【本編完結】森で遭難しかけたら獣とおかしな人達に囲まれました 〜飼い猫が私を逃してくれません!〜

夕木アリス

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2章

13。自己紹介をして頂きました

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「ま、無礼も失礼もお互い様じゃ。それにお主が考えていることくらい、貴族連中や他国の狸オヤジ共に比べれば可愛いものよの」


気楽に接するが良いぞ、と言われるがそんな無茶な。

「そーだよ、フィア!このバァちゃんに気遣いとかムダだから、普通でいいんだって!」
「向こうが相当に失礼ですからね、何を考えても気に病むことはありませんよ」
「…そこの猫どもは、多少は遠慮というモノを覚えるがよい」

女王様がこめかみをグリグリしながら苦言を呈した。
気持ちはとってもわかる。けど、見た目5歳児の仕草としては頭が痛いってジェスチャーには違和感があるわね。

「だってどうせバレてんじゃん?」
「だからといってイチイチ口に出すでないわっ、このうつけが」

他にも礼儀や常識なんかも丸々欠けておるではないか、と続けるのに、心の中で激しく同意する。

「ふむ、飼い主の方とは気が合いそうじゃの」
「あ、ありがとうございます…?」

お礼を言うところなのか分からないけど、とりあえず言ってダメってことないわよね?


「良い良い、細かい事を気にしていてはわらわとは話せんじゃろ?実は、迷い子と会って向こうの世界の事を色々聞き出すのは、わらわの趣味みたいなものでの。久々にこうして話せるのを楽しみにしておったのじゃ。この猫どものことは見習わんで良いが、普通に話してくれれば嬉しく思う」

そう言ってにっこり笑う女王様。うん、見た目だけなら文句なく天使だわ。なんていい目の保養ーーあっ。

今度はニヤリと笑われてしまった。うう、考えるのをやめるとか無理があるわ。
ああでも、普通に話していいなら、質問したいことが山ほどあるのだけど。

「もちろんじゃ。ああ、長くなりそうなら茶も用意させよう」
そう言って後ろを振り返れば、控えていたおば様ーーたぶんこちらが宰相様なのよね?ーーがメイドさん達を呼んでささっと場を整えてくれた。
テーブルと椅子が設置され、あっという間に紅茶が給仕される。

勧められるままに席に着いてお茶を飲めば、さすが城と言うべきかとても香り高く、美味しいお茶だった。

「ほお、茶の味もしっかり分かるか。これは振る舞い甲斐があるの」

女王様は自分のお茶に口をつけてから、ご機嫌な様子で話出した。


「さて、そう言えばこちらからはまだ名乗っていなかったの。わらわはこの国女王で、エリザベス・ウッド・ブラッドレイじゃ。気安くエリザと呼ぶが良いぞ。隣が宰相のクロエ・ウッド・ブラッドレイ。わらわの娘じゃな」

…………わぁお。何処から突っ込んで良いか分からないくらい、ツッコミどころ満載だわ。どうしましょう。


「お主の世界では女王と言えばエリザベエスと名なのじゃろ?」

先王の時代に来た迷い子達がそう伝えたらしいぞ、と女王様は面白そうに言い可愛らしく首を傾げているがーー。昔の迷い子さん達何してくれてんの。
まあ今は名前を気にしている場合じゃない。


「ええと、エリザベス女王陛…「エリザ、じゃ。様も要らんぞ。敬語も禁止じゃ」」

…サクッと先手打たれたし。

もういいわ。どうせ夢かも知れないもの、気にしたら負けよ。普通にタメ口で話させてもらおう。


「じゃあエリザ。遠慮なく聞かせてもらうけど、貴女なんで子供の姿なの?」

遠慮なくとは言ったが、さすがにストレートに”何歳なの?”とは聞けない。

「わらわはそれでも良いが、連鎖的にクロエの歳がバレそうじゃからの……娘に怒られるのは勘弁じゃ」
確かに宰相様、ものすごくジト目だわ…”絶対言うな”って圧を感じるわね。

「話すと長くなるから詳しいことは端折はしょるがの。むかーし昔に、ちょーっと時空を司る神に喧嘩を売ってしまっての?まあ、良いとこまでは行ったんじゃが負けてしまってのう…それからずっと、わらわには年を取らない呪いが掛かっておるのじゃよ」



ーーーはい?


え、ごめん。情報過多な上に、ちょっと話が壮大過ぎてついていけないです。

誰でも良いから、迷い子でも分かるように噛み砕いて説明してください!
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