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しおりを挟む「きゅうん、きゅうんきゅうん……(リカルドさん、僕、リカルドさんに包まれたい……)」
籠から一枚ずつ洋服を取り出す。まずは肌着をベッドに持ち込む。シャツ、ハンカチ、寝具、タオルをベッドの上で丸くなるようにどんどん並べる。気付いたら誰もいなくなっていたけど、どうでもいい。
一枚増える毎にリカルドさんの匂いも濃くなっていくのが堪らない。
「わっふうう!(これって!)」
騎士服の上着が籠の底に入っていた。リカルドさんの騎士姿は最高に格好いい。今朝も着ていたけど、予備がいくつかあるのだろう。僕は大物を見つけた悦びに、身体がどんどん熱を帯びていく。
僕が並べた洋服の真ん中に騎士服を置いた。毛がついてしまうことが頭をよぎるけど、セバスチャンが持ってきたなら大丈夫だと自分を納得させる。
「きゅうん、きゅううん(リカルドさん、リカルドさん大好き)」
脱ぎたてみたいな濃い匂いに興奮して、身体を擦り付けた。肌着をあむあむと噛みながら、騎士服に包まれるとリカルドさんに抱きしめられているみたい。すごい落ち着く、すごく興奮する。
「きゅうん、きゅうん!(リカルドさん、リカルドさん!)」
騎士服を着たリカルドさんを思い描き、お尻を高くしてリカルドさんの洋服を気持ちいいところに夢中で這わせた。リカルドさんは、何度もポメラニアンになる僕の昂ったアソコを鎮めるためお尻の開発もしてくれている。
「わっふ、わっふう……(リカルドさん、好きです……)」
平々凡々でモテるなんて縁がなかった僕は年齢と童貞年数は同じ。お尻に触るなんて最初は驚いたけど、リカルドさんの指でほぐされるとすぐに夢中になった。
でも、どんなに僕が気持ちよくなっても、リカルドさん自身が挿入してくれることはない。だから、リカルドさんは僕のお世話をしてるだけなのを理解している。ぶんぶん頭を振って今は考えたくないことを頭から追い出す。
リカルドさんの匂いに僕の匂いを擦り付ける。混ざりあう匂いが嬉しくて、僕が行為に没頭していたその時。
扉が開き、待ち望んでいた人が部屋に入ってきた。
「ユーマ」
「っ、わっふぅ……!(リカルドさん……!)」
リカルドさんが来てくれた多幸感で胸がいっぱいになる。目の前が白く光り、手足の伸びる感覚がやってきた。
「…………えっ?」
可愛いポメラニアンが衣服にくるまっているのと、貧相な身体で裸の僕がベッドでお尻を向けているのでは絵面が全然違う。
「あっ、あ、やだ……! リカルドさん、これは、ち、違うんです……やっ、やだ、待って、待って待ってください……っ」
いつもはポメラニアンの姿で高められてから人間に戻っていた。どこか頭の中に冷静な部分を残したまま、突然すべてを晒してしまった恥ずかしさに涙がこぼれる。
「やだやだ、見ないで……っ」
沸騰するような羞恥に顔が熱い。お尻を隠すこともできず、目の前の騎士服を握りしめて首をイヤイヤと左右に振る。
「ああ、ユーマがこんなことをしていたなんて……」
「っ、ご、ごめんなさい……っ! ち、違うんです、違うから……っ」
リカルドさんのつぶやきに涙がぽろぽろ落ちていく。
こんな裸で、リカルドさんの大量の衣類に囲まれているのを見たら、誰だってドン引きだと思う。いくら保護したからと言って、こんな気持ちの悪いポメガバースを置いておくのは嫌に決まっている。
「あの、ちゃんとこの家を出て行くから……、でも、ちょっとだけ準備させてくださ……」
「は!?」
地を這うような声に、僕の身体がぷるぷる震えた。
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