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第16話 出発
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クラウディオさんとドラゴン部隊を見にヴァルファード辺境伯の所へ行く事を約束してから3日がたった。
今日そのドラゴン部隊を見れるとあって、遠足に行く前の日のように僕のテンションはいつもよりも高く、無意識に鼻歌を歌ってしまう。
<むぅ。あのようなモノ共の何がいいのだ。>
僕の機嫌のよさとは反対に、スハイルは床をバシンバシンと長い尻尾で叩きながら不満を口にする。
クラウディオさんとドラゴン部隊を見に行くという話をしてからスハイルの機嫌が降下していて、昨日なんてクラウディオさんのお家の広い庭で元のフェンリルの大きさに戻り、寝る前にブラッシングをしている効果でふわふわになっている体毛に埋もれさせられたのだ。
「もう、まだそんなこと言ってるの?
スハイルも充分カッコよくてファンタジーな生き物なんだけど、僕のいた所ではファンタジーといったらドラゴンって必ず答えるくらい好かれてたんだよ?」
どうやらスハイルは僕がドラゴンに興味を示した事が気に入らないらしく、3日前からこのように拗ねていて、いくらスハイルのことを褒めても機嫌を直してくれない。
<むぅ。昴広のいうふぁんたじーとやらはよく分からんが、ここではドラゴンよりも俺の方が滅多に姿を見られない魔物として有名なのだぞ。>
スハイルはフスンと鼻息を荒く吐きながら先程よりも強く尻尾で床を叩く。
そんなスハイルを困った子に向けるような目をしながら見つめ、髪を整えてくれている侍女の人に頼み、後ろにある引き出しの中から箱を取り出してもらう。
「スハイル、ちょっとここに来て?」
<む?なんだ?>
渡された箱を侍女の人の邪魔にならないようあまり動かないように机の上に置き、ポンポンと膝を叩きながらスハイルを呼ぶ。
僕の足元の床に寝そべっていたスハイルは伸びをして起き上がると、ポンポンと示した膝の上へと跳躍する。
「これ、僕からスハイルへのプレゼントだよ。」
侍女の人に渡された箱を開け、中に入っていた大きめのダイヤモンドがついたペンダントを取り出す。
「ダイヤモンドは純潔や貞節という石言葉があるから大体の人は恋人にあげることが多いんだけど実は他にも、永遠の絆・至宝の輝きっていう石言葉もあって、僕にとってスハイルはいつまでも続く固い絆で結ばれたとても大切な宝だよって伝えたくてクラウディオさんに頼んで元の大きさでも今の大きさでも大丈夫なように作って貰ったんだ。」
にこっと笑みを浮かべながらスハイルの首にそのペンダントをかけると、スハイルにしては珍しくポカンとした表情を浮かべて固まってしまった。
僕がスハイルと話している間に髪の整えが終わったらしく、僕に断りを入れてから侍女さんが部屋から出ていく。
「スハイルとはまだあって1ヶ月しか経ってないけど、どこに行くにも側を離れずにいてくれて、僕が困ったら助けてくれるしとても感謝してるよ。いつもありがとう。」
<・・・・・・礼などいらん。
召喚獣として当然の事をしているまでだし、俺も昴広のことを大切に思っている。>
俯いてしまったスハイルを優しく撫でながらお礼を言うと、いつものキリッとした頼りがいのあるスハイルの顔をして擦り寄ってくる。
「昴広様、もうそろそろ出発のお時間でございます。」
機嫌が直ったらしくそのまましばらくスハイルを撫でていると、コンコンとノックしながらセバスチャンが呼びに来た。
「はい、今行きます。」
返事を返しながら立ち上がり部屋から出ると、スハイルを腕に抱いたままセバスチャンのあとをついて行きクラウディオさんと合流する。
「おぉ、来たか。
うむ。ソフィーナの見立ては良かったみたいだのぉ。」
馬車の前で僕達が来るのを待ってくれていたクラウディオさんは僕の着ている服を見ながら満足そうに頷く。
リンドグレーンでは不思議なことに西洋の服と東洋の服があって、今日僕が着ている服は女性物の漢服に似ていて、優美な蝶や花々が手の甲まであるゆったりとした袖や裾などにあしらわれている。
「ふふっ。久しぶりに真剣に選びましたもの!
昴広さん、動きにくいとかはないかしら?」
いつもはドレスを着ているソフィーナさんは柄などが違う僕と同じ服を着て、僕の襟元を直しながら問いかけてくる。
「大丈夫です。
初めて着たから袖の長さが長くて気になりましたけど、着てみたらそんなに動きにくくないし邪魔にもなりませんし、僕この服気に入りました。」
ふにゃっと頬を緩ませソフィーナさんに笑いかけると、準備が整いましたという使用人の声が聞こえ、クラウディオさんとセバスチャン、スハイルと一緒に馬車へと乗り込む。
「気をつけていってらっしゃいませ。
セバス、昴広さんの事を頼みましたよ。」
「奥様、お任せ下さいませ。
このセバスチャンが何に変えても昴広様をしっかりとお守り致します。」
ソフィーナさんは馬車に乗り込んだ僕を心配そうに見つめセバスチャンに託すと、セバスチャンはソフィーナさんを安心させるように胸に手をあてながらしっかりと請け負う。
セバスチャンが言うと同時に馬車の扉がしめられ、最後に窓からソフィーナさんに手を振るとゆっくりと馬車が動き出して、ヴァルファード辺境伯の家へと進み始めた。
今日そのドラゴン部隊を見れるとあって、遠足に行く前の日のように僕のテンションはいつもよりも高く、無意識に鼻歌を歌ってしまう。
<むぅ。あのようなモノ共の何がいいのだ。>
僕の機嫌のよさとは反対に、スハイルは床をバシンバシンと長い尻尾で叩きながら不満を口にする。
クラウディオさんとドラゴン部隊を見に行くという話をしてからスハイルの機嫌が降下していて、昨日なんてクラウディオさんのお家の広い庭で元のフェンリルの大きさに戻り、寝る前にブラッシングをしている効果でふわふわになっている体毛に埋もれさせられたのだ。
「もう、まだそんなこと言ってるの?
スハイルも充分カッコよくてファンタジーな生き物なんだけど、僕のいた所ではファンタジーといったらドラゴンって必ず答えるくらい好かれてたんだよ?」
どうやらスハイルは僕がドラゴンに興味を示した事が気に入らないらしく、3日前からこのように拗ねていて、いくらスハイルのことを褒めても機嫌を直してくれない。
<むぅ。昴広のいうふぁんたじーとやらはよく分からんが、ここではドラゴンよりも俺の方が滅多に姿を見られない魔物として有名なのだぞ。>
スハイルはフスンと鼻息を荒く吐きながら先程よりも強く尻尾で床を叩く。
そんなスハイルを困った子に向けるような目をしながら見つめ、髪を整えてくれている侍女の人に頼み、後ろにある引き出しの中から箱を取り出してもらう。
「スハイル、ちょっとここに来て?」
<む?なんだ?>
渡された箱を侍女の人の邪魔にならないようあまり動かないように机の上に置き、ポンポンと膝を叩きながらスハイルを呼ぶ。
僕の足元の床に寝そべっていたスハイルは伸びをして起き上がると、ポンポンと示した膝の上へと跳躍する。
「これ、僕からスハイルへのプレゼントだよ。」
侍女の人に渡された箱を開け、中に入っていた大きめのダイヤモンドがついたペンダントを取り出す。
「ダイヤモンドは純潔や貞節という石言葉があるから大体の人は恋人にあげることが多いんだけど実は他にも、永遠の絆・至宝の輝きっていう石言葉もあって、僕にとってスハイルはいつまでも続く固い絆で結ばれたとても大切な宝だよって伝えたくてクラウディオさんに頼んで元の大きさでも今の大きさでも大丈夫なように作って貰ったんだ。」
にこっと笑みを浮かべながらスハイルの首にそのペンダントをかけると、スハイルにしては珍しくポカンとした表情を浮かべて固まってしまった。
僕がスハイルと話している間に髪の整えが終わったらしく、僕に断りを入れてから侍女さんが部屋から出ていく。
「スハイルとはまだあって1ヶ月しか経ってないけど、どこに行くにも側を離れずにいてくれて、僕が困ったら助けてくれるしとても感謝してるよ。いつもありがとう。」
<・・・・・・礼などいらん。
召喚獣として当然の事をしているまでだし、俺も昴広のことを大切に思っている。>
俯いてしまったスハイルを優しく撫でながらお礼を言うと、いつものキリッとした頼りがいのあるスハイルの顔をして擦り寄ってくる。
「昴広様、もうそろそろ出発のお時間でございます。」
機嫌が直ったらしくそのまましばらくスハイルを撫でていると、コンコンとノックしながらセバスチャンが呼びに来た。
「はい、今行きます。」
返事を返しながら立ち上がり部屋から出ると、スハイルを腕に抱いたままセバスチャンのあとをついて行きクラウディオさんと合流する。
「おぉ、来たか。
うむ。ソフィーナの見立ては良かったみたいだのぉ。」
馬車の前で僕達が来るのを待ってくれていたクラウディオさんは僕の着ている服を見ながら満足そうに頷く。
リンドグレーンでは不思議なことに西洋の服と東洋の服があって、今日僕が着ている服は女性物の漢服に似ていて、優美な蝶や花々が手の甲まであるゆったりとした袖や裾などにあしらわれている。
「ふふっ。久しぶりに真剣に選びましたもの!
昴広さん、動きにくいとかはないかしら?」
いつもはドレスを着ているソフィーナさんは柄などが違う僕と同じ服を着て、僕の襟元を直しながら問いかけてくる。
「大丈夫です。
初めて着たから袖の長さが長くて気になりましたけど、着てみたらそんなに動きにくくないし邪魔にもなりませんし、僕この服気に入りました。」
ふにゃっと頬を緩ませソフィーナさんに笑いかけると、準備が整いましたという使用人の声が聞こえ、クラウディオさんとセバスチャン、スハイルと一緒に馬車へと乗り込む。
「気をつけていってらっしゃいませ。
セバス、昴広さんの事を頼みましたよ。」
「奥様、お任せ下さいませ。
このセバスチャンが何に変えても昴広様をしっかりとお守り致します。」
ソフィーナさんは馬車に乗り込んだ僕を心配そうに見つめセバスチャンに託すと、セバスチャンはソフィーナさんを安心させるように胸に手をあてながらしっかりと請け負う。
セバスチャンが言うと同時に馬車の扉がしめられ、最後に窓からソフィーナさんに手を振るとゆっくりと馬車が動き出して、ヴァルファード辺境伯の家へと進み始めた。
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