【完結】【R18】崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜

鷹槻れん

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(21)解毒*

遅くなってすまなかった

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高嶺たかみね!? 何故お前がここに!?」

 驚きの余りだろうか。風見かざみが上司であるはずの高嶺たかみねじんのことを呼び捨てにして。

 じんはそれを完全に無視すると、風見が何か言い募るのも聞かず大股でソファへ近付いた。そうして無言のまま風見を掴み上げて天莉あまりから引き剥がすと、投げ捨てるように床へドサリと転がしてしまう。

 本音を言えば、追い討ちで一・二発ぶん殴るか、蹴り飛ばすかして制裁を加えてやりたかった尽だ。
 だが、ここへ突入する際、尽は直樹から【決して誰にも暴力を振るわないこと】を散々約束させられたのだ。

『お前がそんなことをしようものなら、減刑の材料にされかねない。相手が許せないと思うなら、絶対に手を上げたりするな! 分かったな!?』

 勤務時間内であったにも関わらず、あえて直樹が秘書としてではなく、友として忠告してきた言葉に、尽はグッと奥歯を噛んで了承した。

 『もしそれを守れないようなら、突入はお前には任せられない。僕が行く』と言い切られてしまったのもある。

 室内にいる天莉の状態が分からなかったから、いくら信頼している直樹相手でも、これ以上自分以外の男を中へ踏み込ませたくないと思ってしまった尽だ。

 もちろん、何の防御もなくいきなり自分が天莉と対面するのだって、本当に正解かどうかも分からなかった。けれど、少なくとも辛い思いをしているであろう天莉の姿を、これ以上他者の目に触れさせたくなかったのだ。

 はやる気持ちを抑えるようにして、室内へ押し入ってみれば、幸い天莉はまだ服をまとっていてくれて。

 素肌に直接ワンピースを着ず、下着でワンクッション設けていてくれたことが不幸中の幸いと言うべきか、背面のファスナーを完全に下ろされていても尚、天莉あまりの肌はむき出しにならずに済んでいた。

 でも――。

 本来ならばそんな姿でさえ、他者に見せるようなものではない。

 じんだって、自分以外の人間が天莉のあられもない姿を目にしたんだと思うと、腹立たしさにはらわたが煮え繰り返りそうなのだ。

 そんな無体を強いられた天莉の気持ちを思うと、こうなる前に駆けつけられなかった自分の愚かさに心底腹が立つ。

 風見を押し退けるなり見えた天莉の泣き濡れたかんばせから、相当怖い思いをさせられたのだと悟った尽は、愛しい女性をこんな目に遭わせた者達全てを地獄へ突き落してやりたいと思った。

 そうして、その処罰対象の中には天莉を危険から守ってやることが出来なかった自分も含まれていると思った尽は、グッと唇を噛んで己の不甲斐なさを悔やみながら、スーツのジャケットを脱いで天莉を覆い隠してやる。

「……遅くなってすまなかった」

 ジャケットで包み込むようにして壊れ物を扱うみたいにそっと天莉を抱きしめたら、尽の腕の中、天莉が涙に濡れたまつ毛を揺らしながら不安げに尽の方を見上げてきた。

「……め、なさ………」

 そうしてボロボロに傷ついているにも関わらず、懸命に声にならない声で尽に謝罪の言葉を述べようとする。

 『ごめんなさい』のたった六文字すらうまく紡げないことがもどかしくてたまらないという風に、今にも再び泣き出してしまいそうな顔をする天莉に、尽は胸がギュッと締め付けられて。

 それと同時――。
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