46 / 74
世界統一編
特訓6
しおりを挟む
実に面白い。恐らくだが、俺を追い込んでいるようだな。そして其れを指示しているのは、サリアか、ゴンドロスか、サタンの三人の中の誰かだが、可能性が高いのは、サリアか。
兎に角、誰の作戦か分からないが、わざとその作戦に引っかかってやる。
泰斗は屋根の上を飛び回りながら、もうそろそろかな?と予測を立てた。その瞬間、目の前にサタンとゴンドロスが現れた。
来たか!
予想通りである。
「泰斗、覚悟しろ」
最初に動いたのは、サタンであった。
「魔界の炎を受けてみろ」
サタンはそう言うと、右手から黒い炎が飛び出した。黒い炎は一直線に泰斗の元へと向かった。
俺は其れをくるり体をひねり、ひらりとかわした。
「次は俺だ!」
くるりとかわした俺をゴンドロスの大きな拳が襲った。
「喰らえ!」
しかし、ゴンドロスの叫びもむなしく、俺はゴンドロスの拳を受け止め、蹴り上げた。
蹴り上げられた拳は勢いよく上に上がり、ゴンドロスは体勢を崩して、仰向けに倒れた。
其れを横目にサタンは再び攻撃を繰り出した。その光景を見ていた魔族も中距離から攻撃を仕掛けた。
しかし俺は、まるでドッヂボールのボールを避けるように魔弾を避けた。
その隙をヒース軍は見逃さず、一気に突っ込んだ。唯一、ヒース軍の鳥族は、突っ込まず、上空でその光景を眺めていた。
一瞬の隙を見て突っ込んで来たヒース軍に泰斗は体に力を入れ、「ハッ!」という声と共に気合でヒース軍を跳ね除けた。
その一秒後に俺は、上を飛んでいた鳥族を軽く叩き、落とした。
そこまでは計算済みだった。一つ計算外だったのは、九つの尾が俺を襲った事だ。
「・・・クッ!!サリア!」
「空中なら貴方も動けないでしょ?」
やられた。確かにサリアの言う通りだ。空中では自由に動けない俺にとって、この状況は実にまずい。
しかし、それはサリアとて同じこと。鳥族の戦士を落としておいて良かったと、今になって思う。
さてと、ここからどうするつもりだ?
「その顔、どうするつもりなのか考えている顔ね。大丈夫。そんなに難しい事では無いから。ただただ、この九つの尾で、殴るだけだから」
サリアはそう言うと、九つの尾をバサっと広げて、まるでマシンガンのように乱れ打ってきた。
俺は其れを二つの拳で迎え撃った。
拳と尾がぶつかり合う度にドンドンと太鼓のように音と振動が発生した。
ゆっくりと降りながら殴り合うこと三十秒。一旦距離を開けた俺とサリアはほぼ同時に街の屋根に降り立ち、そして、ほぼ同時にお互いに向かっていった。
サリアは焦っていた。理由として三つ。一つ目は、日没まで残り五分ほどということ。二つ目は、この状況に誰も参加せずに、ただただぼーっと傍観しているため。そして三つ目は、二つ目に少し関わってくるが、誰もこの状況に手伝ってくれない為、泰斗に隙が生まれず、押し切れないことだ。故に、
「僕がやるしかない!」
その瞬間、サリアの赤く燃えるような瞳が青く氷のように冷たい瞳へと変化した。その変化は、サリアの髪の毛も同じで、青く滝のような綺麗な髪に変化していた。
今なら、今のこの状態ならば・・・。
「うわあああああ!」
サリアは叫んだ。その迫力に泰斗は表情を変えた。
先程までの攻撃とは明らかに違った。
重く速い攻撃。確実にステータスが上がっている。
だが、
「そこまでだ、サリア。もう、時間切れだ」
サリアは泰斗にそう言われて、西の空を見た。そこには、太陽は無く、空は薄暗くなっていた。
「これにて終了とする」
泰斗のその言葉に、サリア、サタン、ゴンドロスが率いるチームは、泰斗に敗北した。
「さてと、修行は終わったし、サリア。お前を司令官に任命しようと思う」
「は?ぼ、僕が司令官?」
「ああ。文句のある奴は出てこい!」
泰斗のその問いに、この場に居るもの全員、何も言わなかった。
「因みに俺が総司令官となる予定だ」
「しかし、それでも・・・」
サリアは納得出来なかった。自分が考えた作戦の所為で負けてしまったのだ。そんな奴を司令官になるなんて、納得出来ない。
そんな事を考えているサリアに、サタンが声をかけた。
「九尾の女狐よ。お前がこの部隊の司令官に相応しいと俺は思っている。正直、あの作戦は失敗に終わった。そう思っているのではないか?それは違う。お前は俺たちにとても大切なものを教えてくれた。其れは、種族間での協力。そんな考え、俺も含めてこの場全員が思いつかなかった。其れはお前の冷静な判断力があってこそだと俺は思っている。その判断力こそが、この先の戦いで有利に戦う事が出来ると判断する。故に、お前が司令官になれ!」
「でも・・・」
「サリア。俺はこの世に完璧な人間はいないと思っているし、失敗は誰にでもある。人とはその失敗を糧に強く大きく成長すると俺は思う。そんなサリアは、司令官に相応しいから俺は選んだ」
泰斗にそう言われたサリアは、はあーとため息を吐き、改めて皆の方を見た。
「僕が司令官をやる以上、負けは許されないからね!」
サリアは、笑顔で言った。
兎に角、誰の作戦か分からないが、わざとその作戦に引っかかってやる。
泰斗は屋根の上を飛び回りながら、もうそろそろかな?と予測を立てた。その瞬間、目の前にサタンとゴンドロスが現れた。
来たか!
予想通りである。
「泰斗、覚悟しろ」
最初に動いたのは、サタンであった。
「魔界の炎を受けてみろ」
サタンはそう言うと、右手から黒い炎が飛び出した。黒い炎は一直線に泰斗の元へと向かった。
俺は其れをくるり体をひねり、ひらりとかわした。
「次は俺だ!」
くるりとかわした俺をゴンドロスの大きな拳が襲った。
「喰らえ!」
しかし、ゴンドロスの叫びもむなしく、俺はゴンドロスの拳を受け止め、蹴り上げた。
蹴り上げられた拳は勢いよく上に上がり、ゴンドロスは体勢を崩して、仰向けに倒れた。
其れを横目にサタンは再び攻撃を繰り出した。その光景を見ていた魔族も中距離から攻撃を仕掛けた。
しかし俺は、まるでドッヂボールのボールを避けるように魔弾を避けた。
その隙をヒース軍は見逃さず、一気に突っ込んだ。唯一、ヒース軍の鳥族は、突っ込まず、上空でその光景を眺めていた。
一瞬の隙を見て突っ込んで来たヒース軍に泰斗は体に力を入れ、「ハッ!」という声と共に気合でヒース軍を跳ね除けた。
その一秒後に俺は、上を飛んでいた鳥族を軽く叩き、落とした。
そこまでは計算済みだった。一つ計算外だったのは、九つの尾が俺を襲った事だ。
「・・・クッ!!サリア!」
「空中なら貴方も動けないでしょ?」
やられた。確かにサリアの言う通りだ。空中では自由に動けない俺にとって、この状況は実にまずい。
しかし、それはサリアとて同じこと。鳥族の戦士を落としておいて良かったと、今になって思う。
さてと、ここからどうするつもりだ?
「その顔、どうするつもりなのか考えている顔ね。大丈夫。そんなに難しい事では無いから。ただただ、この九つの尾で、殴るだけだから」
サリアはそう言うと、九つの尾をバサっと広げて、まるでマシンガンのように乱れ打ってきた。
俺は其れを二つの拳で迎え撃った。
拳と尾がぶつかり合う度にドンドンと太鼓のように音と振動が発生した。
ゆっくりと降りながら殴り合うこと三十秒。一旦距離を開けた俺とサリアはほぼ同時に街の屋根に降り立ち、そして、ほぼ同時にお互いに向かっていった。
サリアは焦っていた。理由として三つ。一つ目は、日没まで残り五分ほどということ。二つ目は、この状況に誰も参加せずに、ただただぼーっと傍観しているため。そして三つ目は、二つ目に少し関わってくるが、誰もこの状況に手伝ってくれない為、泰斗に隙が生まれず、押し切れないことだ。故に、
「僕がやるしかない!」
その瞬間、サリアの赤く燃えるような瞳が青く氷のように冷たい瞳へと変化した。その変化は、サリアの髪の毛も同じで、青く滝のような綺麗な髪に変化していた。
今なら、今のこの状態ならば・・・。
「うわあああああ!」
サリアは叫んだ。その迫力に泰斗は表情を変えた。
先程までの攻撃とは明らかに違った。
重く速い攻撃。確実にステータスが上がっている。
だが、
「そこまでだ、サリア。もう、時間切れだ」
サリアは泰斗にそう言われて、西の空を見た。そこには、太陽は無く、空は薄暗くなっていた。
「これにて終了とする」
泰斗のその言葉に、サリア、サタン、ゴンドロスが率いるチームは、泰斗に敗北した。
「さてと、修行は終わったし、サリア。お前を司令官に任命しようと思う」
「は?ぼ、僕が司令官?」
「ああ。文句のある奴は出てこい!」
泰斗のその問いに、この場に居るもの全員、何も言わなかった。
「因みに俺が総司令官となる予定だ」
「しかし、それでも・・・」
サリアは納得出来なかった。自分が考えた作戦の所為で負けてしまったのだ。そんな奴を司令官になるなんて、納得出来ない。
そんな事を考えているサリアに、サタンが声をかけた。
「九尾の女狐よ。お前がこの部隊の司令官に相応しいと俺は思っている。正直、あの作戦は失敗に終わった。そう思っているのではないか?それは違う。お前は俺たちにとても大切なものを教えてくれた。其れは、種族間での協力。そんな考え、俺も含めてこの場全員が思いつかなかった。其れはお前の冷静な判断力があってこそだと俺は思っている。その判断力こそが、この先の戦いで有利に戦う事が出来ると判断する。故に、お前が司令官になれ!」
「でも・・・」
「サリア。俺はこの世に完璧な人間はいないと思っているし、失敗は誰にでもある。人とはその失敗を糧に強く大きく成長すると俺は思う。そんなサリアは、司令官に相応しいから俺は選んだ」
泰斗にそう言われたサリアは、はあーとため息を吐き、改めて皆の方を見た。
「僕が司令官をやる以上、負けは許されないからね!」
サリアは、笑顔で言った。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる