異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第二百五十八話

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 超振動の斬馬刀に斬れぬ物は無し。出来れば過去の遺恨も斬りたいが、僕が斬ったのはメリッサ嬢の服だけだ。
 
 
 少しウソです。わざと、皮膚の一番上、ちょっと血が出る位に少しだけ斬った。きっと痛みは無いだろう。今までの剣技の中でも細心の注意を払ったから。
 
 「きゃっ!」
 
 驚かれて良かった。脅かすつもりだったし。これで「貴様ぁ!」とか最初に口に出されていたら治療が遠退く所だった。まだ戻れる、と思う。
 
 ここまでイってしまった人の治療法は思い出すだけなら二つある。一つはショック療法で死に取り付かれてしまったら、新たに死で塗り潰す事がある。
 
 出来れば魔王軍の真っ只中に二人で飛び込んで、メリッサ嬢には自分が本当に死ぬかも知れない状況を作り出す。死ぬよりか生きたいと思えれば成功だが、誰かを守りながら死ぬギリギリの状況に追い込むなんて、神速を持ってしても大変だ。僕が死ぬかも知れないから却下だ。
 
 もう一つは、週に一度はカウンセラーの所に行ってカウンセリングと薬をもらい、用法、容量を守り、健康的な食事と適度なスポーツで生きる事の喜び大地讃歌をスキップして歌いながら生きれれば申し分ない。
 
 この世界にカウンセラーは居ないし、ソフィアさんの様な魔法使いでも精神的な物は治せないから、僕が生きる喜びを教えてあげないと。死ぬ程の苦しみを知り、生きる喜びを知る方法があるとすればそれは……
 
 僕はメリッサ嬢を抱き締め唇を奪った。口の中は舌でなぶり、お互いのヨダレが床を濡らすほどに激しく。
 
 右手は切り口に沿わせて、少しばかりの痛みを思い出させ、左指は伸ばして秘部をまさぐる。あっという間に濡れて来たのは僕のテクニックのせいかな。
 
 「な、何をする!」
 
 腰砕けながらヨロヨロと僕を引き剥がすメリッサ嬢。本気を出していれば離される事も無いが、理由を話す時間があってもいいだろう。
 
 「メリッサ様……  メリッサ様におかれましては、少々お疲れのようです。少し休まれてはいかがですか」
 
 「何を言うか!  戦場で……」
 
 はい、お喋り終了。メリッサ嬢の言葉は僕の触手義手が口に入った事で話せなかった。「オゴ、オゴ」と苦しそうだけど、これから入る物に比べれば細くて楽だろ。
 
 ……
 
 「オゴ、オゴ、オゴ」
 
 ……
 
 「ング、ング、ング」
 
 ……
 
 ヤバい、考えて事をしてヤり過ぎたか。本当はこんな事はヤりたく無いんだ。無理矢理って言うか乱暴な感じは体質が受け付けない。やっぱり愛があってのエッチだろ。これからするのは僕の理解を越える所があるんだ。
 
 「次はこっちだな……」
 
 両腕を縛るように触手義手を伸ばして膝を着かせて自由を奪い、ペティナイフを指の代わりに刺し入れた。喉の奥まで刺さったペティナイフは、呼吸を止めるには充分な大きさで、刺し込んだまま三十秒ほど右手で頭を抑えて中の暖かさを楽しんだ。
 
 死ぬって!  呼吸を止められ苦しみ、頭を振りほどこうと暴れるメリッサ嬢をさらに押し込んで三十秒。  ……だから死ぬって!
 
 「がフッ…  おぉうぇぇ…」
 
 吐瀉物が床に巻き散る。間髪抜き避けた僕にはかからなかったが、辺りを漂う酸っぱい香りがとても嫌な感じだ。
 
 「き、貴様……   アシュタールの侯爵にこんな事をして……  あぶぅぅ、ぐぇ」
 
 はい、うがい。水瓶に入っていた水を口の中に無理に飲ませて「うがい」をさせた。だって汚れた口に入れたくないんだもん。僕って以外と潔癖なんだよね。
 
 「さて、次はどうするか……」
 
 ショートソードのリングカリ。最後に水を吐き終った頃合いを見てメリッサ嬢の口に突っ込みまた頭を押さえた。今度は細く伸ばしたショートソードが喉の奥の奥まで突き刺さり、喉の肉壁をリングカリが掻きむしる。
 
 「オガ…  オガ…  オガ…」
 
 押さえ付けてのグラインド。無理矢理するのって楽しいなぁ。本当に楽しくて心が痛む。こういうのは趣味じゃないんですけど。あぁ、涙を流し始めた。白目も向きそうだよ。
 
 触手義手を離してやっても力無く受け入れるだけ。死んじゃったのかと思ったよ。だけどまだ始まったばかりだから、もう少し頑張ってね。
 
 ──左二番から四番、三本をクロスさせて秘部に潜り込め!
 
 ──隊長!  待ってください!  いくら何でもいきなり指を三本なんてヤり過ぎです!  最初は一本、二番指からがいいと思います!
 
 ──四番!  隊長に意見する気か!
 
 ──具申いたします!
 
 ──なんだ!  言ってみろ一番指!
 
 ──最後には五本の指が入り、秘部内でコークスクリューを行うとしても、初めから三本コークスクリューは後で人権問題で叩かれます。まずは二本で様子を見てからでも遅くはありません。
 
 ──チッ!  分かった。二番、三番指で突入!  内部に侵入後、コークスクリューで肉壁をむしれ!
 
 と、こんな話し合いが指と僕との間で有ったかは定かではないが、触手義手の人差し指と中指は何重にも絡み合ってメリッサ嬢の秘部に分け入った。
 
 「あがぁ…  あがぁ…  あがぁ…」
 
 指の動きも長さも自由に出来る触手義手。メリッサ嬢の中に潜り込み、前後運動に加えて回転運動。前後はあっても回転運動なんて初めてだろ。僕もするのは初めてです。
 
 前後運動をするほどに漏らした様に濡れてくる秘部。口の方はショートソードが刺さったままでの前後運動に、メリッサ嬢も初めての体験だろう。
 
 さすがに可哀想になってショートソードを抜いた。メリッサ嬢は僕の下半身に抱き付き触手義手を喜んで受け入れている様にも見えた。ので、全機突入の指示を出した。
 
 逃げようとしたのか立ち上がるメリッサ嬢の頭突きを避け、右手を回してピクリとも動けない様に抱き締めた。
 
 僕が強く抱き締めれば抱き締めるほど、身体はビクビクと脈打ち過呼吸症候群なのか、口がパクパクと動くだけで言葉さえも発しない。死んじゃったかな?  死んじゃった様なのでベッドに寝かせた。
 
 主よ。この哀れな子羊を神の元に送ります。願わくば安寧を。僕はささっと服を脱いでバスターソードを装備した。
 
 改めて見るとデカい。他人にあれば「凄いなぁ」で終わるものの、自分に付いてると邪魔になるくらいだ。これは人を殴れるサイズだね。
 
 せっかくなので「殴って」みた。本当は起こすつもりで軽く叩くつもりだったのに、扱いづらい大きさだったので、お腹にボゴッと当ててしまった。
 
 「ぐぐぅ…」
 
 もしかして鳩尾に当たったかな?  腹筋を鍛えてないと、息が出来なくなっちゃうんだよね。でも今日は必要以上に乱暴に。治療だから……
 
 「起きたか。死ぬには早すぎるぜ……」
 
 ちょっとイケボを作りながら吐くセリフは、脅すのには充分だった。それよりもメリッサ嬢には目の前にそびえ立つ物が何だか分からない様にも見えた。
 
 「そ、そんな……  そんな……」
 
 メリッサ嬢は一度だけバスターソードの洗礼を受けた事がある。久しぶりに見る僕の相棒はどうですか?  あの時にはリングカリは無かったですよね。しかも、今はリングカリが先端に向かって幾重にも動いている。まるでドリルのように回転をしながら……
 
 「これからどうなるか分かるか……」
 
 首を横に振って否定するメリッサ嬢。そんな時は潤んだ瞳で両手を握りしめ、口の元に持っていってから、首を横に振って欲しい。今の目は、この後に突き刺さる巨大さと、その異様な形態をした物への恐怖の瞳。
 
 「死ぬかもな……」
 
 そう言って無慈悲に突き立てるバスターソード・リングカリは、あてがうのみで突き刺さらない。やっぱり、ランカンスロープ用の武器は人には大きすぎたか!
 
 リングカリの鼓動でクリトリスを弄るだけで、先に進めないバスターソード。三十秒ほど迷って、ペティナイフにランクダウンさせてから、無慈悲に突き立てた。
 
 「ひゃあぁぁ…」
 
 人間には充分な威力を発揮するペティナイフ・リングカリはメリッサ嬢の秘部に突き刺さり、ドリルの様な回転運動を始めた。
 
 「あ…ああぁ…!ががが……!」
 
 道路工事なら、こんな声も出るだろう。ドリルをしっかり持って、アスファルトに打ち付けるドリル。「ワ・レ・ワ・レ・ワ、ウ・チ・ュ・ウ・ジ・ン・ダ」と一度は言ってみたいが、打ち付けられる方から声が出るなんて。
 
 シンちゃんは、もっと可愛らしい声が聞きたい。「あはん」とか「うふん」とか「いやん」とかね。
 
 「だめっ…  だめっ…  はぁひぃぃ…」
 
 「だめっ」は「いやん」と同義語かな。さすがは侯爵様だけあってリクエストに答えてくれる。僕も頑張らないと。ドリルに前後運動を付けてのパワーアップ!
 
 「いぐっ…  いっちゃう…  いぐっ、いぐっ、いぐっ」
 
 前後運動に合わせての合唱なんて流石侯爵さまだ。このままイってもらおう。ドリルの回転を上げて、さらに前後運動も早めたら「いぐぅぅぅっ」と叫んでイってしまった。あまりにも早いので、シンちゃん不満足。
 
 「ほら、まだまだ……」
 
 ビクンビクンと身体を震わせて、快楽を貪るメリッサ嬢に超高速回転のリングカリ・ドリルを始めた。
 
 「ま、待って…  イったばかりで…   はひんっ!」
 
 メリッサ嬢の中はどうなっているのだろうとの思い遣りは、重い槍に代わって回転を加えて突き刺さる。
 
 「ひむっ…  ひむっ…  ひむっ…」
 
 ひむっ?  ひふ?  ふむ?  ……死ぬか!?  言葉って難しい。侯爵ともあろう人が、相手に伝わる様に話さないとダメだよ。そんな悪い娘にはお仕置きだな。
 
 「メリッサ、このくらいで死んだりはしませんよ。  ……死ぬのはこれからです」
 
 神速!  リングカリ・ドリル!
 
 一秒と持たずに泡を吹いて昇天するメリッサ。バカは僕の方だったか……  また、何もかもしないうちに終わってしまった。この高ぶった相棒はどうすればいいんだ!

 ……とりあえず起こすか。
 
 軽く頬を叩き、正気に戻すも目の焦点が合ってない。あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、相棒もフラフラ……  目覚めの一本!
 
 「イぎっ!  あっ、あっ…  ミ、ミカエル…  もう…  ムリで…」
 
 ただの神速だけ!
 
 「あぁ…あぁあああ…ぁっ!ん…んっあああ…あ……ぁああ!んっ」
 
 おっと、神速の五秒は耐えたか。そして身体の曲線美を見せ付け沈んで行くメリッサ嬢。首だけで上半身を支えているなんて、鍛えているんだなぁ。
 
 そしてまた頬を優しく撫でるように叩く。  ……起きない。そしてまた叩く。  ……起きない。そして今度は突き上げる。神速とリングカリ・ドリルの合わせ技で。
 
 「いい…いぃっ!ぐぅ…ぅっ!っ…い……ぃっぐうぅう…っっ…!」
 
 ちょっと何を言ってるのか分かりません。起きたのなら「おはよう」の一言があってもいいのに、また眠りに付いた眠り姫。起こしに行く、白馬の王子。
 
 ペティナイフだけでリングカリはさせない。ゆっくりと、ゆっくり優しく起こすシン王子様。目覚めるメリッサ姫に優しい口付けを。
 
 「あぁ、ミカエル……   あぁ、気持ち…   きゃふっ!」
 
   ペティナイフをショートソードに変え、洞窟の先にある広場のドアをノックした。
 
 「ミ、ミカエル…  子宮に…  子宮に届いて…  あぁ…」
 
 
 この後、次の日の朝まで刺しっぱなしてメリッサ嬢に「性」と「死」について…… 「生」と「死」について身体に教え込んだ。
 
 飲み込みの早い秘部には……  飲み込みの早いメリッサ嬢はこれからの人生を有意義に過ごしてくれる事だろう。
 
 少し……  疲れた……
 
 「ミカエルさま……  もっと……」
 
 
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