゅうっと抱きしめた。
「イ、イク♡♡、イッちゃ♡♡♡、ア♡、ア♡、ア、アアアアア♡♡♡」
「俺もっ……イク……ッ!」
エデュアルドが果てたのとほぼ同時に優斗もまたエデュアルドの中に精を放った。
熱い飛沫と大量に流れ込む優斗の魔力を感じながら、エデュアルドはゆっくりと意識を失った。
しかし、エデュアルドの内心はずいぶんと変わってしまった。
「本当に良いのかい?」
複雑そうな表情で問いかけてくるベルトランに、エデュアルドは笑顔で返した。
「良いんだ。私は魔力にまだ余裕があるからな」
「エディ……」
優斗は眉を寄せ何かを言いかけたが、すぐに目を伏せるとベルトランを伴い自室へ向かった。
去っていく優斗の後ろ姿に胸が痛む。一度認めてしまった恋心は日を追うごとに大きくなっていき、エデュアルドにはもうどうすることも出来なかった。
行かないで欲しい。私を見て欲しい。
そんな浅ましい欲望が口をついて出てしまいそうで、エデュアルドは拳を固く握った。優斗は勇者で、エデュアルドはただの盾だ。そこに友情はあっても愛情は無い。そう思うと悲しくて辛くてたまらなかった。
しかし、この気持ちを押し殺さなければパーティ全体がぎくしゃくしてしまうかもしれない。自分の感情ひとつで仲間の足を引っ張るわけにはいかない。
エデュアルドは頭を振って雑念を払うと、部屋へ戻った。
翌日、いつものように朝食を食べ終えた一行は転移陣を通り魔界へ向かった。
旅も終盤に差し掛かっている。ここから先は今まで以上に過酷な戦闘が予想されるだろう。気を引き締めなければならない。
「よし! 行こう!」
優斗の言葉に応えながら、エデュアルドも一歩を踏み出した。
出てくる魔物は最初のころとは比べ物にならないくらい強い。しかし、こちらも確実に力をつけている。苦戦することはあれど大きな怪我をすることなく進んでいった。
もう少しで魔法標識というところで濃密な瘴気を感じ取る。エデュアルドが足を止めると各々武器を構えた。このころになると言葉を交わすまでも無く、パーティ全員が魔物の気配を感じ取れるようになっていた。
目指していた魔法標識の前に立ち塞がるように現れたのは2体のオーガだった。前にいる1体は棍棒を持ち、後ろにいるもう1体は斧を持っていた。
「私が引き付ける」
そう言い残し、エデュアルドは剣を構えて飛び出した。
まずは棍棒を持ったオーガに対峙する。大振りな一撃ながらその肉体からは想像できないほどの速さだった。その一撃をギリギリでかわすとそのまま懐に入り込んだ。盾を構え防御の姿勢を取る。
ガンッ!
重い音を立てながら攻撃を受けるものの衝撃に耐え抜き、すぐさま反撃に出る。素早い動きから繰り出される斬撃を振り払おうと、オーガは腕を大きく振るった。
その隙に詠唱を終えたイラたちが次々と魔法を放つ。炎や氷、風などあらゆる属性の攻撃がオーガを襲った。
「グオオォオォォ!」
苦しむような声を上げるオーガだったがすぐに体勢を整えると、エデュアルドに襲い掛かった。
「エディ! 武器強化・盾!」
優斗のスキルを受けエデュアルドの剣がキラリと光る。エデュアルドはオーガの攻撃を冷静に見極め回避すると、すれ違いざまに首を切りつけた。
血飛沫を上げ倒れるオーガを確認し次の相手へ視線を向ける。
仲間が倒れたのを見届けて、ようやく斧を持ったオーガが動き出した。仲間の死にも動揺を見せず向かってくるオーガにまずはエデュアルドが応戦するが、このオーガは先程のオーガよりも数段強かった。振り下ろされる斧をかわしながら攻撃を加えていく。しかしなかなか決定打を与えられないでいた。避けきれなかった攻撃が身体に当たる度、少しずつダメージを負っていく。
このままでは押し切られてしまう。そう思った時だった。
「ボクたちも負けていられないね」
イラの声と共にいくつもの魔法陣が現れる。そこから放たれるのは雷だ。
一瞬にしてオーガの動きを止め感電させる。そして間髪入れずフォリオが杖を掲げると無数の風の刃が現れオーガを切りつけた。
「……止めだ!」
ベルトランが剣に魔法を乗せて心臓を突き刺す。全身切り刻まれたオーガは大きな唸り声を上げながら地面に倒れ数度痙攣したが、やがて動かなくなった。
「危ない危ない。エデュだけにいいとこ持ってかれるとこだったよ!」
「ふふ、俺たちにも見せ場を残しておいてほしいな」
「攻撃の面では君たちの方が上だろう」
「傷は大丈夫ですか? すぐに治しますね」
フォリオが皆に治癒魔法をかける。戦闘終了直後特有の緩んだ空気が漂いかけたその時だった。
「エディ! 危ない!」
優斗の叫び声にハッと視線を向ける。エデュアルドを守るように立ちふさがった優斗の肩越しに、振り上げられた斧が迫っていた。
ギラリと光る刃が優斗の首元に届く。時が圧縮されたかのようにゆっくりと感じる時間の中、エデュアルドは咄嵯に手を伸ばした。
「ユート!!!」
叫び声と共に、エデュアルドの体から激しい光の奔流が放たれる。凝縮した魔力で作られた光の壁は優斗を襲おうとするオーガの腕を弾き飛ばした。
「グアァァァアァ!」
全ての魔力を注いだ聖防護壁は異常なまでの輝きを放ちながらオーガの身体を焼き尽くす。消えゆくオーガを背に、優斗がゆっくりと振り返った。
良かった。ユートは無傷だ。
安堵した刹那、ドクンと心臓が跳ねる。
「っ、はっ……!」
「エディ?」
体が燃えるように熱い。立っていることが出来ずその場に膝をつくと、心配そうな表情を浮かべながら優斗が駆け寄ってきた。
「……ユ、ト……」
肩に触れられただけなのにビクリと反応してしまう。そんな様子に驚いたのか、優斗が目を見開いた。
「魔力枯渇だ!」
「早く帰還の準備を!」
「いまやってるよぅ!」
皆の声がどこか遠くに感じる。エデュアルドは熱に浮かされながらも必死で理性を保とうとした。
「転移陣は設置したけどこのまま抜けるのは危ないよ!」
イラが焦りの声を上げる。転移陣を使うのにも若干の魔力を消費するのだ。今のエデュアルドの状態で無理やり使えば命にかかわるかもしれない。
「……みんなは先に戻ってて」
短い逡巡の後、優斗が口を開いた。その言葉に全員が息を飲む。ベルトランが口を開きかけたが、フォリオがそれを制止する。何をするつもりか皆察しているのだろう。反論する者は誰もいなかった。
「任せて。俺が責任もって連れ帰るから」
「優斗……頼んだよ」
ベルトランがそう言うと3人は転移陣をくぐり姿を消した。
2人きりになったタイミングで優斗はエデュアルドを優しく地面に押し倒した。
「ごめん。ちょっと我慢して」
「やめろ……! 放せ……」
泥や汗にまみれた汚れた体など見られたくない。エデュアルドは抵抗したが、あっさりと押さえつけられてしまった。
「やだ。放さない」
普段なら優斗を退けることなんて容易いのに、今は全く力が入らない。優斗が慣れた手つきでシャツのボタンを外すと、汗に濡れた肌が日差しに晒されエデュアルドは小さく震えた。
優斗はエデュアルドの肌に顔を寄せると、スンっと匂いを嗅いだ。
「ん……エディの匂い……」
「や……! やめて……くれ……!」
羞恥でどうにかなりそうだった。もう半日以上体を洗っていないのだ。悪臭を放っているに違いない。
「やめない」
エデュアルドの懇願むなしく、優斗はそのまま目の前にある胸の突起を口に含んだ。
「あッ♡、ん、く……ふぁ、ン」
熱を持った舌先が慎ましい果実をこねくり回す。時折甘噛みするとエデュアルドは甘い声を上げた。胸先からじわじわと優斗の魔力が伝わってくる。でも、足りない。こんなものでは。
優斗はその声を聞きながら、ズボンに手をかけ下着ごとずり下ろした。露わになったそこは先走りでぐしょりと湿っていた。
「すごい、びちょびちょ」
「う、うるさ……い……!」
恥ずかしさに顔を背ける。肌よりももっと汚いはずのそこを、優斗は躊躇なく口に含むと激しく吸い上げた。
「ひぁ♡ あっ、だめ♡、ああァ!」
ユートの口を汚してしまう。
辛うじて残った理性で優斗の頭を掴んで引き離そうとしたが、快楽に侵された身体ではそれすらままならなかった。
「や……やめっ……♡」
「エディ、お願いだから大人しくして」
優斗はエデュアルドのモノを片手で扱きながら、後ろまで垂れた先走りを指先に絡めて後孔にあてがいゆっくりと挿入した。
「ん、はぅ、ユ、トぉ♡……や、だ」
「大丈夫だよ、ほら、ここ好きでしょう?」
「アッ、アアァ♡♡」
こんな時間なのに。身体は汚いままなのに。ここは魔界で、しかも外なのに。
なのに、優斗を欲してしまう。これではいけないと頭を振るが、肉壁は離さないとばかりにに優斗の指を食い締めた。
優斗が前立腺を押し込む。強い快感に開きっぱなしだった口端から唾液が垂れた。そのまま何度も同じ場所を攻め立てられれば、エデュアルドの理性は簡単に崩れ去った。魔力が――優斗が欲しい。
「ユートっ♡ ……早く、挿れて、くれ……っ!」
「……っ! 煽らないで、よっ!」
優斗は我慢できないとばかりに前を寛げると、一気に奥深くを突き刺した。
待ち望んだ刺激にエデュアルドの中がきゅうっと締まる。優斗の形をありありと感じてしまい、エデュアルドの目には涙が溜まった。
繋がる粘膜から、優斗の魔力が伝わってくる。それは今までに感じたことの無いほどに甘くて濃厚なものだった。
「はぁ……! は、あ、あぁ……♡♡♡」
ごり、と手前を抉られ背筋が大きく仰け反る。ぼんやりと見つめた視界の隅に黒い影が動くのが見えた。
「っ、あれ、は……」
そこにいたのは狼の姿をした魔獣だった。
全魔力を込めた聖防護壁に守られている以上、危険はない。しかし透明な聖防護壁越しでは、魔獣の視線は防げなかった。
ああ、見られている。
優斗は何を思ったか体制を変えると、聖防護壁に手をつかせ、激しく腰を打ち付けて来た。正面の魔獣からはエデュアルドの痴態が全て見えているだろう。
「はっ♡、ンッ、……や……っ、……見られて……、」
ポロリと一粒涙が流れ落ちる。優斗はそれを舐め取ると、耳元で囁くように言った。
「いいんだよ。見せつけてやろうよ? 俺達愛し合ってますってさ……」
「んぁっ♡ あ、あぁ♡ だめだ……!」
快楽の激流に呑まれながらも、優斗の言葉に心の奥が冷静になった。
愛し合ってるのは自分たちじゃない。睦言とはいえベルに対して不誠実だ。
それでも身体は言うことを聞かない。優斗の動きに合わせて淫らに揺れてしまう自分の身体を、エデュアルドは恨めしく思った。
「エディは俺のだから、あっち行ってろ」
優斗が低い声で何かを呟く。エデュアルドの耳には届かなかったその言葉を理解したのだろうか、魔獣はか細くひと鳴きするとくるりと踵を返して森の奥へ去っていった。
それを見届けると優斗はエデュアルドの身体を反転させて向かい合わせにし、その唇を奪った。
貪るような口づけを交わしながら、優斗は動きを再開する。
「ん、ふぅ……、んん……!」
絡み合う舌と舌。唾液が混ざり合い、飲み込みきれないそれが顎へと伝う。
下半身からはぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響く中、頭の中は真っ白になり何も考えられなかった。
ユートが好き。
そんな本能に突き動かされてエデュアルドは優斗の背中に腕を回すと、ぎゅうっと抱きしめた。
「イ、イク♡♡、イッちゃ♡♡♡、ア♡、ア♡、ア、アアアアア♡♡♡」
「俺もっ……イク……ッ!」
エデュアルドが果てたのとほぼ同時に優斗もまたエデュアルドの中に精を放った。
熱い飛沫と大量に流れ込む優斗の魔力を感じながら、エデュアルドはゆっくりと意識を失った。
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