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6.外は…イヤです*

だったら大人しくしてないと

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 外でするのはイヤだと言ったものの、ふたりともプールの中にいたからびしょ濡れで。
 そのまま室内に足を踏み入れるのははばかられた。

 プールサイドに所在なく立った結葉ゆいはは、懸命に覆いがなくなってしまった胸を両腕で隠す。
 そのまま落ち着かない様子でオロオロと偉央いおを見上げたら、偉央いおがニコッと笑って「水着、ここで脱いでから、さっき結葉ゆいはが持ってきてくれたタオルで身体拭いて中へ入ろうか?」と言ってきて。

「あ、あのっ」

 偉央いおの言うことはもっともだと思いはするものの、ここで裸になるのには抵抗しかない結葉ゆいはだ。
 ソワソワしながら偉央いおを見遣って言葉を紡ぐ。

「わ、私っ、脱衣所で脱いでもいいですか?」

 幸い脱衣所には先に結葉ゆいはが出てきた、プールサイドに面した扉がある。
 そこから入ってお風呂場に飛び込めば、脱衣所の床だってそんなに濡らさないですむ気がした。

 もちろん、そんな小細工をしたところで、今からすぐ偉央いおに裸を見られてしまうことは分かっている。分かってはいても、彼の目の前で臆面なく脱いでしまうのは何かが違うと思ってしまった。


「ねぇ結葉ゆいは。ここで脱ぐのは恥ずかしい?」

 偉央いおが瞳を細めてそんな結葉ゆいはを見下ろしてきて。結葉ゆいははコクコクと懸命に頷いて見せた。

 偉央いおはそんな結葉ゆいはを見てクスッと笑うと

「そっか。だったら――」

 そこで結葉ゆいはの手をグイッと引いて腕の中に閉じ込めると、声を低めて言い放つ。

「――僕が脱がせてあげる」


 結葉ゆいはは耳朶をくすぐった偉央いおのセリフに瞳を見開いて、すぐさま「ダメッ」と言ったのだけど。

 偉央いお結葉ゆいはの短い抗議の声なんてまるで聞こえていないみたいに彼女の水着のトップスに手をかけて、濡れて身体にまとわりついた布地を、半ば強引に下肢へ向けてずり下げてしまう。

「やぁっ……!」

 ウエストの辺りでクルクルと丸まってしまったそれを、ボトムと一緒にグッと力を込めて下ろされそうになった結葉ゆいはは、さすがにそれだけは嫌だと思って。
 偉央いおから離れようと懸命に身じろいだ途端、いつもより幾分低められた声音で

結葉ゆいは、じっと。脱がせにくい」

 といさめられてしまう。

偉央いおさっ、でも……っ」

 どこか有無を言わせぬその声音に脅えた結葉ゆいはが、ギュッと身体を縮こまらせる。

 それでもやはり羞恥心が大きくて、何も言わずに成すがままにはなれなかった結葉ゆいはだ。何とか声で懸命に「やめて欲しい」と言い募ろうとしたら

「じゃあ結葉ゆいは。自分で脱げるの? ――僕が見てる前で?」

 と耳元、今度はささやくようにそう吹き込まれて。

 そんなこと出来っこないと耳まで真っ赤にした結葉ゆいはに、

「ね? だったら大人しくしてないと――」

 偉央いおが勝ち誇ったようにそう宣言した。
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