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269話 本領発揮
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「札を目立つように使えば、ソレ以外の罠にも陥りやすくなる」
「それはレンにしか出来ないレン自身の武器になるよ!」
ユキムラと一緒に札づくりをしている時にレンは戦略に付いても様々な意見交換をしている。
そして、今それを実践で実行している。
隊士達やケイジを救わないといけない、少しでも早くタロの負担を取り除きたい。
レンは自分の持てる技術を総動員して淵と対峙している。
なお、ユキムラの札にバフをかけているってのはブラフだ。
もともと素材がいろいろな耐性をつけてはいるが、あの一発だけ守っただけだ。
デバフ用の札相手のバフに人員を割かれるなんて本末転倒だ。
それでも札排除に尽力されてしまうのは美味しくない。
三味線の一発でもかましておいて、それで敵が諦めてくれればラッキーだ。
そして、その戦略は大成功を収めた。
こういうやり取りも対人戦では結構重要だったりする。
こうして、淵からすれば札にバフを必死にかけているはずのユキムラは、まんまと裏で通常デバフや設置型阻害やら罠に生き生きと尽力できているのである。
「師匠! 札の数には限りがあるので引き続きお願いします!」
「任せとけレン、ただの一枚も無駄にはさせない! 貴重な札だからな!」
こんな会話もほぼ嘘っぱちだ。
札は確かに限りはある。
しかし、レンとユキムラが高速で大量にスキルで作り出す物だ、しかも毎晩に近く二人で手が空いていれば作っているのだからその枚数はミリオンにも達している。
【なぜだ、個々の能力は圧倒しているのに、こうもうまくいかない。
こんな馬鹿な話があるか、しかも時間が立てばどんどん不利になっていく、不条理だ……】
「友の身体を傷つけるのは心苦しいが、貴様なぞに使われるぐらいならこの手で打ち倒してやるのが手向けなのじゃ!!」
オトハは神道の縛系列の技で淵の邪魔をしている。
ヴァリィとソーカがメインダメージソースとなっている。
特にヴァリィの攻撃は短剣相手には非常に有効で、じっくりとあとから聞いてくるボディーブロウのように攻撃を積み上げている。
ソーカも大きな隙が作れた時に大量のダメージを稼いでくれる。
ヴァリィはどちらかと言うと守戦を得意とするが、最近は熱心に攻撃のバリエーションを増やしている。
強力な攻撃というカードがあるからこそ、切れる防御の札がある。
ヴァリィ自身もユキムラの闘いから様々な事を吸収していっている。
ソーカは苦無に似た短刀を糸で操る技も一生懸命取り入れようとしている。
どうしても隙を作る立ち回りを他人任せになりやすい、そこで少しでも自分一人で幅広い動きができるように考えついた方法だ。
糸使いはVOでも非常に人気が高い地雷職の一つだ。
攻撃が広範囲で低威力、状態異常付与には優れるが、無駄に広範囲の敵のヘイトを集めてしまい処理しきれないという状態を作りやすい。でもとてつもなくかっこいい。
それに忍術から苦無術を絡めてアレンジしている。
職の無くなったこっちの世界独特の進化と言っていい。
皆、成長している。
そして、白狼隊は闘いの中に常に身を置き続けている。
普通のパーティでは考えられないほどの時間を闘いの中においている。
何よりも彼らの優れている点は、まだまだ全員が伸び盛りだ。
【ざっけんなあああ!! 情報と違いすぎだろ!!
せっかく受肉まで開発したのにこんな一方的な!
こんなに成長できるはずねーだろ!】
「時間停止なんてチートに頼ってるから成長できないんだよ。
攻撃が単調で性能だよりで戦えるのはMOB相手だけだよ」
【うん、そうかもしれないね。もう自我の維持が限界に近いや。
仕方がない……何千年も待ってたのに何も成果なしじゃ怒られるから、せめて情報だけでも持ち帰らないとな……】
「あなた達の目的は何なんだ!? なんというか、場当たりすぎじゃないか?
俺が言うのも何だけど……」
【そんなのに答えるわけねーだろ!! 場当たりすぎるってのは……まぁ、俺もいいてぇけどよ……
てめぇら、今度あったらただじゃ済まねーぞ! あーーーーーーー!!! イライラする!!
クソがぁーーーーーー!!!!!】
絶叫とともに淵の身体が閃光を放ち爆発するかのようにエネルギーを放出する。
白狼隊を狙うのではなく天に向かってそのエネルギー波が放たれる。
天井を貫き天板の岩がマグマ化している。
その光の余波が消えると、時間がまた動き出す……
「こ、これは一体……」
「ユキムラ様、これは……」
ケイジと隊士達にどう説明しようかユキムラは考え込む。
「シリュウ!!」
オトハが倒れた敵に駆け寄っていく。
天井からマグマが降って来ていたためにユキムラは慌てて障壁を作る。
「重症ですね、すぐ治療しましょう」
「ワシもやるのじゃ!」
横たわった龍人は禍々しさが抜け落ちてより人間に近い風貌になっている。
変身後のタロの毛並みに似た白金の髪が美しい。
しかし今は全身ボロボロになってしまい、さらに気力の喪失も激しい。
仕方がなかったとは言え徹底的に攻撃した結果だ。
「え? シリュウさんって女性なんですか!? そ、ソーカネーチャン手伝って!」
治療のために服を脱がすと治療に当たっていたレンが驚きの声を上げる。
淵に利用されていたときは明らかに男性的な肉体だったが、今開放された姿は女性の姿だった。
阻害している内容も把握しているので解毒や腐食の治療はすぐに行われる。
悪臭も排除する。
高位の治療魔法に医療アイテムも惜しみなく使用すると目に見えて状態が良くなり穏やかな呼吸になってくれた。
「ふぅ、あとは休息ですね。ここに拠点出しますねどうやらセーフエリアみたいだし」
レンが治療を終えてすぐに拠点設営を隊士たちと行おこなってくれる。
個室を用意してシリュウと呼ばれた龍人を休ませる。
疲れているだろうにオトハが看病をするそうだ。
「タロ、本当にありがとう。おかげで皆が無事に戻ってこれた」
「アオン!」
「タロ様!! 我ら一同心から御礼申し上げます!!」
「タロ殿、世話になり申した。城に戻ったらぜひ馳走を振る舞わせてくれ!」
「わん! わんわん!」
全員の周りを尻尾を立てて嬉しそうにぐるぐる廻るタロ。
タロも皆が救えて心から嬉しそうだった。
「それはレンにしか出来ないレン自身の武器になるよ!」
ユキムラと一緒に札づくりをしている時にレンは戦略に付いても様々な意見交換をしている。
そして、今それを実践で実行している。
隊士達やケイジを救わないといけない、少しでも早くタロの負担を取り除きたい。
レンは自分の持てる技術を総動員して淵と対峙している。
なお、ユキムラの札にバフをかけているってのはブラフだ。
もともと素材がいろいろな耐性をつけてはいるが、あの一発だけ守っただけだ。
デバフ用の札相手のバフに人員を割かれるなんて本末転倒だ。
それでも札排除に尽力されてしまうのは美味しくない。
三味線の一発でもかましておいて、それで敵が諦めてくれればラッキーだ。
そして、その戦略は大成功を収めた。
こういうやり取りも対人戦では結構重要だったりする。
こうして、淵からすれば札にバフを必死にかけているはずのユキムラは、まんまと裏で通常デバフや設置型阻害やら罠に生き生きと尽力できているのである。
「師匠! 札の数には限りがあるので引き続きお願いします!」
「任せとけレン、ただの一枚も無駄にはさせない! 貴重な札だからな!」
こんな会話もほぼ嘘っぱちだ。
札は確かに限りはある。
しかし、レンとユキムラが高速で大量にスキルで作り出す物だ、しかも毎晩に近く二人で手が空いていれば作っているのだからその枚数はミリオンにも達している。
【なぜだ、個々の能力は圧倒しているのに、こうもうまくいかない。
こんな馬鹿な話があるか、しかも時間が立てばどんどん不利になっていく、不条理だ……】
「友の身体を傷つけるのは心苦しいが、貴様なぞに使われるぐらいならこの手で打ち倒してやるのが手向けなのじゃ!!」
オトハは神道の縛系列の技で淵の邪魔をしている。
ヴァリィとソーカがメインダメージソースとなっている。
特にヴァリィの攻撃は短剣相手には非常に有効で、じっくりとあとから聞いてくるボディーブロウのように攻撃を積み上げている。
ソーカも大きな隙が作れた時に大量のダメージを稼いでくれる。
ヴァリィはどちらかと言うと守戦を得意とするが、最近は熱心に攻撃のバリエーションを増やしている。
強力な攻撃というカードがあるからこそ、切れる防御の札がある。
ヴァリィ自身もユキムラの闘いから様々な事を吸収していっている。
ソーカは苦無に似た短刀を糸で操る技も一生懸命取り入れようとしている。
どうしても隙を作る立ち回りを他人任せになりやすい、そこで少しでも自分一人で幅広い動きができるように考えついた方法だ。
糸使いはVOでも非常に人気が高い地雷職の一つだ。
攻撃が広範囲で低威力、状態異常付与には優れるが、無駄に広範囲の敵のヘイトを集めてしまい処理しきれないという状態を作りやすい。でもとてつもなくかっこいい。
それに忍術から苦無術を絡めてアレンジしている。
職の無くなったこっちの世界独特の進化と言っていい。
皆、成長している。
そして、白狼隊は闘いの中に常に身を置き続けている。
普通のパーティでは考えられないほどの時間を闘いの中においている。
何よりも彼らの優れている点は、まだまだ全員が伸び盛りだ。
【ざっけんなあああ!! 情報と違いすぎだろ!!
せっかく受肉まで開発したのにこんな一方的な!
こんなに成長できるはずねーだろ!】
「時間停止なんてチートに頼ってるから成長できないんだよ。
攻撃が単調で性能だよりで戦えるのはMOB相手だけだよ」
【うん、そうかもしれないね。もう自我の維持が限界に近いや。
仕方がない……何千年も待ってたのに何も成果なしじゃ怒られるから、せめて情報だけでも持ち帰らないとな……】
「あなた達の目的は何なんだ!? なんというか、場当たりすぎじゃないか?
俺が言うのも何だけど……」
【そんなのに答えるわけねーだろ!! 場当たりすぎるってのは……まぁ、俺もいいてぇけどよ……
てめぇら、今度あったらただじゃ済まねーぞ! あーーーーーーー!!! イライラする!!
クソがぁーーーーーー!!!!!】
絶叫とともに淵の身体が閃光を放ち爆発するかのようにエネルギーを放出する。
白狼隊を狙うのではなく天に向かってそのエネルギー波が放たれる。
天井を貫き天板の岩がマグマ化している。
その光の余波が消えると、時間がまた動き出す……
「こ、これは一体……」
「ユキムラ様、これは……」
ケイジと隊士達にどう説明しようかユキムラは考え込む。
「シリュウ!!」
オトハが倒れた敵に駆け寄っていく。
天井からマグマが降って来ていたためにユキムラは慌てて障壁を作る。
「重症ですね、すぐ治療しましょう」
「ワシもやるのじゃ!」
横たわった龍人は禍々しさが抜け落ちてより人間に近い風貌になっている。
変身後のタロの毛並みに似た白金の髪が美しい。
しかし今は全身ボロボロになってしまい、さらに気力の喪失も激しい。
仕方がなかったとは言え徹底的に攻撃した結果だ。
「え? シリュウさんって女性なんですか!? そ、ソーカネーチャン手伝って!」
治療のために服を脱がすと治療に当たっていたレンが驚きの声を上げる。
淵に利用されていたときは明らかに男性的な肉体だったが、今開放された姿は女性の姿だった。
阻害している内容も把握しているので解毒や腐食の治療はすぐに行われる。
悪臭も排除する。
高位の治療魔法に医療アイテムも惜しみなく使用すると目に見えて状態が良くなり穏やかな呼吸になってくれた。
「ふぅ、あとは休息ですね。ここに拠点出しますねどうやらセーフエリアみたいだし」
レンが治療を終えてすぐに拠点設営を隊士たちと行おこなってくれる。
個室を用意してシリュウと呼ばれた龍人を休ませる。
疲れているだろうにオトハが看病をするそうだ。
「タロ、本当にありがとう。おかげで皆が無事に戻ってこれた」
「アオン!」
「タロ様!! 我ら一同心から御礼申し上げます!!」
「タロ殿、世話になり申した。城に戻ったらぜひ馳走を振る舞わせてくれ!」
「わん! わんわん!」
全員の周りを尻尾を立てて嬉しそうにぐるぐる廻るタロ。
タロも皆が救えて心から嬉しそうだった。
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