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49話 恐怖、サナダ街爆誕!
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「嫌だよ!!」
「駄目です師匠わがまま言わないでください」
「わがままじゃないよ! 自分の名前を街につけるなんてなんの罰ゲームだよ!」
ユキムラ様おかえりなさい、サナダ街領主就任祝い!
デカデカと横断幕に書かれた文字を窓辺からなんとなくぼーっと見ていたユキムラは、現実を受け止めてすぐにレンを呼び出して抗議していた。
「この街はユキムラ様によって作られた街です。
皆心から感謝しています。諦めてください」
「そうじゃ、ユキムラ殿への感謝の気持ちの表れじゃ受け取ってくれ」
レンは元村長も呼んでユキムラを言いくる……、説得していた。
結局二人からの猛烈なプッシュに逆らえず渋々とその提案を受け入れるしかなかった。
新サナダ街の領主にユキムラが就任することはすでに王都への連絡が行っている。
その王都から視察も来るそうだ。
すでにレールは敷かれている既定路線、哀れユキムラは一本道に乗せられていた。
会場はどんどん用意されていく、大量のテーブルに大量の料理、様々な酒類、屋台みたいにその場で料理するものまで特設されている。
上座に用意されたひな壇にユキムラの席は用意されている。
同時に各部門の責任者の発表もある。
司会進行は元村長・レンコンビだ。
設営の責任者はガッシュが張り切っている。
外殻警備も魔道具によるセンサーなどを利用しているために、最小限の人数をローテーションさせるらしいさっきソーカが報告に来た。
現在街に住むほぼすべての人が集まる宴となる。
食事事情は劇的に変化している。
農業作物は安定して供給できているし、水やりなどは魔道具による大規模農場のようなシステムが導入されており、人の負担はかなり軽減されている。スキルによる恩恵で作物の質も非常に高い。
畜産業もスキルシステムによって交配率が上がり、難産、病気などによる死亡が劇的に減っている。
収穫で様々な山の幸、狩猟によって肉類の確保も容易だ。
種類も様々な種類の製造に成功している。
スキルで作ると長年の熟成も一瞬だ。いいなぁ。
調理にもスキル補正がかかる、スキルで作ったほうが上手い人と直接作ったほうが上手い人がいる。
ただ煮込み料理などの時短はスキルの方が圧倒的なので慣れた人なんかは使い分けているようだ。
まぁ、そんな感じで完全におかしな世界になっている。
魔法やスキルシステムがある世界ってこんな感じになるんだなぁ、ユキムラはのんきにそういった変化を面白く見守ってきていた。
やってることはスキルシステムによる文化侵略と言っていいレベルなんだけどね。
VOの世界では沢山のプレイヤーがそれぞれいろいろな作成をしていた。
最強の剣を追い求める者、とんでもない性能の魔道具を追い求めるもの、製造だけでも何十年も打ち込んでしまうほどの奥深さがあった。
メインコンテンツをやりきったプレイヤーは製造にハマるってのが鉄板ルートだった。
今はユキムラしかできなかったそういうことを沢山の人がハマっている。
「まるで、あの頃のVOにいるみたいだな……」
繁忙期のVOを思い出して、少し涙ぐんだりしたのはユキムラだけの秘密なのだ。
宴は始まりまずは責任者発表など事務方の話が続く、
「えーそれでは、旧ファス村、今日からはサナダ街の新たな領主であるユキムラ様に、一言挨拶をいただきたいと思います」
その場にいたすべての人間がザザッと身を正す。
正直ユキムラは恐怖さえ覚えた。
何度も断ったけど結局乾杯の挨拶だけはする羽目になった。
「あ、えーと。とりあえず、やりすぎな特別扱いはやめて。ほんとに。
なんかこんなとこで話す柄じゃないのですが、取り敢えず沢山の人が来てくれて嬉しいです。
ぼ、俺はなんというか研究をしていると周りが見えなくなってしまうので、みんなに助けてもらってこれからも出来る限り、みんなが幸せに過ごしていける場所を作って生きたいと思っているので、もしよかったら無理ない範囲で助けてください。楽しく仲良く生きていきましょう、乾杯」
地面が震えるほどの乾杯の大合唱が起きる。
泣き出している人までいる、今の挨拶のどこに泣く要素が!
ユキムラはさらに困惑することになる。
宴がはじまってもあいさつ回りは続くし、なんか握手を求められてそれに答えたら、感動して泣かれたり料理の味もよくわからない状況。
ユキムラのフラストレーションゲージはどんどん溜まっていった。
あまり酔わないユキムラぐいっと3杯ほど酒を煽って拡声器を手に取る。
「えー、新しいルールを作りまーぁす。
自分への過度な崇拝を禁止しまーぁす。
皆さん普通に接してくださーぁい。これは私からの最初で最後の絶対命令でぇーす」
水を打ったように静かになる会場。
ユキムラはちょっとやってしまったか、と不安になるも、こんな扱いをずっとされるならほっとかれたほうがマシだと思い直した。
パチ、パチパチ、パチパチパチパチ、どわーーーーーーー
自然と拍手が起きてそれから大歓声だ。
あれだけの力を持っていながらなんと謙虚な、仁政のお方だ!
ユキムラを褒める数々の言葉が鳴り響く。
それを止めてほしかったんだけど、その後みんなの対応がそれなりに普通になったので、取り敢えずの満足を得ることが出来た。その後は食事の味も感じられたからね。
さらにありがたいのか自分で受け入れると酔いを維持することも発見した。
翌朝が酷いことになりそうだったので途中で止めたが、酔ったハイテンションな楽しさを久々に味わうことができた。
その宴は翌朝まで盛大に行われ、この日はサナダ街設立記念日として制定されるのでした。
「駄目です師匠わがまま言わないでください」
「わがままじゃないよ! 自分の名前を街につけるなんてなんの罰ゲームだよ!」
ユキムラ様おかえりなさい、サナダ街領主就任祝い!
デカデカと横断幕に書かれた文字を窓辺からなんとなくぼーっと見ていたユキムラは、現実を受け止めてすぐにレンを呼び出して抗議していた。
「この街はユキムラ様によって作られた街です。
皆心から感謝しています。諦めてください」
「そうじゃ、ユキムラ殿への感謝の気持ちの表れじゃ受け取ってくれ」
レンは元村長も呼んでユキムラを言いくる……、説得していた。
結局二人からの猛烈なプッシュに逆らえず渋々とその提案を受け入れるしかなかった。
新サナダ街の領主にユキムラが就任することはすでに王都への連絡が行っている。
その王都から視察も来るそうだ。
すでにレールは敷かれている既定路線、哀れユキムラは一本道に乗せられていた。
会場はどんどん用意されていく、大量のテーブルに大量の料理、様々な酒類、屋台みたいにその場で料理するものまで特設されている。
上座に用意されたひな壇にユキムラの席は用意されている。
同時に各部門の責任者の発表もある。
司会進行は元村長・レンコンビだ。
設営の責任者はガッシュが張り切っている。
外殻警備も魔道具によるセンサーなどを利用しているために、最小限の人数をローテーションさせるらしいさっきソーカが報告に来た。
現在街に住むほぼすべての人が集まる宴となる。
食事事情は劇的に変化している。
農業作物は安定して供給できているし、水やりなどは魔道具による大規模農場のようなシステムが導入されており、人の負担はかなり軽減されている。スキルによる恩恵で作物の質も非常に高い。
畜産業もスキルシステムによって交配率が上がり、難産、病気などによる死亡が劇的に減っている。
収穫で様々な山の幸、狩猟によって肉類の確保も容易だ。
種類も様々な種類の製造に成功している。
スキルで作ると長年の熟成も一瞬だ。いいなぁ。
調理にもスキル補正がかかる、スキルで作ったほうが上手い人と直接作ったほうが上手い人がいる。
ただ煮込み料理などの時短はスキルの方が圧倒的なので慣れた人なんかは使い分けているようだ。
まぁ、そんな感じで完全におかしな世界になっている。
魔法やスキルシステムがある世界ってこんな感じになるんだなぁ、ユキムラはのんきにそういった変化を面白く見守ってきていた。
やってることはスキルシステムによる文化侵略と言っていいレベルなんだけどね。
VOの世界では沢山のプレイヤーがそれぞれいろいろな作成をしていた。
最強の剣を追い求める者、とんでもない性能の魔道具を追い求めるもの、製造だけでも何十年も打ち込んでしまうほどの奥深さがあった。
メインコンテンツをやりきったプレイヤーは製造にハマるってのが鉄板ルートだった。
今はユキムラしかできなかったそういうことを沢山の人がハマっている。
「まるで、あの頃のVOにいるみたいだな……」
繁忙期のVOを思い出して、少し涙ぐんだりしたのはユキムラだけの秘密なのだ。
宴は始まりまずは責任者発表など事務方の話が続く、
「えーそれでは、旧ファス村、今日からはサナダ街の新たな領主であるユキムラ様に、一言挨拶をいただきたいと思います」
その場にいたすべての人間がザザッと身を正す。
正直ユキムラは恐怖さえ覚えた。
何度も断ったけど結局乾杯の挨拶だけはする羽目になった。
「あ、えーと。とりあえず、やりすぎな特別扱いはやめて。ほんとに。
なんかこんなとこで話す柄じゃないのですが、取り敢えず沢山の人が来てくれて嬉しいです。
ぼ、俺はなんというか研究をしていると周りが見えなくなってしまうので、みんなに助けてもらってこれからも出来る限り、みんなが幸せに過ごしていける場所を作って生きたいと思っているので、もしよかったら無理ない範囲で助けてください。楽しく仲良く生きていきましょう、乾杯」
地面が震えるほどの乾杯の大合唱が起きる。
泣き出している人までいる、今の挨拶のどこに泣く要素が!
ユキムラはさらに困惑することになる。
宴がはじまってもあいさつ回りは続くし、なんか握手を求められてそれに答えたら、感動して泣かれたり料理の味もよくわからない状況。
ユキムラのフラストレーションゲージはどんどん溜まっていった。
あまり酔わないユキムラぐいっと3杯ほど酒を煽って拡声器を手に取る。
「えー、新しいルールを作りまーぁす。
自分への過度な崇拝を禁止しまーぁす。
皆さん普通に接してくださーぁい。これは私からの最初で最後の絶対命令でぇーす」
水を打ったように静かになる会場。
ユキムラはちょっとやってしまったか、と不安になるも、こんな扱いをずっとされるならほっとかれたほうがマシだと思い直した。
パチ、パチパチ、パチパチパチパチ、どわーーーーーーー
自然と拍手が起きてそれから大歓声だ。
あれだけの力を持っていながらなんと謙虚な、仁政のお方だ!
ユキムラを褒める数々の言葉が鳴り響く。
それを止めてほしかったんだけど、その後みんなの対応がそれなりに普通になったので、取り敢えずの満足を得ることが出来た。その後は食事の味も感じられたからね。
さらにありがたいのか自分で受け入れると酔いを維持することも発見した。
翌朝が酷いことになりそうだったので途中で止めたが、酔ったハイテンションな楽しさを久々に味わうことができた。
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