愛の照明

長井瑞希

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 AVもびっくりなレベルでケツが迫ってきたときは恐怖を感じずにはいられなかった。微妙にモザイクが薄いのは何の嫌がらせなのか。そこのリアリティはいらないんだよ。

 しかし、本当に90分ぶっ通しで映画を一作品見た感想としては、これ金〇ロードショーとかでやればいいのにな。……あぁ僕はム〇デ人間に染まってしまったんだ、という諦念にも似た何かだった。

 ちなみに、発想が狂気的なだけであって一般的なホラー映画とはまた違った映画だったということは声を大にして言いたい。もしかしたらこれはホラーではなくドキュメンタリー?

 で、映画が終わった後は、なぜか日本刀を作る映像が妙に高画質で再生され始めた。若い女性が炉の前で槌を片手に鋼を鍛えていたけれど、あれって免許とかいるんじゃなかったっけ? 女性パイロットとか宇宙飛行士とかは聞いたことあるけど鍛冶師はしらなかったなぁ。

 妙に既視感がある炉だったり、なぜか女性を手伝う弟子がいなかったり、そもそも映画が終わったんだから拘束と機材のもろもろを外してほしいなんて思ったのだけど、まぁ映像はそこそこ引き込まれる内容だったし、ユーチ〇ーブでもニ〇ニ〇動画でもないんだから連続再生の機能なんてないはずだし、つまり彼女は意図的にこの映像を見せているというわけで。そう思ったら些細な疑問なんて横に置けるものだった。

 ……さすがにあのおぞましい映画が全世界に無料公開されてるなんてことはないよね? 僕は嫌だよ、これを見た人間が感化されて似たような事件が起こるのは。

 ともあれ流石に映画ほどの尺はなかったようで、きれいな日本刀を打ち終えた後はわら人形を居合抜きで真っ二つにして暗転。今度こそ本当の終わりらしいことを悟った。体感20分。結構長かったよ?

 と、彼女が近づいてくる気配を感じた。物音がかすかに聞こえたってだけだけど。

「や、思ったより準備に時間がかかっちゃってさ。やっぱり慣れないことはするもんじゃないね」

「別に僕が手伝ってもよかったんだよ? むしろ手伝いたかったまであるよ? まぁ映画も見てみたら面白かったけどさ」

「サプライズだから」

「いやこの状況でサプライズ云々を言い続けるのは割と無茶なんじゃないかなぁ……」

 サプライズパーティーするからこっち来ないでって言うポンコツは実在した。それとも計画は露呈したけど強引に押し通すわがままお嬢様っていうべきなのかな?

「とりあえずヘッドホンとかは外すね」

「いや手錠さえ外してくれればあとは自分でやるんだけど」

「それはまだダメ」

 え、まだダメなの?

 ヘッドホンとVR装置は無事に外された。僕の視界に入ったのはアイマスクと……え?

「いろいろ突っ込みたいんだけど、その手に持っているものは何かな?」

「アイマスクだね」

「じゃあ反対の手に持ってるのは?」

「ボールギャグだね」

「よしわかった、話し合おう」

「まぁまぁ」

「いやなんで慈愛に満ちた顔でボールギャグを……」

 その先の言葉を口に出すことはできなかった。なぜかって?


 ボールギャグをつけられたからだよ。アイマスクもついでにね。
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