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世界統一編
破壊神シヴァ2
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ここはアルハイド領の端にある小さな村である。
この村ではいち早く破壊神シヴァの復活の情報を受け取り、避難の準備で大混乱していた。
「早く急げ!」
この村の村長が大きな声で呼びかける。
「ヴィルデさん!あんたも逃げないと死んじまうよ。店なんかまた建てれば良い!」
「村長さんよ。それは出来ねえ。この店は、俺のお爺さんから受け継いだ店なんだ。その店を手放すなんて考えられないねえー」
四十代後半の見た目の、体格の良いヴィルデという男は村長に向けてそう言い放った。
「ワシはちゃんと言ったからな!死んでも知らんぞ!」
村長はキレ気味にそう言うと、店の扉を閉めた。
ヴィルデは閉められた扉をしばし見つめ、仕込みを始めた。
といっても、誰も来る訳は無い事は分かっていた。いつも来ていた常連さん達も破壊神に恐れて出ていってしまったのだから。しかし其れでも、ヴィルデは仕込みを続けた。
そんな時、店の扉が開いた。
「あの~、すまんが飯を食わせてくれないか?」
入って来たのは、ドロドロのボロボロの服を着た若い男であった。
「まあ、座りな」
ヴィルデの言葉に若い男は、カウンターに座った。
見た事は無い顔であった。
「何にする?」
「ああ。それなんだが、俺お金持って無い!」
「はあ?お前喧嘩売ってんのか?」
ヴィルデは咄嗟に胸ぐらを掴んだ。
「まあ、落ち着け。あとで必ず払うから!絶対に!」
「後っていつだよ・・・」
「この戦いが終わったあとだ」
「はあー。何がこの戦いが終わったあとだ、だよ!信じられるかよ!」
「必ずだ!必ず後で払う!」
若い男はカウンターを乗り上げてそう言ってきた。
真剣だった。嘘を言っていない目をしていた。特に能力があるとは思わないが、商売がてら人が嘘をついているかいないかは目で分かる。
「嘘じゃねえだろうな?」
「ああ!」
「仕方ない!ちょっと待ってろ!すぐに何か作ってやる」
ヴィルデは早速調理を始めた。
五分もしないうちに料理は出来、皿に盛り付け、若い男に出した。
「すまんねえ。おっちゃん」
「早よ食え!料理が冷めちまう」
遠回しに料理を食べるように進めると、若い男は黙々と食べ始めた。
あっという間に食べ終わった男は水を一杯飲み、立ち上がり、店の入り口へ向かった。
「おっちゃん!美味しかったよ。また来るよ。今度はお金を持って」
「必ずだぞ」
若い男はニコリと笑みを浮かべて、扉を開けた。
ヴィルデは、外から入った光に照らされた若い男を見て、まるで神さまのように思えた。
「・・・・・。」
ヴィルデは扉が閉じてからの数秒の間、呆然と扉を眺めていた。
この村ではいち早く破壊神シヴァの復活の情報を受け取り、避難の準備で大混乱していた。
「早く急げ!」
この村の村長が大きな声で呼びかける。
「ヴィルデさん!あんたも逃げないと死んじまうよ。店なんかまた建てれば良い!」
「村長さんよ。それは出来ねえ。この店は、俺のお爺さんから受け継いだ店なんだ。その店を手放すなんて考えられないねえー」
四十代後半の見た目の、体格の良いヴィルデという男は村長に向けてそう言い放った。
「ワシはちゃんと言ったからな!死んでも知らんぞ!」
村長はキレ気味にそう言うと、店の扉を閉めた。
ヴィルデは閉められた扉をしばし見つめ、仕込みを始めた。
といっても、誰も来る訳は無い事は分かっていた。いつも来ていた常連さん達も破壊神に恐れて出ていってしまったのだから。しかし其れでも、ヴィルデは仕込みを続けた。
そんな時、店の扉が開いた。
「あの~、すまんが飯を食わせてくれないか?」
入って来たのは、ドロドロのボロボロの服を着た若い男であった。
「まあ、座りな」
ヴィルデの言葉に若い男は、カウンターに座った。
見た事は無い顔であった。
「何にする?」
「ああ。それなんだが、俺お金持って無い!」
「はあ?お前喧嘩売ってんのか?」
ヴィルデは咄嗟に胸ぐらを掴んだ。
「まあ、落ち着け。あとで必ず払うから!絶対に!」
「後っていつだよ・・・」
「この戦いが終わったあとだ」
「はあー。何がこの戦いが終わったあとだ、だよ!信じられるかよ!」
「必ずだ!必ず後で払う!」
若い男はカウンターを乗り上げてそう言ってきた。
真剣だった。嘘を言っていない目をしていた。特に能力があるとは思わないが、商売がてら人が嘘をついているかいないかは目で分かる。
「嘘じゃねえだろうな?」
「ああ!」
「仕方ない!ちょっと待ってろ!すぐに何か作ってやる」
ヴィルデは早速調理を始めた。
五分もしないうちに料理は出来、皿に盛り付け、若い男に出した。
「すまんねえ。おっちゃん」
「早よ食え!料理が冷めちまう」
遠回しに料理を食べるように進めると、若い男は黙々と食べ始めた。
あっという間に食べ終わった男は水を一杯飲み、立ち上がり、店の入り口へ向かった。
「おっちゃん!美味しかったよ。また来るよ。今度はお金を持って」
「必ずだぞ」
若い男はニコリと笑みを浮かべて、扉を開けた。
ヴィルデは、外から入った光に照らされた若い男を見て、まるで神さまのように思えた。
「・・・・・。」
ヴィルデは扉が閉じてからの数秒の間、呆然と扉を眺めていた。
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