インターネットの道化師は現実世界で泣く

タクシーと末子

僕は疲労が溜まった体をタクシーの後部座席へと投げた。

未子が僕の後をついて、僕の隣の席へ座った。

僕は最初、未子が途中までタクシーを相乗りしたくてついてきたんだと思った。

運転手さんが「どちらまで向かいますか？」と聞くので、僕は未子の家がどこにあるのかを訪ねた。

未子は「千歳(ちとせ)」と答えたが、千歳は僕の家とは真逆だった。

僕は未子に「方向が逆だから相乗りはできない。」と伝えた。

すると未子は「じゃあいいや。あなたのお家で。」と答えた。

僕は困惑した。

僕「そういうのは無理だ。今家に彼女いるし。」

未子「えーｗじゃあカラオケは？ｗ」

僕「カラオケもダメ。」

未子「えー…分かった…普通にもう少しお話ししたかったな…。」

僕「そういうのいいよ。俺キャバやってる子とか無理だし…。」

未子「ひどいｗあたしだって好きでやってんじゃないのに！ｗ」

僕は冷たく未子にタクシーから降りるように促した。

未子は「分かった。」と言うとタクシーから降りて、僕の１つ前に停車しているタクシーへと乗り込んだ。