異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第四話

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 静かになったマーダ砦に馬車に乗って向かった。もちろん僕は服は着て、オリエッタは着ていない。着させようとしたら、寝ぼけてやった事だろうが右フックをもらった。
 
 
 「お疲れさま、思ったより早かったですね」
 
 「プリ姉ぇが一人で頑張ったッス。半分以上はプリ姉ぇッス」
 
 見ればだいたい分かります。ほとんどの人間が半分になったり、バラバラになってるから。
 
 「プリシラさんとクリスティンさん、ソフィアさん、それにルフィナは?」
 
 「プリ姉ぇは砦の中に入ってまだ出で来ないッス。クリスティン姉さんとソフィア姉さんは回りを警戒しに行ったッス。ルフィナ姉さんは死体の片付けと新しいゾンビの製作中ッス。」
 
 みんなちゃんと働いているんだなぁ。僕も一生懸命だったんだよ。幸いアバラ骨は大丈夫だけど、左の頬が腫れた。
 
 「それとルフィナ姉さんが半分になった身体からはゾンビが作れないって怒ってたッス」
 
 それもそうだね。プリシラさんには言っておかないと。無駄な事をしないで一刺しで殺すように。
 
 「それと戦時団則をお願いしたいッス」
 
 あぁ、あれね。団則で有る「戦闘で興奮した場合は早い者勝ち」っていうあれね。アラナも一刺し欲しいのね。
 
 「僕はもう少し……    戦闘中だから」
 
 「ズルいッス。オリエッタちゃんはもうやったのにズルいッス」
 
 なぜ分かる?    匂いか?    腫れた左の頬か?    さすが猫の亜人だけあって感が鋭いのか。アラナの爪も鋭くて背中に突き刺さるんだよね。
 
 「あの時は二人とも戦闘中じゃなかったから……」
 
 「僕の仕事は終わったッス。ご褒美が欲しいッス」
 
 まだ仕事が終わってないんだよ。これから砦の中に入って物資の確認とか被害状況とか書類を調べたりとか、やる事がいっぱいあるんだよ。
 
 それと上目遣いで見ないで。可愛いじゃないか。この後の事務仕事を手伝ってもらおうかな。シチュエーションは社長と秘書で……
 
 「ミカエル!」
 
 天の助けか悪魔の使徒か。僕の名前はミカエルです。でも、急に話し掛けられてビクッとしたら首を痛めた。プリシラさんが僕を呼ぶ時は二つぐらいの理由に絞られる。
 
 プリシラさんが走って来た。とてもサイズが合っていない小さめなドレスを着て。もう少し清楚な感じで歩いて来たら、どこぞの貴族様と間違えそうなくらいの美しさ……    娼婦って言ったら、首が飛ぶんだろうな。
 
 「アラナ、ルフィナを手伝いに行け。ミカエル、すぐに来い。大変なものがあるぜ」
 
 言葉使いを直したら貴族にランクアップしてもいいね。元がいいだけに勿体ない。プリシラさんは喋らなければ王様の妾くらいにはなれるのに。
 
 「僕は戦時団則の話を……」
 
 「まだ終わってねぇだろ。ルフィナを手伝って来い!」
 
 威圧的な感じがアラナを怖がらせたが、プリシラさんが言う大変なものって何だ?    その体のラインが出るくらいピッタリなドレス姿の方が大変だよ。
 
 「アラナ、ルフィナを手伝って来てね。報酬は後で渡すよ。プリシラさん、見せたいものって何ですか?」
 
 その半分はみ出た乳の事ですか?    もしかして、力を入れたら服から飛び出る乳とかですか?    そのドレスはとても似合ってますよ。
 
 「砦の長の部屋にあるから急いでくれ」
 
 長の部屋?  何か重要書類でも見つけたのかな?    そらなら大手柄だよ。ハートルーク伯爵からの報償金アップも間違いない。
 
 僕はドレス姿のプリシラさんに手を引かれながら歩いた。出来れば、ここは腕を組んで一緒に歩きたい。その胸に腕を当て感触を楽しみたい。
 
 プリシラさんと入った長の部屋は華美なくらい整えられ、テーブルの上には雰囲気の良いローソクとワインが置かれてあった。
 
 「見せたいものってこれ?」
 
 書類でもなく人でもなく、ただ雰囲気のいい部屋。傭兵団の団長としては怒るべきだろう。白百合団の団長としては……
 
 「今日はあたいの番だからね。少し頑張ったよ」
 
 なるほど。だからいつもより早く戦闘が終わったのか。薄々気がついていたけどね。僕の事を「団長」じゃなく名前で呼んだ時から。
 
 「えぇっ~と。その服とても似合ってるよ。綺麗だ。部屋もいいね。頑張ったんだね」
 
 僕より身長の高いプリシラさんの頭を撫でてやると恥ずかしそうに顔を赤らめた。と、思う。プリシラさんの肌は褐色で付き合いが長くないと難しい。
 
 「ちょっと頑張った……」
 
 可愛いじゃないか。服もピチピチでエロさ抜群。胸の大きさなんて揉めないくらい大きい。これはご褒美を奮発するかな。
 
 二人でワインと戦闘食を楽しんで静かな時間を過ごした。で、ベッドイン。さすがにいいベッドを使ってる。クッションもいいし、なにより目の前のプリシラさんがいい。
 
 ドレス姿なんて見慣れないだけに、美しさが三割増し。くびれたウエストが強調されるが、それ以上に胸に目がいく。どうやってドレスの胸元に入れたのか、気になる二つのメロン。皮を剥いて食べる前に、その感触を服の上から味わいたい。
 
 「ミカエルは好きだな……」
 
 好きなんですよ、いいだろう。僕は服の上から優しくメロンを撫で回し熟すのを待った。プリシラさんの声が甘くなって来て、僕は少し乱暴にドレスを下にずらしてメロンを収穫する。
 
 ブルルンと、振るえる胸がこぼれ落ちそうなくらいに見えたのは、プリシラさんの胸の柔らかさか。形のいい胸が僕の前に直下立つ。
 
 僕がドレスを少しだけだが、乱暴に下ろした時に乳房の先に当たったのか「あっ……」っと声が漏れたのを聞き逃してはいない。乱暴なのは良くないが、この後、乱暴になるのはプリシラさんなんだよね。 
 
 詳しくは知らない、人がライカンスロープに変わる仕組みなんて。個人情報だからかな。一言うとプリシラさんが絶頂を迎える前にライカンスロープになった。僕が上で頑張ってる時に。
 
 ライカンスロープになったら極乱暴に僕をベットにねじ伏せ、マウントを取りプリシラさん主導で第二ラウンドが始まる。今度は僕が下、プリシラさんが上。 いや、ライカンスロープが上って言った方がいいね。
 
   ベットが壊れるくらいの激しさに耐え、目の前にはいつでも喰われるくらいの牙のある口、押さえ付ける指の鋭い爪、あえぎ声なんて野獣の咆哮だよ。
 
 
 そんな、上で頑張ってるプリシラさんの右腕に鋭い矢が突き刺さる。
 

 
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