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お姉さま
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「さ、ユキの受付番号は何番かな?」
「あ、324番です」
「私相手に緊張するなよ、友達だろ?」
わ、急に恥ずかしいこと言いだした! 女子校だったらモテるタイプ……ここ女子校みたいな環境じゃん! もしかしてお姉さま呼びでも許される世界か!?
そんなことを考えているとは知らないであろうアンリは私の代わりに受付を済ませてくれるみたいだ。
……さすがに読心術とか使えないよね? ちょっぴり怪しい感じもするけれど。
「流石に読心術はまだ使えないよ。空気を読んでるだけ」
「うわっ、びっくりした」
どうやら受付は終わったようで、アンリは部屋のカギとなにかの書類をもって私の真後ろに立って耳元にささやきかけるという、お姉さまにのみ許される技術を使ってきた。残念ながら胸は当たってない。どうして……どうして……。
というか、だ。
「また心読んだでしょ」
「読んでないよ? ユキはわかりやすいからね」
「私たち今日が初対面のはずなのになぁ……」
なんだか幼馴染みたいな距離感なんだよなぁ。別に悪いことじゃないんだけど。
「そんなことより、私たち同じ部屋だって。ルームメイトとしてこれからもよろしくね」
「あ、うん」
相部屋の3人のうちの1人が仲良くなれたアンリだったということは素直にうれしい。
「壁……じゃなかった、盾……でもなかった、通訳としての仕事を期待してるね」
「……およそ友達に対する期待でもないんだけど……まぁいいか」
「細かいこと気にしてると彼氏できないよ?」
「あ、私婚約者いるから」
「……」
「……? どうした?」
「…………」
は?
「あ、324番です」
「私相手に緊張するなよ、友達だろ?」
わ、急に恥ずかしいこと言いだした! 女子校だったらモテるタイプ……ここ女子校みたいな環境じゃん! もしかしてお姉さま呼びでも許される世界か!?
そんなことを考えているとは知らないであろうアンリは私の代わりに受付を済ませてくれるみたいだ。
……さすがに読心術とか使えないよね? ちょっぴり怪しい感じもするけれど。
「流石に読心術はまだ使えないよ。空気を読んでるだけ」
「うわっ、びっくりした」
どうやら受付は終わったようで、アンリは部屋のカギとなにかの書類をもって私の真後ろに立って耳元にささやきかけるという、お姉さまにのみ許される技術を使ってきた。残念ながら胸は当たってない。どうして……どうして……。
というか、だ。
「また心読んだでしょ」
「読んでないよ? ユキはわかりやすいからね」
「私たち今日が初対面のはずなのになぁ……」
なんだか幼馴染みたいな距離感なんだよなぁ。別に悪いことじゃないんだけど。
「そんなことより、私たち同じ部屋だって。ルームメイトとしてこれからもよろしくね」
「あ、うん」
相部屋の3人のうちの1人が仲良くなれたアンリだったということは素直にうれしい。
「壁……じゃなかった、盾……でもなかった、通訳としての仕事を期待してるね」
「……およそ友達に対する期待でもないんだけど……まぁいいか」
「細かいこと気にしてると彼氏できないよ?」
「あ、私婚約者いるから」
「……」
「……? どうした?」
「…………」
は?
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