【完結】【R18】あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜

鷹槻れん

文字の大きさ
29 / 342
7.今夜は泊まって行け

ひょっろしれ緊張しれましゅか?

 まさかこんなに早く、羽理うりから託された着替えが役立つ日が来るとは思わなかった。

 本人からの言いつけを守って袋の中身は確認していないが、ちゃんとこうなることを想定して彼女自身が用意したものだからきっと大丈夫。

 そう思うのに、何故か胸騒ぎがするのは何故だろう。

 乾いてくるにしたがって、羽理の髪の毛から匂い立つ自分のモノとは明らかに違うフローラルなシャンプーの香りに照れ臭くなった大葉たいようは、ポタリと頬へ水滴が落ちたことを気にしたていで、羽理を拭き終えて湿っぽいままのタオルを使って、自分の頭をガシガシと適当に拭いた。

 そのせいで余計に羽理の香りを意識してしまって、動かす手に変な力が入ってしまう。

 それを鏡越しに見た羽理が、
「ああ、屋久蓑やくみにょぶちょ、しょんなに強く拭いたりゃ禿げちゃいましゅよぅ?」
 ――もぉ、困ったひろれしゅね、と言いながら椅子からヨロリと立ち上がると、大葉たいように向かって手を伸ばしてきて。

「ほりゃ、今度こんろ部長ぶちょぉを拭いれあげましゅ。しゃっしゃとしゅわっれくらしゃい」

 大葉たいようのむき出しの背中をペシペシと叩いて急かした。

 そんな羽理の覚束おぼつかない足取りに不安になったのか、キュウリがサッと足元から飛びのいて。

 大葉たいようはそれを見てドキッとする。

「う、キュウリ、ここは危ない……から、向こうへ行っておきま……おきなさい」

 思わずいつも通り。『ウリちゃん、ここは危ないでちゅから向こうへ行っておきまちょうね』なんて話しかけそうになるのを必死にこらえた。

「ぶちょ? ひょっろしれ緊張しれましゅか?」

(ああ、色々とな!)

 羽理うりの言葉に即座に心の中でそう返した途端、
「ホント、可愛いんらからぁ♥」
 ヘラリと笑われて「か、かわっ!?」と反応せずにはいられない。

(お、俺はっ。お前にだけは可愛いと言われるよりかっこいいと思われたい!)

 むしろ可愛いのは羽理の方なのだ。

 無理矢理手を引かれて座らされた椅子の上。

 羽理にほわほわと頭へ触れられながら、大葉たいようはそんなことを思った……のだが。

「わ、熱い、熱い! バカ! 荒木あらき、やっぱ自分でやる! 貸せ!」

 酔った羽理にドライヤーを渡したのは間違いだった。

 同じところにブォォォォと当てられ続ける熱風に、危うく火傷やけどしそうになった大葉たいようは、ガッと立ち上って羽理の手からドライヤーを奪い返したのだが……。

 それと同時、ハラリと羽理のタオルが外れて。

(んっ? やわらかっ……)

「やぁんっ! 屋久蓑やくみにょぶちょぉのえっちぃ」

 はずみで羽理の胸をギュッと掴んでしまった大葉たいようは、酔っぱらった羽理にペチッと力のこもらないビンタをされた。
感想 0

あなたにおすすめの小説

鬼上官と、深夜のオフィス

99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」 間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。 けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……? 「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」 鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。 ※性的な事柄をモチーフとしていますが その描写は薄いです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

藤白ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?

春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。 しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。 美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……? 2021.08.13

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?