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近郊の森5
しおりを挟む「クレイグを裏で操っているヤツはどうしているか知っている?」
エイミーに突っ込んだ事を聞いてみる。
今更だもの。緊急な状況で遠慮は必要ない。どうにもエイミーは何か知っていると思うし。
「撒かれた。と、いうか昨日の夜あたりから所在不明ね。街は出ていないと思うのだけど。門だけが出入口じゃないからね。そもそも追跡する必要はもうないでしょ。来る場所がわかっているんだから」
「あ~、そうだよね。ここで私を捕縛するよう指示したんだよね。このまま転がされていたから回収には来るよね」
「そういう事。まさかアリナを狙うとは思って無かったわ。そんな重要な人物でもないしね」
ぐ・・。そうですよ。私も重要人物だとは思ってはないけど。
ちょっと・・・人より・・ちょっと、特別な能力があるだけで・・一般人ですよ。
でも、いつも通りのエイミーだ。慌てた様子は無いという事はある程度対策はしているんだろうな。
その対策が目の前の酔っ払・・・いや、ギルマスだけどね。
ホント大丈夫?
疑わしそうな私の視線を再度確認したのかエイミーは繰り返す。
「任せろと言うんだから任せているのよ。確かに酔っているけど。昔はちょっとした有名人だったみたいよ」
「・・大酒飲みの大会優勝者?」
冗談のつもりだけど実は冗談じゃない。
どれほどの数の冒険者達がギルマスと飲んで潰れたか。三桁になってから私は数える事を止めている。
今もお酒持参していたら飲み比べで勝負すると言うんじゃないかと結構真剣に思っている。
それほど想像つかないもの。
「あんたね~。聞こえていたらどうすんのよ」
「ダイジョブ、ダイジョブ。耳が遠いから。それにフラフラしているし」
エイミーが盛大に溜息をつく。こつんと頭を小突かれるが全然痛くない。
冗談を言い合いながらも私達はギルマスの動きを追っている。
本当にフラフラしているよね。
あんな足取りで大丈夫なのかしら。
クレイグに無警戒に近づいているけど、武器は何も持っていないし。
クレイグは剣を構えて打ちかかろうとしている。ギルマス相手なのに、その目には何の迷いもないようだ。クレイグも本気なんだろうか?
「剣聖の一番弟子だったみたいよ」
ぼそりとエイミーが呟く。
・・今なんと言った?思わずエイミーを見てしまう。
「あたしも詳しくは知らない。若い頃のギルマスは先の剣聖に認められた人みたいよ。王家や貴族が嫌でこの辺境に逃げて来たみたい。それもひっそりと。あ、これは誰も知らないから内緒よ」
「内緒って・・。エイミーはどこでそんな情報を?」
「職業柄色々調べるのよ。それで知ったの。だから内緒だからね?」
それは無いだろう。疑いの目で睨むもエイミーはこっちを見ようともしない。剣聖ってあの先代の事だと思うけど。当代の勇者様と一緒に魔王に立ち向かった仲間の一人でしょ。
勇者様の剣の師匠でもあった方でしょ?その方の弟子なんですって?
え?
え?
・・・知らなかった。
じゃあ期待していいのかしら?
ギルマスは相変わらず無造作に近づいている。
クレイグには余裕が無くなっているように見える。なんとなく焦っているようだ。
あ、クレイグが打ちかかっていく。
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