204 / 342
204話 フラグはごめんだ
しおりを挟む
「はい、ヘイト受けたら壁を背にしてそこで耐えてー」
ガニは必死にユキムラの指示を実行している。
前線に立って敵のヘイトのコントロールと、味方が援護しやすい立ち回りを叩き込まれている。
「ガニさんが寄せてから魔法を準備するんじゃなくて、寄せた時点で魔法が発動して殲滅できるタイミングで準備をしてください。あとデバフ切れてますよ」
レンはイオラナに魔術師としての立ち回りを指導している。
イオラナは攻撃系と阻害系魔法が得意だったので、教えれば習得できるとは言えまずはその方向を極めてもらうことにしている。
レベルアップとMP増加に合わせて使用できる魔法をどんどん増やしているのでまずは座学をしっかりとレンから教わっている。
二人共高レベルダンジョン攻略にまさか座学があるとは思っていなかったが、その全てが理にかなっており自らの成長を目に見えて感じることが出来るために、貪るように学んでいる。
「この階で今日は終えようか」
32階の探索を終えて階段とセーフゾーンが近かったので、少し早いけど本日のキャンプとなる。
ビジターの二人がハードなスケジュールをこなしていける最大の要因は、安全で超快適な夜の環境による物なのは疑いようがなかった。
既にダンジョンに入って7日が経過していた。
それでも普段から考えれば驚くほど快適、いや快適すぎる生活が送れていた。
「私達の記録が37階なので明日には抜かれますね……」
ガニはユキムラの作った冷やしうどんと天ぷらを興味津々に食べながら自分たちの攻略の時の話をし始める。
「あの時は帰り道に食料が底をついて……3日ほど絶食することになってしまって……」
「37階で荷物の一部を魔物に駄目にされたのが敗因でしたね、お父さんが無理するから……」
ダンジョンの中なのに見たこともないような美食に囲まれている今の環境が少し妬ましいぐらいに二人は感じていた。
特にイオラナは毎日シャワーが浴びられることに本当に感動している。
今日も食事を終えて汗を流したら皆で座学の時間だ。
ソーカとヴァリィも一緒にユキムラの講義を聞いている。
今日はガニとイオラナも一緒にユキムラの講義を聞くことになっている。
ソーカとヴァリィは魔法関係の知識はそこまで教わっていないのでイオラナと一緒にレンの授業を受けることが多い。
自分が使うかどうかは別として、理解しておくことで立ち回りを考えられるから知っておくことは大事。ユキムラは口を酸っぱくして言っていることだ。
日中は実践で身体を動かし、そこで現れた問題点はその日の内に丁寧に説明されて、さらにノウハウも教われる。戦いに身を置く人間としてはこれ以上無いほどの素晴らしい環境が与えられ、さらに二人はまだ若く伸び盛り。当然見違えるように成長を果たしていく。
MD攻略は人数も増えたせいで慣れてくると加速度的に早くなっていく。
90階層で巨大な海龍戦の時には白狼隊のメンバーと抜群のコンビネーションを見せて撃破している。
ユキムラ達は久しぶりのドラゴンミートに、このダンジョンで一番のいい笑顔を見せていた。
タロも龍玉が手に入ってご満悦だった。
初めてドラゴンミートの味わいは初めての二人を魅了して、その後再びの海龍との再会を心待ちにしていた。が、残念ながらそれ以降に海龍と出会うことはなかった……
最深部である100層にたどり着いた時には、このダンジョンへ入ったときとは別人と言っていいほどの戦士が二人誕生していた。
「明日は最深部と考えられている100階層に入ります。
ボス戦があることが予想されていますので、今日はゆっくりと休んでください」
99階のセーフエリアでキャンプを張る。
ダンジョンに侵入して半月ほど経過していたが、ビジターの二人も含めて一同に疲れは見えない。
むしろ戦い続けて研ぎ澄まされているようだった。
きちんと戦力として十二分に動くことが出来るようになっているガニ、イオラナはすでに講義も卒業してメンバーたちと和やかに過ごしている。
明日には前人未到の海底洞窟ダンジョンの最下層に挑むとは思えないほどにリラックスできていた。
「思えば凄い所まで来たものだ……」
ガニは食後に軽くユキムラ達と酒を酌み交わしながら語りだす。
「ガニさん、変なフラグは止めてくださいね。
普通に最深部に到着して、普通に帰りますからね!」
「それにしても……帰ったら父がなんというか……」
イオラナはため息混じりにつぶやく、イオラナの父は前のギルドマスターで未だに強靭な戦士の一人、ガニやイオラナと同じパーティのメンバーで、以前は海底洞窟ダンジョンの最深部到達パーティリーダーという人物だ。
「負けず嫌いなんですよね、絶対にバレたらユキムラさんたちに迷惑をかけます……」
「カパク様は……その、激しい方だからね……」
チラッとイオラナを見てバツが悪そうに頭を掻くガニ、イオラナもはぁ……と小さくため息をつく。
これだけでヴァリィやソーカはピーンと来た。
「それならガニさんが男らしく説得してくださればいいのですよ!」
急に興奮したソーカが立ち上がる!
「そーよー! 男気を見せて説得しないと!!」
「そうですね、お二人は弟子みたいなものですから、父親だろうが今の実力を見せつけてあげるといいですよ」
ユキムラは穏やかに答えるが、この問題の本質には気がついていなかった。
結局、このダンジョンが終わったら想い人の父親を説得する。
という微妙にフラグのようなフラグじゃないような物が立ってしまっていた。
ガニは必死にユキムラの指示を実行している。
前線に立って敵のヘイトのコントロールと、味方が援護しやすい立ち回りを叩き込まれている。
「ガニさんが寄せてから魔法を準備するんじゃなくて、寄せた時点で魔法が発動して殲滅できるタイミングで準備をしてください。あとデバフ切れてますよ」
レンはイオラナに魔術師としての立ち回りを指導している。
イオラナは攻撃系と阻害系魔法が得意だったので、教えれば習得できるとは言えまずはその方向を極めてもらうことにしている。
レベルアップとMP増加に合わせて使用できる魔法をどんどん増やしているのでまずは座学をしっかりとレンから教わっている。
二人共高レベルダンジョン攻略にまさか座学があるとは思っていなかったが、その全てが理にかなっており自らの成長を目に見えて感じることが出来るために、貪るように学んでいる。
「この階で今日は終えようか」
32階の探索を終えて階段とセーフゾーンが近かったので、少し早いけど本日のキャンプとなる。
ビジターの二人がハードなスケジュールをこなしていける最大の要因は、安全で超快適な夜の環境による物なのは疑いようがなかった。
既にダンジョンに入って7日が経過していた。
それでも普段から考えれば驚くほど快適、いや快適すぎる生活が送れていた。
「私達の記録が37階なので明日には抜かれますね……」
ガニはユキムラの作った冷やしうどんと天ぷらを興味津々に食べながら自分たちの攻略の時の話をし始める。
「あの時は帰り道に食料が底をついて……3日ほど絶食することになってしまって……」
「37階で荷物の一部を魔物に駄目にされたのが敗因でしたね、お父さんが無理するから……」
ダンジョンの中なのに見たこともないような美食に囲まれている今の環境が少し妬ましいぐらいに二人は感じていた。
特にイオラナは毎日シャワーが浴びられることに本当に感動している。
今日も食事を終えて汗を流したら皆で座学の時間だ。
ソーカとヴァリィも一緒にユキムラの講義を聞いている。
今日はガニとイオラナも一緒にユキムラの講義を聞くことになっている。
ソーカとヴァリィは魔法関係の知識はそこまで教わっていないのでイオラナと一緒にレンの授業を受けることが多い。
自分が使うかどうかは別として、理解しておくことで立ち回りを考えられるから知っておくことは大事。ユキムラは口を酸っぱくして言っていることだ。
日中は実践で身体を動かし、そこで現れた問題点はその日の内に丁寧に説明されて、さらにノウハウも教われる。戦いに身を置く人間としてはこれ以上無いほどの素晴らしい環境が与えられ、さらに二人はまだ若く伸び盛り。当然見違えるように成長を果たしていく。
MD攻略は人数も増えたせいで慣れてくると加速度的に早くなっていく。
90階層で巨大な海龍戦の時には白狼隊のメンバーと抜群のコンビネーションを見せて撃破している。
ユキムラ達は久しぶりのドラゴンミートに、このダンジョンで一番のいい笑顔を見せていた。
タロも龍玉が手に入ってご満悦だった。
初めてドラゴンミートの味わいは初めての二人を魅了して、その後再びの海龍との再会を心待ちにしていた。が、残念ながらそれ以降に海龍と出会うことはなかった……
最深部である100層にたどり着いた時には、このダンジョンへ入ったときとは別人と言っていいほどの戦士が二人誕生していた。
「明日は最深部と考えられている100階層に入ります。
ボス戦があることが予想されていますので、今日はゆっくりと休んでください」
99階のセーフエリアでキャンプを張る。
ダンジョンに侵入して半月ほど経過していたが、ビジターの二人も含めて一同に疲れは見えない。
むしろ戦い続けて研ぎ澄まされているようだった。
きちんと戦力として十二分に動くことが出来るようになっているガニ、イオラナはすでに講義も卒業してメンバーたちと和やかに過ごしている。
明日には前人未到の海底洞窟ダンジョンの最下層に挑むとは思えないほどにリラックスできていた。
「思えば凄い所まで来たものだ……」
ガニは食後に軽くユキムラ達と酒を酌み交わしながら語りだす。
「ガニさん、変なフラグは止めてくださいね。
普通に最深部に到着して、普通に帰りますからね!」
「それにしても……帰ったら父がなんというか……」
イオラナはため息混じりにつぶやく、イオラナの父は前のギルドマスターで未だに強靭な戦士の一人、ガニやイオラナと同じパーティのメンバーで、以前は海底洞窟ダンジョンの最深部到達パーティリーダーという人物だ。
「負けず嫌いなんですよね、絶対にバレたらユキムラさんたちに迷惑をかけます……」
「カパク様は……その、激しい方だからね……」
チラッとイオラナを見てバツが悪そうに頭を掻くガニ、イオラナもはぁ……と小さくため息をつく。
これだけでヴァリィやソーカはピーンと来た。
「それならガニさんが男らしく説得してくださればいいのですよ!」
急に興奮したソーカが立ち上がる!
「そーよー! 男気を見せて説得しないと!!」
「そうですね、お二人は弟子みたいなものですから、父親だろうが今の実力を見せつけてあげるといいですよ」
ユキムラは穏やかに答えるが、この問題の本質には気がついていなかった。
結局、このダンジョンが終わったら想い人の父親を説得する。
という微妙にフラグのようなフラグじゃないような物が立ってしまっていた。
10
あなたにおすすめの小説
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる