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3.近付くふたりのその裏で
カフェスペース
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***
「ゆいちゃんも飲む?」
福助をケージに入れて、結葉が母美鳥の待つLDKに戻ってくると、キッチンに立つ美鳥が花柄のマイカップを出しながら聞いてきた。
「コーヒー?」
美鳥の背後で、コーヒーメーカーがコポコポと音を立てていて、キッチン全体にコーヒーのいい香りが漂っている。
「そう」
母親が頷くのを見ながら結葉も北欧デザイン風の、猫がたくさん描かれたカラフルなマイカップを棚から取り出す。
「もらう」
言いながら、結葉は母のマグの横に自分のものも並べた。
結葉は、コーヒーならロースト深めを少し濃いめに淹れて、ブラックで飲むのが好きだ。
母親は薄めのものにミルクを落とすのを好むから、きっと今から出てくるコーヒーは、結葉の好みよりは少しライトな仕上がりだと思う。
それでも、物凄くこだわりがあるわけではないのでそんなには気にならない。
お砂糖が入っているのだけは苦手だけど、ブラックなら大抵なんでも美味しく飲める結葉だ。
「はいどうぞ」
アイランドキッチンの向かい側の片隅、窓に面したスペースに造り付けの長テーブルがあって、そこにスツールが三脚置かれている。
窓辺には美鳥が育てている観葉植物たちが太陽の光を全身に浴びてキラキラと輝いていて、窓を向いて右端のスペースには、本が二〇冊程度立てられる木製のブックスタンドがある。
そこには、家族みんなが好きな雑誌などを思い思いに持ち寄って置いていた。
手元を照らすための卓上スタンドライトもあって、本立て横のスペースには美鳥愛用のノートパソコンも置いてある。
基本的には、美鳥が家事の合間にホッと一息つけたらという思いで作った空間なのだと、前に父親が話していた。
専業主婦の美鳥にとって、このカフェコーナーは安らぎの空間なのだ。
そこに美鳥と横並びに座って、ほこほこと湯気の立ち上るコーヒーカップを手に、しばしブレイクタイム。
「――そういえばお父さんは?」
出掛けに、結葉の父茂雄も、今日は一日家にいると言っていた。
「貴女が帰ってくるちょっと前まではゆいちゃんのこと、ソワソワしながら待ってたんだけど……」
言って、母がチラリと向けた視線の先は主寝室で。
「お昼寝?」
聞いたら「連日遅くまでお仕事で、きっと疲れてるのね」と母が微笑んだ。
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福助をケージに入れて、結葉が母美鳥の待つLDKに戻ってくると、キッチンに立つ美鳥が花柄のマイカップを出しながら聞いてきた。
「コーヒー?」
美鳥の背後で、コーヒーメーカーがコポコポと音を立てていて、キッチン全体にコーヒーのいい香りが漂っている。
「そう」
母親が頷くのを見ながら結葉も北欧デザイン風の、猫がたくさん描かれたカラフルなマイカップを棚から取り出す。
「もらう」
言いながら、結葉は母のマグの横に自分のものも並べた。
結葉は、コーヒーならロースト深めを少し濃いめに淹れて、ブラックで飲むのが好きだ。
母親は薄めのものにミルクを落とすのを好むから、きっと今から出てくるコーヒーは、結葉の好みよりは少しライトな仕上がりだと思う。
それでも、物凄くこだわりがあるわけではないのでそんなには気にならない。
お砂糖が入っているのだけは苦手だけど、ブラックなら大抵なんでも美味しく飲める結葉だ。
「はいどうぞ」
アイランドキッチンの向かい側の片隅、窓に面したスペースに造り付けの長テーブルがあって、そこにスツールが三脚置かれている。
窓辺には美鳥が育てている観葉植物たちが太陽の光を全身に浴びてキラキラと輝いていて、窓を向いて右端のスペースには、本が二〇冊程度立てられる木製のブックスタンドがある。
そこには、家族みんなが好きな雑誌などを思い思いに持ち寄って置いていた。
手元を照らすための卓上スタンドライトもあって、本立て横のスペースには美鳥愛用のノートパソコンも置いてある。
基本的には、美鳥が家事の合間にホッと一息つけたらという思いで作った空間なのだと、前に父親が話していた。
専業主婦の美鳥にとって、このカフェコーナーは安らぎの空間なのだ。
そこに美鳥と横並びに座って、ほこほこと湯気の立ち上るコーヒーカップを手に、しばしブレイクタイム。
「――そういえばお父さんは?」
出掛けに、結葉の父茂雄も、今日は一日家にいると言っていた。
「貴女が帰ってくるちょっと前まではゆいちゃんのこと、ソワソワしながら待ってたんだけど……」
言って、母がチラリと向けた視線の先は主寝室で。
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