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171話 ベイストの街
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ベイストの街は周囲を土壁で囲われている。
町の入口には衛兵もいる。
現在白狼隊の身分を示すものはない。
「ベイストの街へようこそ。旅の冒険者か? 身分がわかるものをお願いする」
「すみません、我々小さな村から冒険者になるためにこの街へ来たのでまだ身分を証明するものがないのです……」
「ああ、そうか。それなら今冒険者ギルドから使いを呼ぶから待っていろ」
「はい」
こういう人間が多い土地柄なので、冒険者ギルドからの使いを待って一緒に冒険者ギルドで登録をすれば何の問題もなく街で過ごすことができる。
ユキムラ達は街へたどり着くまでで色々と話し合ったが、そのままの名前での登録をすることにする。
女神の辻褄を合わせるという言葉に全幅の信頼を預けている。
しかし懸念がある。それがレベルだ。
バカ正直に計るととんでもない数値になってしまう。
しかし、それも解決済みだ。ユキムラ達は対策を完成させている。
読み取るレベルの数値をごまかす手袋だ。これをつければ初心者としては高レベルだがレベル30くらいの冒険者と偽装ができる。
「おお、ルーキーでレベル30は素晴らしいですね!」
「ええ、近くで皆で腕試しと生活を支えていましたから!」
「なるほど! それではこちらがギルド証になります。サナダ白狼隊の皆様これからはギルドのために頑張ってください!!」
「はい!!」
第一関門はクリアである。
依頼を確認してこの街へ来る途中に手に入れているものでクリアできる依頼を受ける。
以前みたいにここで物を出したりはしない。
5日ぐらい時間を置いてから提出する予定だ。
物は全て十分に持っていた。
この街の拠点となる宿を取るか家を借りるか悩んだ。
街の内部にあるダンジョンに入れるようになるにはギルドのランクを上げないといけない。
少し時間がかかる。
ユキムラのVOの知識でもこのあたりにはそれ以外のダンジョンはない。
また商売も始めたい。
やりたいことが山積みだった。
「とりあえず、今日は日もくれてきましたし遅いですから宿にしましょう」
レンの提案で冒険者宿を借りる。
ゼニーはたんまりある。たんまりありすぎる。サナダ商会の収益の一部を持ってきているから。
お金の心配は皆無だ。
タロの箱からレンに管理を任せる。
夕食は地元のお店での調査も兼ねて外食をいただく。
街の雰囲気は王国に似ているがやはり違う。
少し南国情緒溢れている。
季節的には春の真ん中辺りだが夜でも半袖で十分過ごしやすい。
ヴァリィが地元のデザインを取り入れてアロハシャツ風のシャツと麻のズボンにサンダル。
ソーカには花柄のドレス。
特にソーカの姿はリゾートに咲く花のように似合いすぎていた。
土地柄開放的な場所でそれだけ魅力的な女性に飛んでくる虫も多い。
結果としてユキムラと腕を組んで歩くという役得を手に入れていた。
「あらあら、ソーカちゃんの嬉しそうなこと」
「師匠が恥ずかしそうじゃん……」
「すねないすねない」
「そんなんじゃないですー」
そう言っているレンだが、その美貌は成長して精悍な美男子。同じく開放的な女性たちが熱い視線を送っている。
「レンちゃん私と腕組む?」
「それもいいですねー」
もちろん冗談だ。そう信じたい。
レンは持ち前の可愛い笑顔でオネェさんたちに愛想を売りつつ手を振って上手いこと交わしている。
そういったことを避さけるのは帝都でも沢山場数を踏んでいる。
ユキムラとヴァリィはレンがすれていかないか少し心配になるほどだ。
高床式のリゾート風な木造の建築が気に入って、その日の食事はその店にすることにした。
「やっぱり海風はありますね、本当に丁度いい風が入って気持ちいいですね」
「ビールよねユキムラちゃん? 今日は私も飲みたくて仕方ないわ!」
「私もちょっと飲みたいです……」
なんとなしにユキムラと目があってこの間のことを思い出して顔を赤くする。カップルだね。
一通り料理を頼む、すごい量で大丈夫か聞かれたが問題ないですとソーカが微笑むとおっさんがデレデレになって戻っていく。
「あらー、ぬるい方かー」
エールは冷えていなかった。少し冷えているからそれでも冷たさを感じるが、キンキンに冷えているのになれているユキムラとヴァリィには物足りない。
「魔法で冷やしちゃおう」
もの凄く無駄に精密な無駄な水魔法でエールをキンキンに冷やす。
「きゃぁ! ユキムラちゃん最高!!」
ソーカの果実酒も同じように冷やしてあげる。レンのフルーツジュースも。
レンも同じように魔法で冷やそうとして少し凍らせてしまった。
「小出力で魔法出すの難しいよね、俺もあんまりやらないけどいろいろ調節できるの楽しくて練習したんだよね」
ユキムラのこだわりが炸裂した無駄な技術だ。
「もしかすると氷とか出せると商売になるかもね」
肉や魚が巻かれた木の棒を焼いた料理や、各種スパイスの混ざった米の料理、全体的にスパイシーでエキセントリックな料理が多かった。カレーの風味もユキムラが作るものと異なっていて美味だった。
全員辛いものも平気なので卓上からみるみる無くなっていく料理。
一番食べているのは圧倒的にソーカなので周りで注目していた客たちも驚いている。
「いやー、いい食いっぷりだなー。ところでさっき小耳に挟んだんだが、魔法使いがいるのかい?
氷出せるとか聞いたが?」
「あ、はい。レンできるよね?」
「任せてください!」
「本当か!? 頼みがあるんだこっちに来てくれ!」
レンは地下の食料倉庫みたいな部屋に通される。
天然の冷蔵庫だが、明らかに冷えが足りてない。
「いつも頼む魔法使いがダンジョンに入っちまって帰ってこなくて、もうギリギリなんだ。
頼む! 今日の会計まけるからさ!」
レンも師匠に言われた以上しっかりと仕事をする。
「鉄板の上に作ればいいですよね。アイスキューブ」
水魔法の大基本の氷を作成する魔法。もちろん魔力と精度が段違いなのでとんでもなく低温で高濃度な氷で上部の鉄板上の空間が満たされる。
一見では分からないが、この店の店主が異常に気がつくのは少し先になる。
全く溶けることのない氷の異常性に気がつくのは……
町の入口には衛兵もいる。
現在白狼隊の身分を示すものはない。
「ベイストの街へようこそ。旅の冒険者か? 身分がわかるものをお願いする」
「すみません、我々小さな村から冒険者になるためにこの街へ来たのでまだ身分を証明するものがないのです……」
「ああ、そうか。それなら今冒険者ギルドから使いを呼ぶから待っていろ」
「はい」
こういう人間が多い土地柄なので、冒険者ギルドからの使いを待って一緒に冒険者ギルドで登録をすれば何の問題もなく街で過ごすことができる。
ユキムラ達は街へたどり着くまでで色々と話し合ったが、そのままの名前での登録をすることにする。
女神の辻褄を合わせるという言葉に全幅の信頼を預けている。
しかし懸念がある。それがレベルだ。
バカ正直に計るととんでもない数値になってしまう。
しかし、それも解決済みだ。ユキムラ達は対策を完成させている。
読み取るレベルの数値をごまかす手袋だ。これをつければ初心者としては高レベルだがレベル30くらいの冒険者と偽装ができる。
「おお、ルーキーでレベル30は素晴らしいですね!」
「ええ、近くで皆で腕試しと生活を支えていましたから!」
「なるほど! それではこちらがギルド証になります。サナダ白狼隊の皆様これからはギルドのために頑張ってください!!」
「はい!!」
第一関門はクリアである。
依頼を確認してこの街へ来る途中に手に入れているものでクリアできる依頼を受ける。
以前みたいにここで物を出したりはしない。
5日ぐらい時間を置いてから提出する予定だ。
物は全て十分に持っていた。
この街の拠点となる宿を取るか家を借りるか悩んだ。
街の内部にあるダンジョンに入れるようになるにはギルドのランクを上げないといけない。
少し時間がかかる。
ユキムラのVOの知識でもこのあたりにはそれ以外のダンジョンはない。
また商売も始めたい。
やりたいことが山積みだった。
「とりあえず、今日は日もくれてきましたし遅いですから宿にしましょう」
レンの提案で冒険者宿を借りる。
ゼニーはたんまりある。たんまりありすぎる。サナダ商会の収益の一部を持ってきているから。
お金の心配は皆無だ。
タロの箱からレンに管理を任せる。
夕食は地元のお店での調査も兼ねて外食をいただく。
街の雰囲気は王国に似ているがやはり違う。
少し南国情緒溢れている。
季節的には春の真ん中辺りだが夜でも半袖で十分過ごしやすい。
ヴァリィが地元のデザインを取り入れてアロハシャツ風のシャツと麻のズボンにサンダル。
ソーカには花柄のドレス。
特にソーカの姿はリゾートに咲く花のように似合いすぎていた。
土地柄開放的な場所でそれだけ魅力的な女性に飛んでくる虫も多い。
結果としてユキムラと腕を組んで歩くという役得を手に入れていた。
「あらあら、ソーカちゃんの嬉しそうなこと」
「師匠が恥ずかしそうじゃん……」
「すねないすねない」
「そんなんじゃないですー」
そう言っているレンだが、その美貌は成長して精悍な美男子。同じく開放的な女性たちが熱い視線を送っている。
「レンちゃん私と腕組む?」
「それもいいですねー」
もちろん冗談だ。そう信じたい。
レンは持ち前の可愛い笑顔でオネェさんたちに愛想を売りつつ手を振って上手いこと交わしている。
そういったことを避さけるのは帝都でも沢山場数を踏んでいる。
ユキムラとヴァリィはレンがすれていかないか少し心配になるほどだ。
高床式のリゾート風な木造の建築が気に入って、その日の食事はその店にすることにした。
「やっぱり海風はありますね、本当に丁度いい風が入って気持ちいいですね」
「ビールよねユキムラちゃん? 今日は私も飲みたくて仕方ないわ!」
「私もちょっと飲みたいです……」
なんとなしにユキムラと目があってこの間のことを思い出して顔を赤くする。カップルだね。
一通り料理を頼む、すごい量で大丈夫か聞かれたが問題ないですとソーカが微笑むとおっさんがデレデレになって戻っていく。
「あらー、ぬるい方かー」
エールは冷えていなかった。少し冷えているからそれでも冷たさを感じるが、キンキンに冷えているのになれているユキムラとヴァリィには物足りない。
「魔法で冷やしちゃおう」
もの凄く無駄に精密な無駄な水魔法でエールをキンキンに冷やす。
「きゃぁ! ユキムラちゃん最高!!」
ソーカの果実酒も同じように冷やしてあげる。レンのフルーツジュースも。
レンも同じように魔法で冷やそうとして少し凍らせてしまった。
「小出力で魔法出すの難しいよね、俺もあんまりやらないけどいろいろ調節できるの楽しくて練習したんだよね」
ユキムラのこだわりが炸裂した無駄な技術だ。
「もしかすると氷とか出せると商売になるかもね」
肉や魚が巻かれた木の棒を焼いた料理や、各種スパイスの混ざった米の料理、全体的にスパイシーでエキセントリックな料理が多かった。カレーの風味もユキムラが作るものと異なっていて美味だった。
全員辛いものも平気なので卓上からみるみる無くなっていく料理。
一番食べているのは圧倒的にソーカなので周りで注目していた客たちも驚いている。
「いやー、いい食いっぷりだなー。ところでさっき小耳に挟んだんだが、魔法使いがいるのかい?
氷出せるとか聞いたが?」
「あ、はい。レンできるよね?」
「任せてください!」
「本当か!? 頼みがあるんだこっちに来てくれ!」
レンは地下の食料倉庫みたいな部屋に通される。
天然の冷蔵庫だが、明らかに冷えが足りてない。
「いつも頼む魔法使いがダンジョンに入っちまって帰ってこなくて、もうギリギリなんだ。
頼む! 今日の会計まけるからさ!」
レンも師匠に言われた以上しっかりと仕事をする。
「鉄板の上に作ればいいですよね。アイスキューブ」
水魔法の大基本の氷を作成する魔法。もちろん魔力と精度が段違いなのでとんでもなく低温で高濃度な氷で上部の鉄板上の空間が満たされる。
一見では分からないが、この店の店主が異常に気がつくのは少し先になる。
全く溶けることのない氷の異常性に気がつくのは……
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