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32.嫌だから、嫌なんです!
突然の話題変更
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「分かった。色々善処する……。その……お前も頑張れよ?」
岳斗からの意味深長なメッセージを受けて、マンションへ戻るなり大葉は羽理のすぐそば。岳斗に「あれはどういう意味だ?」と電話をかけたのだが。
切なげに小さく吐息を落とした岳斗から『僕、一目見て彼女のことを好きになちゃったんです』という告白とともに杏子との出会いの経緯や、そうする中で彼女が大葉と見合いする予定の女性だったのだと気付いたことなど、一連の成り行きを聞かされた。
偶然と呼ぶには余りに数奇な二人の出会いに、電話を切るなり「マジか……」とつぶやかずにはいられなかった大葉である。
(普通そんなこと有り得ねぇだろ)
大葉の見合い相手だった杏子と、自分の部下である倍相岳斗が出会うだなんてこと――。
「大葉……?」
羽理がキュウリを抱っこした状態で、不安そうにそんな自分を見詰めてくるから。
大葉は一度落ち着こうと深呼吸をした。
「……羽理、アイスコーヒー飲むか?」
そうして気を取り直すように羽理へそう問いかけたら、唐突な話題変更に「え?」と聞き返されて、大葉は心の中『そりゃそうだよな』と思った。
「あー、すまん。ちょっと頭ん中整理出来てなくてな。コーヒー淹れながらお前にうまく話せるよう順序立てたいんだ。――いいか?」
素直に胸の内を吐露したら、羽理がこくんとうなずいてくれる。大葉は、羽理のそういう素直なところが大好きだとしみじみと実感した。
「ミルクたっぷりのコーヒー牛乳でいいよな?」
「あ、はい」
「砂糖はどうする?」
「えっと……ご飯を一杯食べた後なので、今回は無しでお願いします」
「了解」
いついかなる時もブラック派の大葉に対して、羽理はコーヒーフレーバーミルクと呼んでも過言ではないシロモノの、甘いやつを好む。でもごくたまに。今回みたいに無糖を求める時があることも知っているから、大葉はその都度彼女の意向を確認するようにしているのだ。
大葉は、自分の中にこんな感じで少しずつ、荒木羽理という女性に関する〝豆知識〟が増えていくのがほんのりと嬉しかったりする。
きっとそういうものが積み重なって、羽理との他愛のない日常に彩りと実感を添えていくと思えるからだ。
***
「――で、倍相課長は何ておっしゃったんですか?」
大葉お手製のコーヒー牛乳を一口飲むなり、羽理はすぐそばの大葉をじっと見つめた。
無糖のコーヒー牛乳だけど、牛乳のおかげかほんのりと甘みを感じらるよく冷えた液体が、喉を滑り落ちていく。
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ストックがなくなってきたため、本章から更新頻度を1日おきに戻させていただきます。
すみません!(鷹槻れん)
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岳斗からの意味深長なメッセージを受けて、マンションへ戻るなり大葉は羽理のすぐそば。岳斗に「あれはどういう意味だ?」と電話をかけたのだが。
切なげに小さく吐息を落とした岳斗から『僕、一目見て彼女のことを好きになちゃったんです』という告白とともに杏子との出会いの経緯や、そうする中で彼女が大葉と見合いする予定の女性だったのだと気付いたことなど、一連の成り行きを聞かされた。
偶然と呼ぶには余りに数奇な二人の出会いに、電話を切るなり「マジか……」とつぶやかずにはいられなかった大葉である。
(普通そんなこと有り得ねぇだろ)
大葉の見合い相手だった杏子と、自分の部下である倍相岳斗が出会うだなんてこと――。
「大葉……?」
羽理がキュウリを抱っこした状態で、不安そうにそんな自分を見詰めてくるから。
大葉は一度落ち着こうと深呼吸をした。
「……羽理、アイスコーヒー飲むか?」
そうして気を取り直すように羽理へそう問いかけたら、唐突な話題変更に「え?」と聞き返されて、大葉は心の中『そりゃそうだよな』と思った。
「あー、すまん。ちょっと頭ん中整理出来てなくてな。コーヒー淹れながらお前にうまく話せるよう順序立てたいんだ。――いいか?」
素直に胸の内を吐露したら、羽理がこくんとうなずいてくれる。大葉は、羽理のそういう素直なところが大好きだとしみじみと実感した。
「ミルクたっぷりのコーヒー牛乳でいいよな?」
「あ、はい」
「砂糖はどうする?」
「えっと……ご飯を一杯食べた後なので、今回は無しでお願いします」
「了解」
いついかなる時もブラック派の大葉に対して、羽理はコーヒーフレーバーミルクと呼んでも過言ではないシロモノの、甘いやつを好む。でもごくたまに。今回みたいに無糖を求める時があることも知っているから、大葉はその都度彼女の意向を確認するようにしているのだ。
大葉は、自分の中にこんな感じで少しずつ、荒木羽理という女性に関する〝豆知識〟が増えていくのがほんのりと嬉しかったりする。
きっとそういうものが積み重なって、羽理との他愛のない日常に彩りと実感を添えていくと思えるからだ。
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「――で、倍相課長は何ておっしゃったんですか?」
大葉お手製のコーヒー牛乳を一口飲むなり、羽理はすぐそばの大葉をじっと見つめた。
無糖のコーヒー牛乳だけど、牛乳のおかげかほんのりと甘みを感じらるよく冷えた液体が、喉を滑り落ちていく。
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ストックがなくなってきたため、本章から更新頻度を1日おきに戻させていただきます。
すみません!(鷹槻れん)
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