【完結】【R18】あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜

鷹槻れん

文字の大きさ
222 / 342
32.嫌だから、嫌なんです!

突然の話題変更

しおりを挟む
「分かった。色々善処する……。その……お前も頑張れよ?」

 岳斗がくとからの意味深長なメッセージを受けて、マンションへ戻るなり大葉たいよう羽理うりのすぐそば。岳斗に「あれはどういう意味だ?」と電話をかけたのだが。

 切なげに小さく吐息を落とした岳斗から『僕、一目見て彼女のことを好きになちゃったんです』という告白とともに杏子あんずとの出会いの経緯いきさつや、そうする中で彼女が大葉たいようと見合いする予定の女性だったのだと気付いたことなど、一連の成り行きを聞かされた。

 偶然と呼ぶには余りに数奇な二人の出会いに、電話を切るなり「マジか……」とつぶやかずにはいられなかった大葉たいようである。

(普通そんなこと有り得ねぇだろ)

 大葉たいようの見合い相手だった杏子と、自分の部下である倍相ばいしょう岳斗がくとが出会うだなんてこと――。

大葉たいよう……?」

 羽理うりがキュウリを抱っこした状態で、不安そうにそんな自分を見詰めてくるから。
 大葉たいようは一度落ち着こうと深呼吸をした。


「……羽理、アイスコーヒー飲むか?」

 そうして気を取り直すように羽理へそう問いかけたら、唐突な話題変更に「え?」と聞き返されて、大葉たいようは心の中『そりゃそうだよな』と思った。

「あー、すまん。ちょっと頭ん中整理出来てなくてな。コーヒーれながらお前にうまく話せるよう順序立てたいんだ。――いいか?」

 素直に胸の内を吐露したら、羽理がこくんとうなずいてくれる。大葉たいようは、羽理のそういう素直なところが大好きだとしみじみと実感した。

「ミルクたっぷりのコーヒー牛乳でいいよな?」

「あ、はい」

「砂糖はどうする?」

「えっと……ご飯を一杯食べた後なので、今回は無しでお願いします」

「了解」

 いついかなる時もブラック派の大葉たいように対して、羽理うりはコーヒーフレーバーミルクと呼んでも過言ではないシロモノの、甘いやつを好む。でもごくたまに。今回みたいに無糖を求める時があることも知っているから、大葉たいようはその都度つど彼女の意向を確認するようにしているのだ。

 大葉たいようは、自分の中にこんな感じで少しずつ、荒木あらき羽理うりという女性に関する〝豆知識〟が増えていくのがほんのりと嬉しかったりする。
 きっとそういうものが積み重なって、羽理との他愛のない日常にいろどりと実感を添えていくと思えるからだ。


***


「――で、倍相ばいしょう課長は何ておっしゃったんですか?」

 大葉たいようお手製のコーヒー牛乳を一口飲むなり、羽理うりはすぐそばの大葉たいようをじっと見つめた。
 無糖のコーヒー牛乳だけど、牛乳のおかげかほんのりと甘みを感じらるよく冷えた液体が、喉を滑り落ちていく。


---------------------
ストックがなくなってきたため、本章から更新頻度を1日おきに戻させていただきます。
すみません!(鷹槻たかつきれん)
---------------------
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました

藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。 次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...