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85話 喧嘩腰
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冒険者ギルド本部、正確には冒険者ギルドプラネテル王国本部。
沢山の冒険者と依頼者によってごった返し喧騒に包まれた室内が水を打ったように静かになる。
全員が受付で繰り広げられているにわかには信じられない会話に聞き耳を立てていた。
「機械の故障じゃないのか?」
「いえ、それも確かめました。こ、こちらのソーカ様はレベル、187で間違いありません……」
静寂に落とされた巨大な爆弾が弾けるとギルド内は大騒ぎになる。
そこら中でそんなはずはない、あんな小娘が!? 親衛隊隊長以上ってことか!?
あまりの大騒ぎに収集がつかない。
「すまない、念のために俺も測ってもらっていいかな?」
ユキムラは自分のステータスを確かめる。ここ最近の連戦でかなりレベルが上っている。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
ユキムラ サナダ
BLv 201
HP:61245
MP:59831
力 120
素早さ 120
体力 109
知性 120
器用さ 100
幸運 100
スキル:スキルマスターLv MAX
特性:秘められた才能《取得経験値にボーナスが付きます》
一般スキル:スキルマスター Lv MAX
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
だいぶ香ばしいレベルになってきている。
VOの時から考えれば大したことないんだが、さっきの反応をみるとまた大変なことが起きそうだ。
ただ、取り敢えずこの数値と同じならあの魔道具は壊れていない。
気がつくとまたギルド内は静寂に包まれていた。
「に、に、に、201! レベル201です!!」
またも爆発したようにギルド内が騒然となる。
200なんて聞いたことが無い! 絶対に壊れている! なにもんだアイツラ!!
もう、収集がつかない状況になっている。
ギルドの職員たちも集まってきている。
ユキムラもどうすればいいかわからなかった、今までこういうことをレンにすべて押し付けていたことを反省した。
「うるせぇぞ!! 静かにしやがれ!!」
声で吹き飛ぶかと思うほどの大声が受付の奥から発せられた。
その一声でまたギルド内は静寂を取り戻した。
その声の主は背丈は2mに迫らんばかりの偉丈夫。
真っ黒な長髪を後ろで結んで服を着ても隠しきれない見事な恵体。
少し細めな目から鋭い眼光が光る、50代くらいと思わせるが纏っているオーラは只者ではない。
ギルド職員が慌てて現在の状況を伝える。
ユキムラとソーカを値踏みするように一瞥すると。
「奥へ来い、話がある」
一言そう言うと奥へと戻ってしまう。
先程の人物が去ると明らかにギルド内の空気が弛緩する。
「えーっと、今の方は?」
恐る恐る受付の女性へと尋ねる。
「あ、はい、えーっと我がギルド本部マスター。ガレオン=マグワイヤーです」
「お前暴れる獅子ガレオンを知らないの!? なんかレベルも眉唾だなぁ……」
近くにいた冒険者風のおじさんが補足してくれる。
「ユキムラさん、取り敢えず呼ばれた以上早く行ったほうが良いかと思われます」
「そ、そうです。ど、どうぞ! 多分マスターは廊下の突き当りの部屋にいると思います!」
ってことは闘技場か! よっしゃすぐに見に行くぞ! おい、皆に声かけてこい!
ギルドがまた活気を取り戻してバタバタと人が出ていく。
ユキムラとソーカは受付を抜け奥の扉を通って廊下へと出る。
言われたとおり正面にやや大きな扉がある。
少し重い扉を開くと開けた空間に出る、開けたというのは天井もないという意味で開けている。
「なるほど、闘技場ね」
「遅い。お前がサイレスが言っていたユキムラか。
サイレスを赤子扱いしたらしいな。好きなものを取れ」
ガレオンが顎で指す先には幾つもの木製の獲物がある。
「そっちの女も強いんだろ? どっちでもいいぞ、お前が逃げても責めはせん」
カッチーーーン。
「ユキムラさんそしたら……」
「俺が出る」
まぁ、PvPやる人って少なからずこういう所ありますよね。
肉体に精神が引っ張られて若返るのか最近のユキムラは56だった頃より血気盛んになっている。
「これを使わせてもらおう」
ユキムラが選んだのは籠手だ。
「長剣使いと聞いたが、負けた時の言い訳か?」
「ははは、まだ負けるとは決まってませんから」
青筋がピクピクしている。
ガレオンは両手持ちの長剣を軽々と肩に担いでいる。
気がつくと闘技場は観衆で満員になっていた。
「さて、サイレンが気に入った坊主がどれほどのものか見てやるよ。かかってこい」
「すうううぅぅぅぅぅーーーーーーはああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー。
久しぶりに本気で相手してやるよ坊主。40年これで生きてきたんだ舐めんな」
完全にキャラが変わっている。スイッチが入っている。
ユキムラは珍しく自分から突っ込んでいく。
しかも真正面から。
「つまらん」
吐き捨てるようにつぶやき必勝の一振り、ガレオンは今まで誰も避けることの出来なかった一刀を振り下ろす。
構えの状態から振り下ろしまで常人の目からは突然変化したように見えるほどのスピード。
周りで見ている人間、ソーカの目をしてもまるで木の剣でユキムラを斬ったと思わせる一振り。
「なっ!?」
今、何をした? 何をされた?
ガレオンは自分の持つ武器の異常に驚愕を隠せなかった。
ドサッ
ユキムラが無造作に地面に放り投げたのは綺麗に折られた剣先だ。
刀取りからの武器折り、お互いのスピードが早すぎるために周りの人間は理解が追いつかない。
「本気で来いよ、武器変えるくらいは待ってやるよ。このままじゃ《つまらん》」
完全にキャラが変わっているユキムラ、後ろで見ているソーカは目がハートになっているぞ。
沢山の冒険者と依頼者によってごった返し喧騒に包まれた室内が水を打ったように静かになる。
全員が受付で繰り広げられているにわかには信じられない会話に聞き耳を立てていた。
「機械の故障じゃないのか?」
「いえ、それも確かめました。こ、こちらのソーカ様はレベル、187で間違いありません……」
静寂に落とされた巨大な爆弾が弾けるとギルド内は大騒ぎになる。
そこら中でそんなはずはない、あんな小娘が!? 親衛隊隊長以上ってことか!?
あまりの大騒ぎに収集がつかない。
「すまない、念のために俺も測ってもらっていいかな?」
ユキムラは自分のステータスを確かめる。ここ最近の連戦でかなりレベルが上っている。
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ユキムラ サナダ
BLv 201
HP:61245
MP:59831
力 120
素早さ 120
体力 109
知性 120
器用さ 100
幸運 100
スキル:スキルマスターLv MAX
特性:秘められた才能《取得経験値にボーナスが付きます》
一般スキル:スキルマスター Lv MAX
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だいぶ香ばしいレベルになってきている。
VOの時から考えれば大したことないんだが、さっきの反応をみるとまた大変なことが起きそうだ。
ただ、取り敢えずこの数値と同じならあの魔道具は壊れていない。
気がつくとまたギルド内は静寂に包まれていた。
「に、に、に、201! レベル201です!!」
またも爆発したようにギルド内が騒然となる。
200なんて聞いたことが無い! 絶対に壊れている! なにもんだアイツラ!!
もう、収集がつかない状況になっている。
ギルドの職員たちも集まってきている。
ユキムラもどうすればいいかわからなかった、今までこういうことをレンにすべて押し付けていたことを反省した。
「うるせぇぞ!! 静かにしやがれ!!」
声で吹き飛ぶかと思うほどの大声が受付の奥から発せられた。
その一声でまたギルド内は静寂を取り戻した。
その声の主は背丈は2mに迫らんばかりの偉丈夫。
真っ黒な長髪を後ろで結んで服を着ても隠しきれない見事な恵体。
少し細めな目から鋭い眼光が光る、50代くらいと思わせるが纏っているオーラは只者ではない。
ギルド職員が慌てて現在の状況を伝える。
ユキムラとソーカを値踏みするように一瞥すると。
「奥へ来い、話がある」
一言そう言うと奥へと戻ってしまう。
先程の人物が去ると明らかにギルド内の空気が弛緩する。
「えーっと、今の方は?」
恐る恐る受付の女性へと尋ねる。
「あ、はい、えーっと我がギルド本部マスター。ガレオン=マグワイヤーです」
「お前暴れる獅子ガレオンを知らないの!? なんかレベルも眉唾だなぁ……」
近くにいた冒険者風のおじさんが補足してくれる。
「ユキムラさん、取り敢えず呼ばれた以上早く行ったほうが良いかと思われます」
「そ、そうです。ど、どうぞ! 多分マスターは廊下の突き当りの部屋にいると思います!」
ってことは闘技場か! よっしゃすぐに見に行くぞ! おい、皆に声かけてこい!
ギルドがまた活気を取り戻してバタバタと人が出ていく。
ユキムラとソーカは受付を抜け奥の扉を通って廊下へと出る。
言われたとおり正面にやや大きな扉がある。
少し重い扉を開くと開けた空間に出る、開けたというのは天井もないという意味で開けている。
「なるほど、闘技場ね」
「遅い。お前がサイレスが言っていたユキムラか。
サイレスを赤子扱いしたらしいな。好きなものを取れ」
ガレオンが顎で指す先には幾つもの木製の獲物がある。
「そっちの女も強いんだろ? どっちでもいいぞ、お前が逃げても責めはせん」
カッチーーーン。
「ユキムラさんそしたら……」
「俺が出る」
まぁ、PvPやる人って少なからずこういう所ありますよね。
肉体に精神が引っ張られて若返るのか最近のユキムラは56だった頃より血気盛んになっている。
「これを使わせてもらおう」
ユキムラが選んだのは籠手だ。
「長剣使いと聞いたが、負けた時の言い訳か?」
「ははは、まだ負けるとは決まってませんから」
青筋がピクピクしている。
ガレオンは両手持ちの長剣を軽々と肩に担いでいる。
気がつくと闘技場は観衆で満員になっていた。
「さて、サイレンが気に入った坊主がどれほどのものか見てやるよ。かかってこい」
「すうううぅぅぅぅぅーーーーーーはああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー。
久しぶりに本気で相手してやるよ坊主。40年これで生きてきたんだ舐めんな」
完全にキャラが変わっている。スイッチが入っている。
ユキムラは珍しく自分から突っ込んでいく。
しかも真正面から。
「つまらん」
吐き捨てるようにつぶやき必勝の一振り、ガレオンは今まで誰も避けることの出来なかった一刀を振り下ろす。
構えの状態から振り下ろしまで常人の目からは突然変化したように見えるほどのスピード。
周りで見ている人間、ソーカの目をしてもまるで木の剣でユキムラを斬ったと思わせる一振り。
「なっ!?」
今、何をした? 何をされた?
ガレオンは自分の持つ武器の異常に驚愕を隠せなかった。
ドサッ
ユキムラが無造作に地面に放り投げたのは綺麗に折られた剣先だ。
刀取りからの武器折り、お互いのスピードが早すぎるために周りの人間は理解が追いつかない。
「本気で来いよ、武器変えるくらいは待ってやるよ。このままじゃ《つまらん》」
完全にキャラが変わっているユキムラ、後ろで見ているソーカは目がハートになっているぞ。
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