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第百六十六話
しおりを挟む引くことは出来ない。徹底抗戦だ!白百合団を相手に戦うことを避けるのは難しい。
辛勝した僕はクリスティンさんをベッドに寝かせ、次の目標を探す。残念ながらクリスティンさんのレベルアップのせいか、最初の不意打ちのせいか、失神させるには至らなかった。
「……少し休んでいますね」
ごゆっくりどうぞ。力を使わないで頂けるのなら、それより嬉しい事は無いです。僕は服を持ったまま部屋を出た。
次の目標は白百合団の目であるアラナだ。今ごろは見付けているのに、側に行けない事をプリシラさんに怒られているだろう。過度なプレッシャーは判断力を鈍らせる。
僕がクリスティンさんと離れて広域心眼で見れば、アラナも気付いたのかスピードを上げて迫ってきた。アラナ、それはプレッシャーからの解放による油断だよ。
僕は通りの角に曲がって直ぐの所に服を置き、二階の窓の手すりまで飛び上がった。このまま勢い良く角を曲がって入って来たら、上から襲う。
白百合団も目が見えなくなれば撤退もありうる…… そうは行かないかな。相手がプリシラさんだし、それに今回はプリシラさんを至高の存在にする隠れた目的。
広域心眼で白百合団を探せばアラナが今までの事を挽回しようと張り切ってる。罠にはまるとも知らずに……
アラナは焦った。ミカエルの居場所は分かっているのに、そこには行けない。行けばどうなるか分かってる。あの苦しみは今まで感じた事もない。
だがプリシラのプレッシャーも段々と強くなって来ているのを、背中の毛がゾワゾワと逆立てて教えてくれた。
ミカエルとクリスティンの交わる香りに酔いそうなりながら、自分の欲望も沸き上がって来るのも感じていた。
その時、追っている匂いが動きを見せる。団長が一人で移動している。クリスティンはいない。捕まえる、沸き上がる欲望がアラナを加速させた。
アラナはプリシラを置いていく程のスピードでミカエルを追う。一人になって戦う不安よりも背中のプレッシャーよりも、ミカエルにソードガントレット突き刺したい熱情に身が悶える。
「死ぬッス!」
角を曲がり居るはずのミカエルの姿は脱け殻の様に放置された服だけ…… はい、ご苦労さま。僕は二階から飛び降り真後ろに着地。ソードガントレットに気を付けながら抱き締め一気に屋根まで飛び上がった。
「団長、死ぬッスよ」
わがままなアラナを更に強く抱き締めると、パワーで対抗して来やがる。クリスティンさんと違って捕まる気が無いから仕方がないが、屋根の上で暴れたりしたら大変だよ。
僕はクリスティンさんの所まで、左手に流した超振動で普段なら触らない所や、普段なら冗談でナイフが飛んで来る所や、普段なら……
まあ、暴れるアラナを大人しくさせる為に使える力は使いまくった。クリスティンさんの所まで着けば、抱っこしたアラナからのキス攻撃が止まず可愛い女の子が出来上がっていた。
我を忘れてしまっていたアラナもクリスティンさんが居る事に気が付き凍りつく。そのギャップが萌えるね。このまま押し倒してしまいたいが、正気に戻ってくれたなら手間が省ける。
「アラナもプリシラさんと同じ様に怒っているの?」
ベッドの上からシーツを胸元まで上げ、じっとこちらを見ているクリスティンさんに「ここはヤバい所だ」と頭の中で昔の記憶が蘇るアラナ。
「そ、そんな事は無いッス。プ、プリシラ姉さんが楽しそうだったから……」
僕を見る事は無く、クリスティンさんから目が離せないでいる。いつ発動されるか分からない不幸にもの力。しかもいつの間にか裸シーツ姿のクリスティンさんから放たれたオーラは、触れたら死を覚悟するものが漂っているのが分かる。
「それなら終わりでいいですよね」
アラナは無言の返事で首を縦に降った。これで二人は片付いた。あと四人。
「……続きはされないのですか?」
続きはしないよ。アラナは僕の説得が効いたのかクリスティンさんを恐れたのか、今は可愛く震えている。
「……続きをされたらどうですか?」
しないよぉ。アラナとの戦闘は終了。これからはラブ&ピースだよ。それにまだ四人残っている。僕の戦闘はまだまだ続くんだ。
「……続きをされたらどうですか? ……アラナも寂しいですよ」
アラナは怖いだろうけど、ここに置いていくよ。僕が居なければクリスティンさんも怖くなくなるだろうし、後の事は二人で楽しんで下さい。
「クリスティンさん、僕はまだ……」
「……していけ」
心臓発作。抱き締めてるアラナを落としそうに膝を付いて覆い被さったが、何とか床に落とさず抱き止めた。
何をするって言うんだよ。アラナは納得して刀を収めてくれたんだから、話を振り返さないで。心臓発作も止めて。
「ク、クリスティンさん……」
神速のマッサージが役に立つ僕と違って、アラナにはそんなものは無い。胸を押さえて苦しむアラナの鎧を剥がして、僕は胸へ直接胸にマッサージをした。
「……それでいいんですよ。 ……せっかくここまで来たのですから、アラナを可愛がって下さい」
そう言う事か! 続きって言うのは戦う事じゃなくて、盛り上がった身体の火照りの事かよ。別にしなくてもいいんだよ。アラナだってクリスティンさんに恐怖して盛り下がったんだから。
アラナにも声が届いたのか、首を縦に振ったり横に振ったり、誰に肯定か否定なのか分からなくなっていた。
クリスティンさんを見ると冷たい目が、不幸にもを使わなくても心臓に刺さる、動悸が激しくなる。目眩息切れにアラナにキスを。
アラナも驚いたのか目を見開いたが、途端に心臓が楽になる。きっとアラナも同じだろう…… あれ? アラナ目がとろんと、溶ける様な目になってきた。
僕のキスのせいか。たった一回の口付けでアラナを虜にするなんて、僕も成長したんだなあ。クリスティンさんの方を見ると左手でシーツを胸の前へ、右手はこちらに伸ばし空間を掴むような形に。
こいつ翼賛の女神の力を使ってやがる。人の鼓動を速くし、人を操り思い通りにするクリスティンさんの隠し技。
今のアラナは無理やり鼓動を速くさせられ、恋する乙女になっている。こんな使い方もあるんだね。もちろん、対象は僕だけど…… ここでするんですか?
「あ、あの、クリスティンさん……」
「団長、今はこっちだにゃあ」
まあ、いいんだ。少し乱暴だったけど愛がある形だったから。後ろからの立ちバック。あまり時間をかけていられないから、すぐさま神速で突き上げた。
「あんん…ああ…ん…いにゃん…」
身長差が違うアラナを立たせてすると、身体が浮くほどになる。僕は両手でアラナの胸を押さえて、肉棒で支えた。
「あぁぁ…からぁだ…が… うくっぅぅ…」
クリスティンさんとは違った無理矢理感があるけど、アラナに突き刺さった肉棒は、僕の許可が無ければ抜ける事はない。
神速の抜き差し! 神速の心臓マッサージ!
最後までクリスティンさんの不幸にもの力は僕に働き続け。アラナは恍惚の表情を浮かべて静に眠った。
まあ、いいんだ。アラナは可愛いし。
まあ、いいんだ。この後、まだ戦わなければいけないけど。
まあ、いいんだ。 ……いいんだよ。でも、最後まで出しておこう。
僕はアラナをベットに寝かせて服を着た。クリスティンさんが着替えるのを手伝ってくれたのは、嬉しい誤算だ。
アラナの事はクリスティンさんに任せ部屋を出た。残り四人。おっと、その前に別れのキスを。
広域心眼を使えば直ぐに見付ける事が出来た僕は、一番後ろを歩いているオリエッタだけに、見付かる様に姿を表した。
オリエッタは装甲服を着ていなかった。いつもの黒いゴスロリは心眼を使わなくても目立って可愛い。
僕はオリエッタに向かって「こっちにおいで」と手を振った。口に人差し指を当て「静かにね」との身振りも分かってくれたらしく、角を曲がった所を見計らって一人で僕の方に歩いてきた。
「オリエッタも怒ってるんですか?」
「そんな事はないです~。それよりも新しい剣は使ってくれましたか~」
そう言えば説明を聞く前に乱闘が始まったんだっけ。僕が頼んでいたバスターソード並の大きさが無いオリエッタの剣。ショートソードなら少し不安があるんだ。
「まだなんですよ。ちょっと短いし少し変わった形なんですね」
「それはですね~。三人で作ったからなんです~」
三人の合作とは!? ヤバい香りが漂って来たのは日頃の行いからか。オリエッタとルフィナがつるむと、きな臭い香りが…… それにソフィアさんが絡めばヤバいを通り越す香りは鼻炎の僕でも分かるんだ。
「ど、どんなのが、出来たのかなぁ~」
まさか剣からレールガンが飛び出たり、レーザーぶっぱなしたり…… 肉を付けたロッサが出るなら良しとしよう。
「それはですね~」
オリエッタの説明は錬金術と白魔法、黒魔法と専門用語が飛び交い説明書の説明書がいるくらい複雑難解なものだったが、簡単に言えば錬金術で作った魔剣らしい。
やっぱり説明より実戦で使うのが一番だし、聞いた話から最初の生け贄はプリシラさんにしよう。剣のヴァージンキルはプリシラさんに捧げます。待っていて下さい。
「ありがとう。さっそく使ってみるね」
「頑張って下さい~」
残り三人。二人は殺る気で満ちあふれ、一人は殺る気なしと来てれば最初に狙うのはソフィアさんに決めた。僕はオリエッタから面白い物を借りて礼を言った。
やっぱりプロの仕事はこうでなければ。理路整然として無駄が無く効率的。オリエッタはプロらしい仕事をしてくれて、いつも助かる。
「プリシラさんには適当に襲われてやられたと言っておいて下さい」
「襲われてもいないし、ヤられてもいないです~」
それは口裏会わせと言うので、オリエッタに迷惑が掛からない様にする為に言うのだよ。理由なんて何とかなるものだよ。
「ヤられてもないです~」
殺らなくてもいいんだよ、お芝居なんだから。適当に言ってればバレないから「殺られた」って言えばいいんだよ。
「ヤられてないです~」
ゴスロリ服のオリエッタは、くるりと後ろを向きヒップを突き出すように屈んで潤んだ目で僕の方を振り替える。とどめにフリフリのスカートを少し捲り上げて……
てめぇ、それは反則だろ! 一発退場、レッドカードだよ。そこまでされて「はい、さよなら」なんて言える男がどこにいる! 少なくともここにはいないぞ。
だがきっと、これは罠に違いない。プリシラさんの狡猾な罠だ。おそらく各個撃破を狙った僕の体力の消耗を狙っているに違いない。
クリスティンさんもアラナも罠だったんだ。こうしてオリエッタから誘って来るなんて、なんて分かりやすい罠を仕掛けるんだプリシラさんは。
甘いぜ、プリシラ! そんな罠に掛かる僕じゃない。掛かってやるぜ、その罠に! 正々堂々と戦ってやろうじゃないか。
すでに二回戦を戦った僕だが、体力の限界は遠い。いや、仮に体力が限界だとしても、戦わなくてはいけない、戦いがここにはある! 僕はオリエッタのスカートを捲し上げ、オリエッタだけが着ているパンティをずらした。
指で触れば、奥に滑り込んで行く。もう準備がいいなんて、オリエッタのエッチ。僕は構わず呪文を唱え、ショートソードを突き刺した。
「こぉれがぁ…い…!いいぃ…っ」
壁に手を付かせ、膣内を拡張するように突き刺したショートソードはオリエッタの肉壁を広げ攻め続けた。
「いいぃっぐぅ…ぅ… いぃっちゃ…うぅ…」
ゴスロリの服を揺らめかせ、パンパンと肉と肉が打ち当たる音をさせてオリエッタは身体を痙攣させてイッた。
僕はオリエッタを後ろからの抱き上げて、刺さったままのショートソードの扱いに困る。このまま第二回戦をしてしまおうか。
「はぁ… はぁ… もう一度ヤるです~ 次は三角木馬を…」
神速、モード・スリー!
いつになくラブラブな時間をオリエッタと過ごした僕は、三十分も経っている事に服を着る時になって気づいた。
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