【完結】【R18】あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜

鷹槻れん

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49.ぞくぞくと集合

みんなで行こう

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五代ごだい、お前そんなに祭りが好きだったのか」

 懇乃介こんのすけの言葉に羽理うりをギュッと腕の中へ抱き寄せたまま、大葉たいようが問い掛けたのだけれど。

「え? お祭りはそんなに好きってわけじゃありませんよ? ただ……」

 そこまで言って大葉たいように包み込まれた羽理をじっと見つめると、ワンコがにっこり笑って続けるのだ。

荒木あらき先輩は猫がお好きじゃないですか♪ 居間神社って書いてあったから、もしかしたらお会いできるんじゃないかなって思っただけだったんですけど……ビンゴでしたねー♪ 実は俺、前に荒木先輩がここのお守りをお財布に付けてらしたの見たことがあるんですよ」

 この辺の行動力と観察眼の鋭さが、懇乃介この子が営業向きだと思える所以ゆえんなんだよね……と羽理が感心したと同時、「お、お前は羽理のストーカーか!」と大葉たいようが羽理をますます深く抱き込んで、懇乃介こんのすけの視界から遠ざけてしまう。

「もぉ、大葉たいよう苦しいです」

 大葉たいようのヤキモチを可愛らしく思いながらも一応に抗議して、羽理は懇乃介こんのすけに向き直った。

「ここの神社ね、縁結びの力が凄いの。五代くんも素敵な出会いがあるよう、私たちとお参りしていかない?」

 羽理の言葉に大葉たいようが「おい、羽理!」と慌てたと同時、「私ね、ここのお守りのお陰で大葉たいようと結婚出来ることになったの」と続けて大葉たいようの左手に自分の指を絡めると、きらりと光るペアリングを懇乃介こんのすけに見せつけた。

「五代くんにもきっと、私たちみたいにかけがえのない相手が出来るって信じてる」

 羽理の言葉に、大葉たいようが「羽理っ」と感極まって、懇乃介こんのすけが「荒木先輩。俺にはもう、絶対に脈はありませんか?」と眉根を寄せる。

 羽理うりはそんな懇乃介こんのすけにコクッとうなずいてみせると、「私、大葉たいよう以外の人を好きになれる気、しないから」と、なんの迷いもなく言い放った。

 羽理の真っすぐなまなざしに、懇乃介こんのすけは一瞬だけグッと唇を噛んでから、「屋久蓑やくみの副社長、荒木あらき先輩。俺も……お二人の結婚式には招待してくださいますか?」とちょっぴり悲しそうな顔をして微笑んだ。

 大葉たいようがそんな懇乃介こんのすけに「もちろんだ」と存外穏やかな気持ちで答えられたのは、きっと羽理の揺るぎない言動のお陰だろう。



***



「でね、仁子じんこ。ここからが重要なんだけど」

 羽理うりがひそひそと声を低めてすぐ横を歩く仁子に切り出すと、
「ここの神社に住まう猫ちゃんに会ったら、美味しい食べ物をあげるんです」

 同じく仁子を挟むように反対側を歩いている杏子が続けて、大葉たいようが「その後で猫っぽい婆さんから縁結びのお守りを買ったらな、気になる相手へ二つあるうちの片割れ猫をもぎ取って渡すんだ。そしたら多分、信じらんねぇことが起こる」とククッと笑った。

「あ。そういやぁ詳しく聞いてなかったが、岳斗たちにももちろんあったよな?」

 何が、とは告げずに羽理と仁子の頭を越えた先にいる杏子と岳斗を見詰めたら、杏子がぶわりと真っ赤になって、岳斗が「あ、あれは……何でお風呂場なんですかね?」と苦笑してみせる。

 それで確実に杏子と岳斗の身にも、自分たちと同じ現象が起こったと確信した羽理と大葉たいようだったのだけれど――。

「何の話なんですかぁ~」

 仁子のスポーツバッグをたずさえたまま、四人の後ろをぴったりとくっ付いて歩いている懇乃介こんのすけが仲間外れはイヤだとばかりに抗議の声を上げた。
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