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170話 フィリポネア共和国
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浮遊感から開放されて、地面へと足がつく。
周囲から光が引いていくと自分たちが海岸線の砂浜にいることに気がつく。
「ちょっと、急すぎるわよねー……」
「時間戻せるならもう少しのんびりしたい気もしますね」
「まぁ、あのタイミングでしか時間跳躍は出来ないんだよきっと」
「ユキムラさん今度は3年と短いですね……」
「まぁ、一部は道具持ち込めるから大分楽だよ!」
「わんわん!」
タロが胸を張ってクロノス特製箱を誇らしげに見せてくる。
「えーっと、作業台出して、これでマジックポシェット作ってっと」
「マジックボックスを入れるってのが出来ないのは残念でしたね……」
「お互いに干渉して中身がどっかに行っちゃったりするらしいからね。
ま、全部終われば戻ってくるさ!」
ちゃちゃっと持ち込んだアイテムで全員分のマジックボックスを作る。
更に装備を取り出す。これだけでも飛躍的に冒険は楽になる。
戦闘に関しては無問題と言っていい。
「さて、師匠今後の予定は?」
「これから3国の魔王軍に対する防御力を高めていきつつ、国とも関係を作っていこう。
また商会を立ち上げようか、この国は多文化社会だからそれがいい気がする」
「海の幸ですね!」
「そう! 海の幸だよソーカ!!」
「ここの島国の衣装独特で可愛いのよねぇ~」
「地底と海底を国中に走っている海底洞窟が有名ですよね!」
それぞれ思い思いの事を言い出す。
時を渡る旅も彼らにとってはなんでもないことのようだ。
「さて、まずは周囲の街へと行かないとね」
装備は地味仕様だ。
群島国家であるフィリポネア共和国は比較的開かれた国で、特に冒険者や商売で身を立てようとする人が多く、そこら辺に対する規制が甘い。
その代わり積極的に貿易を行っていて特産品は海産物やサンゴなどの海洋資源。
それに国の中央にあるこの国唯一のダンジョンである海底洞窟から産出される珍しい素材などがメインの商品となっている。
文化も独特で熱帯気候に合わせた独特の服飾なども人気が高い。
獣人や魚人と言われる亜人がいることでも知られている。
ユキムラ達はとりあえずタロが上空に飛翔して人里を探しそこに向けて歩いている。
海岸線沿いを歩いているので釣りスキルで新しい食材確保に余念がない。
転移したときが昼前だったのでお昼をいただくことにする。
近くの木を利用してささっとテーブルや椅子を作る。
日常品も、そのレア石を日常品に使うのはアホだろって鉱石を使用して、一通り作って持ってきている。
一生モンどころか世代を超えて永遠に使い続けられる調理道具の数々……
「なんか、凄い色の魚が混ざりますね……」
真っ青な魚や、緑の魚。今まで見たことがないような魚が取れる。
「大丈夫新鮮な魚が不味いはずがない」
調味料も持ってきている。
やはり食を満たすというのは全てにおいて重要だからだ。
この世界に来たユキムラの行動原理の三分の一は食欲に由来する。
「刺し身、塩焼き、煮付け。なかなか印象的な色だけど逆に美しいね」
並べられていく料理は一見ビックリする色をしているが、そこから立ち上がる香りは鼻腔をくすぐる。
「さ、食べよう!」
「「「「いただきまーす!」」」」「わん」
穀物類がないので魚介だけの贅沢な食事になる。
「あ、美味しい!!」
ソーカが早速いろいろなものに手を付けている。
一分の隙きもない箸の動きで的確に骨から身を外し口に放り込む、早い!
「焼き物も煮物も、刺し身もどれも美味しい!
味を知っちゃえば色なんて綺麗ってぐらいですね!」
それに続いてレンも魚介の美味しさに舌鼓を打つ。
「あー、まだお酒無いのよねー暑いからビールとかきゅーっと飲みたいわねぇ~~」
「そういえば老化は無いって言われてるけど全員成長はしてるよね。レンも年齢的にはもうお酒飲めるんじゃない?」
「どうなんでしょう? でも僕まで飲んだら誰が皆さんの世話をするんですか……」
返す言葉がない一同であった。
まぁヴァリィが潰れるところは見たことはないが……
「わーうん!」
「なータロそうだよなー?」
「あ、ヤシの実あるね。採取してこよう」
露骨な話題そらしである。
それからデザートにココナッツを使った品を作り大満足な昼食となる。
「いやー、場所が変わると全然料理が変わりますね!!」
「う、嬉しそうだねソーカねーちゃん……」
「まぁ、気持ちはわかるよ。これからどんな料理と出会うか楽しみだよ!」
「ユキムラちゃんあんまりこだわりすぎて目的忘れないでね~~」
「そうだね、早いとこ対策終わらせてそれからにするよ!」
「師匠、ヴァリィさんは多分そういうこと言ってるんじゃないと思いますよ……」
「ま、苦労するのはレンちゃんだから。頑張って!」
「頼りにしてるよレン!!」
「……はぁ~~、わかりました!」
ユキムラに頼られてレンはやれやれってフリはしているが尻尾があったらブルンブルンと振られていることだろう。
海岸線をしばらく歩くと港町が見えてきた。フィリポネア共和国の北西に位置するベイストの街だった。
海底洞窟の入り口が近くに複数存在しており冒険者で賑わう中規模な街。
熱帯地帯が多いフィリポネアにおいて比較的に北に位置しておりプラネテル王国とも近い、建築様式も王国に近く漆喰で塗られた建築物が多い。
サナダ白狼隊の最初の拠点となり、つまりは、発展を約束された幸運な街となる。
周囲から光が引いていくと自分たちが海岸線の砂浜にいることに気がつく。
「ちょっと、急すぎるわよねー……」
「時間戻せるならもう少しのんびりしたい気もしますね」
「まぁ、あのタイミングでしか時間跳躍は出来ないんだよきっと」
「ユキムラさん今度は3年と短いですね……」
「まぁ、一部は道具持ち込めるから大分楽だよ!」
「わんわん!」
タロが胸を張ってクロノス特製箱を誇らしげに見せてくる。
「えーっと、作業台出して、これでマジックポシェット作ってっと」
「マジックボックスを入れるってのが出来ないのは残念でしたね……」
「お互いに干渉して中身がどっかに行っちゃったりするらしいからね。
ま、全部終われば戻ってくるさ!」
ちゃちゃっと持ち込んだアイテムで全員分のマジックボックスを作る。
更に装備を取り出す。これだけでも飛躍的に冒険は楽になる。
戦闘に関しては無問題と言っていい。
「さて、師匠今後の予定は?」
「これから3国の魔王軍に対する防御力を高めていきつつ、国とも関係を作っていこう。
また商会を立ち上げようか、この国は多文化社会だからそれがいい気がする」
「海の幸ですね!」
「そう! 海の幸だよソーカ!!」
「ここの島国の衣装独特で可愛いのよねぇ~」
「地底と海底を国中に走っている海底洞窟が有名ですよね!」
それぞれ思い思いの事を言い出す。
時を渡る旅も彼らにとってはなんでもないことのようだ。
「さて、まずは周囲の街へと行かないとね」
装備は地味仕様だ。
群島国家であるフィリポネア共和国は比較的開かれた国で、特に冒険者や商売で身を立てようとする人が多く、そこら辺に対する規制が甘い。
その代わり積極的に貿易を行っていて特産品は海産物やサンゴなどの海洋資源。
それに国の中央にあるこの国唯一のダンジョンである海底洞窟から産出される珍しい素材などがメインの商品となっている。
文化も独特で熱帯気候に合わせた独特の服飾なども人気が高い。
獣人や魚人と言われる亜人がいることでも知られている。
ユキムラ達はとりあえずタロが上空に飛翔して人里を探しそこに向けて歩いている。
海岸線沿いを歩いているので釣りスキルで新しい食材確保に余念がない。
転移したときが昼前だったのでお昼をいただくことにする。
近くの木を利用してささっとテーブルや椅子を作る。
日常品も、そのレア石を日常品に使うのはアホだろって鉱石を使用して、一通り作って持ってきている。
一生モンどころか世代を超えて永遠に使い続けられる調理道具の数々……
「なんか、凄い色の魚が混ざりますね……」
真っ青な魚や、緑の魚。今まで見たことがないような魚が取れる。
「大丈夫新鮮な魚が不味いはずがない」
調味料も持ってきている。
やはり食を満たすというのは全てにおいて重要だからだ。
この世界に来たユキムラの行動原理の三分の一は食欲に由来する。
「刺し身、塩焼き、煮付け。なかなか印象的な色だけど逆に美しいね」
並べられていく料理は一見ビックリする色をしているが、そこから立ち上がる香りは鼻腔をくすぐる。
「さ、食べよう!」
「「「「いただきまーす!」」」」「わん」
穀物類がないので魚介だけの贅沢な食事になる。
「あ、美味しい!!」
ソーカが早速いろいろなものに手を付けている。
一分の隙きもない箸の動きで的確に骨から身を外し口に放り込む、早い!
「焼き物も煮物も、刺し身もどれも美味しい!
味を知っちゃえば色なんて綺麗ってぐらいですね!」
それに続いてレンも魚介の美味しさに舌鼓を打つ。
「あー、まだお酒無いのよねー暑いからビールとかきゅーっと飲みたいわねぇ~~」
「そういえば老化は無いって言われてるけど全員成長はしてるよね。レンも年齢的にはもうお酒飲めるんじゃない?」
「どうなんでしょう? でも僕まで飲んだら誰が皆さんの世話をするんですか……」
返す言葉がない一同であった。
まぁヴァリィが潰れるところは見たことはないが……
「わーうん!」
「なータロそうだよなー?」
「あ、ヤシの実あるね。採取してこよう」
露骨な話題そらしである。
それからデザートにココナッツを使った品を作り大満足な昼食となる。
「いやー、場所が変わると全然料理が変わりますね!!」
「う、嬉しそうだねソーカねーちゃん……」
「まぁ、気持ちはわかるよ。これからどんな料理と出会うか楽しみだよ!」
「ユキムラちゃんあんまりこだわりすぎて目的忘れないでね~~」
「そうだね、早いとこ対策終わらせてそれからにするよ!」
「師匠、ヴァリィさんは多分そういうこと言ってるんじゃないと思いますよ……」
「ま、苦労するのはレンちゃんだから。頑張って!」
「頼りにしてるよレン!!」
「……はぁ~~、わかりました!」
ユキムラに頼られてレンはやれやれってフリはしているが尻尾があったらブルンブルンと振られていることだろう。
海岸線をしばらく歩くと港町が見えてきた。フィリポネア共和国の北西に位置するベイストの街だった。
海底洞窟の入り口が近くに複数存在しており冒険者で賑わう中規模な街。
熱帯地帯が多いフィリポネアにおいて比較的に北に位置しておりプラネテル王国とも近い、建築様式も王国に近く漆喰で塗られた建築物が多い。
サナダ白狼隊の最初の拠点となり、つまりは、発展を約束された幸運な街となる。
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