217 / 324
■ 彼女の気持ちと僕の不安■オマケ的短編⑤
「バカ……」の裏意味1
「葵咲、寒いしタクシー拾おうか?」
今日は葵咲ちゃんと待ち合わせ……ということで、僕は臨機応変に対応できるよう車をマンションに置いてきた。
葵咲ちゃんはいつも歩いて大学に通っている。要するに、我が家と大学とは結構近いところにあるということだ。僕が日頃マイカー通勤しているのは、時折仕事で本を運んだりしなくちゃいけないからで、それがなければ、徒歩でも全然問題ない。
二人でディナーと洒落込んで、美味しいお酒を飲むのも悪くない。となれば、よし、今日は車、置いて行こう!となったのも必然だ。
そこまで一人空回り気味にそう考えて、そういえば葵咲ちゃんの想いを聞いていなかったな、と思い至る。
「ね、葵咲、僕を連れて行きたいところって?」
聞けば、葵咲ちゃんは「内緒」と微笑んで、僕にギュッと腕を絡めてきた。
お互い沢山服を着込んでいても分かる、彼女の柔らかい胸の感触に、僕は思わずドキドキしてしまう。
内緒、の中にエッチなことも含まれているといいなと考えてから、もしそれが彼女の中で想定外だとしても、無理矢理予定にねじ込んでしまおう、と決意する。
大好きな葵咲ちゃんと一緒にいて、何もしないなんて、僕には無理だ。現に今だって、気を抜くと反応してしまいそうで困ってるくらいだし。
「国道に出ればタクシー捕まるかなぁ? それとも電話して呼ぶ?」
気持ちを切り替えようと、スマホを取り出しながら葵咲ちゃんを見つめたら、「私が電話する」ってにっこりされた。
いや、もう、その笑顔は反則だって! 不意打ちのように見せられた魅力的な表情に、僕は思わず見惚れてしまう。
タクシー会社の電話番号をあらかじめ登録しているのか、葵咲ちゃんはネット検索などをする素振りも見せず、すぐにコールし始めた。
「――?」
葵咲ちゃんってそんなにタクシー使うっけ?
その様子を不思議に思いながらも、僕と違って車があるわけじゃないから、必要なのかな?とぼんやり思ってしまう。
「……――大学正門前まで一台、よろしくお願いします」
電話を切ったあと、「すぐ来てくれるって」と言う葵咲ちゃんに、「ほら急いで!」と半ば引っ張られるようにして、僕は小走りになる。
正門までゆっくり歩くと優に五分以上はかかってしまう。すぐ来る、と言われたからか、葵咲ちゃんはソワソワと落ち着かない様子だ。
「そんな急がなくても……」
言いながらも、たまにはこんな風に葵咲ちゃんに手を引かれるのも悪くないな、と思ってしまった。
今日は葵咲ちゃんと待ち合わせ……ということで、僕は臨機応変に対応できるよう車をマンションに置いてきた。
葵咲ちゃんはいつも歩いて大学に通っている。要するに、我が家と大学とは結構近いところにあるということだ。僕が日頃マイカー通勤しているのは、時折仕事で本を運んだりしなくちゃいけないからで、それがなければ、徒歩でも全然問題ない。
二人でディナーと洒落込んで、美味しいお酒を飲むのも悪くない。となれば、よし、今日は車、置いて行こう!となったのも必然だ。
そこまで一人空回り気味にそう考えて、そういえば葵咲ちゃんの想いを聞いていなかったな、と思い至る。
「ね、葵咲、僕を連れて行きたいところって?」
聞けば、葵咲ちゃんは「内緒」と微笑んで、僕にギュッと腕を絡めてきた。
お互い沢山服を着込んでいても分かる、彼女の柔らかい胸の感触に、僕は思わずドキドキしてしまう。
内緒、の中にエッチなことも含まれているといいなと考えてから、もしそれが彼女の中で想定外だとしても、無理矢理予定にねじ込んでしまおう、と決意する。
大好きな葵咲ちゃんと一緒にいて、何もしないなんて、僕には無理だ。現に今だって、気を抜くと反応してしまいそうで困ってるくらいだし。
「国道に出ればタクシー捕まるかなぁ? それとも電話して呼ぶ?」
気持ちを切り替えようと、スマホを取り出しながら葵咲ちゃんを見つめたら、「私が電話する」ってにっこりされた。
いや、もう、その笑顔は反則だって! 不意打ちのように見せられた魅力的な表情に、僕は思わず見惚れてしまう。
タクシー会社の電話番号をあらかじめ登録しているのか、葵咲ちゃんはネット検索などをする素振りも見せず、すぐにコールし始めた。
「――?」
葵咲ちゃんってそんなにタクシー使うっけ?
その様子を不思議に思いながらも、僕と違って車があるわけじゃないから、必要なのかな?とぼんやり思ってしまう。
「……――大学正門前まで一台、よろしくお願いします」
電話を切ったあと、「すぐ来てくれるって」と言う葵咲ちゃんに、「ほら急いで!」と半ば引っ張られるようにして、僕は小走りになる。
正門までゆっくり歩くと優に五分以上はかかってしまう。すぐ来る、と言われたからか、葵咲ちゃんはソワソワと落ち着かない様子だ。
「そんな急がなくても……」
言いながらも、たまにはこんな風に葵咲ちゃんに手を引かれるのも悪くないな、と思ってしまった。
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
数年振りに再会した幼馴染のお兄ちゃんが、お兄ちゃんじゃなくなった日
プリオネ
恋愛
田舎町から上京したこの春、5歳年上の近所の幼馴染「さわ兄」と再会した新社会人の伊織。同じく昔一緒に遊んだ友達の家に遊びに行くため東京から千葉へ2人で移動する事になるが、その道中で今まで意識した事の無かったさわ兄の言動に初めて違和感を覚える。そしてその夜、ハプニングが起きて………。
春にぴったりの、さらっと読める短編ラブストーリー。※Rシーンは無いに等しいです※スマホがまだない時代設定です。