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6。船に潜り込みました
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「はあぁぁ~、あれ、バレたら絶対怒られるよねぇ……」
適当に潜り込んだ貨物船の船倉で携帯食を齧りながら、私はガックリと項垂れていた。
うん、ダメだ。あれは本当にダメなやつ。
折角の風光明媚な保養地が、一瞬のうちに草一本生えていない荒野になってしまった。
天国のお祖母様申し訳ありません。シーナはまた魔法でやらかしてしまいました。
死んでからいっぱいいっぱい謝りますので、今はちょっと見逃してくださいゴメンなさい。できたら祟ったりとかも勘弁してください。
うろ覚えの祈りのポーズで思いつく限りの謝罪の言葉と命乞いを口にする。
お祖母様は出奔した母の代わりとなって面倒を見てくれた恩人なので、心情的にこのまま放置はできないし。
それに今回のコレはちょっと……いやかなりやりすぎた感があったので、お詫びとして私が今まで稼いだアルバイト代を自室にそっくり置いてきた。
置き手紙の中にも『お金は別荘地の景観回復に使用してください』と書いたから、きっとお父様がなんとかしてくださるはず!
ちなみに私のアルバイト先はお父様やお兄様の所属する宮廷魔道士団である。
子供だから正式な魔道士としては所属していなかったのだけど、非公式ながら特別にアルバイトとして雇ってもらっていた。
そんなことができた理由は親の七光り……もあったのかもしれないけど、一応私が特殊なギフト持ちーー“魔女”だから。
ギフトの恩恵の一つで私は他人から見れば無尽蔵ともいえる程の魔力を持っていて、その大量に余っている魔力の譲渡が主な仕事内容だった。
多すぎる魔力は放置すると暴発しやすくなるから、このバイトはこちらとしても願ったり叶ったりのありがたーいお仕事だったのである。
あとはたまにだけど魔道士団総出で遠征に行く際、王都の防御結界の展開と維持をやったりとか。
他にも魔道士団で使う魔道具の開発や、新人さんへの魔法の講義、皆さんの制服への魔法付与etcetc……まあ暇さえあれば働いてた。だって王妃教育なんかよりずっと楽しかったし。
おかげでバイトなのに破格のお給金をもらっていた。
でもさすがにお父様よりもお給料が高いのはもらいすぎだと思うのよね。
魔力譲渡とか、一回で金貨十枚だった。これはお兄様の月給とほぼ同額。
いつも多すぎるから減らして良いって言ってるのに、全然誰も聞いてくれなくて。みんな妥当な金額だと言って譲らないの。
あれよね、子供の意見だからって軽んじられていたんだよきっと。
おかげでお金の使い道もなくて貯まる一方だったけど、今回のことで有効活用できそうだ。
まあ元の素敵な場所に戻るのには何十年か掛かりそうな長期プロジェクトになっちゃうけど、その期間事業を通じて領民にお金が回ることにもなるし。
ーーってことにすればきっとそんなに怒られないよね? うん、無問題! 言い訳はこれでバッチリだ。
そんな一人脳内会議を終え、携帯食を食べ終わって手を払うと、私は自分に“透明化“を掛けて外に向かって歩き出した。
昔読んだ絵本で『貨物船に潜り込んで荷物に紛れて島に向かう』ってくだりが気に入っていたので真似してみたんだけど、全然楽しくない。
真っ暗で薄気味悪いし、当然揺れるし、積荷同士がぶつかったりで音も結構うるさい。何より暇だ。
絵本の主人公は六日六晩船底にいたって書いてたけど、よく飽きなかったわね。ネズミと話していたとでもいうんだろうか。
魔女のギフトじゃなくて、動物と話せるスキルでも欲しかったな。
せめて夜風に当たりつつお月見でもしようと、階段を上って甲板を目指したのだった。
適当に潜り込んだ貨物船の船倉で携帯食を齧りながら、私はガックリと項垂れていた。
うん、ダメだ。あれは本当にダメなやつ。
折角の風光明媚な保養地が、一瞬のうちに草一本生えていない荒野になってしまった。
天国のお祖母様申し訳ありません。シーナはまた魔法でやらかしてしまいました。
死んでからいっぱいいっぱい謝りますので、今はちょっと見逃してくださいゴメンなさい。できたら祟ったりとかも勘弁してください。
うろ覚えの祈りのポーズで思いつく限りの謝罪の言葉と命乞いを口にする。
お祖母様は出奔した母の代わりとなって面倒を見てくれた恩人なので、心情的にこのまま放置はできないし。
それに今回のコレはちょっと……いやかなりやりすぎた感があったので、お詫びとして私が今まで稼いだアルバイト代を自室にそっくり置いてきた。
置き手紙の中にも『お金は別荘地の景観回復に使用してください』と書いたから、きっとお父様がなんとかしてくださるはず!
ちなみに私のアルバイト先はお父様やお兄様の所属する宮廷魔道士団である。
子供だから正式な魔道士としては所属していなかったのだけど、非公式ながら特別にアルバイトとして雇ってもらっていた。
そんなことができた理由は親の七光り……もあったのかもしれないけど、一応私が特殊なギフト持ちーー“魔女”だから。
ギフトの恩恵の一つで私は他人から見れば無尽蔵ともいえる程の魔力を持っていて、その大量に余っている魔力の譲渡が主な仕事内容だった。
多すぎる魔力は放置すると暴発しやすくなるから、このバイトはこちらとしても願ったり叶ったりのありがたーいお仕事だったのである。
あとはたまにだけど魔道士団総出で遠征に行く際、王都の防御結界の展開と維持をやったりとか。
他にも魔道士団で使う魔道具の開発や、新人さんへの魔法の講義、皆さんの制服への魔法付与etcetc……まあ暇さえあれば働いてた。だって王妃教育なんかよりずっと楽しかったし。
おかげでバイトなのに破格のお給金をもらっていた。
でもさすがにお父様よりもお給料が高いのはもらいすぎだと思うのよね。
魔力譲渡とか、一回で金貨十枚だった。これはお兄様の月給とほぼ同額。
いつも多すぎるから減らして良いって言ってるのに、全然誰も聞いてくれなくて。みんな妥当な金額だと言って譲らないの。
あれよね、子供の意見だからって軽んじられていたんだよきっと。
おかげでお金の使い道もなくて貯まる一方だったけど、今回のことで有効活用できそうだ。
まあ元の素敵な場所に戻るのには何十年か掛かりそうな長期プロジェクトになっちゃうけど、その期間事業を通じて領民にお金が回ることにもなるし。
ーーってことにすればきっとそんなに怒られないよね? うん、無問題! 言い訳はこれでバッチリだ。
そんな一人脳内会議を終え、携帯食を食べ終わって手を払うと、私は自分に“透明化“を掛けて外に向かって歩き出した。
昔読んだ絵本で『貨物船に潜り込んで荷物に紛れて島に向かう』ってくだりが気に入っていたので真似してみたんだけど、全然楽しくない。
真っ暗で薄気味悪いし、当然揺れるし、積荷同士がぶつかったりで音も結構うるさい。何より暇だ。
絵本の主人公は六日六晩船底にいたって書いてたけど、よく飽きなかったわね。ネズミと話していたとでもいうんだろうか。
魔女のギフトじゃなくて、動物と話せるスキルでも欲しかったな。
せめて夜風に当たりつつお月見でもしようと、階段を上って甲板を目指したのだった。
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