【完結】【R18】あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜

鷹槻れん

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50.Epilogue

身バレ!?

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「貴女のお名前、なんにしようか?」

 助手席で仔猫をひざに載せたまま、羽理うりが新入りちゃんの呼び名を何にすべきか悩んでいたら、大葉たいようからいきなり、「なぁ、トマトとかどうだ? ウリちゃんがキュウリで、野菜繋がりだ!」と、とんでもない提案をされる。

 羽理は夏の、と一緒に告げられたトマトに思わずテンパって、「はダメです! になっちゃいます!」とか言わなくてもいいことを口走ってしまった。

「……何でお前と同じなんだ。お前はトマトじゃなくて羽理だろう?」

 大葉たいようのキョトンとした声音に、 ハッとして口をつぐんだ時には後の祭り。

「あー、それで思い出した! 前にお前、〝ナツノトマト〟がどうのって口走ったことがあっただろ? あれ、あとで検索してみたら、結構面白い小説を書く〝夏乃トマト〟っていう、同じ響きの名を持つ書き手がいたんだ。……ひょっとして知り合いか?」

 大葉たいようにさらりと「お前もWeb小説書いてるとか言ってたもんな?」と付け加えられた羽理は、「こ、この子の名前、オクラにします!」と、大葉たいようの言葉を無視して畳みかけるように口走っていた。


 そんな羽理の様子を見て、さすがの大葉たいようも先程からの挙動不審極まりない羽理の言動と照らし合わせて、(夏乃トマトはうちの嫁だな)と確信したのだが、本人には言わずにおいた。

(こっそりファン登録しておこう)

 そう思ったからだ。


***


 夏祭りの日に入籍してほどなく、式をするより前に移り住んだ居間猫いまねこ神社に程近い庭付き一軒家での生活にも大分慣れた大葉たいようたちだ。

 入籍日にお迎えした三毛猫オクラも、今ではすっかり先住犬キュウリと仲良し。新居で二匹楽し気にじゃれあっては、気が付けばくっ付いて眠っている。


 十一月二十二日に無事挙式を終え、ホッと肩の荷を下ろして年末年始を新婚気分でまったりと過ごして一月も二十日はつか を過ぎた頃、大葉たいようが作ったご飯を羽理うりが食べられなくなった。

 まさか悪い病気では……とオロオロする大葉たいように、「そういえば私、生理がきてません」とか羽理がぽやんとつぶやいて、慌てて妊娠検査薬を試してもらったら陽性だった。

 心配でたまらなくて、「一人で行けますよ?」と羽理が言うのを無視する形。仕事を抜け出して付き添った産婦人科で、医者から妊娠五週目。しかも双子だと聞かされた時には心底驚かされた大葉たいようだ。


 あの御守の真ん中にいた仔猫二匹は、どうやらウリちゃんやオクラではなく、自分たちの元へ生まれてくる予定の子供達との未来予想図だったらしい。


「やっぱり居間猫神社の御神力ごしんりきはすごいです!」

 羽理の言葉に、大葉たいようが(だからわざわざ神社の近くに家、探したんだよ、俺は)と心の中でつぶやいたと同時、羽理が「あ。そういえば」と嬉し気に笑った。

五代ごだいくんに年上の彼女ができた話、しましたっけ?」

 どうやらあの夏祭りのあと、担当している営業先で受付嬢から呼び止められて、「御守です」と猫のストラップを渡されたらしい。

「マジか」

「はい、マジです」

 クスクス笑う羽理をギュウッと抱き締めて、大葉たいようは(居間猫神社、すげぇな)と思った。
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