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4章
35★ 神との対面
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「なんだココ……本当にこれが家の中か?」
四方を水平線に囲まれた島の、ほぼ真ん中にそそり立つ白い壁。一箇所だけ子供の背丈ほどの小さなドアが設置されている以外窓の一つもないその建物の中は、一面の緑に覆われている。
潜ってきた壁とドア、それに高いガラスの天井以外はほぼ屋外と変わらない空間ーー言ってしまえば森の続きを切り取ったような場所だった。
奥へと続くアプローチ以外の部分は様々な樹々や草で埋め尽くされ、一部の木にはたくさんの果物が鈴なりになっている。
鳥のさえずりがそこここから聴こえ、花々の間には蝶が舞っていた。
「ーーここが神の根城じゃ。神殿の方に豪勢な部屋も用意されておるが、こっちの方が気に入っているようでの。島に居るときは大抵はここにおるはずじゃ」
マゼンタに肩車された状態のエリザが、髪に引っかかる枝を鬱陶しそうに払いのけながらそう説明する。
「ふーん、なんかこれならさっきの壁とかもう要らない気がするけどな。こんなとこに神様がいるわけ?」
「まあ普通の部屋の中に神様が居る方が違和感ありますけどね」
そんな雑談を交えながら石畳の小道を歩いていくと唐突に森が開け、代わりに芝生が広がっていた。
芝生の中央にはレジャーシートほどの大きさのウッドデッキ、さらにその上には馬鹿でかいクッションが鎮座している。
ついでに言うと、クッションには何かがめり込んでいた。
ぱっと見で白い毛玉に見えるそれは『何か』であって、断じて『誰か』ではない。
「……一応確認しますけど……まさかアレじゃないですよね?」
訝しげに問うシアンにエリザは首を横に振る。
「いや、そのまさかじゃ」
「はぁ? あのぬいぐるみみてーのが?」
エリザの言葉に半信半疑ながらも白い毛のはみ出るクッションを見つめる二人。
半分以上埋もれてはいるが、辛うじて三角の耳と、モフッとした太いしっぽがのぞいている。
「形からすると子犬、ですかね。随分綺麗な毛並みですが……」
「うーん、犬というよりは狼なんだけどねー」
可愛らしい子供の声がしたと同時に、クッションからモゾモゾと真っ白な毛玉が這い出してきた。
まあ実際はこれってフェンリルの姿だから狼ともまた違うんだけどーとかなんとか呟きながら、くわぁぁと大きく欠伸をしたその生き物に、肩車から降りたエリザが声を掛ける。
「ようやっと起きたか。ーー久しいの、時空神ジュリアス」
「やあ君かいエリザベス。今日はまた珍しいのを連れているね」
挨拶を交わす幼女と子犬という絵面に、猫達は『これが女王と神様ってどうなっているんだ』と内心盛大にツッコミを入れていた。
四方を水平線に囲まれた島の、ほぼ真ん中にそそり立つ白い壁。一箇所だけ子供の背丈ほどの小さなドアが設置されている以外窓の一つもないその建物の中は、一面の緑に覆われている。
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「ふーん、なんかこれならさっきの壁とかもう要らない気がするけどな。こんなとこに神様がいるわけ?」
「まあ普通の部屋の中に神様が居る方が違和感ありますけどね」
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ついでに言うと、クッションには何かがめり込んでいた。
ぱっと見で白い毛玉に見えるそれは『何か』であって、断じて『誰か』ではない。
「……一応確認しますけど……まさかアレじゃないですよね?」
訝しげに問うシアンにエリザは首を横に振る。
「いや、そのまさかじゃ」
「はぁ? あのぬいぐるみみてーのが?」
エリザの言葉に半信半疑ながらも白い毛のはみ出るクッションを見つめる二人。
半分以上埋もれてはいるが、辛うじて三角の耳と、モフッとした太いしっぽがのぞいている。
「形からすると子犬、ですかね。随分綺麗な毛並みですが……」
「うーん、犬というよりは狼なんだけどねー」
可愛らしい子供の声がしたと同時に、クッションからモゾモゾと真っ白な毛玉が這い出してきた。
まあ実際はこれってフェンリルの姿だから狼ともまた違うんだけどーとかなんとか呟きながら、くわぁぁと大きく欠伸をしたその生き物に、肩車から降りたエリザが声を掛ける。
「ようやっと起きたか。ーー久しいの、時空神ジュリアス」
「やあ君かいエリザベス。今日はまた珍しいのを連れているね」
挨拶を交わす幼女と子犬という絵面に、猫達は『これが女王と神様ってどうなっているんだ』と内心盛大にツッコミを入れていた。
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