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■番外編/『相性がいいみたいなのですっ』
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「――いつですか?」
それを飲まれたのは。
そう問いかけてから、毎日のように電話で話したり実際にお会いしたりしているのに、彼女から飲酒したような雰囲気を感じたことが一度もなかったことを不思議に思った。
『え? つい今し方もですけれど……』
キョトンとしたような声が返って、僕は驚いてしまう。
今し方も、ということは今までにも飲んでいらしたことがあったと言うことだろうか。
「ちょっと舐めてみただけということですか?」
だって日織さん、今だっていつもと全然変わっておられない。
僕の知る彼女はほんの少し飲んだだけで「しゅうたろうしゃん」と、とろけたような声を出すはずで。
でも、今の日織さんはいつも通りの愛らしい――でもしっかりとしたお声だ。
そう思ってお聞きしたら『いえ、あの……小さなコップに2杯ほど、だったりします』とか。
ちょっと待って、日織。
それは本当ですか?
そう問いかけたいのに驚きのあまり絶句してしまって、声にならなくて。
『私、気がついたんです。どうやら日本酒とは相性がいいみたいなのですっ』
その言い様からすると、小さなコップ、と言っても爪の先ほどの大きさのおもちゃのコップということはなさそうで。
「あの、一応お聞きするんですが、日織さんが使っていらっしゃるのは……どのぐらいお酒が入りそうなグラスなんですか?」
恐る恐る聞いてみたら『お父様のお話によると100mlぐらいの容量なのだそうです』とか。
それに2杯目ってことは日織さん。
200mlもお飲みになられてるってことで、間違いありませんか?
「あの……日織。申し訳ないんですが、お義父さんかお義母さんに代わっていただけますか?」
それを飲まれたのは。
そう問いかけてから、毎日のように電話で話したり実際にお会いしたりしているのに、彼女から飲酒したような雰囲気を感じたことが一度もなかったことを不思議に思った。
『え? つい今し方もですけれど……』
キョトンとしたような声が返って、僕は驚いてしまう。
今し方も、ということは今までにも飲んでいらしたことがあったと言うことだろうか。
「ちょっと舐めてみただけということですか?」
だって日織さん、今だっていつもと全然変わっておられない。
僕の知る彼女はほんの少し飲んだだけで「しゅうたろうしゃん」と、とろけたような声を出すはずで。
でも、今の日織さんはいつも通りの愛らしい――でもしっかりとしたお声だ。
そう思ってお聞きしたら『いえ、あの……小さなコップに2杯ほど、だったりします』とか。
ちょっと待って、日織。
それは本当ですか?
そう問いかけたいのに驚きのあまり絶句してしまって、声にならなくて。
『私、気がついたんです。どうやら日本酒とは相性がいいみたいなのですっ』
その言い様からすると、小さなコップ、と言っても爪の先ほどの大きさのおもちゃのコップということはなさそうで。
「あの、一応お聞きするんですが、日織さんが使っていらっしゃるのは……どのぐらいお酒が入りそうなグラスなんですか?」
恐る恐る聞いてみたら『お父様のお話によると100mlぐらいの容量なのだそうです』とか。
それに2杯目ってことは日織さん。
200mlもお飲みになられてるってことで、間違いありませんか?
「あの……日織。申し訳ないんですが、お義父さんかお義母さんに代わっていただけますか?」
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