老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件

穴の空いた靴下

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172話 対策……

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 朝からはメンバーそれぞれの仕事だ。



 レンとタロは街での活動の基盤となる家と、商売の起点となる店を探す。

 まぁ、お金に関しては十分すぎる余裕がある。

 魔石などもある程度は購入して地域へと貢献して、作った商品を販売するつもりだ。

 

 ユキムラ、ソーカ、ヴァリィは街周囲の採集ポイントなどを探しながらエリアマップづくりだ。

 海岸線には豊富な釣りポイントに塩などの採集ポイント、森には狩猟ポイントや採集ポイント、平地の採集ポイント、丘や山などがあれば採掘ポイントだ。

 ユキムラのVOの知識でもこの国にはMDが少ない。

 国のほぼ中央に位置する海底洞窟が最大のMDだ。

 ここの攻略はある程度この国での足場を作ったら行っていきたいと考えていた。

 各町の側にはFDフィールドダンジョンが散在する。この国には群島都市なのにそこら中の海底に洞窟が走っている。

 よく考えれば非常に危険だ。

 天候が悪化して時化たら海底洞窟に入っている冒険者たちが海の藻屑に消えてしまう……。

 もしくは地震などで崩落すると群島の大半が海に消えることになるだろう……

 しかし、そんなことにはならない。

 なぜかFDの周囲の海は異常なほど安定していて、水位が変動することもない。

 海底洞窟は恐ろしいほど頑強な構造をしておりその鉱石も人気だ。

 それぞれのFD同士はつながっている。それを利用した海底通路も存在する。

 国全体に広がっているので非常に広大だ。

 もちろんその全てが明らかになっているわけではない。



「こちらの契約は問題なく終わっています。商店もまぁまぁいい位置を押さえられました」



「いい家だねー、明日は皆で家具とか用意しないとね」



「ギルドの依頼も幾つか届けに行くわねー」



「ユキムラさん周囲のマップ完成しました。地上部分は鉱物が少ないですね……」



「そうだねー、海底洞窟の入り口はたくさんあるんだよねー、とりあえず、ここにセンテナの街への通路に使える洞窟がある。あと南方は首都フィリポネアへの道がある。海底洞窟はセンテナが一番近い」



 ユキムラはVOの知識で地図に補足を入れていく。

 群島国家のフィリポネアのひとつひとつの島の大きさはそこまで大きくない。

 一つの島の採集ポイントならあっという間に埋められてしまう。

 この島のもう一つの本体というべき海底洞窟郡が、採集や採掘にとっても重要なのだ。

 海底資源を得られるのがこの国の特産なのだ。



 それからしばらくは商店の開店準備やら各種採取やギルドの依頼なんかもこなしている。

 順調にランクはルーキーからEに上がっていた。

 討伐系の依頼も採取のついでにこなしていく。

 もうフィールド上の敵は相手にならないどころの騒ぎじゃない……圧倒的な差がある。

 それぞれソロでこの国の海底洞窟を全て制覇することも可能だ。

 中央のMDは本当のレベルに合わされてしまうのでパーティじゃないと制覇は難しいだろう。



「よし、商品も揃ってきたし明日からサナダ商会開店だね!」



「私とソーカちゃんで回しとくわぁ」



「レンはめぼしい人員のスカウト、俺とタロはギルドの依頼と採取やってくるね。

 海底洞窟もMAP埋まってきているからね」



「そこから取れるものでもどんどん商品開発していきましょう!」



「短期間でのフィリポネア全域制覇! 頑張りましょう!」



フィリポネアに来たのは初夏だったが今はすっかり夏真っ盛り、この国で最も長く暑い夏だ。



「当然この国の主戦商品は空調だ!」



 ユキムラは絶対の自信を持っている。

 筒状の魔道具で吸い込んだ空気を冷却して吐き出す単純な装置と、部屋を結界で固定し、内部の温度を下げる魔道具の2パターン展開している。

 それにレンが頼まれた食料庫の冷却方法にも注目した。

 高級品である冷蔵庫的な魔道具を簡略化し、安価で提供していく。

 今まで通りのコンロなどももちろん展開している。

 リゾートの影響を受けたヴァリィの服飾関連も絶好調だ。

 希少な生地も白狼隊にかかれば無限回収が可能だ。

 当然、商店は連日行列の大人気だ。

 素材の一部を周囲の店から購入するので街全体に活気が満ち溢れている。

 ギルドの依頼も驚くべきペースでこなしていき、サナダ白狼隊の名前は街中に知れ渡っていた。



 商店で働く人員も少しづつ雇用している。

 街全体の経済的影響もどんどん大きくなってきている。

 当然街にとっても重要な位置づけになっていく。



「師匠ベイストの領主が会いたいと言ってきています」



「わかった。日にちの調整は任せる」



「それでしたら明日の昼でいいですか?」



「大丈夫。そろそろ具体的な防衛方法も考えていかないとな……」



 各町の責任者や国王への協力はいずれ必ず必要になる。

 来訪者というネームバリューを利用しても早い内に関係は作っていきたい。



「魔王軍は強靭なのですかね?」



「うーん、自分の知ってるとこだとまぁまぁなんだけど、たぶん【穢れ】が絡んでくるよね……」



「そうすると、普通の人間だと大変よねぇ……」



 ヴァリィの脳裏には以前の殺された記憶が思い出される。



「レベル的にも500くらいはあるはずだからねぇ……」



 さらっととんでもないことを言い出す。

 自分たちのレベルだってまだ500には達していないのに……



「ユキムラさん、そのレベルだけでも太刀打ちできないような気もしますが……」



「ガーディアンでも量産するかねぇ……」



 ユキムラが考えていたのは、ギルド戦などで利用するガーディアンユニットと呼ばれる、ロボット的なコンテンツだ。

 ガーディアン同士を戦わせるコロシアムとかもあって、メカ好きにはたまらないコンテンツとなっている。毎年一度行われるガデコンと呼ばれる大会の、永代王者ユキムラは久しぶりに血が騒いでいた。



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