料理がマズいと言われ続けて限界がきたので、もっとマズいものを作って差し上げたら旦那様に泣かれてしまいました

九条 雛

文字の大きさ
2 / 5

第2話:レッツクッキング!

しおりを挟む
 スープにはケチャップとマヨネーズ、そしてトウガラシをたっぷりと入れます。お肉は骨ごと入れましょう。灰汁取りなんてもちろんしません。

「うふふ、うふふふふふふっ」

 私はニコニコと微笑みながら、蛇を丸ごとブツ切りにしました。塩も振らずにフライパンへ投入。皮は剥いたほうがよかったのかしら? 蛇を調理した経験がないので分かりません。

「きゃっ!? あ、あはは、あははははははははっ!!」

 ブランデーを上からかけると、ぼんっと炎が燃えあがりました。一度やってみたかったのです。なんだか楽しくなってきて、私は大きな声で笑い出しました。

 最初に厨房で見かけたときは、蛇なんて怖い。何でこのお屋敷にはこんな食材があるのだろう? 触りたくない……。と思っておりましたけど、やけくそになれば何でもできます。

 私は今まで触れなかった、怪しげな食材を次々と鍋に投入しました。

 これはマンドラゴラ。
 叫んでいる人みたいな変なお顔が素敵です。

 こっちはコカトリスの卵。
 なんだかブヨブヨしています。

 これは何かしら? 動物の爪?
 黒くて大きくて尖っています。

 様々な食材を鍋に投入していると、フライパンの炎が落ち着いてきました。
 中を見ると、生焼けの蛇が表面の皮だけ焦げています。あんなに火が燃え盛っていたのに、なかなか焼けないものですね。やっぱり皮は剥くべきだったのかしら?

 面倒くさくなってきたので、私はそれも鍋の中に放り込みました。
 なんともいえない紫色になった謎のスープが、ぐつぐつと煮立って妙な異臭を放ちます。

「イーッヒッヒッヒ! イイーッヒッヒッヒ!!」

「……え、奥方様?」

 両手を掲げて私が哄笑していると、ふいに背後から誰かの声がかかりました。
 振り返ると、真っ青な顔をした魔族の使用人が立ち尽くしています。

「はい? 何か御用かしら?」

「い、いえッ!? すみませんッ! 間違えましたッ!!」

 尋ねると、すぐに立ち去ってしまいました。
 いったい何を間違えたのかしら? おかしな方ですね。

 私は鍋へと向きなおり、料理の続きに取り掛かります。

「イーッヒッヒッヒ! イイーッヒッヒッヒ!!」

 あ、あれも入れてみましょう。オバケさそりの尻尾の部分。
 ケルビーの肝臓。こっちはペガサスの胸肉ですね。

 ……今日は、デミアルド様のお父様がやって来る、とってもとっても大事な日。

 素敵な料理を食べてもらって、もう私のことを国へ帰らせてもらわなくっちゃ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

無実ですが、喜んで国を去ります!

霜月満月
恋愛
お姉様曰く、ここは乙女ゲームの世界だそうだ。 そして私は悪役令嬢。 よし。ちょうど私の婚約者の第二王子殿下は私もお姉様も好きじゃない。濡れ衣を着せられるのが分かっているならやりようはある。 ━━これは前世から家族である、転生一家の国外逃亡までの一部始終です。

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

2回目の逃亡

158
恋愛
エラは王子の婚約者になりたくなくて1度目の人生で思い切りよく逃亡し、その後幸福な生活を送った。だが目覚めるとまた同じ人生が始まっていて・・・

婚約破棄をありがとう

あんど もあ
ファンタジー
リシャール王子に婚約破棄されたパトリシアは思った。「婚約破棄してくれるなんて、なんていい人!」 さらに、魔獣の出る辺境伯の息子との縁談を決められる。「なんて親切な人!」 新しい婚約者とラブラブなバカップルとなったパトリシアは、しみじみとリシャール王子に感謝する。 しかし、当のリシャールには災難が降りかかっていた……。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...